映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

<< ラヴ・パレード | TOP | 仮面の米国 >>

踊るブロードウェイ

踊るブロードウェイ(1935 アメリカ)

踊るブロードウェイ原題   BROADWAY MELODY OF 1936
監督   ロイ・デル・ルース
原作   モス・ハート
脚本   ジャック・マッゴーワン シド・シルヴァース
撮影   チャールズ・ロッシャー
音楽   ナシオ・ハーブ・ブラウン
出演   ジャック・ベニー ロバート・テイラー
      ウナ・マーケル エリノア・パウエル
      バディ・イブセン ヴィルマ・イブセン
      フランセス・ラングフォード ニック・ロング・ジュニア

第8回(1935年)アカデミー賞ダンス監督賞受賞(デイヴ・グールド) 作品・監督賞ノミネート

ワーナー・ブラザーズの『ゴールド・ディカーズ』シリーズに触発され、MGMが『ブロードウェイ・メロディ』以来6年ぶりに"Broadway Melody"のタイトルで作ったミュージカル映画が『踊るブロードウェイ』です。ブロードウェイで"タップの女王"として名をはしていたエレノア・パウエル主演。パウエルは気乗りがしなかったが主演と高額ギャラを条件に出演を承諾した。その結果、映画は大ヒットとなり以降、『踊る不夜城(Broadway Melody of 1938)』 (1937)、フレッド・アステア共演『踊るニュウ・ヨーク(Broadway Melody of 1940 )』(1940)と2本の続編が作られました。(続編といってもBroadway Melodyのタイトル、パウエル主演、舞台裏ものといウ共通点があるだけで、全く別の話です。)製作当時、世界恐慌の影響でMGMは倒産寸前だったそうです。それにしては金かかってそうな映画だ...。

物語
若手演出家ボブ・ゴードン(ロバート・テイラー)は、新作「ブロードウェイ・リズム」の上演にあたり、金持未亡人リリアン・ブレント(ジューン・ナイト)の財政支援を受けることになった。新聞記者キーラン(ジャック・ベニー)はこれをかぎつけ、2人の間に関係があるとゴシップ記事にしてしまう。そんな最中、ゴードンの昔の友人アイリーン・フォスター(エリノア・パウエル)はボブに手助けを借りて舞台に立とうとニュー・ヨークへ出てきた。だが、ボブは彼女を試そうともせず「汚い世界だ。あきらめろ」と拒絶してしまう。新作の上演予定は近づくが、肝心の主演スターが決まらない。リリアンは財政支援を盾にして「自分を主演にしろ」と圧力をかける。困ったゴードンは2週間以内に決まらなければ、という条件をつけ引き受ける。これを知ったキートンはアレットという架空のフランス女優をラジオ番組を通してでっちあげる。切羽詰まったゴードンはこれを信じ、彼女と交渉しようとするもいつも電話で拒絶される始末。この状況を受け、アイリーンに同情していたゴードンの秘書キティ(ウナ・マーケル)はアイリーンをアレットに仕立て上げてゴードンと契約を結ばせてしまう。



この映画の出演者序列トップは人気コメディアンジャック・ベニー。えっ、どうみても主演ではないが当時のアメリカの知名度を考えてということなんでしょうね。冒頭でジャック・ベニーを紹介するラジオのアナウンサーは、実際ベニーのラジオ番組を担当していたDon Wilsonです。ロバート・テイラーがゴシップを書かれるたびに新聞社に押しかけて彼を殴る場面はお決まりごとの楽しさ!

