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第88回(2015年)アカデミー賞

第88回(2015年)アカデミー賞

第88回(2015年)作品賞「スポットライト 世紀のスクープ」第88回アカデミー賞trivia
〜2年連続、演技賞に黒人候補なしで大ブーイング〜

本年度の司会は第77回(2004年)以来、11年ぶりにクリス・ロックの再登板。実は昨年もエレン・デジェネレスに続いて、2番手候補だったが断っていた。第77回の時、司会に決まったにもかかわらず当日までアカデミー賞の悪口をいいまくりど顰蹙。(今でいう炎上商法?)なのに授賞式当日はすっかりおとなしく、客席にいないスターばかりをいじるというチキンぶり。司会は好評といいがたく、本人は「望まれればいつでも(受賞式の司会に)戻ってくる」とご満悦だったが、映画ファンは誰も彼の復帰など望んでいないはずだった。その後、クリスは米タイム誌などで“The funniest man in America(アメリカで最も面白い男)とまでも称されるほどの活躍ぶり。映画も『マダガスカル』シリーズのマーティの声でおなじみ、2014年には監督・脚本・主演をかねた『トップ・ファイブ』がまずまずの評価を受けて、2度目の登場となった。

前年、有力紙されていた『グローリー 明日への行進』が期待されていた監督、主演男優賞ノミネートを逃すのなど、主要部門で黒人候補がひとりもいなかったことが問題となった。アカデミーはそれを配慮したのか今回、司会はクリス・ロック、名誉賞にスパイク・リー(まだ58歳なのに...)を選んだ。だが、1/14アカデミー賞ノミネートが発表されると、またしても監督、演技賞に黒人候補者はゼロ。ツイッターでは#OscarsSoWhite(オスカーは真っ白)がトレンドとなり、昨年以上に物議をかもした。

この結果を受け、スパイク・リーは「(名誉賞授与に感謝しつつも)俳優部門の候補者20人が2年連続白人だけ、なんてありうるのか。私たち黒人は演技ができないとでもいうのか」と語り、授賞式には出席しない意向を表明。ジェイダ・ピンケット・スミス、その夫ウィル・スミスも同様に、授賞式ボイコットを決めた。ラッパーの50セントとタイリース・ギブソンはクリス・ロックに司会を降板するよう求めたことも報道された。

授賞式、オープニングは司会者のモノローグではじまる。授賞式に出席しているスターを適度にいじりながら、作品賞候補作を紹介していくのが通常のパターンだが、今回、クリス・ロックはそれを廃し、約10分間のオープニングモノローグほぼまるまる"白すぎるオスカー問題"に費やした。「毎年、黒人の候補者がみたいのなら、黒人部門をつくればいい。そもそも(白人・黒人はおろか)男女もわける必要ないよ。陸上競技じゃないんだし」と語ったスピーチは概ね好評。厄介な問題を上手く乗り切ったと高い評価を受けた。また、黒人映画特集のコーナーを設けたり、プレゼンターに黒人を多数起用するなど今回の騒動に対しるあからさまな配慮がみられた。だが、肝心の視聴率は平均視聴者数が3430万人。昨年の3660万人を6%、一昨年を16%下回り、過去8年間で最低の数字。今年は『オデッセイ』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『レヴェナント:蘇えりし者』などの大ヒット作もノミネートされており、レオナルド・ディカプリオ、シルヴェスター・スタローンら大スターが受賞有力と言われており、人気歌手のレディ・ガガやサム・スミスも歌曲賞候補にあがっていた。"白すぎるオスカー問題"にクリス・ロックがどういう対応するか注目が集まり、話題性は豊富。ストリーミング視聴の普及などの影響はあるにせよ、候補作品も地味、話題性にも乏しかった昨年より視聴率がさらに下回るとはおそらく誰も予想しなかったに違いない

 "白すぎるオスカー"問題の詳細、所感についてはかなり長くなったこともあり、主要各賞の話題を終えた後で再開します。あくまでメインは本編なので。


 助演女優賞は候補作だけでなく『Ex Machina』(視覚効果賞受賞)での演技も高い評価を受けていたアリシア・ヴィキャンデルが前哨戦で優勢。ただしライバルは強者ぞろい。『キャロル』でケイト・ブランシェットと共演し、カンヌ国産映画祭女優賞を獲得、2度目の候補となったルーニー・マーラ、7年ぶり7度目の候補となったケイト・ウィンスレット、90年代インディペンド映画中心に活躍し、批評家賞を何度も獲得。にもかかわらずアカデミー賞では一度もノミネートされたことがないため、"ハリウッドで最も過小評価されている女優"に選ばれたこともあるジェニファー・ジェイソン・リー、『ミーン・ガールズ』、『きみに読む物語』『シャーロック・ホームズ』などヒット作出演が多いレイチェル・マクアダムスが名を連ねていた。だが、オスカーは下馬評どおりアリシア・ヴィキャンデルの手に渡った。対象作『リリーのすべて』はオスカー好みの耐える妻役。ただし、女性になりたい夫に耐えるんですけど。アリシアはスウェーデン出身の27歳。候補者中最も若く、唯一の20代。やっぱり女優部門は若手が有利なんですね....。



 助演男優賞は本年度演技賞のなかで、最も混戦と呼ばれた部門。主要前哨戦をみても全米俳優組合賞はイドリス・エルバ、英国アカデミー賞はマーク・ライランス、ゴールデン・グローブ賞及びブロードキャスト映画批評家協会賞はシルヴェスター・スタローンと結果がわれた。かつそのスタローンは全米俳優組合賞、英国アカデミー賞ではノミネートすらされていないという状態で混戦ぶりが浮き彫りとなっていた。批評家賞全体としては『ブリッジ・オブ・スパイ』で実在のソ連スパイ、ルドルフ・アベル役を演じ、静かな佇まいで悲哀をにじませた舞台名優マーク・ライランスと『ロッキー』(1976)で主演男優賞にノミネートされて以来、39年ぶりに同じ"ロッキー"役で候補入りしたシルヴェスター・スタローンがほぼ互角の争い。メディアではスタローンの受賞を期待する声が多かったが、オスカーはマーク・ライランスの手に渡った。ライランスは監督のスティーブン・スピルバーグを称賛し、「トム・ハンクスと仕事をしたら受賞に有利?とよく聞かれましたが、答えはイエスです」と述べた。トム・ハンクス、姿見えなかったな。一時期は毎年のように来てたのに。『ブリッジ〜』でトム・ハンクスは候補入り下馬評にものぼっていなかったのは不思議。もう殿堂入りした?トム・ハンクスの候補入りは全部で5回。レオと一緒だよ...。



メディアはマーク・ライランスの受賞をまるでサプライズが起こったかのように報道していましたが、全然サプライズじゃない!妥当すぎるくらい妥当。ぶっちぎりの本命と言われなかったことを不思議に感じたほど。アカデミー賞が"人気投票"でないのならマーク・ライランスが受賞すると個人的に思っていたので、この結果に胸をなで下ろしました。

ちなみにアーノルド・シュワルツェネッガーは「スライ(スタローンのこと)、誰がなんと言おうと俺にとってはおまえが勝者だ。誇りに思う」と動画つきでツイートした。でも、何かエラそうだし、口元ゆるんでいる。(スタローンが負けて)本当のところ嬉しさを隠し切れない...。
Arnold offers Sly words of encouragement after Oscar loss

ブリー・ラーソン 主演女優賞 前哨戦はブリー・ラーソンとシアーシャ・ローナンの一騎打ちだったが、主要映画賞をすべてブリー・ラーソンが勝ったことで一歩抜け出した感。シアーシャ・ローナンは21歳にして2度目の候補入り。まだチャンスは何回でもある?ジェニファー・ローレンスはノミネートされたこと自体、意外と受け止められていた。ケイト・ブランシェットは2度の受賞歴が足かせ。サプライズがあるとすれば大ベテランのシャーロット・ランプリング 。アカデミー賞に関する発言は物議を醸したが、こっそり彼女を支持している人はかなりいると思われるし...。受賞者は下馬評どおりブリー・ラーソンの手にわたった。ラーソンは2005年に歌手としてアルバムを発表、音楽でのキャリアを築こうとしていたがブレイクせず、セカンドアルバムを製作したものの発売されない有様。女優に転身?しオスカーをGET。26歳。やっぱり女優部門は若手が有利なんですね....。



