映画のメモ帳+α

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踊るアメリカ艦隊

踊るアメリカ艦隊(1936 アメリカ)

踊るアメリカ艦隊(1936)原題   BORN TO DANCE
監督   ロイ・デル・ルース
脚本   ジャック・マッゴーワン シド・シルヴァース
撮影   レイ・ジューン
音楽   コール・ポーター アルフレッド・ニューマン ロジャー・イーデンス
出演   エリノア・パウエル ジェームズ・スチュワート
      ヴァージニア・ブルース ウナ・マーケル シド・シルヴァース
      フランセス・ラングフォード レイモンド・ウォルバーン バディ・イブセン

第9回(1936年)アカデミー賞歌曲(I've Got You Under My Skin)、ダンス監督賞ノミネート

1935年後半、人気作曲家コール・ポーターがMGMと契約を結び、ハリウッドではじめて映画音楽を手掛けることになた。その作品がこの『踊るアメリカ艦隊』である。内容的には『踊るブロードウェイ』の続編というか、実質的"BROADWAY MELODY OF 1937"といってよい内容。主演はエリノア・パウエルで、コミカル・リリーフとしてバディ・イブセンが出演しているところも同じ。それどころか監督、脚本、振付師をはじめ製作スタッフの大半が『踊る〜』と同じ。特筆すべき要素は"Easy to Love","I've Got You Under My Skin"の2曲がスタンダード・ナンバーとなったこと、かのジェームズ・スチュワートの出世作であり、かつ彼の歌声が聴ける、その2点につきる。



物語
アメリカ潜水艦乗組員、テッド(ジェームズ・スチュワート)、ガニー(シド・シルヴァース)、ムッシュ(バディ・イブセン)の3人は4年の航海を終えてニューヨークにやってきた。ガニーは航海直前に結婚したジェニー(ウナ・マーケル)がまだ自分を好きでいてくれているかが気になっていた。ジェニーは娘を出産していたが、それをガニーに打ち明ける機会がなかった。また、ダンサーになるため田舎からやってきたノラ(エリノア・パウエル)はジェニーの家に居候してチャンスをうかがっていた。ジェニーが働くクラブに、ガニーと共にやってきたテッドは、そこで出会ったノラに恋をしてしまう。テッドは愛犬が海におぼれたのを救ったことをきっかけに舞台女優ルーシー(ヴァージニア・ブルース)と知り合う。ルーシー側は新作舞台の宣伝のため、テッドとのロマンスをでっちあげ話題作りをしようとするが、ルーシーが本気でテッドに恋してしまい...

楽曲紹介をかねて映画をみていきます。

 Rolling Home
トップで隊員たちが港へ帰る歓びを歌う。
隊員たちの頭にあるのは食べ物とオンナ。一番イヤなのは魚雷を磨くこと、だそうです。
ジェームス・スチュワートが"誘われていると思い、期待に胸を膨らませたら
僕はさびた望遠鏡だった"といって外から自由の女神を眺めます。

 Rap, Tap on Wood
自分を振り返って立派と思いなさい。
Rap, Tap on Wood
打ちのめされても失うものはない
ダンスシューズがあればいい

という内容。

ホテルの受付嬢にそそのかされてホテルのロビーで突然踊りだすというミュージカルらしい非常識。
エレノアの歌はマージョリー・レーンによる吹き替えです。
海兵たちが伴奏をつとめ、エレノアがタップ。
最後、秤のうえでタップすると針は少しずつ動く。
そして回転をはじめると秤の針がくるくる回る。
実際の針もそういう動きをするのかどうか、高速ダンスができない人には試せません(笑)。

エリノア・パウエルのタップは『踊るブロードウェイ』のときには正直魅力を感じなかったが、この場面ではユーモラスでよい。

ウナ・マーケルがジェームス・スチュワートを4年会っていない夫と勘違いしてキスする場面があります。
夫役のシド・シルヴァースとジェームス・スチュワートでは
背の高さが全然違うのに間違えるのか?というツッコミはやめておきましょう(笑)。

★  Hey, Babe, Hey
可愛い人よ、チャンスをくれよ、恋をしたんだ。君に夢中なんだ(I'm nuts about you)
という内容。

3組のカップルたちが歌う。
ジャームス・スチュワートも下手な歌を披露。
エレノアの足の動きについてうけず、足がもたつくのがよい。


その後、
パウエルが「恋したの。できるだけ早く会いたいわ」と台詞のあと
スチュワートとパウエルがモデルルームを見に行く場面にうつる。
もう結婚したのか!展開早すぎと思ったが、ここで結婚したわけではないようです。
この場面、一体何?

