映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
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世紀の楽団

世紀の楽団(1938 アメリカ)

世紀の楽団原題   ALEXANDER'S RAGTIME BAND
監督   ヘンリー・キング
原案   アーヴィング・バーリン
脚本   キャスリン・スコラ ラマー・トロッティ
撮影   ペヴァレル・マーレイ
作詞作曲 アーヴィング・バーリン
音楽   アルフレッド・ニューマン
出演   アリス・フェイ タイロン・パワー
      ドン・アメチー エセル・マーマン
      ジャック・ヘイリー ジーン・ハーショルト
      ヘレン・ウェストリー ジョン・キャラダイン


第11回(1938年)アカデミー賞作曲・編曲賞受賞。脚本賞(原案)、編集、室内装置、歌曲賞("Now It Can Be Told")ノミネート

1938年にアメリカで公開された映画『世紀の楽団』は、人気作曲家アーヴィング・バーリンが原案と作詞・作曲を手掛けた作品。ラグタイムが人気を博した20世紀初頭から1930年代のスウィングの隆盛までジャズ音楽(軽音楽、ポピュラー音楽といったほうが正確かもしれない)の歴史をたどった内容。バーリンの"軽音楽史を映像化したい"という意図を反映させている。といっても使われている曲は1911年から1935年頃までのアーヴィング・バーリンの曲が20曲超。俺が軽音楽史そのものだ!ってことなんでしょう。(爆)

 wikipedia等この作品がアカデミー賞作品賞にノミネートされたような記載が時折見受けられますが、されておりませんので悪しからず。




 以下の記事はネタバレ、結末まで割っております。未見の方はご注意ください。

物語
サンフランシスコの酒場に歌手ステラ・ダービー(アリス・フェイ)が職を求めてやってきた。ロジャー(タイロン・パワー)を指揮者とするバンドも同様にやってきたが楽譜を忘れてしまったため、ステラが持っていた楽譜"アレクサンダース・ラグタイム・バンド"を無断で演奏。ステラは激怒したが自分も飛び入りで歌い大盛況。2組とも採用が決まった。バンドは人気を博し、ステラは人気歌手となる。水と油状態だったステラとロジャーはやがて愛し合うようになる。名だたる興行師ディリンガムを招へいし演奏を披露したところステラが見込まれ、彼女はニュー・ヨークへ。ロジャーは怒って仲間と別れ、陸軍に入隊。陸軍楽団の指揮をして盛況をはくした。そこでステラに再会。ロジャーはステラに謝り彼女とよりを戻そうとするが、ステラがかつてのバンド仲間チャーリー(ドン・アメチー)と結婚していたことを知る。しばらく意気消沈状態だったロジャーも、新たに歌手ジェリー(エセル・マーマン)を迎え楽団を立ち上げる。ステラはロジャーのことが忘れられず、それを悟ったチャーリーは離婚を申し出た。ステラはロジャーに会いにいくが、仲むつまじいロジャーとジェリーの姿をみて身をひく。ロジャーの楽団は欧州公演を大成功させ、ジェリーは花形スターだった。ロジャーはジェリーに求婚するが、ジェリーはロジャーがまだステラを愛していると見抜き、やんわりと拒絶した。欧州から帰国したロジャーはチャーリーと再会。ステラと別れたことを知ると彼女を探し求めるがなかなか見つからない。ステラは表舞台から消え、名前を変えてひそかに暮らしていた。ロジャーの楽団公演がカーネギー・ホールで行われることを聞いたステラは密かに会場を訪れた。ラストの演奏中、ロジャーは舞台袖にステラの姿を見つける。ステラは昔のように"アレクサンダース・ラグタイム・バンド"を歌う。

Berlin with film stars Alice Faye, Tyrone Power and Don Ameche singing chorus from Alexanders Ragtime Band (1938)物語的には、この時代にありがちな"お互いに魅かれながらもすれ違いでなかなか結ばれず、最後にめでたくハッピーエンド"パターン。冒頭、アリス・フェイ演じるステラがはすっぱ女を小気味良い存在感で演じています。ロジャーに対して「あなたは成功したいのかもしれないけど、私は仕事がほしいだけ。生活できればいいの」と言い切る。それなのにステラが先に出世してしまう。アリスとロジャーがお互いの思いを確認してから、アリスが"ただの女"になってしまい、つまらなくなる。当時、彼女は23歳。うっそ...。それにしてもヘンリー・キング監督とアリス・フェイ タイロン・パワー、ドン・アメチーの主要キャストは前年の『シカゴ』と全く同じ。キャラクター描写はうすいけどキャストは皆よい味だしてます。特にタクシー運転手役のジョン・キャラダインがよかった。左写真はバーリン先生のピアノによりそう主要キャスト3人です。