 主演男優賞、本年は不作の年と言われており、例年なら候補入りぎりぎりレベルの演技が受賞を争っているとまで評された。前哨戦でもぶっちぎりの本命は不在だったものの、全米俳優組合賞、英国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞などのメジャー前哨戦をレオナルド・ディカプリオが勝ち抜き、一躍本命に躍り出た。ディカプリオは過去4回の候補入りで受賞本命とみられたことは一度もなかったが、今回はライバルが極端に弱い。かつ出演作「レヴェナント:蘇えりし者」が最多12部門ノミネート、作品賞の有力候補であったこと、全米1.6億ドル超の大ヒットとなっていたことも受賞を後押しした。プレゼンターのジュリアン・ムーアが読んだ名前は下馬評どおりレオナルド・ディカプリオ。最初になぜか共演者トム・ハーディに感謝し、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督、自分を最初にキャスティングしてくれたJones氏、(映画芸術について教えてくれた)マーティン・スコセッシ、そして両親などに謝辞をのべた。そして"「レヴェナント:蘇りし者」が、人間と自然界との関係を描いたもの"と前置きして、"地球温暖化は真実。汚染に加担せず、世界数十億の恵まれない人のために働いているリーダーを支持すべき"と環境問題を熱弁。「この地球が存在して当たり前ではありません。私もこの受賞を当たり前とは思わないようにします」と締めくくった。(このロジック、少し無理っぽくない?)



もうここ20年、"オスカーが欲しくてたまらない感"丸出しだったレオは嬉しさを隠し切れずもスピーチは平静を何とか装っていた。でも平静などヒトカケラも装わなかったのがこのヒト↓

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超ウザい!?ケイト・ウィンスレット様昼メロ劇場。可愛くねえのにお願いポーズ。最後はドヤ顔。お前はレオのママか!

 2015年の作品賞レースは、まず5月に公開された「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が批評家の絶賛を浴びたところからスタート。「マッドマックス」シリーズ、27年ぶりの新作は娯楽性と芸術性を過剰に融合させた作品で、興行的にも成功した。ただし、公開時期が早すぎることと、お世辞にもアカデミー賞好みの内容とは言えないことから年末までには忘れられているという見方も多々あった。

賞レースシーズンが近づくにつれ「スポットライト 世紀のスクープ」を推す声が強くなってくる。長い歴史をもつボストン・グローブ紙の調査報道班スポットライトチームの報道をもとにした物語で、カトリック司祭が行っていた子供への性的虐待を取材する姿を描いた作品。批評家賞でもトップを走っていたが、意外にも「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が健闘し、全くタイプの異なる2作品がほぼ互角の争いをしている状況。「レヴェナント:蘇えりし者」は監督のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ作品「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」が昨年、作品・監督賞を受賞したばかり。さすがに2年連続は厳しいだろうとみられていた。

だが、アカデミー賞の行方を争う上で特に重要といわれる主要映画賞が発表されると少し風向きが変わる。まずゴールデン・グローブ賞で「レヴェナント:蘇えりし者」が作品、監督賞を受賞。決して万人受けする内容ではないにもかかわらず、興行的にも大成功したことが勢いを加速させた。そしてアカデミー賞と投票母体が重なる各組合賞、実質的な作品賞である全米製作者組合賞は「マネー・ショート 華麗なる大逆転」。すっかり影をひそめたと思われた「スポットライト〜」だが、全米俳優組合アンサンブル演技賞を受賞したことでかろうじて有力候補の一角に踏みとどまった。だが、「レヴェナント:蘇えりし者」が全米監督組合賞、英国アカデミー賞作品、監督賞を制覇。一躍、「レヴェナント:蘇えりし者」が最有力候補に躍り出た。一方、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は精力的なオスカーキャンペーンを展開し続けた。「マネー・ショート〜」はサブプライム住宅ローン危機の中で巨額の利益を上げた男たちをコメディタッチで描いた作品。株価下落のご時世を反映し、「マネー・ショート〜」が受賞するという声もあった。いつの間にかメディアは強力なオスカー・キャンペーンを続ける「マネー・ショート〜」と「レヴェナント:蘇えりし者」の2作の争いとみなすようになっていた。

監督賞は結局、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの手にわたる。下馬評どおりなのだが「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が技術賞6部門を受賞、監督賞もジョージ・ミラーか!という雰囲気が高まっていただけに、会場は微妙な空気。かつイニャリトゥが退場を促す音楽を無視して、えんえんとしゃべり続けたことが空気をさらに濁らせた(笑)。悪役のようにすら見え、ちょっと気の毒でしたね。



ステージで観たかったのはこの顔なんだよ!
ジョージ・ミラー アカデミー賞

そして作品賞。プレゼンターはモーガン・フリーマン。監督賞、主演男優賞ときて作品賞も「レヴェナント:蘇えりし者」か、と思いきや、作品賞受賞作として読み上げられた名前は「スポットライト 世紀のスクープ」。トム・マッカーシ監督は「この映画は被害者に声を与えた。アカデミー賞がその声をひろげてくれるはず。バチカンまで届いてほしい。子供たちを守り、信仰を取り戻すときです」とスピーチした。アカデミー作品賞、混戦と言われているときはひたすら映像で勝負している作品より、しっかりした脚本とテーマ性をもった作品のほうが有利に働くことがこの受賞で改めて明白になった。(「レヴェナント〜」と「マッドマックス〜」は脚本賞にノミネートされていない)。神父による子供への性的虐待をカトリックが組織ぐるみで隠ぺいした事件を描いた「スポット〜」が作品賞を受賞したのにカトリック側の静けさが気になる。同性愛者の神父を描いた『司祭』(1994)が全米公開される際、カトリックはデモ行進、TVCFまで流して公開を妨害したのだが...。アカデミー作品賞ですよ!影響力大きいぞ。20年の時を経て考え方が成熟したのか、『司祭』はフィクションだが、『スポットライト〜』は事実を扱っているため下手に騒ぐと逆に不祥事が広まってしまうと考えたのか。と思ったらバチカンは「反カトリック映画ではない。誠実な作品」とこの映画を認め、受け入れている模様。騒いでくれたほうがヒットするのに。

『スポットライト〜』は授賞式トップで発表された脚本賞を受賞しただけで、以降全く存在感を放っていなかったため、サプライズが起きたかのような反応に包まれた。前哨戦をみれば、意外な結果ではないのだが。メディアはレオだ!スタローンだ!黒人問題だ!と騒ぐのに忙しく、作品賞の行方にたいして関心なさそうだったし...。その結果、授賞式の視聴率はまさかの下落。これ、メディアのせいじゃね。個人的にはこの結果に満足しているんですけどね。配給会社は賞レースに実績のないOpen Road Films。映画会社の力関係に惑わされずに選考されたのが好感度高いし。



★  作曲賞はセルジオ・レオーネ監督とのコンビでマカロニ・ウェスタン映画を生み出し、『アンタッチャブル』(1987)、『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)など数多くの映画音楽で知られる巨匠エンニオ・モリコーネが受賞。エンニオは第79回(2006年)既に名誉賞を受賞済みだったが、作曲賞は87歳にして初受賞。通訳をともなってステージにあがり、対象作「ヘイトフル・エイト」の監督クエンティン・タランティーノらに感謝した。タランティーノは会場にいなかった模様。



 歌曲賞は『007 スペクター』から"Writing's on the Wall"にわたった。名前が呼ばれた瞬間、サム・スミスは乙女ポーズで顔をおさえ、共作者ジミー・ネイプスと抱き合ってステージに登壇した。同性愛を公言しているサムは「他の候補者も皆素晴らしい。レディー・ガガもね。最近、イアン・マッケランがゲイをオープンにしてアカデミー賞を受賞した人はいないと語っている記事を読みましたが、私はこの賞を世界中のLGBTの人たちにささげたい。私は同性愛者として誇りをもっている。同性愛者がもっと対等に扱われることを祈っています」とスピーチした。