★  Entrance of Lucy James
ミュージカル・スター ルーシー・ジェームズ様を潜水艦にお迎えするときに歌われる。
ルーシー嬢が乗船しますという内容。
慰問というやつですね。

★  Love Me, Love My Pekinese
ヴァージニア・ブルースが演じるルーシー嬢が歌います。
天国からの贈り物私のチーキー(犬)を愛してねという歌。
男性コーラスで「愛しているよ チーキー」と返します。
アホくさ(笑)。

艦長が犬を抱いたら海におとしてしまい隊員が皆飛び込む。
お犬様はエライのです。
そしてジェームズが救いあげると
ルーシー側が話題作りに彼とのロマンスをちっちあげようとします。


 Easy to Love
2人は似会いのカップル。
僕との将来を心配してもはじまらない
キミは愛されて当然の人なんだよ。
という内容。



ジェームス・スチュワートが歌ったにも関わらずスタンダード・ナンバーになった曲。
ビリー・ホリデイエラ・フィッツジェラルドサラ・ヴォーンフランク・シナトラなど多くの歌手が録音を残しています。
その後、リハーサル場面でも使われ、ラスト場面でも登場。
ところでジュームス・スチュワートの役は当初歌手のアラン・ジョーンズが配役されており、撮影が進むにつれてスチュワートに変更となっている。だから歌うはめになったんですね。ちなみにジュディ・ガーランドもキャスティングされていましたが、その役はフランセス・ラングフォードに代えられています。また、1987年及び2011年、舞台"Anything Goes"のリバイバル上映でこの曲が追加されタイトルは"You'd Be So Easy to Love"に変更されています。

でも、この曲のあと変なオッサンが指揮の真似ごとをする場面が出てくる。『踊るブロードウェイ』のいびき研究家みたいなもの?この頃のミュージカル映画ってこーいう痛いだけの場面を入れなきゃいけないという鉄則でもあるのだろふか。

 I've Got You Under My Skin(あなたはしっかり私のもの)
女優役のヴァージニア・ブルース(『巨星ジークフェルド』で酒癖の悪い女を演じていた)
宣伝のためのやらせのはずが、本気で彼を好きになってしまった後、歌う場面。
の歌を聴くときのジミー・スチュワートの微妙な表情。

あなたを身近に感じ始めたの。
体の一部になるほどに私の心に深く入り込んだ
成就するはずがない恋。
頭を使って現実をみなさい
そう言い聞かせてもあなたが眼に浮かぶと...

という内容。

個人的にこの曲をはじめて聞いたのはジュリー・ロンドン版だったため
I've Got You Under My Skin....何てエロい曲だと思ったもんだが、
ヴァージニア・ブルースのオペラっぽい歌唱で聴くと、随分イメージ変わってくるなあ。



数多くの録音が残されているスタンダード曲。フランク・シナトラ版が有名だけど正直言って男の声で聞きたい歌じゃない。
やっぱりジュリー・ロンドンが一番いいなあ。
ほどほどにエロくて、さらっとした感じ。

 Swingin' the Jinx Away
歌って踊って不景気を吹き飛ばす。
リズムがあればいい
アメリカはスウィングの女王よ(???)

という内容。
何かアーヴィング・バーリンぽい歌。

そのあと、エリノア・パウエルのタップショーがはじまり
これがかなり長い。パウエルのタップは長いと少し見飽きる。
もろにジーグフェルド・フォリーズ"のノリ。軍艦のセットは圧巻です。

ラストは"easy to love"であっさりとダサく締める(笑)。

映画『踊るアメリカ艦隊』、エリノアのタップも『踊るブロードウェイ』よりは魅力的だったし、バディ・イブセンは観ているだけで楽しい。コール・ポーターの曲、ジェームズ・スチュワートの貴重な歌...クラシック映画ファンなら見ておきたい作品のひとつ。でも、日本公開時、この邦題で観客は観に行く気起こったのかなあ。原題は"BORN TO DANCE"。もうちょっと考えればよかったのに。
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2017.03.12 Sunday | 00:08 | - | - | - |

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