映画のメモ帳+α

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踊らん哉

踊らん哉(1937 アメリカ)

踊らん哉(1937)原題   SHALL WE DANCE
監督   マーク・サンドリッチ
原作   リー・ローブ ハロルド・バックマン
脚本   アラン・スコット アーネスト・パガーノ
撮影   デビッド・アベル
音楽   ナサニエル・シルクレット
作詞   アイラ・ガーシュウィン
作曲   ジョージ・ガーシュウィン
出演   フレッド・アステア ジンジャー・ロジャース
      エドワード・エヴェレット・ホートン
      エリック・ブロア ジェローム・コーワン
      ケティ・ガリアン ウィリアム・ブリスベン

第10回(1937年)アカデミー賞歌曲賞ノミネート("They Can't Take That Away from Me")

踊らん哉』はフレッド・アステアジンジャー・ロジャースの共演7作目。作詞・作曲にガーシュウィン兄弟を迎えた。リチャード・ロジャースとローレンス・ハートがクラシック・バレエとモダン・ジャズとの組み合わせを模索するダンサーを主人公に脚本を執筆、アステアが当初この企画を拒否した。自分のトレードマークであるトップハット、白の蝶ネクタイに燕尾服で踊る場面なしに客が呼べないと考えたからである、その後紆余曲折をへてその企画は他にわたったが別の形でアステアとバレエの組み合わせが実現したのがこの映画である。"They Can't Take That Away from Me"をはじめ、楽曲は粒ぞろい。だが、前作『有頂天時代』(1936)から兆しが見え始めていたアステア&ロジャースコンビの人気の陰りが本作ではいっそう顕著になり、コンビ人気の限界を示した作品となってしまった。なお、本作のアメリカ公開の2カ月後、ジョージ・ガーシュウィンは亡くなっている。

物語
パリで名をあげたアメリカ人バレエ・ダンサー、ペドルフ(フレッド・アステア)は、ミュージカルスター、リンダ(ジンジャー・ロジャース)の写真を観て一目ぼれ、彼女を追って豪華客船に乗り込む。出発前に元相手役のデニーズ(ケティ・ガリアン)が駆け寄ってきたが、ペドルフは彼女を追い払うため,自分は極秘結婚していると嘘をつく。船中でペドルフとリンダは親しくなるがそれを観た人たちの噂をきっかけにペドルフとリンダの結婚説がゴシップで流れる。リンダは金持ちのモンゴリー(ウィリアム・ブリスベン)と結婚する気でいたが、彼女のマネージャー、アーサー(ジェローム・コーワン)はそれを妨げるためペドルフとリンダの結婚疑惑の流布に協力した。リンダの婚約は破棄された。事態を収拾するため、リンダはペドルフと本当に結婚し、翌日に離婚することを考える。リンダは本当にペドルフに恋をしかかっていたが、ペドルフの部屋にいたデニーズをみて姿を消してしまう。

さっそく楽曲をみていきます。

 Slap That Bass
世の中は乱れている。幸せはどこだ。
誰かがベースをはじけば将来の不安も消える。
幸せな人にはリズムがつきもの
ベースをはじいて悩みを吹き飛ばせ

という内容。当時、コントラバスのスラップ奏法が人気があったことにひっかっけた曲。
船の中で黒人たちがジャムセッションしているのをみて、アステアが飛び入りする。
ワン・コーラス歌ったあと、ソロダンスを披露。
船のエンジンがリズムを刻み、それにあわせてアステアが踊る、踊る、踊る。
まわって、まわって、まわって、まわる〜♪




 (I've Got) Beginner's Luck
初めての恋でこんな素敵な人と会えるなんて
僕は何て運がいい。
これが初めてで最後の出会い。
ビギナーズ・ラックというの本当にあるんだね

という内容。
『踊らん哉』は脚本がころころ代わったため、歌と物語がマッチしていないと言われるが
このシチュエーションで"初めての恋"という言葉にはちょっと抵抗ある。

"Beginner's Luck"の前、"Walking the Dog - Promenad"というインスト曲にのせて
船での犬の散歩の場面、ロジャースの犬が戸惑っているのがかわいい。
アステアが犬にほえられ「犬はよい人がわかるの」