"Writing's On The Wall" from "Spectre" winning Best Original Song



レディ・ガガは大学内のレイプ事件を扱ったドキュメンタリー映画『The Hunting Ground』の主題歌"Til It Happens to You"でダイアン・ウォーレンとともにノミネートされていた。ガガのパフォーマンスは歌曲賞発表の少し前、しかも曲紹介にバイデン米副大統領が登場するなどアカデミーは明らかにガガの受賞を想定していたと思われるため、ちょっとした番狂わせとなった。

黒人問題でアカデミーのマイノリティに対する扱いが問題とされたことがサム・スミスに有利に働いたと思われる。"持っている"人っているんですね。007映画から2作連続で歌曲賞受賞。それまでひとつも受賞できなかったのに!次の歌曲担当はプレッシャーだな。ダニエル・クレイグが降板の意志を固めたと報道されてますが...。

サムの受賞スピーチは称賛どころかバッシングの対象となってしまった。第81回(2008年)『ミルク』で脚本賞を受賞したダスティン・ランス・ブラックが「ゲイをオープンにして受賞したのは僕が先だよ」と言わんばかりに自分の受賞シーン動画をアップ。またエルトン・ジョンなどの受賞歴もとりざされ、自分が先陣を切ったと言わんばかりのサムのスピーチに批判が殺到した。サムは「ゲイをオープンにしてオスカーを受賞した何番目の男であるかなんてたいしたことではない。LGBTのコミュニティーに光を輝かせたのが重要なんだ」「混乱させてしまったことに謝罪します、ダスティン・ランス・ブラック。あなたの映画をチェックします。」だって...。『ミルク』観てないということは、あの有名なハーヴェイ・ミルクの存在も知らないのかな?LGBTを称えておきながらこれじゃ説得力ゼロ。しかも同じ音楽業界の大先輩エルトン・ジョンまで失念。

サム・スミスって餓鬼はボクが大物であることを知らないみたいだね...
エルトン・ジョン レオナルド・ディカプリオエルトン・ジョン レディ・ガガエルトン・ジョン マライア・キャリー

若干23歳の青年に多くを求めるのは酷かもしれないが、LGBTの人たちは光どころか「コイツはダメだ」と失望したでしょうね....。名指しされたイアン・マッケランは「ゲイを公言している"俳優"の受賞者がいないって言っただけ。だからといってサムの功績がかすむわけじゃない。おめでとう!」と大人のコメント。


 白すぎるオスカーと批判勃発
今回、候補入り有力と言われていた黒人関連作品はラップグループN.W.Aの伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』、『ロッキー』シリーズのスピンオフで、かつてのロッキーの宿敵アポロの息子が黒人ボクサーとしてたちあがる姿を描いた『クリード チャンプを継ぐ男』。結局、ノミネートされたのは『ストレイト〜』は脚本賞、『クリード〜』は助演男優賞(シルヴェスター・スタローン)のみ。監督、主演ともに黒人なのに候補にあがったのはいずれも白人だったことが不満を高めた。EW.comの調査によるとアカデミー会員の高齢白人男性は『ストレイト・アウタ・コンプトン』を観ていなかったという。

俳優部門では主演男優賞でマイケル・B・ジョーダン(『クリード チャンプを継ぐ男』)、ウィル・スミス(『Concussion』)、助演男優賞でイドリス・エルバ(『ビースト・オブ・ノー・ネーション』)らが下馬評に上がっていた。だが、あくまで"下馬評で名前があがっていた"レベルで候補にあがるのは厳しいという見方がもともと強かった。"ノミネート有力"と見なされていたのはイドリス・エルバくらい。彼は全米俳優組合賞、英国アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞といった大きな映画賞全て候補に入っていた。だが、アカデミー賞にもっとも近い選考をするといわれるブロードキャスト映画批評家協会賞でノミネート漏れしていたのをはじめ、他の批評家賞でもあまりノミネートされていない。つまり、今回の"黒人候補者ゼロ"はある程度予想できたことだった。にもかかわらず、スパイク・リー、ジェイダ・ピンケット・スミスは「俳優部門の候補者20人が2年連続白人だけ、なんてありえない」と騒ぎ立て、授賞式ボイコットを表明した。

この批判を受けて会長のシェリル・ブーン・アイザックス(初の有力人種会長)は、「今年の候補者たちの素晴らしい業績を称えたい。その一方、人種の多様性の欠如については心を痛め、共に憤りを覚えています」とコメント。※※少数派や女性の会員を2020年をめどに倍増させる改革案を発表した。

その改革案とは以下のとおり

※※
改革案の具体的内容として
・これまでは1度会員になれば、生涯会員
→投票権は10年越しに更新。10年間映画界での活動がなく、受賞・ノミネート経験者でもなければ投票権なしの名誉会員となる。アカデミー賞受賞者、ノミネート経験者の生涯投票権は変更なし。(来年以降のアカデミー賞より適用)
・アカデミー会員からの推薦によって新会員をきめる現行制度に加えて
世界的キャンペーンをして適任者を勧誘。
・理事会の席を3つ増やし、3年周期で会長が選んだ新会員を入れる。
理事会に多様性を反映させ、次世代のリーダーを育てる。
※※

アカデミー会員の人員構成について公表はされていないが、ロサンゼルス・タイムズの2012年2月の記事によると約94%が白人、77%が男性、黒人、ラテン系はそれぞれ2%、平均年齢は62歳、50歳未満は全体の14%にしかすぎない、という。(アカデミー会員には10年も20年も映画と関わっていないご老人がごろごろいるというのは昔から言われている話。第72回(1999年)でケヴィン・スペイシーが主演男優賞をとれたのはアカデミー会員が多く住んでいると言われる老人ホームをまめに訪問していたから、というのは有名な話。"人種の多様化"とどれだけシンクロしているかは微妙だが、これは英断!どさくさにまぎれて、本来やりたかった改革をやっちゃいましたね(笑)。アカデミー賞の保守性が和らぐと期待される。外国語映画賞なんて老人好みの作品ばかりが受賞してたしね。例えば「おくり(以下省略)」これがもう少し早く実践されていれば、『ブロークバック・マウンテン』が『クラッシュ』に、『ソーシャル・ネットワーク』が『英国王のスピーチ』に負けることはなかったはず...。)

またアカデミー賞候補者以外は現会員の推薦で決まるだけであれば、少数派である黒人や女性、ラテン系などは推薦される可能性も少ないという負のスパイラルに陥っていたということですね。

 白人、黒人受賞経験者らは違和感も...
メディアはスパイク・リーらの主張を一方的に報道し、黒人俳優が2年連続候補入りしなかったことを"差別"によるという印象を植え付けた。
「黒人候補者が出なかった」と「差別、不公平」は必ずしもイコールとは限らない。
映画賞とはあくまで"優れた業績を称える"のが大前提。白人だ、黒人だと最初から区別して選ぶ性質のものではない。

今回の騒動、黒人がみな賛同しているかというとそうでもない。厳しい条件の中、勝ち抜いた黒人受賞経験者にとっては苛立ちを隠せないようだ。

「Ray/レイ」で第77回(2004年)アカデミー賞主演男優賞を得たジェイミー・フォックスは「大した問題じゃない。何で大騒ぎするんだ」とばっさり。「先日、(黒人初のアカデミー主演男優賞を受賞した)シドニー・ポワチエにあったんだけど、彼は"欲しかったのは演技をするチャンスだけ"と言っていた。映画という芸術で、演技をする機会が与えられる。それだけで十分だよ」と語っている。

第63回(1990年)『ゴースト/ニューヨークの幻』でアカデミー助演女優賞を獲得、授賞式司会も4回経験しているウーピー・ゴールドバーグは自身がホストをつとめるTV番組の中で「私は授賞式をボイコットしたりしない。ボイコットすべきは授賞式ではない。人種の多様性を反映していない映画である」と主張した。「人種問題は日常的にあるのに、アカデミー賞授賞式のときだけ問題にするのはおかしい。投票者の大部分が白人であることも問題ではない。問題なのは黒人、ラテン系、女性などのマイノリティが出演する映画を作ろうとしてもサポートしようとする人がいないこと。『アベンジャーズ』みたいな大作で人種の多様性を反映させないと問題は解決しない」ときっぱり。(要は『スター・トレック』のような映画をつくれ!ってことですね。さすがトレッキーで知られるウーピー)

