映画のメモ帳+α

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逃走迷路

逃走迷路(1942 アメリカ)

逃走迷路原題   SABOTEUR
監督   アルフレッド・ヒッチコック
脚本   ピーター・ヴィアテル ジョーン・ハリソン ドロシー・パーカー
撮影   ジョセフ・ヴァレンタイン
音楽   チャールズ・プレヴィン フランク・スキナー
出演   ロバート・カミングス プリシラ・レイン
      ノーマン・ロイド オットー・クルーガー
      アラン・バクスター

アルフレッド・ヒッチコック監督の『逃走迷路』はヒッチサスペンスの王道"間違えられた男"パターンの物語だ。真珠湾攻撃の直後から撮影がはじまったためか戦時中を意識させるようなメッセージがちらほらあり、かつ設定をごちゃごちゃさせすぎのためヒッチコック映画としてはやや鈍い仕上がりとなっている。



物語
航空会社に勤務するバリー・ケーン(ロバート・カミングス)は、軍需工場への破壊工作により、同僚が死んだ事件の容疑者に仕立てられる。事件解明の手掛かりは、ケーンと一緒に作業をしたフライ(ノーマン・ロイド)と彼が落とした封筒に記載されていた“ディープ・スプリングス牧場”という住所だけだった。バリーは手錠をかけられたまま、警察から脱走し、ディープ・スプリングス牧場に向かうが、牧場主トビン(オットー・クルーガー)はフライなど知らないと言い放つ。だが、トビンの子供が落とした紙切れはフライからの電報だった、トビンは警察に通報したため、ケーンは再び逃走。そこでパット(プリシラ・レーン)という娘と出会う。

それにしても、"ザ・ヒッチコック"というべき定番パターンですね。無実の罪を着せられた男が、手錠をかけられたまま逃走。自分の潔白を晴らすため、わずかな手掛かりを頼りに場所の移動を続け、出会った人がもっている新聞記事で捜査状況を確認しながらそこで知り合った女といつの間にか恋に落ちる...。この映画の原題はSABOTEUR。サボタージュのフランス語です。過去、『サボタージュ』(SABOTAGE)をつくっているからかぶりを避けるためにフランス語にしたのでしょう。何て安直(笑)。

ちょっと違う点があります。ケーンが逃走先で出会った人が妙にいい人だったため、救われたというパターン。こーいうのスピルバーグなら日常茶飯時ですが、ヒッチコック映画じゃ珍しい?また、いやでも戦時中を意識させられる"メッセージもどき"がところどころ含まれている。う〜ん、こーいうのってリアルタイムで見ればグッときたりするのかもしれませんが、今見るとサスペンス性をそぐだけ。ヒッチコック映画にメッセージなんかいらない!ちょっと引用してみようかと思ったけどやめた。たいした台詞じゃなかったし。

主人公がナチ破壊工作員の連絡場所を偶然みつけ自分も工作員のふりをして情報をつかもうとする場面あたりから、あれやこれや詰め込みすぎでやや混乱する。バリーがパーティで招待客たちに"主催者たちはナチの工作員です"と告げようとする。バリーを窓から銃で狙う工作員。本来なら盛り上がるはずのサスペンスも今イチ。ここから先はしっちゃかめっちゃかというイメージしかない。

唯一の見所はラストの自由の女神でのケーンとフライとの攻防。落ちそうになるフライの腕をつかむケーン。だが、フライのスーツ袖の裾がだんだん破けていき...。これ、ヒッチコックが"落ちそうになるのは、フライではなく主人公ケーンにするべきだった"と語っていますがその通りですね。だって、フライじゃ先が見えてしまう。このまま裾が破けてフライが落下して死んで一件落着となるんだな...と。

逃走迷路 自由の女神

ヒッチコック カメオ出演場面「逃走迷路」でのヒッチコック・カメオ出演場面!

1:04 工作員が車を止めた際、そこに構える薬局のまえに立つ。

逃走迷路 ヒッチコック カメオ

『逃走迷路』は興行も批評も今ひとつ。ヒッチコックいわく"キャストが弱かった"。ヒッチコック、失敗作は概ね俳優のせいにする傾向があります。この映画と同じ題材で主演を"重量感のあるスター"ケイリー・グラントに変えて、内容を充実させたのが『北北西に進路を取れ』だそうです。この2作を見比べてみるのもいいかもしれませんね。
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1000 Frames of Saboteur (1942)

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2017.04.17 Monday | 00:49 | - | - | - |

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