映画のメモ帳+α

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コンチネンタル

コンチネンタル(1934 アメリカ)

コンチネンタル 1934原題   THE GAY DIVORCEE
監督   マーク・サンドリッチ
脚本   ジョージ・メリオン・ジュニア ドロシー・ヨースト
撮影   デイヴィッド・エーベル
音楽   マックス・スタイナ
出演   フレッド・アステア ジンジャー・ロジャース
      アリス・ブラディ エドワード・エヴァレット・ホートン
      エリック・ローズ ウィリアム・オースティン
      アート・ジャレット ベティ・グレイブル

第7回(1934年)アカデミー賞主題歌賞受賞("The Cotinental")。作品、作曲、美術、録音賞ノミネート

コンチネンタル』はフレッド・アステアジンジャー・ロジャーズは『空中レビュー時代』に続く2度めの共演作。アステアは「チームとして扱われるのはいやだ」とジンジャー・ロジャーズとの再共演に難色をしめしましたが、『空中レビュー時代』が好評だったこともありしぶしぶ説得に応じる。1932年の舞台"Gay Divorce"の映画化ですが、楽曲はコール・ポーター作"Night and Day”を除いて、映画用の新曲が用意されました。映画の原題は"The Gay Divorcee"。明るい離婚という意味で使われていますが検閲にひっかかったため(何故かはいうまでもないですね)Divorce(離婚)のスペル末尾にeをひとつ付け加えられたという経緯があります。



物語
ダンサーのガイ(フレッド・アステア)は親友で離婚弁護士のエグバート(エドワード・エヴァレット・ホートン)と共にパリからロンドンに向かう途中でミミ(ジンジャー・ロジャース)に出会う。ガイはミミにひとめ惚れ。ミミがエグバートの顧客であることを知らぬガイはなんとかミミにコンタクトをとろうとする。ミミはエグバートと相談し、トネッチ(エリック・ローズ)を愛人にしたて夫を怒らせて離婚に持ち込むことを画策。ミミはホテルの一室でトネッチを待っていた。翌朝夫ルバート(ウィリアム・オースティン)と会うことになっており、トネッチを発見させるという計画である。ところが予定時刻になって現れたのは何とガイだった...。

物語の鍵を握る合言葉"Chance is the fool’s name for fate"、これ日本語訳が難しいですね。まずchanceをそのままチャンスと訳すか、それとも偶然と訳すか。どちらで訳してもストーリーには適合しますがチャンスと偶然では日本語のニュアンスはかなり違ってくる。全体としてもポジティブにもネガティブにも受け取れる内容。自分のみたDVDでは"偶然は運命の申し子"と訳されていました。上手く逃げています(笑)。その後トネッチがこれをいろいろ言い間違える寒いギャグがあるんですが、元の意味が曖昧なのでパロディにされても余計混乱するばかり。googleで検索すると"Chance is the fool’s name for fate meaning”というキーワード候補が出てきますので、わかりにくいと感じた人は多いのでしょう。ミュージカルだから物語は二の次、たいして気にする箇所でもないのですが、もしこれがストーリー勝負のドラマ作品ならこの台詞が上手く伝わらないとキツイ。

個人的に好きなのは紙人形をつくって回転させ、照明で照らして影で映し出しトネッチの目をごまかそうとする場面。
オシャレでかわいい。The Continental The Gay Divorcee 1934
コンチネンタル 紙人形1コンチネンタル 紙人形2コンチネンタル 紙人形3

さて、ミュージカル映画ですから楽曲のお話にうつります。

★ ハリー・レヴェルマーク・ゴードンによる"Don't Let It Bother You"。
オープニング、自分が有名なダンサーだと証明するため、レストランで踊る場面。歌はなし。踊るだけです。
Fred Astaire - Don't Let It Bother You, The Gay Divorcee, 1934