ウーピーが言いたいことはジェイミー・フォックスがいう"演技をするチャンス"そのものが黒人に少ないということだろう。ウーピーは女優引退宣言をして、現在はTV番組の司会をメインに活動しているようだが、引退理由は"単純に出演オファーがこなくなったから"だという。引退せざるをえなくなったのだ。

候補者が白人ばかりになるのは人種の多様性を反映した作品を映画スタジオが作ろうとしないから、つまり黒人などのマイノリティが候補になりうるような作品自体があまり作られていないことが原因。根っこをたどれば"差別"しているのは製作決定権を持つ映画会社であり、アカデミー賞を攻撃するのは筋違い。これは多くの人が指摘していること。

ウーピーは「人種の多様性を反映させた映画を見に行かないことが一番大切」と力説する。この問題についていろんな俳優がコメントしているが、事の本質を一番的確にとらえているのは彼女だろう。その理由は後述する。

"白すぎるオスカー問題"が勃発してから、多くの俳優たちは公の場に登場するたびコメントを求められる。その中で一番センセーショナルに報道されたのは今回、はじめて主演女優賞にノミネートされたシャーロット・ランプリングの発言。「ボイコットなんて白人に対する逆差別じゃないの?黒人俳優は、今回、候補に残るほどいい演技がなかったというだけじゃない?黒人、白人だけでなく、ハンサムだとかそうじゃないとか人を分類したがる人は常にいるものよ。だからといってそれを考慮して、たくさんの少数派が全ての場所にいるべきだと考えなければいけないのかしら」2度の受賞歴をもつ大ベテラン、マイケル・ケインも「(演技の良しあしではなく)黒人だからという理由で俳優に票を投じろというのはおかしい」とシャーロットを擁護する発言をした。確かにスパイク・リーなどの発言をきくと"黒人俳優のためのノミネート枠を確保すべき"とでもいいたげなニュアンスですからねえ。シャーロットの発言は物議をかもし、twitterでも賛否両論にわかれた。シャーロットは「私はすべての演技が公平に審査されるべきといいたかっただけ」と語っている。大御所クリント・イーストウッドは「アカデミーには何千人もの人たちがいるけど、彼らの大半は一度も受賞できないまま終わるんだよ。」と語るに留めている。発言の真意は推測するしかないが、"アカデミー賞というのは、もともと超絶狭き門。門戸そのものが半端なく狭いのに、その狭い範囲内で白人だ黒人だと騒ぐなんてナンセンス"ということか?

ボイコットを主張している人の言い分だけを聞くと候補者リストをずらっとみて「黒人がひとりもいない。そういえば去年もいなかった。ケシカラン」というシンプルな発想をしている印象すら受ける。逆にボイコットを主張している人たちは候補になった白人の演技を全て観た後、"公平な目で判断して"おかしいと言っているのだろうか。(スパイク・リーはかつて映画を観ずに『ジャンゴ 繋がれざる者』を批判したことがある)

※ こっちのボイコットなら理解できます。アカデミー賞授賞式、トランスジェンダーの候補がボイコット示唆

アカデミー会長は"アカデミー賞の会員の人種・性別などの構成が極端であること"、"黒人映画をはじめ、人種の多様性を反映した映画がそもそも少ないこと"などをきちんと踏まえて対応したので、結果としてこのボイコット運動は効果があったのだが、スパイク・リーやジェイダ・ピンケット・スミスは当初、ありえないと感情的に騒いでいただけなのだ。そもそも人種の多様性が反映されたからといって黒人が必ず候補にあがるとは限らない。"公平"に審査されてそのようにみなされたのであれば。もちろん、すべての候補者が黒人になる可能性だってある。"公平"に審査されてそのようにみなされたのであれば。黒人は必ず黒人に投票するとは限らないし、白人は絶対に黒人に投票しないということもない。"公平な審査が行われたかどうか"を人種にわけて語るのは本来おかしな話。スパイク・リーやジェイダ・ピンケット・スミスの抗議方法は"優れた業績をたたえる"アカデミー賞の本質から目をそらしたまま、人種問題にすり替えてしまった印象を受ける。なぜメディアはそのことを指摘しないのか。シャーロット・ランプリングが言いたいことはこういうことだろう。


 クリス・ロックの司会ぶりは概ね好評。でも...
前述のとおり、クリス・ロックは授賞式のオープニング・トーク約10分、まるまる"白すぎるオスカー"問題に費やした。



よくも悪くもアカデミー授賞式の歴史に残るスピーチだと思うのでここに日本語訳を掲載しておきます。
訳は私ががんばってやりました。稚拙な点があればお許しを。

英語原文はここ。Chris Rock's Oscars monologue, full transcript

 長文注意!

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このモンタージュには少なくても15人の黒人がいたね。白人が選ぶ賞にようこそ。
候補者と同じように(黒人を除外して)司会者が選ばれたら、俺はこの仕事にありつけなかった。
今頃、君たちは(昨年の司会者)ニール・パトリック・ハリスを目にしているよ。

それにしても、ワイルドでクレージーな論争が起こったね。ご存知のとおり(俳優に)黒人候補者がいない。
皆が言ってくるんだ。"クリス、アカデミー賞の司会はボイコットしろ!辞退しろ!"ってね。
何で失業者(ノミネートされていない、もしくは招待されていない人)ばかりがそう言ってくるの?
ノミネートされている人は誰も俺に辞退しろなんて言ってこなかったよ。
辞退することについて考えてみたけど、現実的には難しいよね。
そもそも俺が辞退したって、授賞式は行われるんだ。
結局、この仕事が(同じ黒人コメディアンである)ケヴィン・ハートにまわるだけで終わるんだよ。
ケヴィンは会場にきているね(彼を指さして)
彼は映画を極めて迅速につくる。ポルノ映画だってあんなに短時間じゃ作れないよ。

さて、なぜ彼らはあんなに抵抗しているのか?大問題だ。
今年に限って?なぜ?
アカデミー賞は今回で88回を迎えるけど、そのうち少なくても71回は黒人の候補者がいなかったのに。
50年〜60年代を考えてみよう。
シドニー・ポアチエの映画出演がない年は黒人候補者はいなかった。
なのに、なぜ、当時の黒人はそれに抵抗しなかったの?
彼らは現実社会と闘うのに忙しかったからだ。現実とね。
レイプされたりリンチされたりで大忙しなのに、誰がアカデミー賞撮影賞をとったかなんて気にする!?
おばあちゃんが木から吊るされているとき、短編ドキュメンタリー賞の行方をチェックするのは難しいよね。
(黒人候補者がいない年なんていくらでもあったのに)なぜ今年こんな騒動がおこったの?なぜ?
スパイク・リー、アル・シャープトン、ウィル・スミス...みんな怒ってる。
ジェイダ・ピンケット=スミスも怒っている。ジェイダってTVタレントだろ?
ジェイダがアカデミー賞授賞式をボイコットするってことは、俺がリアーナのパンティを拒否することと同じようなもの。
そう、(元々)お呼びじゃないんだよ。まあ、リアーナから誘われたら拒否しないけどね。

でもジェイダの気持ちもわかる。夫のウィル・スミスが“Concussion"でいい演技をしたのに
今回ノミネートされなかった。フェアじゃないよね。
でもウィル・スミスが(駄作として知られる)"ワイルド・ワイルド・ウエスト"で2000万ドルのギャラをもらったのもアンフェアじゃね。

今年のアカデミー授賞式は一味違うんだ。
今年のIn Memoriam(追悼)コーナーでは映画に出掛ける途中、警官から撃ち殺された黒人が出てくるよ。

毎年黒人を候補入りさせたいなら、黒人部門を創設するしかない。
今、既に男女で区分しているしね。黒人も区別すればよい。
そもそも男女でわける意味すらないんじゃね。意味ないよ、陸上競技じゃないんだし。
ロバート・デ=ニーロが"メリル・ストリープがついてこれるようにもっと抑えて演技しよう"なんて思わないだろ。
やっぱり黒人部門をつくるべきだね。
例えば"最高に友好的な黒人部門"とか。18年連続で(黒人コメディアン女優)ワンダ・サイクスが受賞すると思うよ。

みんなが知りたいのはハリウッドに人種差別がいるかってことだろ。
もしいるなら十字架を焼く?レモネードを投げつける?
ハリウッドにいるのは(一般的な意味とは)ちょっと違うタイプの人種差別だけどね。

オバマ大統領のチャリティイベントに参加した夜を思い出すよ。
そこにいた4人の黒人、自分とクインシー・ジョーンズ、ラッセル・シモンズ、クエストラブ。
札付きの輩ばかりさ。
仕事のない黒人俳優はみんないたんじゃないかな。
言うまでもなく(働き者の)ケヴィン・ハートはいなかったよ。
大統領にいったんだ。「ここに(白人の)脚本家や映画プロデューサー、俳優たちがいる。
彼らは黒人を雇ってくれないんですよ。彼らは(民主党のパーティにいるんだから)リベラルなんでしょ。世界中で一番優しい白人のはずなのに」といったあとチーズ!