それにしても、いくら原案者とはいえアーヴィング・バーリンの曲ばかり。伝記映画ではないけれど"俺様の業績をたたえる映画"を作りたかったのね。まあ、バーリンの名誉のためフォローしておきますとバンドがヨーロッパ公演を行うくだりはOriginal Dixieland Jass Bandのロンドンツアー、ラストは映画公開のわずか7か月前の1938年1月16日、ベニー・グッドマンがJazzミュージシャンとして初めてカーネギー・ホールでコンサートを行ったことを参照しているそうだ。

      

この映画の魅力はやっぱり楽曲。
まず使われている曲は以下のとおり。参照したのはこの2つ。imdb discogs.com

Ragtime Violin Ragtime Violin (1911)
Performed by Jane Jones, Otto Fries, and Mel Kalish

ステラと楽団が一緒にやることになって最初のステージで太めのおっさん2人とおばちゃん一人に歌われる。"さあ弾いとくれ。ラグタイムのバイオリンを"という単純な歌です。(笑)『イースター・パレード』(1948)でもフレッド・アステアがちらっと歌っています。ややアップテンポにアレンジ。
Ragtime Violin - Judy Garland & Fred Astaire (Easter Parade)

The Ragtime Violin(wikisource)

That International Rag That International Rag (1913)
Performed by Alice Faye, Jack Haley and Chick Chandler

"アメリカよ何をしてくれたんだ!世界中がラグタイムに夢中じゃないか?”という歌。

映画ではアリスがロジャーから衣装にいちゃもんをつけられ、"もう出ない!"とごねているところ、チャーリーから"僕のために歌ってくれ"と説得され、"私の優しさにつけこむのね"としぶしぶ登場したあと、男性2人とともに歌われる。アーヴィング・バーリンがロンドンでボードビル(寄席演芸)を行う前日、自分の音楽的才能を証明するために作った曲。本作のほか、『イースター・パレード』(1948)、"Call Me Madam"(1953)でも使われている。That International Rag(Wikipedia)

That International Rag(wikisource)

ちなみにラグタイムは1897年から1918年あたりにかけて流行した音楽スタイルですが、映画『スティング』(1973)でスコット・ジョプリン作曲の"The Entertainer"が使われたことで復興のきざしを見せています。

Everybodys Doin It Now Everybody's Doin' It Now(1911)
Performed by Wally Vernon and Dixie Dunbar (dance and vocal) and chorus,
then sung by Alice Faye and chorus

アリスとロジャーがチャーリーの仲介で和解したあとのステージで歌われる。
"さあ始めよう。ラグタイムのカップルを見てごらん、みんな踊っている。"
ショーにおいて、お客にペアダンスを促す曲。あそこに熊が!という意味不明な内容もありますが。
かのジュリー・アンドリュース様も録音を残しています。(詞は結構あっちにとんだり変更したり...?)
The World Of Julie Andrews - Everybody's Doin' It Now

Everybody's Doin' It Now(wikisource)

まあ、おんなじような曲が続きますね。時代を感じます。


 Now It Can Be Told(1938)
Performed by Don Ameche (piano and vocal)
Reprised by Alice Faye and by the band

映画のための新曲。アカデミー歌曲賞にノミネートされましたが受賞ならず。"最高の喜びで今語られる。誰も聞いたことがない2人の壮大な愛の物語"という、まあ勝手にしてくださいという内容で(笑)チャーリーがステラにピアノで聴かせ、その後ステージでステラが歌う。そのとき、ステラがロジャーをふと見て、2人はお互い魅かれあっていることを自覚する。この曲歌い終わった後、2人でステージを抜け出して即効でキス。映画の"決め曲"だけどスタンダードになったとは言い難い。歌詞が仰々しすぎるからかな。エラ・フィッツジェラルドが"Ella Fitzgerald Sings the Irving Berlin Songbook"の中で優雅にカバーしています。Ella Fitzgerald - Now It Can Be Told



 This Is the Life(1914)
Performed by Wally Vernon (dance and vocal)

興行師ディリンガムを招いたステージの冒頭で男性ダンサーにより歌われる。
"牛とニワトリが好き。これが人生"と歌い、タップを決める。まだ、ディリンガムは到着していない。

When the Midnight Choo-Choo Leaves for Alabam When the Midnight Choo-Choo Leaves for Alabam'(1912)
Performed by Alice Faye

