映画のメモ帳+α

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紳士は金髪がお好き

紳士は金髪がお好き(1953 アメリカ)

紳士は金髪がお好き原題   GENTLEMEN PREFER BLONDES
監督   ハワード・ホークス
原作   アニタ・ルース ジョセフ・フィールズ
脚色   チャールズ・レデラー
撮影   ハリー・J・ワイルド
作詞   ジュール・スタイン ホーギー・カーマイケル
作曲   レオ・ロビン ハロルド・アダムソン
音楽   ライオネル・ニューマン
出演   マリリン・モンロー ジェーン・ラッセル チャールズ・コバーン
      トミー・ヌーナン エリオット・リード テイラー・ホームズ
      ジョージ・チャキリス ハリー・ケリー・J マルセル・ダリオ
      ジョージ・ウィンスロウ ノーマ・ヴァーデン アルヴィ・ムーア

名匠ハワード・ホークス監督『紳士は金髪がお好き』は、1949年の同名ブロードウェイミュージカルの映画化。2大グラマー女優ジェーン・ラッセルマリリン・モンローの共演が話題となり、映画は大ヒットした。当初、モンローの役はベティ・グレイブルが予定されていたが、『ナイアガラ』(1953)のヒットを受け、グレイブルよりはるかにギャラの安かったモンローに変更。モンローがピンクのドレス姿で歌う"Diamonds Are a Girl's Best Friend"(ダイアモンドは女の親友)は強烈な印象を残し、今にいたるまで数多くのオマージュがささげられている。




物語
ローレライ(マリリン・モンロー)とドロシイ(ジェーン・ラッセル)はニューヨークのクラブで働く2人組ダンサー。ローレライは金、ドロシイはイケメンに目がない。ローレライは金持ちの息子ガス(トミー・ヌーナン)の心を射止め、結婚することになったが彼の父(テイラー・ホームズ)がそれに反対していた。パリに向かう途中の船、ローレライは金持ちのビークマン卿(チャールズ・コバーン)に目をつけた。彼の妻(ノーマ・ヴァーデン)がもっていたダイヤのティアラが欲しいため、ビークマン卿のご機嫌をとる。ガスの父は私立探偵マローン(エリオット・リード)を送り込み、ローレライの素行をさぐっていて...

この作品、一応ミュージカル映画という分類になっているが歌はそれほど多くない。
物語はやや無理があり、わかりにくい。
別に難しくはないが、説明不足のまま場面が突然切り替わったりする。
よって見どころは

・ジェーン・ラッセルとマリリン・モンロー、タイプの違うセクシー美女2人を崇める
・有名な"Diamonds Are a Girl's Best Friend"のモンローのパフォーマンス場面を目に焼き付ける。

この2点につきる。

Jane Russellまずはジェーン・ラッセル。ハワード・ヒューズ監督の『ならず者』(1943)でバストをぎりぎりまで露出させ名をはせたグラマー女優。ハリウッドで活躍するセクシー女優にしては珍しく彼女にはスキャンダルが少ない。あのハワード・ヒューズに見出されながらその毒牙にかからなかった"伝説"がある。彼女いわく、自分に手を出そうとしたヒューズを一喝したらあっさり立ち下がったそうな。何ともイメージどおりのお方。結婚は3回しているが、1回目は幼馴染と24年間連れ添ったあと離婚。2回目、3回目は死別である。厳しい母親の反動で高校時代はハメをはずし妊娠中絶。子供が産めない体になってしまったことから養子を3人迎えている。

"Ain't There Anyone Here for Love?"を歌ったあと、ジェーン・ラッセルがプールに落ちてしまう場面があるが、あれは台本にはなくアクシデントだという。その後、ラッセルは満面の笑みで男の頭をなでなで。演技じゃなく彼女にぶつかって落としてしまった男に"気にしないで"となぐさめていたのでしょうか?ジェーン・ラッセルの人柄がにじみ出ている気がします。ところでそのラッセルとオリンピック選手の共演場面、ジェーン・ラッセルがすぐ近くにいるのに彼らは彼女に目もくれない、ゲイに違いないと映画『セルロイド・クローゼット』の中で言われていました。言いがかりもはなはだしい。確かにゲイっぽい雰囲気ありますけどね。なぜ肌色の海パン(爆)



映画を見るとW主演といっても、ややモンローがメインになっている感があるが、当時としてはジェーン・ラッセルのほうがモンローよりはるかに格上。よって、ラッセルは"金持ちは嫌い"という観客の共感をよびやすい役があてがわれた?映画の中で「2人が溺れていたらどちらを助ける?」と聞かれたオリンピック選手が「俺が溺れる」と答える場面が出てきますが、確かにこの2人、タイプは全く違いますが甲乙つけがたい魅力があります。マスコミは不仲説を書きたてようとしたが仲は良好。マスコミからモンローを守り、トレイラーに引きこもりがちなモンローを引っ張り出せるのはラッセルだけだったという。監督のハワード・ホークスも「モンローには手を焼いたが、(モンローを起用した)他の監督ほど苦労していない。ジェーン・ラッセルが助けてくれたから」と語っている。