ハリウッドに人種差別はあるよ。でもよくみかける手荒なそれとはちょっと違う。
女子学生クラブのような、社交辞令っぽい感じなんだ。
例えば、"ロンダ、私たちはあなたが好きよ。でもあなたはカッパ(アルファ・カッパ・アルファ女性クラブ 黒人女性のための社交クラブのこと)のメンバーじゃないしね。"こんな感じ。これがハリウッド風人種差別さ。

でも時代は変わる。我々は今年、黒人のロッキーを得た。またの名を「クリード」というんだけど、俺は「黒いロッキー」と呼んでるよ。
信じられないよね。「ロッキー」の中では白人と黒人は平等なんだ。
「ロッキー」って実はSF映画なのさ!
「スター・ウォーズ」のほうがまだ「ロッキー」より現実的だよ。

今、我々は素晴らしい映画や最高の演技をした俳優たちを称えるためにここに集っている。
でもたくさんの見落としがある。誰もそのことについて語らないけど、最大の見落としのひとつがある。
俺のお気に入り俳優、ポール・ジアマッティだ。
思うにポール・ジアマッティって世界で一番優秀な俳優だよ。
彼の最近の仕事を振り返ってみよう。
「それでも夜があける」では黒人を憎悪し、「ストレイト・アウタ・コンプトン」では黒人を愛するマネージャ役。
イージーEの葬式で彼は泣いてくれたじゃないか!
何と幅のひろい役者だね。ベン・アフレックにそんなことできないよ。

何事もボイコットしてはいけない。俺たちは機会がほしいんだ。白人と同等のチャンスがほしい。それだけだ。

レオナルド・ディカプリオは毎年、素晴らしい役を得ている。
黒人はどうだ。ジェイミー・フォックス、世界中で最も優れた役者のひとりだ。
『レイ/RAY』の演技があまりによかったので、病院が本物のレイ・チャールズのチューブを抜いちゃったくらいだ。
"レイ・チャールズは2人いらない"ってことでね。

人種差別だけじゃない。今は性差別の問題もある。今の時代、女性に「その服はどこのブランドですか?」とも聞いちゃいけないんだ。
「もっと他のことを聞いてください」って言われてしまう。男性に服のことを聞かないのは、性差別じゃないんだ。
男が皆同じ服を着ているので聞きようがないんだよ。
そりゃ、ジョージ・クルーニーがお尻から白鳥がコンニチワしているようなライムグリーンのタキシードを着ていたら
誰かは彼に訊くだろう。「ジョージ、あなたは何を着ているの?」ってね。

ようこそ、第88回アカデミー授賞式へ。みんな人種の多様性を求めているんだ。多様性だよ。
ではプレゼンターを迎えましょう。エミリー・ブラントと、もうひとりの白人シャーリーズ・セロンを!

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まあ、毒々しいスピーチですね。最後の最後まで、"えっともう一人の白人(and somebody whiter)"だって。

警察から撃ち殺された黒人のくだりは2015年4月4日、アメリカ、ノースカロライナ州ノースチャールストンで白人警官が無抵抗の黒人を背中から8発撃って殺害した事件を揶揄しているのだろう。警官は「身の危険を感じたため」と主張したが、その様子を撮られた映像が公開されると黒人男性は無抵抗だったことがわかり、警官は殺人容疑で逮捕された。

同様のことは以前にも起きており、それを描いたのが『フルートベール駅で』(2013) 
『クリード チャンプを継ぐ男』のライアン・クーグラー監督、マイケル・B・ジョーダン主演の第1作である。

第86回(2013年)の記事で、『フルートベール駅で』をノミネートしてほしかったと書いたが、
この映画の公開から2年弱でまた同じような事件が起きてしまった。
アカデミー賞にノミネートされていれば、過去の"白人警察による無抵抗黒人の射殺事件"を世界中に伝えることができる。
再発の抑止力になって、この事件は起こらなかったかもしれないのに。
(もちろん白人たちは恥じるべき事件を世界中に広めたくないから当作に投票しなかったのだろうが)

今回、スパイク・リーらが騒いでいるのを観て
"騒ぐなら『フルートベール駅で』の時に騒げ!それなら有意義な行動なのに"と思った。

同じ年に12年間奴隷として働かされた黒人を描いた『それでも夜があける』が公開され、作品賞の有力候補と言われたからそれでよしとしたのだろうか。『フルートベール駅で』の落選に苦言したのは(自分の知るところでは)サミュエル・L・ジャクソンだけだった、

また、名指しされたポール・ジアマッティは、今"最も過小評価されている俳優"投票したら1位の有力候補になりえる人。
典型的な助演タイプの俳優だが、『アメリカン・スプレンダー』(2003)、『サイドウェイ』(2004)でなぜか主演をつとめ、絶賛されたにもかかわらず候補漏れした。『シンデレラマン』(2005)でようやくアカデミー助演男優賞に候補入りし、受賞が有力視されたが、『シリアナ』で激太り演技を披露したジョージ・クルーニーに"助演"賞をさらわれてしまった。(同年、クルーニーが監督賞にノミネートされた『グッドナイト&グッドラック』が何も受賞できそうにないことへの穴うめといわれている)

白人だって不遇な人はいるんだよ、という意味合いも込めて、クリス・ロックがジアマッティの名前を出したのならお見事だがおそらく偶然でしょう(^^;

ちょっと話がそれましたね。

クリスのスピーチは概ね好評。("言いたいことはわかるが、やり過ぎ"と眉を潜めた白人もいたらしいが)
アカデミー賞のプロデューサーは「クリスのやりたいようにやらせた。一切口出しはしていない」と語っている。
(口出ししたとしても、したとは言わんでしょうね)

ただし、黒人ばかりでアジア人、ヒスパニック、LGBTなど、他のマイノリティに全く触れていないという不満もあった。
それどころか....
授賞式でクリス・ロックがアジア人の子供3人を「投票計算係」として登場させた場面は物議を醸し出した。

ロックは
「アカデミー賞の票を数えるために、会計事務所が最も熱心で正確で勤勉なスタッフを送ってくれました。」
としてアジア人の子供3人をステージにあげた。
かつ「このジョークに腹を立てたら携帯がツイッターに投稿してくれ。その携帯も彼らが作ったんだけどね」
とさらに炎上を誘発するようなコメントをした。



おそらく作品賞候補になった「マネー・ショート 華麗なる大逆転」に出てくるアジア人会計士から着想を得たのだろうが、「アジア人は勤勉だから算数が得意」というステレオタイプの見方を助長し、かつアジアの貧しい地域の児童労働をバカにしているという批判が相ついだ。

これをみてNBAシャーロート・ホーネッツの選手で、台湾系米国人であるジェレミー・レンは
「いつになったらこういうのが変わるのか」「アジア叩きはかっこいいとかOKとか、もううんざりだ」とツイッターに投稿。
俳優ジェフリー・ライトも「オスカーでアジア人に対する馬鹿なジョーク。その後で人種の多様性についてのお説教だって。さよなら」とツイートした。