さて、そのディリンガムがきた途端、ステラが歌うのがこの曲。
"真夜中のアラバマ行きの列車に乗るわ。私の故郷アラバマ、愛しい人が待っているもの"
ポッポスというより、カントリー(笑)。
この曲も『イースター・パレード』で歌われていますね。
When That Midnight Choo Choo Leaves For Alabam - Judy Garland & Fred Astaire (Easter Parade)
ここでステラのみが見染められ、アラバマどころがNYに行くことになる皮肉。

When the Midnight Choo-Choo Leaves for Alabam'

For Your Country and My Country (1917)
Performed by Donald Douglas at a recruiting station

ステラのみニューヨークいきが決まり、ラグタイム・バンドが解散。その後の場面。
"ワシントンが生きていたら剣を握って言うだろう。みんなと私の国のため再び立ちあがろう"と歌われる、要は軍歌ですね。その後、兵士訓練の場面につくり、入隊したロジャーが映し出されます。

 I Can Always Find a Little Sunshine in the Y.M.C.A.(1918)
Performed by The King's Men

海軍に楽団をつくったロジャー。"YMCAの安宿で手紙を書いている。僕を思い出してくれとロジャーの指揮で海軍兵たちがしっとりと歌います。この曲はバーリンが1918年にプロデュースした"Yip Yip Yaphank"の中の一曲。
Orpheus Quartet And Lambert Murphy - I Can Always Find a Little Sunshine in the YMCA 1918

 Reveille
Traditional
Played by an army bugler to awaken the soldiers

兵士を起こすラッパの音はこの曲です。いわゆるBugle call(集合ラッパの音)ってやつですね。作曲者不明?
Reveille(Wikipedia)

Oh! How I Hate to Get Up in the Morning(1918) Oh! How I Hate to Get Up in the Morning(1918)
Performed by Jack Haley and army chorus

ラッパの音でたたき起こされた兵士
"兵隊生活は快適だけど、朝起きるのだけはつらい。いつかラッパ吹きを殺すんだ"と歌います。
日常生活の描写と思いきや、ステージ上の演目でした。
この曲も"Yip Yip Yaphank"の中の一曲。

Oh! How I Hate to Get Up in the Morning(Wikipedia)
Oh, How I Hate to Get Up in the Morning(wqikisource)

 We're On Our Way to France(1918)
Performed by chorus

"我々は今からフランスに出発する。泣かないで、笑って見送ってほしい。"と歌います。
この曲も"Yip Yip Yaphank"の中の一曲。
1943年の映画"This Is the Army"でも使われています。Irving Berlin - We're On Our Way To France

 Say It with Music(1921)
Performed by Ethel Merman

ステラがチャーリーと結婚していたことを知り、途方にくれるロジャー。ジェリーを紹介されたあと、彼女がロジャーの肩を抱き、しなだれかかるように歌う。"美しい音楽にあわせて言ってみて。キューピッドの力をかりてもいいわ"

Say It With Music - Jack Payne and his BBC Dance Orchestra A Jack Payne Tribute

Say It with Music(wikisource)

A Pretty Girl Is Like a Melody(1919) A Pretty Girl Is Like a Melody(1919)
Performed by Ethel Merman

"Say It With Music"に続いて歌われます。"美しい娘はメロディみたい。夜も昼も頭から離れない。彼女は去ってもまた戻ってくる" ロジャーにステラのことを思い出させるよう。
アーヴィング・バーリンが1919年に開催したジーグフェルド・フォーリーズのテーマソングとして使われ、フランク・シナトラ、ビング・クロスビー、ジュディ・ガーランド、ルイ・アームストロングなど多くの歌手が録音しているスタンダード曲。
A Pretty Girl Is Like a Melody(Wikipedia)

A Pretty Girl Is like a Melody(wikisource)


 Blue Skies(1927)
Performed by Ethel Merman and Alice Faye with the speakeasy patrons joining in

ステラとジェリーが顔をあわせるパーティの場面で歌われます。
いわずとしれたアーヴィング・バーリンの代表曲だが、ジェリー、ステラと2人続けて同じ曲を歌うのはちとくどい。ステラがサビの"悲しい日々は終わった。これからは青い空だけ"をしっとりせつなく歌うのがドラマ的ポイント。でもやっぱりこの曲は明るくカラっと歌ってほしいな。この"Blue Skies"、もともとはバーリンがベル・ベイカーのために書いた曲。初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』(1927)の中でもアル・ジョンソンが歌っている。Blue Skies - Al Jolson ベニー・グッドマンも上記カーネギー・ホールコンサートでこの曲を演奏、1946年には同名の映画がビング・クロスビー、フレッド・アステア出演で公開され、当時の大物歌手もこぞって録音している。世代を超えてジャンルの垣根も越えて歌い継がれているスタンダード中のスタンダード!あまり大きな声では言えませんが、個人的に一番好きなヴァージョンはシナトラでもクロスビーでもエラでもなく...これ。データ君最高!(笑)