翌朝 アステアが犬を5〜6匹連れて登場。
あれ、いつのまにか2人が手を組んで
いいのか、こんな簡単で!
もし"ビギナーズ・ラック"でこんなに上手くいったのなら、そのオトコは間違いなく浮気します(笑)。

追いかける犬をひたすらとるカメラショットがよい。



 They All Laughed
コロンブスもエジソンも最初は皆に笑われた。
皆は私を笑うけど
最後に笑うのは誰かしら

という内容。They All Laughed (song)
ロジャースがソロで歌い、その後アステアがステージに招かれ
ペアで踊る。
ラストのオチでも歌われます。



 Let's Call The Whole Thing Off
僕らの好みは全く違う。
僕はイーザーといえば君はアィザーという。
全てやめにしよう。
でもやめてしまったら僕たちは別れなければいけなくなるね。
別れたら心はずたずた。
一緒にいたいんだ。

という内容。



何といってもセントラル・パークのスケートリングでスケート靴をはいたままのクイックステップが圧巻。
良い子が真似をしたら頭をうつぐらいではすまないかもしれません。
わずか2分半程度の場面ですが、4日かけて150テイクをとったという。
アステア、恐ろしや。

 They Can't Take That Away from Me (誰も奪えぬこの想い)
歌は終わってもメロディーが漂い続けるように
2人の恋が終わっても思い出は残る。
君の帽子のかぶり方
お茶を飲む仕草
君の思い出の全てを
誰も自分から奪えない。
例え2度と会えなくても
思い出は自分の中で生き続ける

the way〜でエピソードを並びたて
思い出は誰も自分から奪い取ることができない。
と歌うせつないラブソング。

これはアイラ・ガーシュウィンの歌詞がシンプルだけどすごくよい。名曲です。
あの作曲家がいったように、歌は終わってもメロディは残る。というあの作曲家(作詞家)とはアーヴィン・バーリンのこと。バーリンの"The Song is Ended"という曲の内容をふまえた歌詞で、ガーシュウィンがバーリンに敬意を示した曲と言われている。ジャズ・スタンダードとなり誰もかれもがとりあげていますが
They Can't Take That Away from Me
こういう、歌詞もメロディもしっかりした曲は崩して歌うより
本作のアステアのように普通に歌ってくれたほうが心に響く。

アステアがロジャースに向けて歌うが、その後2人のダンス場面につながっていかない珍しいパターン。
でも、アステア&ロジャース最後の共演作『ブロードウェイのバークレー夫妻』(1949)では
この曲のインストをバックに2人が踊っている。



 Shall We Dance
人生は短いんだ。
悲しみにひたっていないで、踊ろうよ。

という歌。
映画のタイトルチューンであり、ラストのショーで歌われる。
ロジャースのお面をかぶったダンサーたちと踊るのだが
その中に本物がひとり混ざっている。
本物に声を掛けられ、本物をさがす。
ひとりひとり仮面をはいでいき
本物をみつけて踊る、というシチュエーション。

ラストに"They All Laughed"をワンフレーズ歌って終わります。




この『踊らん哉』は決して他のアステア&ロジャース作品に比べ、見劣りするというわけではない。ジンジャー・ロジャースの人形を使ってゴシップをでっちあげるという発想には笑ったし、スケート場面など見所も多い。この作品がコンビの限界を露呈してしまった作品と言われているのは、共演7作目、単純に飽きられたという大前提を別にすれば、楽曲やパフォーマンスよりも脚本に問題があったと思う。いつものようにストーリーを無駄にこねくりまわしているが、最後のほうになると"もういいよ、早くアステアのダンス見せて!”という気分になる。こねくりまわしすぎると、逆に物語への関心が薄れてしまう。前述したように、物語と楽曲がうまくマッチしていないのも痛い。どんな人気企画でもいずれは飽きられるのが宿命だが、せっかくのアステア&ロジャース+ジョージ・ガーシュウィン(アステア&ロジャースとジョージ・ガーシュウィンのコンビは本作のみ。なお、アステア単独では次作の『踊る騎士』がある)、もう少し脚本をスマートにまとめてほしかったな。まあ、大物どおしの共演やデュエットなど潤沢な条件で製作されたものは期待どおりの結果が出ないというのはショー・ビジネスの常ですけどね。
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2017.10.20 Friday | 01:28 | - | - | - |

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