★ コン・コンラッドハーブ・マジソンとによる"A Needle In a Haystack"。
ガイがミミのスカートを間違って破ってしまい、その場しのぎに自分のコートを貸した。それが郵送で戻ってきたあと、ガイがミミのことを思いながら"(ロンドン300万人の女性の中から、まだ名前も知らぬ女性を見つけるのは)干し草の中から針を見つけるようなもの。それでも見つけてみせる。街ですれ違って会えるといいな"と無謀な夢を歌います。でもハリウッド映画ですからそれが叶っちゃうんですね。軽やかにまわりながらイスの上に飛び乗る動きもしなやかです。
A Needle In A Haystack - The Gay Divorcee (1934)

★ 当時17歳のベティ・グレイブルが弁護士役のエドワード・エヴァレット・ホートンにしなだれかかるように歌う"Let's K-nock K-nees"。コン・コンラッドとハーブ・マジソンによる曲。"ねえ、遊びましょうよ。私をとろけさせて。さあ、寄り添って膝をノックしてよ"と歌うんですが、脚線美で知られるベティがそれを隠し、男は短パン...。Let's Knock Knees

★ そして、舞台オリジナル曲で唯一映画に引き継がれた"Night and Day”(昼も夜も)の登場です。ミミがついにガイに見つかった後、要は口説きの場面で歌われます。コール・ポーターは歌手としては声が細く、音域もせまいアステアに合わせ歌いやすい曲をつくりあげた。時代を問わず最も印税を稼いだ曲のひとつといわれるほどすっかり浸透した。あまりにも多くの歌手が歌っており、フランク・シナトラの十八番曲でもあったため、オリジナルがアステアであることを知らない人もいるかも。アステアが歌うことを念頭において作られたのだから、アステアなしにはこの曲は生まれなかった!この曲で誰か口説いてみます?"昼も夜も君しか見えない"というシンプルな内容ですが、最後のほう、かなりエロい表現がありますので要注意!

Night and day
Under the hide of me
There's an oh such a hungry
Yearnin' burnin' inside of me

ポルノまがいだと憤慨した批評家がいるらしいでっせ。訳しませんので、そこんとこよろしく。
Fred Astaire & Ginger Rogers - Night And Day, The Gay Divorcee, 1934

★ "The Continental"。これはコン・コンラッドとハーブ・マジソンによる曲。ちなみにContinentalって大陸って意味なんですけど..."美しいリズム、危険なリズム、情熱...それがコンチネンタル"。コンチネンタル・タンゴのことなのかな。この年、アカデミー賞に歌曲賞が創設されたばかりでこの曲は第一回目の受賞作となりました。ミュージカル映画といえばレビュー場面にたっぷり時間をかけるのが定番ですが、コンチネンタルのパフォーマンス場面は17分半。『巴里のアメリカ人』(1951)の18分半に破られるまで最長記録を誇っていました。また、アステア=ジンジャー・ロジャーズコンビとしても最長を誇っています。
Fred Astaire & Ginger Rogers - The Continental, The Gay Divorcee, 1934

フレッド・アステアは本作でジンジャー・ロジャースと再共演するのは観客に飽きられるだけじゃないか?という懸念を持っていたそうです。またジンジャー・ロジャースは主演女優の器ではないとも考えていたとか。そもそも共演1作『空中レビュー時代』でアステアとロジャースはダンスコンビを組んだだけで、2人とも助演。よって『コンチネンタル』はアステア=ロジャースコンビの主演第一作目。大ヒットしたためコンビはさらに継続となります。

『コンチネンタル』は安心して観れる映画。脚本もそこそこよく出来ていて、歌もダンスも楽しめる。ヒットしたのも納得。気分転換に良い映画です。"Night and Day"ってやっぱりいい曲ですね。偶然(あるいはチャンス)が運命の何なのかは最後までわかりませんでした(笑)。
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2017.07.23 Sunday | 00:18 | - | - | - |

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