Blue Skies (1926 song)

Blue Skies Lyrics

 Pack Up Your Sins and Go to the Devil(1922)
Performed by Ethel Merman and chorus

ロジャー楽団のパリ公演でジェリー(エセル・マーマン)がデビルの角とマントをつけて歌う。
"罪を重ねて地獄をたずねてごらん。素晴らしい紳士、淑女に会える。彼らは上より下が好き。地獄はにぎやか。いろんな人がいる。ジャズバンドの変な調べも聞こえるわ。地獄へいらっしゃい。悪魔が待ってるわ"という楽しい歌。

 What'll I Do(1924)
Performed by an offscreen chorus

ロジャーとジェリーの関係を知ってショックを受けたステラが、失意の中マネージャーにショーを辞めることを伝える場面で使われる。"私はどうすればいいの?"という物語とシンクロさせています。最初はピアノ伴奏、その後男性コーラスで歌われます。歌詞の内容に反するように、非常に無機質で情感にかける音。意図的な演出かどうかは定かでありませんが。"What'll I Do"も多くの歌手が録音しているスタンダードナンバーですが、この曲はリンダ・ロンシュタット+ネルソン・リドル版ではじめて聞いた。今聞き直すと少し歌いあげすぎ感はあるが、このヴァージョンが一番好き。メロディが上品できれいな曲なので、ジャズっぽく崩して歌うよりは普通に歌ったほうが絶対に映える曲。"What'll I Do?" Linda Ronstadt

What'll I Do

 My Walking Stick(1938) (uncredited)
Performed by Ethel Merman and chorus

傷心のステラと対比させるように導入される場面で使われています。
"ハットもタイもいらないけど、スティッキだけはかかせない"という歌。杖老人の歌です(違うって)
タキシードとハットに身をつつみ、ダンサーをしたがえて歌うジェリー。指揮をしながらそれを愛おしそうに見つめるロジャー。

 Remember(1925)
Performed by Alice Faye

アーヴィング・バーリンが恋人エリン・マッケイのために書いたバラード曲。ステラが列車の中で、自分のレコードが流れるのを聞きながら涙ぐむという場面で使われます。"You promised that you'd forget me not,But you forgot To remember"(あなたは私を忘れないと誓った。でも忘れた)...何ともシンプルな無情。有名曲とまでは言えないらしいですが、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデイなど多くの歌手が録音を残している。

 Everybody Step(1921)
Performed by Ethel Merman and chorus

"指揮者も楽団も最高よ。ジャズを聞いてみて。誰もがステップに夢中になっているわ。私は恋人とステップを踏んでいるの" ステージで歌うジェリー。ステラに見せつけているようです。

 All Alone(1924)
Performed by Alice Faye

どこかの酒場で"夜はいつもひとりぼっち あなたもひとりかしら"と歌うステラ。キャバレーでリリー・ラモントと名前を変えて歌っているという設定のようです。ラモントって...たぶんlament(嘆き、哀歌)でしょ。ステラはブルースシンガーになったんかい!まあ、それにしても楽団の盛況とステラの孤独、対比描写がしつこい!映画も終盤にさしかかり、ひとつでも多くバーリン曲をぶちこもうという魂胆が丸見えであります。もともとはバーリンが『ミュージック・オブ・レビュー 1924』というレビュー用に作った曲。これも多くの録音が残されており、フランク・シナトラが一番有名。

All Alone (1924 song)

 Gypsy in Me(1934)
Written by Cole Porter
Sung by Fred Santley with Ron Wilson at piano

コール・ポーター作詞・作曲のミュージカル『エニシング・ゴーズ』からの曲。他人の曲も申し訳程度に混ぜます。新作のオーディション場面で男性シンガーがせかせかと歌う。「バラードが欲しいんだ」といって落とす。落とすのは他人の曲。自分の曲を落とせよ(笑)。

 Marie(1928)
Played by the band at Carnegie Hall and sung by chorus

カーネギー・ホールコンサートにおいて最初に演奏される曲。歌はなし。
初出は1929年ルディ・ヴァリーがヒットさせたもの。映画ではアップテンポすぎて同じ曲とは思えず。Rudy Vallee - Marie 1929 - Irving Berlin Songs