そしてマリリン・モンロー。ちょっと頭の弱そうだけどかわいくてセクシーなブロンド娘、マシュマロが口に入ったような話し方、これこそ多くの人が求めているマリリン・モンロー像でしょう。小さな子どもから「君には抗しがたい魅力がある」("you got a lot of animal magnetism")と言われるのも納得です。ところでanimal magnetismは官能的魅力、セックスアピールという意味なんですが、子供が何でこんな言葉知っている!ケシカラン。 "I can be smart when it's important, but most men don't like it."(いざとなれば賢くなれるけど、男の人はそういうの好まないでしょ)と言う台詞はモンローのアイデアだと言われていますが、この台詞をどこかで使いたいと思っているバ○女は多いでしょう。

この映画のモンローの演技、微妙な不自然さが魅力。モンローは何度も演技の撮り直しを要求し、ハワード・ホークス監督を辟易させたという。ホークスいわく「彼女には現実的なところが何もなかった。そういう役をあてがうと上手くいかない。『紳士は金髪がお好き』はモンローにとって初めての成功作だよ。役に現実的な要素を持ちこまなかったからね」と語っています。モンロー演じるキャラクターは、"殿方ならすべて私の魅力におちる"と思い込んでいるキャラクター。確かに現実的とはいえません。ところが、彼女は男の外見に興味がなく、目的はあくまで金。「お金の心配に追われてたら愛する暇がないわ」とさりげなく人生の真実を語ります。きわめて現実的じゃねえか!(笑)ホークスは「モンローは自分に自信がない少女みたいだった。でもいったんカメラが向けられるとカメラは彼女を愛した」と語っている。"モンローがカメラに愛されている"という表現はあのビリー・ワイルダー監督もたびたび語っています。

モンローが演じた役はブロードウェイの舞台でキャロル・チャニングが演じたもの。モンローは役作りのため、約1ヵ月間彼女の舞台を見続けたという。実はこの役『ボーン・イエスタディ』でアカデミー主演女優賞を受賞したジュディ・ホリディにもオファーがありましたが、ジュディは"キャロル・チャニング以上の適役はいない"と断った。でも映画を観るとモンロー以上の適役はいない気がする。

Carol Channing sings on 1953 TV (Two songs from "Gentlemen Prefer Blondes")

キャロルの場合はコミカルさ、モンローはセクシーさを強調。舞台ではコミカルなほうが受けそうですが、映画はね...。

映画では"A Little Girl from Little Rock"、"Bye Bye Baby"、"Diamonds Are a Girl's Best Friend"の3曲は舞台から引き継ぎ、"When Love Goes Wrong"と"Anyone Here for Love?"が映画用の新曲です。
何といってもインパクトあふれるのは"Diamonds Are a Girl's Best Friend"(ダイアモンドは女の親友)。
この歌がウケた理由はモンローの魅力もさることながら、その歌詞でしょうね。Diamonds Are A Girls Best Friend Lyrics

キスでは家賃は払えないわ。
女性が年をとると男はふりむかなくなる。
でもダイヤはいつまでも輝きを失わない。
ダイヤモンドは女の最高の友達よ

という内容。



心の中でひそかに"そうだ、そうだ"と思っている女性も多いかも、デス(笑)。
この歌を含め、当初モンローの歌はすべてマーニ・ニクソンが吹き替える予定でした。だが、マーニはモンローの声はキャラクターに合っているので吹き替える必要はないと主張。この曲でも冒頭オペラ風に唄う"no,no,no"と"these rocks don't lose their shape"だけを彼女が吹き替え、あとは皆モンロー自身の声だという。マリリン・モンローの歌って上手くはないけど、味があるというか...。まあ、映画でというか彼女の艶姿を観ながら聞くのが一番ですね。歌声だけ聴くと色情狂の酔っ払い女みたいだし。

この"Diamonds Are a Girl's Best Friend"は映画に興味がなくても、マドンナのMV『マテリアル・ガール』の元ネタとして知っている人も多いでしょう。カーリー・ミノーグや映画『ムーラン・ルージュ』内でのニコール・キッドマン(歌詞は一部変えてある)など、多くのカバーが生まれている。楽曲もAFIが選ぶ「アメリカ映画楽曲ベスト100」の12位に選ばれている。コスプレ込みのスタンダード曲です。

あれ、ジェーン・ラッセルとマリリン・モンローのことしか書いていない。そう、『紳士は金髪がお好き』はこの2人を観ればいいんです。男優陣に魅力がないのはこの2人をいっそう引き立てるためでしょう。ストーリーにやや無理があるのも...観客はそんなもの気にしません。気軽な目の保養として最適!あっぱれなスター映画です。
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2019.09.05 Thursday | 00:24 | - | - | - |

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