今回のクリス・ロックのスピーチを褒めている人たちはこれもスピーチ末尾につけたしておいてね。
"本質"がよくわかるから。
黒人観客に「(ノミネートされた作品を)観ていない、知らない」と次々言わせる映像もあった。
(以前も同じようなことやっていた)
クリス・ロックという人はおそらく"人種の多様性"なんて、内心どうでもいいと思っているに違いない。
黒人さえ良ければいい。それでは白人の、黒人その他に対する見方と全く一緒である。方向性が違うだけで。

だが、クリス・ロックひとりを責めるのは酷かもしれない。
ハリウッド全体が、"マイノリティを称えるときは黒人だけ持ち上げておけばよい"と考えているフシがある。

アカデミー賞に関連してわかりやすい出来事を2つ。

まず、9.11以降初の授賞式となった第74回(2001年)。司会はウーピー・ゴールドバーグ。名誉賞にはシドニー・ポアチエの受賞が前もって決まっていた。そして、主演男優賞はデンゼル・ワシントン、主演女優賞はハル・ベリーが受賞。主演賞2人が黒人俳優で占められるのははじめてであった。しかも主演女優賞の黒人受賞は史上初(今のところ唯一)。デンゼルも既に助演では受賞していたが、主演での受賞ははじめてで黒人俳優の主演賞受賞はシドニー・ポアチエに続いて2人目。以降、ジェイミー・フォックス、フォレスト・ウィテカーが後に続く。

デンゼルは過去、受賞すべき作品で何度か受賞を逃しているため、穴埋め的なものだったのかもしれないが、受賞作「トレーニング デイ」が彼の代表作だと思う人はあまりいないだろう。ハル・ベリーに至っては客観的に観た場合、候補5人のうち一番下手である。司会、名誉賞も含め必要以上に黒人が持ち上げられた年であった。

9.11以降、初のオスカーで黒人を持ち上げることでアカデミーが何を訴えたかったのかはよくわからない。
ただ、有事のあとなど何か"リベラル"な感じを出したいとき、黒人を持ち上げる傾向がハリウッドにあることは否めない。
あくまで黒人だけ、ね。他のマイノリティは関係なし。

もうひとつは第78回(2005年)。男どうしの恋愛を正面から描いた「ブロークバック・マウンテン」が批評家賞で独走ともいえる強さを見せた。
同性愛映画がアカデミー作品賞を受賞したことは過去1度もないが、今回はさすがのアカデミーも認めざるをえないだろうという見方が支配的だった。結果、作品賞は「クラッシュ」の手にわたる。"作品賞大本命"だった「ブロークバック・マウンテン」は破れてしまった。監督賞は受賞していることから、アカデミー会員が"同性愛映画に作品賞はだめ"と判断したことが明白となった。

この「クラッシュ」という作品、うがった見方をすると"人種差別はいけないっていうけど、みんな自分と違う人(人種)は怖いんだ。仕方ないだろ"と言っているような内容。この作品をよく見ると黒人に対してはかなり気を使っているものの、他のマイノリティは 十把一絡げな描写。これがハリウッドのマイノリティに対する見方なんだな、と痛感させられた。同じマイノリティでも同性愛よりは黒人を描いた作品を優先した。

マイノリティは黒人だけではない。
「人種の多様性を重んじる」と「黒人を重んじる」はイコールではないのだ。
クリス・ロックという人はそれをイコールだと思っているのだろう。
彼だけでなない。いろんな人の言動をみていると、多くの人がイコールだと考えているように見える。

ハリウッドでは他のマイノリティ、アジア人、ヒスパニック、LGBTらはステレオタイプなレッテルを張りつけられているだけ。
同じマイノリティの黒人であるクリス・ロックですらそう思っているのだから。

"人種の多様性"問題の根は想像以上に深い。
"人種の多様性"という言葉は軽々しく使わないほうが無難だろう。


 視聴率低下が意味するもの
前述のとおり、今年の授賞式、昨年に比べるとヒット作が候補作にあがっていて、大スターの受賞も期待されている。
"白すぎるオスカー"で(良くも悪くも)話題性十分。
候補作も候補者もプレゼンターも司会者も地味、話題性にも乏しかった昨年より視聴率が下回るなど誰が考えただろうか?

原因は大きくわけて2つ考えられる。

ひとつめは本来、主役であるべき候補作がないがしろにされてしまったこと。
"白すぎるオスカー"、レオナルド・ディカプリオ、シルヴェスター・スタローン、授賞式前の話題はこの3つしかなかったように思える。
この3つのどれにも関心がない、ライトな映画ファンはそれなりにいるはず。
彼らは授賞式を観てくれなかったのだろう。主役(=候補作)が何かよくわからないし。

ふたつめは"白すぎるオスカー"問題への過剰な反応(本来、こんなに大きくなるような話題ではない)
および授賞式でしつこいほど話題にし、プレゼンターもわざとらしく黒人ばかりを並べたことで視聴者にソッポを向かれた。ジェフリー・ライトのツイートに書かれていたように、授賞式の演出に矛盾や嘘っぽさを感じた人も多かったかもしれない。今の時代、内容はともあれ話題になったもの勝ちと考える風潮があるが、今回の話題性はマイナスに作用した

まさかの視聴率低下により、アカデミーに抗議をしていた人たちは"アカデミーに打撃を加えられた"と満足しているかもしれない。
だが、これは結果として、自分で自分の首を絞める行為である。

本来、下がるはずのなかった視聴率が下がってしまった。
ということは、"黒人を司会者に据え、黒人をフィーチャーした作りをしたら視聴率が下がる"とみなされてしまうのだ。
これは何を意味するか?結局、黒人の仕事が少なくなる。映画でも黒人を起用する機会が減ることを意味する。
もちろん、そうなった場合"白すぎるオスカー"問題など解決にむかうはずがない。

実際のところ、アカデミー賞視聴率は、司会者が誰かなどほとんど影響しない。
あくまでも候補作の話題性で決まる。ここ10数年、視聴率がよかったのは『タイタニック』と『アバター』が候補にあがった年度である。言わずもがな。しかし、大部分の人はそんな親切丁寧な考え方をしてくれないだろう。やっぱり黒人では視聴率はとれない...。

映画スタジオがなぜ黒人などのマイノリティを使いたがらないかというと
黒人が嫌いとかそういうことではなく、結局のところ興行的な問題にいきつくという。
映画スタジオ幹部の多くは「白人を起用したほうが、海外(アメリカ国外)で受けがいい」と考えているというのだ。
ある映画関係者は「いくら騒いだところで、この考え方を覆すことができない限り状況は変わらない」と語っている。

最近、日本のある匿名掲示板で 「クリード チャンプを継ぐ男」について以下のことが書かれていた。

主役が黒人じゃなければ、もっとヒットしたのに!

ひえ〜、いくら匿名とはいえ、よくこんなことが堂々とかけるな。日本って平和だなと思ったものだが
「白人を起用した方が〜」とはこういう声を拾い上げたうえでの所感なのか。

前述のウーピー・ゴールバーグが
「『アベンジャーズ』みたいな大作で人種の多様性を反映させないと問題は解決しない」「人種の多様性を反映した映画を見に行かないことが大切」と語ったのはこのような現状を踏まえてのことだろう。

映画はまず第一にビジネス。実績(=興行的成功)を出さない限り、理想論(=人種の多様化を反映すべき)だけを訴えても白人映画ばかりがヒットする現状を変えない限り、状況は何も変わらない、と言いたいのだろう。

スパイク・リーらの抗議行動は、アカデミー改革案をもたらし、一定の効果はあった。
だが、さんざん騒ぎ立てて授賞式のメイントピックに昇格させた結果、"下がるはずがない"視聴率が落ちた。
長い目で見た場合

黒人司会者で黒人問題をフューチャーしても視聴率はとれない→ならば、黒人では映画もヒットしないだろう→黒人使うのやめよ

そういう思考パターンをつくるのに一役買っただけのように思える。
結局は"自分で自分の首を絞めた"のだ。

アカデミー事務局は今頃悲鳴をあげながら、こう思っているだろう。
"ジェームス・キャメロン先生、早く新作公開して!"
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第88回(2015年)アカデミー賞ノミネート一覧

※ ★マークは受賞作品。リンクは当サイト記事もしくはamazon

作品賞
 「スポットライト 世紀のスクープ
   「マネー・ショート 華麗なる大逆転
   「ブリッジ・オブ・スパイ
   「Brooklyn」
   「マッドマックス 怒りのデス・ロード
   「オデッセイ
   「レヴェナント:蘇えりし者
   「ルーム
   