 Cheek to Cheek(1935)
Played on the radio, broadcast from Carnegie Hall

このスタンダード曲も、当時『トップハット』公開からわずか3年しかたっていなかったため、ラジオをからチラと流れる程度の控えめな登場。これも短いし、アップテンポゆえ、ぼーと聞いていたらこの曲だと気づかないかもしれません。Cheek to Cheek(Wikipedia)

 Easter Parade(1933)
Performed by Don Ameche and chorus at Carnegie Hall

カーネギー・ホールコンサートでチャーリー(ドン・アメチー)が歌う。
"イースター・パレードに君を連れていくのが待ちきれない。僕たちは写真に撮られまくるだろう"という例によって他愛のない歌。1933年のレビュー"As Thousands Cheer"で初披露され、『スイング・ホテル』(1942)でビング・クロスビーが歌い、そして1948年にはフレッド・アステア、ジュディ・ガーランドでタイトルそのままの映画が作られている。本作を含め3本の映画で起用されているため、曲のタイトルは有名だけど、カバーしている人はそんなに多くない模様。スタンダード曲と呼べるかは微妙。イースター・パレードに縁のない人間にとってはまさにどーでもいい歌ですからね(笑)。ちなみにこの曲はアーヴィング・バーリンが好きな自作曲5曲のひとつに挙げている。ちなみに他4つは"White Chiristmas"、"Always"、"God Bless America"、"There's No Business Like Show Business"。

Easter Parade Lyrics

 Heat Wave(1933)
Performed by Ethel Merman and chorus at Carnegie Hall

カーネギー・ホールでジェリーが歌う。
"情熱的な熱波が押し寄せる。カンカン照りよ。彼女の力で温度が押しあがる。"
これも前述の"As Thousands Cheerが初出。1946年の『ブルー・スカイ』でオルガ・サン・ファン、1954年の『ショウほど素敵な商売はない』でマリリン・モンローが歌っている。ビング・クロスビーも録音を残しているが、エラ・フィッツジェラルド版が貫禄。

Heat Wave (Irving Berlin song)

Alexanders Ragtime Band Alexander's Ragtime Band (1911)
Performed by Alice Faye with Tyrone Power on violin, Don Ameche on piano,Jack Haley on drums, and others
Reprised by Alice Faye at the end
Snippets played in the score throughout

映画の冒頭、そしてラストでアリスが楽団をバックに歌う曲。"さあ、聞いてごらん。アレキサンダーズ・ラグタイム・バンドの演奏がはじまるよ"という歌詞で、映画はこの曲をもとにつくりあげていったと言える。冒頭ではアリスが楽団に割り込み、ラストでは舞台袖で観ていた彼女が招かれる、その差がこの映画の物語...というほどの深みは感じませんがね(笑)。何といっても映画のタイトル曲、1回聞いただけで覚えられそうなシンプルな曲なので、公開当時劇場で観た人は帰り際に口ずさんだことでしょう。"Alexander's Ragtime Band"はアーヴィング・バーリンが1911年に作った曲。バーリンは4歳のときロシアからアメリカに移住。やがて当時はやっていたシンギング・ウェイター(ウェイターが余興として演奏し歌う)の仕事につき、1907年「マリー・フロム・ウェイター」が発売されてから本格的に作曲家として活動し始める。"Alexander's Ragtime Band"はバーリン初の大ヒット曲となり、名声を確立した。彼は専門的教育を受けておらず、ピアノも作曲も独学だった。アメリカの元祖スタンダードともいえる曲で、多くの録音が残されている。ちなみに曲名にはラグタイムとありますが、この曲自体はラグタイムではないらしい、デス。

オバハンになってからのアリス・フェイの録音です。渋みが出てる!
Alice Faye - Alexander's Ragtime Band (1962 - Stereo).mpg

Alexander's Ragtime Band(wikipedia)

Alexander's Ragtime Band(wikisource)

アーヴィング・バーリンが原案を担当した『世紀の楽団』。この映画のヒットがきっかけであその後、バーリンの曲だらけ映画がいくつも製作されています。バーリンの曲の持ち味は歌詞・曲ともにシンプルでわかりやすいこと。その持ち味が映画にも出すぎている(笑)。ドラマとしては弱いですが、バーリンの歌をたくさん聞いているうちにあっという間に終わります。"スイング時代"といわれる当時の空気を知るには最良の作品です。
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2014.10.02 Thursday | 00:17 | Jazz映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

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2017.10.20 Friday | 00:17 | - | - | - |

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