映画のメモ帳+α

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泥棒成金

泥棒成金(1955 アメリカ)

泥棒成金原題   TO CATCH A THIEF
監督   アルフレッド・ヒッチコック
原作   デヴィッド・ダッジ
脚本   ジョン・マイケル・ヘイズ
撮影   ロバート・バークス
音楽   リン・マーレイ
出演   ケイリー・グラント グレイス・ケリー
      シャルル・ヴァネル ブリジット・オーベール
      ジェシー・ロイス・ランディス ジョン・ウィリアムズ



第28回(1955年)アカデミー賞撮影賞(カラー)受賞。美術監督・装置(カラー)・衣装デザイン賞ノミネート

アルフレッド・ヒッチコック監督の『泥棒成金』は主演にケイリー・グラントグレイス・ケリーというヒッチお気に入りの2大スター共演!にもかかわらず、サスペンスというよりロマンティンク・コメディに近い内容。『ローマの休日』など当時流行となった観光名所を舞台にした作品。南フランスでロケも行った。(実は半分セット)、ヒッチコック初のワイドスクリーン作品であり、パラマウントがシネマスコープに対抗して開発したビスタビジョンで撮影されている。



物語
ジョン・ロビー(ケイリー・グラント)は、かつて“猫”と呼ばれる悪名高き宝石泥棒だったが、今は足を洗い、リヴィエラに別荘をもって悠々自適に暮らしていた。ところが、"猫"の手口そっくりの宝石泥棒が相次ぎ、ロビーは再び警察から目をつけられる。驚いた彼は、ニセモノの"猫"が誰であるかの調査に乗り出す。保険会社のヒューソン(ジョン・ウィリアムズ)から"猫"が狙いそうな金持ちの顧客リストを聞き出し、金持ちのステーヴン夫人(ジェシー・ロイス・ランディス)とその娘フランセス(グレイス・ケリー)に目をつけ、ニセモノの"猫"登場を待ちうけるが...

冒頭、ストライプのシャツとスカーフでケーリー・グラントが登場します。衣装デザインはイデス・ヘッドですが、何か微妙に似会ってないような...。

泥棒成金 ケーリー・グラント

当初、グラントの衣装はボタンダウンシャツだったそうです。これは当時、大変モダンなファッションだったらしく、"フランスではこんなシャツ誰も着てないよ!"という声を受けて変更された。うーん、時代を感じますね。まあ、グレース・ケリーは『裏窓』同様、今回も着せ替え人形状態です。

そのケイリー・グラントですが、1950年代に入ってからヒット作に恵まれなくなり1953年2月に一度引退声明を出しています。マーロン・ブランドのようなメソッド演技が隆盛になってきたので、もう自分は興味を持たれていないこと、またチャップリンのハリウッド追放劇に怒っているからという理由のよーです。し・か・し、ヒッチコック大先生に説得され『泥棒成金』に出演、大ヒットしたためその後11年間俳優活動を継続している。(引退は62歳とそれでも早い方ですが)

グレース・ケリーは3作連続、かつ最後のヒッチコック映画。映画ではブリジット・オーベール演じるダニエルが10代の女の子で、グレイス・ケリー演じるフランセスは大人の女性、という設でダニエルがロビーに「なんで新品(=ダニエル)があるのに中古車(=フランセス)を買うの?」という台詞も出てきます。実際にはブリジット・オーベールのほうが1歳年上なのに!グレース・ケリーはこの映画が一番キレイですね。この映画では『断崖』をほうふつさせるカー・チェイス場面がありますが、この撮影場所、グレース・ケリーが1982年に自動車事故で亡くなった場所と同じ道路だったそうです。

泥棒成金 ドライブ

ジェシー・ロイス・ランディス演じる未亡人のキャラが面白い。ケイリー・グラントをみて、娘グレース・ケリーに「いい男ね、(娘に)買ってあげるわ」とつぶやいたり、「宝石は盗まれた方が面白い」と浮世離れしたことを言ってみたり。ヒッチコック映画において、"金持ちの未亡人"は豚とか社会の害悪みたいな扱いが多く、『疑惑の影』では彼女らが次々殺されるというシチュエーションなのですが、この『泥棒成金』ではコメディ・リリーフ役。さほどひどい扱いではありません。