主演男優賞
 レオナルド・ディカプリオ 「レヴェナント:蘇えりし者」
   ブライアン・クランストン 「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
   マット・デイモン 「オデッセイ」   
   マイケル・ファスベンダー 「スティーブ・ジョブズ
   エディ・レッドメイン 「リリーのすべて

主演女優賞
 ブリー・ラーソン 「ルーム」
   ケイト・ブランシェット 「キャロル
   ジェニファー・ローレンス 「Joy」
   シャーロット・ランプリング 「さざなみ」
   シアーシャ・ローナン 「Brooklyn」

助演男優賞
 マーク・ライランス 「ブリッジ・オブ・スパイ」
   クリスチャン・ベール 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
   トム・ハーディ 「レヴェナント:蘇えりし者」
   マーク・ラファロ 「スポットライト 世紀のスクープ」   
   シルヴェスター・スタローン 「クリード チャンプを継ぐ男

助演女優賞
 アリシア・ヴィキャンデル 「リリーのすべて」
   ジェニファー・ジェイソン・リー 「ヘイトフル・エイト
   ルーニー・マーラ 「キャロル」
   レイチェル・マクアダムス 「スポットライト 世紀のスクープ」
   ケイト・ウィンスレット 「スティーブ・ジョブズ」

監督賞
 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 「レヴェナント:蘇えりし者」
   アダム・マッケイ 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
   ジョージ・ミラー 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
   レニー・エイブラハムソン 「ルーム」
   トム・マッカーシー 「スポットライト 世紀のスクープ」

オリジナル脚本賞
 「スポットライト 世紀のスクープ」
   「ブリッジ・オブ・スパイ」
   「エクス・マキナ
   「インサイド・ヘッド」   
   「ストレイト・アウタ・コンプトン」

"Spotlight" winning Best Original Screenplay

脚色賞
 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
   「Brooklyn」
   「キャロル」
   「オデッセイ」
   「ルーム」

The Big Short" winning Best Adapted Screenplay

撮影賞
 「レヴェナント:蘇えりし者」
   「キャロル」
   「ヘイトフル・エイト」
   「マッドマックス 怒りのデス・ロード」   
   「ボーダーライン」

"The Revenant" winning Best Cinematography

美術賞
 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
   「ブリッジ・オブ・スパイ」
   「リリーのすべて」   
   「オデッセイ」
   「レヴェナント:蘇えりし者」

"Mad Max: Fury Road" wins Production Design

音響賞(録音賞)
 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
   「ブリッジ・オブ・スパイ」
   「オデッセイ」
   「レヴェナント:蘇えりし者」
   「スター・ウォーズ/フォースの覚醒

"Mad Max: Fury Road" winning the OscarR for Sound Mixing

編集賞
 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
   「マネー・ショート 華麗なる大逆転」   
   「レヴェナント:蘇えりし者」
   「スポットライト 世紀のスクープ」
   「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

"Mad Max: Fury Road" wins for Film Editing

作曲賞
 「ヘイトフル・エイト」
   「ブリッジ・オブ・スパイ」
   「キャロル」
   「ボーダーライン」
   「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

歌曲賞
 "Writing's on the Wall" (007 スペクター)
   "Earned It" (フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ)
   "Manta Ray" (Racing Extinction)
   "Simple Song #3" (Youth)
   "Til It Happens to You" (The Hunting Ground)
   
衣装デザイン賞
 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
   「キャロル」
   「シンデレラ」
   「リリーのすべて」   
   「レヴェナント:蘇えりし者」

Mad Max: Fury Road" wins for Costume Design

メイクアップ&ヘアスタイリング賞
 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
   「100歳の華麗なる冒険」
   「レヴェナント:蘇えりし者」

"Mad Max: Fury Road" wins Makeup and Hairstyling

視覚効果賞
 「エクス・マキナ」
   「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
   「オデッセイ」
   「レヴェナント:蘇えりし者」
   「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

"Ex Machina" winning the OscarR for Visual Effects

音響編集賞
 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」   
   「オデッセイ」
   「レヴェナント:蘇えりし者」
   「ボーダーライン」
   「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

"Mad Max: Fury Road" winning the OscarR for Sound Editing

短編賞
<アニメ>
 「Bear Story (Historia De Un Oso)」
   「Prologue」
   「Sanjay's Super Team」
   「We Can't Live without Cosmos」
   「World of Tomorrow」

"Bear Story" winning Best Animated Short Film

<実写>
 「Stutterer」
   「Ave Maria」
   「Day One」
   「Everything Will Be Okay (Alles Wird Gut)」
   「Shok」

"Stutterer" winning Best Live Action Short
   
ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「A Girl in the River: The Price of Forgiveness」
   「Body Team 12」
   「Chau, beyond the Lines」
   「Claude Lanzmann: Spectres of the Shoah」   
   「Last Day of Freedom」

"A Girl in the River: The Price of Forgiveness" winning Best Documentary Short

<長編>
 「Amy」
   「Cartel Land」
   「ルック・オブ・サイレンス」
   「ニーナ・シモン 魂の歌」
   「ウィンター・オン・ファイヤー:ウクライナ、自由への闘い」

"Amy" winning Best Documentary Feature

外国語映画賞
 「サウルの息子」 (ハンガリー)
   「Embrace of the Serpent」 (コロンビア)
   「Mustang」 (フランス)   
   「Theeb」 (ヨルダン)
   「A War」 (デンマーク)

"Son of Saul" winning Foreign Language Film

長編アニメ賞
 「インサイド・ヘッド」
   「Anomalisa」
   「父を探して」   
   「ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」
   「思い出のマーニー」

"Inside Out" winning Best Animated Feature Film

ジーン・ハーショルト友愛賞
   デビー・レイノルズ  

名誉賞
   スパイク・リー
   ジーナ・ローランズ  

Spike Lee receives an Honorary Award at the 2015 Governors Awards
Gena Rowlands receives an Honorary Award at the 2015 Governors Awards
2016.03.01 Tuesday | 02:00 | アカデミー賞の軌跡 | comments(6) | - |

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2017.08.15 Tuesday | 02:00 | - | - | - |

コメント

moviepadさん、早速記事を読ませて頂きました!
第83回の受賞予想以来、久々にコメントさせて頂きます。

ここ数年は本命ばかりが賞を獲り、組合賞と何ら変わりない結果に辟易としていたのですが、今年は稀に見る接戦で面白そうだと、期待を胸に賞レースを見守ってきました。なのに…
まさかの事態に何とも言えないもどかしさを抱えています。

色々な報道に目を通しましたが、、、
自分もウーピー、そしてmoviepadさんの意見に激しく同意です。
アカデミーに問題がないわけではありません。しかし少なくとも、アカデミー賞を引き合いに出して収まるほどの問題ではないと思います。
少数派やきわどい題材を扱った映画に対し、表向き開かれているようで、今もなおどこか閉鎖的な映画産業全体の問題だと思うのです。現状、そういった作品はインディーズレベルでは積極的に製作が進んでいるように思えますが、より広く大勢に発表できる土壌はまだ完成していないように思われます。
アカデミー賞云々より、まずは根本的な問題をしっかり提起して、そこから建て直していくべきでは?
ここまで敵意を剥き出しにしてしまうと、少なからず良く思わない人も出てくるでしょうし(逆にこんな騒がれ方をしてしまうと、今年ノミネートされた人は喜んでいいはずなのに、素直に喜べなくなってしまいませんか?)、後々のことを考えても効果的とは思えません。
現状は自分の思う以上に厳しいもので、致し方ない部分もあるのかもしれません。でも今回の騒動に関しては、(あくまでも客観的に見て)少し筋違いなんじゃないのと思うだけです。
粗くなってしまいましたが、居ても立ってもいられなくなり、コメントさせて頂きました。長文失礼しました。

・追記
果たしてディカプリオはようやくオスカーを手にできるでしょうか?
受賞を逃して、自暴自棄になり、映画さながらの荒れた身なりでアフターパーティー会場を去っていく姿も何となく見てみたいです。
ファンとしては、もちろん獲ってほしいですが…
受賞予想記事もぜひ!楽しみしています!
2016/01/25 6:48 PM by ethomme
ethommeさん、お久しぶりです!
コメントありがとうございます。