キャスティングは結構、豪華です。エリノア・パウエルや若き日のロバート・テイラー、バディ・イブセンなど。バディの妹ヴィルマは兄と組んで活動していましたが、映画出演はこれが最初で最後。その後、引退しています。また、冒頭で"You Are My Lucky Star" をしっとりと歌い上げるフランセス・ラングフォードはラジオの全盛期に歌手として活躍。映画出演も多数あります。

そんな中、異彩をはなっているのが"いびきの専門家"として登場する人物。ストーリーに直接関係しないわりには尺が長い。人気TVスターのゲスト出演かなと思っていたら、Robert Wildhackというフツーの俳優さんみたいです。この映画と同じように売り込みしたのかな。『踊る不夜城』でもThe Sneezer(くしゃみの専門家?)として出演しているようです。

さて楽曲の話にうつります。

全曲、作詞アーサー・リード、作曲ナシオ・ハーブ・ブラウンです。
冒頭はハリー・ストックウェルが歌う"Broadway Melody"。
シリーズもののご挨拶のようなものでしょう。
続いてはフランセス・ラングフォード"You Are My Lucky Star"をしっとりと歌い上げる 。この曲と"I've Got a Feelin' You're Foolin'"は映画中、2度じっくり歌われる。この2曲はメロディも覚えやすく映画の顔といえる。

"I've Got a Feelin' You're Foolin'"はまずジューン・ナイトとロバート・テイラーが歌い、その後ジューンとニック・ロング・ジュニアによるダンス場面にうつる。この場面の振り付けでデイヴ・グールドはアカデミー賞ダンス監督賞を受賞。後半ではフランセス・ラングフォードも歌っています。



"You Are My Lucky Star"はスターを夢見るエレノア・パウエルが観客席でしっとりと歌う。(マージョリー・レーンによる吹き替え)ありがちだけど好きな場面。そのあと、派手なバレエに切り替わる。振り付けはアルベルティーナ・ラッシュ



バディ・イブセン ヴィルマ・イブセン兄妹による"Sing Before Breakfast",彼らのアパートで歌われ、途中からエレノア・パウエルも参加。バディはなぜミッキー・マウスのトレーナー着てる?と思ったら当時、ディズニーとの仕事をけっこうしていた模様。兄妹はステージ衣装に身を包んで"On a Sunday Afternoon"も披露。バディ・イブセンのダンスって長い手足をだらだらさせて、どこかコミカル。2人のパフォーマンス場面は理屈抜きで楽しい。

架空のフランス女優アレットが実在することを認めさせるため、電話ごしでレコードを聞かせる場面。
この時に流れているのは"All I Do Is Dream Of You"。もともとはジョーン・クロフォード主演『蛍の光(Sadie McKee)』のためにつくられた曲。スタンダードと呼べるかは微妙ですが、マルクス兄弟の『オペラは踊る』(1935)でチコがピアノで弾いたり、『雨に唄えば』(1952)でデビー・レイノルズが歌ったりと多くの録音が残されています。で、この映画でのこの曲はフランス語バージョンなんですが、何と誰が歌っているかわからない!ネットで検索しても不明としか書かれていない。いくら架空の人物という設定だからってクレジットすら残さないんなんてあり?

ラストは"Broadway Rhythm"。まず、フランセス・ラングフォードが歌ったあとエレノア・パウエルのタップショーがはじまります。この映画の締めとしては素晴らしかった!と書きたいところですが...エレノア・パウエルの魅力って正直言ってよくわからないデス。確かに足もとだけみてればすごいんだけど、全体的な動きに魅力を感じない。エレノアの人気は戦後になって一気に衰退したのですが理由はこのあたりになるんじゃないかな。

映画『踊るブロードウェイ』、全体的には古き良き?時代のレビューミュージカルの魅力が詰まっている。コミカルな要素もあり、曲が絞り込まれていることもコンパクトで良い。レビュー場面にからまないジャック・ベニーもいい味出しているし、気軽に観るには最適の作品。ただ...いびきの専門家のエピソードいるかなあ?
人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!

スポンサーサイト


2017.04.17 Monday | 19:16 | - | - | - |

コメント

コメントする









この記事のトラックバックURL

http://moviepad.jugem.jp/trackback/683

トラックバック

▲top