映画のメモ帳+α

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ピンチクリフ・グランプリ 〜人形アニメの金字塔〜

ピンチクリフ・グランプリ(1975 ノルウェー)

「ピンチクリフ・グランプリ」公式サイトにリンク原題   FLAKLYPA GRAND PRIX       
監督   イヴォ・カプリノ  
脚本    クジェル・オークラスト レモ・カプリノ
      クジェル・シバーセン イヴォ・カプリノ 
撮影    チャールズ・パティ イヴォ・カプリノ          
音楽   ベント・ファブリシャス=ピエール      
 
今回ご紹介する映画『ピンチクリフ・グランプリ』はノルウェーの国民的映画といえる作品です。1975年、観客動員記録No.1となり、その記録は30年以上たった今でも破られていません。ノルウェー国民の2/3が見たと言われており、チケットの総売上枚数は累計500万枚。(ノルウェーの総人口は約460万枚)日本でも1978年に公開されています。人形アニメの最高傑作の名をほしいままにしてついにリバイバル上映が決定。ということで試写会に行ってまいりました。
会場は何とノルウェー大使館。場所は広尾です。もちろん迷子になりました。
< そんなことどうでもいいか(笑)

ノルウェーのクリスマスの風習にちなんでコーヒーと7種類のクッキーを食べながらのアットホームな試写会。不肖ワタクシめ空腹だったので上映中もクッキーをがつがつ食い会場からつまみ出されました。(...ウソです。ほとんどたいらげてしまい、お皿をほとんど空にしてしまったのは本当ですが

〜物語〜
丘の上の小さな村、ピンチクリフ。自転車修理工かつ発明家であるレオドルは、あひるのソランとハリネズミのルドビグの2人の助手と共に住んでいる。ある日、新聞記事でグランプリ・レースでルドルフという男が出場することを知る。この男はレオドルが発案したスーパーカー設計図を盗んで逃げた、彼の元助手だった。ルドルフを打ち負かすため、アラジン石油をスポンサーに迎えて作り上げた"イル・テンポ・ギガンテ号"でグランプリ・レースに挑む

衣装、机の上の置物、楽器...
とことんディテールにこだわった映像がこの映画の一番の魅力です。
少しづつポーズを変えて1コマ撮りをしていく従来の人形アニメの手法に加え、ノルウェーで特許取得済の"遠隔操作による人形のコントロール"という方法が用いられています。動きはとても自然で、これが人形アニメであることを忘れてしまいそうになるほどです。家具職人のイヴォオ・カプリノ氏が5年もの歳月をかけて作り上げました。究極の職人芸です。


ピンチクラフ・グランプリ発明家とあひるとドブネズミの生活。
人間とペットという間柄ではなく、共同生活者として対等に描かれていて、しっかりものソランと臆病者のルドビグのキャラクターの対比も物語に見事に活かされています。

また、アラブの王様が小さな村の自転車修理工に資金援助するという設定もいいですね。この映画がノルウェーで公開されたのは1975年。製作されていたのは第一次石油ショックの真っただ中。この設定は当時の人々が描く夢物語だったのかもしれません。この映画でのアラブの王様はとても可愛い。レース中、事故が起こり出遅れてもひたすらおろおろしています(笑)

個人的にお気に入りなのは"イル・テンポ・ギガンテ号"除幕式の場面。
吟遊詩人が詩を朗読するのですが、絶妙な動きです。
彼は詩を作ったお礼に何と"3年放浪奨学金"を授与されます。そんなケッコウなもの、僕もほしい!(笑)

クライマックスのカーレース場面。手に汗を握る迫力ある場面の連続です。誰もが"イル・テンポ・ギガンテ号"を応援してしまうでしょう。一喜一憂するアラブの王様がまた可愛いんだ(笑)
最近の「カーズ」のように、お教訓じみたエンディングになってたらイヤだなと思いながら見ていましたが
大丈夫!その心配は無用です。

精巧に作られた民芸品のような作品。
子供だけでなく、大人でも十分に楽しめます。
とにかくディテールの凝り具合に圧倒されます!
約30年ぶりのリバイバル上映。ぜひ映画館で見てほしい作品です。
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2007.01.04 Thursday | 20:13 | 映画 | comments(3) | trackbacks(2) |

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2018.11.21 Wednesday | 20:13 | - | - | - |

コメント

少し遅れましたが、皆様あけましておめでとうございます。
気まぐれに好き勝手やっていた当ブログも何と!無事に年を越すことができました。
これもひとえに遊びにきていただいた皆様のおかげです。
本年もどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

今年最初に取り上げる映画は、楽しくてかつ誰もが満足していただけるであろう作品にしたいと思って、昨年鑑賞済みの当作をあえて温存しておりました。< たんなる怠慢という説もありますが

残念ながらリアルタイムでは見ておりませんが
今見ても全く古さを感じません。2/3より渋谷を皮切りに全国で公開されるようです。オススメの一本!
2007/01/04 8:30 PM by moviepad
こんばんは!

こんな人形アニメ知りませんでした!ストップモーションプラス遠隔操作?!しかも写真を拝見すると可愛い!ものすごく気になります。

いいもの見つけました。ありがとうございます!
2007/01/08 2:11 AM by pointdpo
pointdpoさま、こちらにコメントまでいただきありがとうございます。
しかも最新記事に、という心づかい(涙)

この映画はストップモーションはない、と思います。人形アニメといっても、今どきの3Dアニメと言われれば、そのまま信じてしまいそうなほど精密なつくりです。でも人形ですからどこか、通常のアニメよりぬくもりを感じます。

ノルウェーではお年寄りが孫をつれてこの映画を見に行く光景も珍しくなく、ノルウェーの人にこの映画について尋ねるとみな熱く語り始めるそうです!

おもちゃ箱みたいな映画なので、何も考えずにぼーと見ているだけでも十分楽しめます。
自信をもってお勧めできる映画です!
2007/01/09 12:23 AM by moviepad

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