実は、今年も授賞式が終わったあとでアップする予定だったんですが
"授賞式ボイコット"問題が想像以上に長引いていて
今、記録しておかないと忘れてしまうと思って下書きしていました。
既に記事ひとつ分の長さになったので(汗)
アップロードすることにしました。

ボイコット運動は、会員のメンバー構成見直しを引き出しただけで十分効果があったと思います。
でも、長い目でみるとアカデミー賞会員の黒人に対するイメージは悪化しただけじゃないかな。

客観的?にみると
常連クレーマー(スパイク・リー)と
ダンナがノミネートされなかったことにブチ切れた妻(ジェイダ・ピンケット・スミス)が
騒いでいるだけにしか見えないんですよ。
「2年続けて黒人が演技賞候補にあがらないなんて絶対にありえない」という考え方は単なる思い込みです。

少なくてもここ10数年、冷遇されているとは思えない結果が出ていたし。
それどころか、デンゼル・ワシントン&ハル・ベリーのW受賞(ハル・ベリーなんて候補5人のうち一番下手だった。デンゼルもベストとはいえない演技。まあ、デンゼルの場合、受賞すべき演技で過去、逃しているからその穴埋めだったのかもしれませんが)はイラク戦争直前という世情を反映し?なぜか黒人が持ち上げられたゆえの結果だし。
2年前の「それでも夜が明ける」とルピタ・ニョンゴの受賞も個人的には首をかしげます。
いずれにせよ、2%の黒人が投票しただけでは絶対に受賞はできない。
黒人の優れた仕事を認めている白人も過去、たくさんいるという事実をどうして受け止めようとしないのか。

この騒動が受賞結果にどういう影響を与えるか?
ちょっと気になったりします。
シルヴェスター・スタローンなんてワリを食うかも。
ロッキーのスピンオフなのに、"黒人映画で白人だけがノミネートされた"なんて言われているし。
筋違いもいいとこ。

>受賞を逃して、自暴自棄になり、映画さながらの荒れた身なりでアフターパーティー会場を去っていく姿も何となく見てみたいです。

笑いました。

ディカプリオはねえ...今年受賞できなければもう永久に無理!
そう言いきってしまいたいくらい、今回はチャンスです。
出演作の勢いもあるし、ライバルは弱い。
対抗馬といわれているのはマイケル・ファスベンダーですが、彼に負けることはほぼありえない。
かつてディカプリオは「プライベートを改めない限り、絶対にオスカーはとれない」
とスコセッシおじさんから説教くらったことがあるそうですが
それを差し引いてもディカプリオが優勢。

でも刺客はいます。そう、ブライアン・クランストン。
アカデミー賞マニアなら誰でも知っている?ダルトン・トランボ役
赤狩りで迫害されたため、ロバート・リッチ名義でかいた脚本がアカデミー賞をとったが
トランボの名が公にされることはなかった。「ローマの休日」も実は彼が原案だった...。
こういうの、アカデミー会員は大好きです。(笑)。
ブライアン・クランストンは映画にもたくさん出てますが
一番有名なのはTVドラマ「ブレイキング・バッド」
すごく業界人気の高い人らしいです。
平均年齢62歳の会員たちはこっちに投票するような....。

アカデミー協会「レオとスタローンが受賞すれば視聴率があがる」
マスコミ「レオとスタローンが受賞すれば話題豊富で商売繁盛」
アカデミー老会員 「そうはさせるか」

そんな感じじゃないでしょうか?
改めるべきアカデミーの大問題です(爆)。
2016/01/25 8:30 PM by moviepad
レオ様 受賞されましたね。

>荒れた身なりでアフターパーティー会場を去っていく姿

の方が、だんぜん観たかったし(笑)、ケイト・ウィンスレットには(ワイドショーで取り上げてました)引いてしまいましたが、世間的には「よかった」んですよね?

マッドマックス 今月市内で再上映されます。ヘイトフルエイトも観たいです。
2016/03/01 7:47 PM by パール
パールさん、こんばんわ

>世間的には「よかった」んですよね?

よかったんじゃないですか...。今回、レオ以外が受賞したら、そのヒトは猛バッシングされるでしょう。でも、今回視聴率下がったらしいんで(意外!)レオ効果なんてたいした(以下省略)

マーク・ライランスの受賞叩いている人いましたからね。演技ちゃんと観てから言って!

ヘイトフル・ナイト観ました。
ジェニファー・フェイソン・リーに受賞してほしかったけど、作品見たあとでは「よくこの役でノミネートされたものだ...」と(笑)。
2016/03/01 11:02 PM by moviepad
moviepadさん、ご無沙汰しております。
今年もまた一年が終わりましたね!
日本のニュースでディカプばっかフューチャーされる余り、あの瞬間の安堵と喜びは完全に消え失せてしまいました(笑)

今年は”上げて落とす”アカデミー賞、とでも言うべき、底意地の悪さが随所で垣間見えて面白かったです!スタローン、ガガ(副大統領まで引きずり出しておきながら…。ガガが悪い訳ではないですけど)、そしてレヴェナントからのスポットライト…。本当、アカデミー賞って恐ろしいです。
ディカプを除くなら、やはりモリコーネが今年のハイライトだと思います。これまで獲っていておかしくないくらいのレジェンド(この表現だと軽いかな?)ですよね。感極まって涙するのも感動でした!

個人的にイラっとしたのは監督賞受賞のあの人。
と言ってもジョージ・ミラーを破ったからではなく、衣装デザイン賞を受賞したマッドマックスのファンキーオバちゃんに対して拍手もせず、なぜかシラーッとした目で見ていたのが鼻につきました。
人間を熊に襲わせるよりも拍手する方がずっとか簡単だろうがよ!って感じです。嫌いな監督ではないんですけどね。

今年は黒人問題での記事をいち早く上げてくださってありがとうございました!日本のメディアはアカデミー賞に関しては無知にも程がある位、酷いものが多いので、このサイトで色々と情報を追うことができて良かったです。
また来年もいつもと変わらない多様性のある記事、楽しみにしています!
2016/03/02 10:26 PM by ethomme
ethommeさん、こんばんわ。
今年のアカデミー賞は面白かったですね。
でも、肝心の作品賞が空気...いいのか?
「スポットライト 世紀のスクープ」は監督が「扉をたたく人」のトム・マッカーシーなので
かなり期待しています。

”上げて落とす”アカデミー賞、意図的ではないにしろねえ、まあ、そこが面白いところです。
"アゲアゲ"だと個人的には逆にしらけます。ただ、監督賞はジョージ・ミラーに撮ってほしかった。
能書きはたれず、シンプルに喜んでくれそうな人なので。

スタローンに関しては"受賞は絶対ないから騒ぐんじゃねえよ"とずっと思っていました。
彼の受賞を予想している記事を観るたびに高笑い(すげえ性悪)。
「クリード〜」の演技は良かったと思いますし、別に嫌いじゃないんですけど。
ちなみに、レオの過去4回の候補のときもずっとそう思ってました。
今回はさすがに、ね。(ethommeさん,レオのファンでしたよね。すいません)

アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、今年はちょっと感じ悪かったですね。
去年はそうでもなかったのに。盛り下げ役になってた。でもあの感じじゃ
「レヴェナント:蘇えりし者」が作品賞とったらもっと白けた気がする。
空気のほうがマシ。(笑)

個人的にむかついたのはサム・スミス。
理由は記事に書いたとおり。『ミルク』も観てないのにヒーロー面するんじゃねえよ。
ガガはアカデミー賞の候補者昼食会で、皆の前で楽曲を称えられて泣いたというエピソードがあります。
アカデミーはガガに受賞してほしかったんでしょうね。

>また来年もいつもと変わらない多様性のある記事、楽しみにしています!

ありがとうございます(m__m)
多様性があるかどうかは怪しいところですが、
実はこの記事、まだ完成しておりません。現在も随時更新中。
こんなに長ったらしく書いて誰が読むんだ!と思いつつ(泣)
2016/03/03 1:25 AM by moviepad

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