さて、ヒッチコック映画において出演俳優の話をずらずら書くときは...そう、この映画ってあんまり語ることがないんですね。(映画レビューで俳優についてうじゃうじゃ書くのは最終手段だと思っている)典型的なスター映画で、2大スターと綺麗な風景みてそこそこ面白いって感じで。"間違えられた男"が場所を転々としてそこで美女と出会い...典型的なヒッチコックストーリーなんですが、テンポが今イチでサスペンスなのに全然怖くない。冒頭のおばちゃんの雄たけびは『サイコ』の予行演習?ヒッチコックらしからぬ鈍いオープニング(^^;

泥棒成金 おばちゃん

真犯人も早い段階で予想がつく。イメージ映像として挿入されている"黒猫"が本当に犯人で、キャットファイトを繰り広げれば面白かったのに(爆)まあ黒猫ってもうちょっとぽっちゃりしているほうが可愛いんですけどね。まあ、可愛かったらイメージに合わないか?

泥棒成金 黒猫1泥棒成金 黒猫2

最後の方の仮装舞踏会も、屋根の上の攻防もなんか盛り上がりませんな〜。自由の女神像の上で戦わせた『海外特派員』のような気概はどこにいった?植草甚一氏がこういう主旨のことを述べていた。"ヒッチコックのユーモアがイギリス式からアメリカ式に変化している。全然怖くないサスペンス。いいかえればユーモアだけのサスペンスで処理しているといってもよい"。ユーモアだけの...なら次作『ハリーの災難』がまさにそれなんですが!この『泥棒成金』で少しずつ試していたのかもしれませんね。で、なきゃあんな変なおばちゃんの雄たけびを冒頭に持ってこないでしょうし。

ヒッチコック カメオ出演場面「泥棒成金」でのヒッチコック・カメオ出演場面!

泥棒成金 ヒッチコック カメオ

0:10 バス内。ケーリー・グラントの隣に座っているオッサン。わかりやすすぎる。

『泥棒成金』はケイリー・グラント、グレース・ケリーの2大スター共演を気軽に楽しめばいい、ゆる〜い作品です。
黒猫好きとしてはもう少し猫ちゃんが見たかったな!
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1000 Frames of To Catch a Thief (1955)


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2017.03.28 Tuesday | 00:21 | - | - | - |

コメント

毎日おじゃましております。すみません。

この作品は、ロマンティンク・コメディだと思っています。
裏窓は、コーネル・ウールリッチ原作なので、心理的サスペンス要素がメインでしたが、こちらは、サスペンスは添え物。サスペンスのドキドキ感を、ロマンスのドキドキ感を増幅させるために使っている…と思っています。
グレイス・ケリーは美しく、美しさを引き立てるようなファッション、そして風景…素敵です。

ロマコメの上位に来るのでは?
2014/08/10 2:34 PM by パール
「泥棒成金」個人的にはヒッチお気に入りの2大スターを起用しておきながら
何でこんなゆるい作品つくったの?もったいないなあ、という忸怩たる思いがあります。
おかげで映画は大ヒットしたのですが、今みるとグレース・ケリーが事故死した場所と
同じところで撮影が行われた、というエピソードでもって残っている感があります。

ところで、ある映画評論家の方が"ヒッチコックファンは『裏窓』派と『サイコ』派にわかれる。
『裏窓』派は"美男美女が出て、ロマンスがあってハッピーエンド"そういうのが好きと言っています。
パールさんは『裏窓』派でしょう?私はもちろん『サイコ』派です(笑)。

『裏窓』が苦手なのは、ああいう湿り気のあるドラマを個人的にヒッチコックへ求めていないからです。
あまり大きな声では言えないのですが、『裏窓』より『見知らぬ乗客』のほうがずっと好き。
なぜなら『見知らぬ乗客』は個人的にヒッチコックに求めている要素がつまっているから。たとえ物語が無茶苦茶であっても(笑)
2014/08/10 10:22 PM by moviepad

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