映画のメモ帳+α

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マンクスマン

マンクスマン(1929 イギリス)

マンクスマン原題   THE MANXMAN
監督   アルフレッド・ヒッチコック
原作   ハル・ケイン
脚色   エリオット・スタナード
撮影   ジャック・E・コックス
出演   カール・ブリッソン マルコム・キーン
      アニー・オンドラ ランドル・エアートン

(日本劇場未公開)

アルフレッド・ヒッチコックは『マンクスマン(マン島の人々)』について、こう語っている。「ヒッチコック映画とはいえない代物。取り柄はわたしの最後のサイレント映画ということくらい。」サーの称号をもつ作家ハル・ケインの小説が原作。それゆえ雰囲気をぶちこわすわけにはいかなかった、という。たしかに三角関係と不倫を描いたメロドラマゆえ視覚効果もほとんどなく、ヒッチコックっぽさにかける作品だが、映画としてみれば及第点。ヒッチコッはオーソドックスなドラマもちゃんと撮れるんだと妙な感心をしてしまいました。



『マンクスマン』はヒッチコックにしては珍しくストーリーを追うことが重要な作品。前もってストーリーを知っていると面白くもなんともない。思いっきりネタバレしていますので未見の方はこの先読まないほうがいいと思います。

------------------------------------------------ネタバレ注意------------------------------------------------

物語
マン島に住む、幼馴染の漁夫ピート(カール・ブリッソン) と弁護士フィリップ (マルコム・キーン) はともに旅館の娘ケイト (アニー・オンドラ)に恋をしていた。ピートはケイトに結婚を申し込むが、彼女の父親(ランドル・エアートン)から貧乏を理由に断られる。ピートは財産を築くため、島を去って出稼ぎにいくことを決意、「戻ってきたら結婚してほしい」と改めてケイトに告白。ケイトはそれを承諾する。やがて、ケイトのもとにピートが死んだという連絡が届く。フィリップがケイトをなぐさめているうちに2人は恋仲になる。そこに死んだはずのピートが帰ってくる。ピートとケイトは約束通り結婚し、子供が生まれる。だが、その子供はフィリップの子であった。フィリップへの思いを隠しきれなくなったケイトは自殺を図る。マン島で自殺は罪なため、ケイトは裁判にかけられる。裁判長はフィリップだtった。真相が法廷であかされ...

よくある昼メロドラマ。でもヒッチコックの演出力のおかげで、そんなに安っぽくはみえない。1929年につくられた話ということで、どういう結末をむかえるのか、やっぱり最後はハッピーエンド?などと考えながら観ると結構楽しめます。テンポもいいのでそれほどうっとうしくない。メインキャスト3人も好演。男はノーテンキキャラと暗めの2パターン。女は2人の男をともに不幸に追いやる"さげまん"女。今の感覚でみると"なぜ結婚の申し込みのときに断らない!"といぶかしく思いますが、島社会ならではなんでしょうねえ。

結婚直後、女は歓喜で身もだえてるわけではありません。
マンクスマン1

ケイトは「子供ができたの」とピートに告白します。リップシンクでそれがわかるようになっていますが、字幕には出ません。
映像作家ヒッチコックの意地を感じますね。
喜ぶピート。うなだれる2人。舞台チュックな構造だけど、うまい。
マンクスマン2

それにしてもなぜピートではなく、フィルップの子供だとわかったのでしょう。当時、DNA鑑定なんてなかっただろうに。原作ではその辺触れているのかもしれませんが、ヒッチコックがテンポを重視してカットしたのかな。ケイトがフィリップに「私と(自分の)キャリア、どっちを選ぶの」と攻め立てる。う〜ん、メロドラマぁん(笑)。そして自殺未遂の罪で法廷に女が連れ込まれます。そして顔をあげると...
マンクスマン4

ケイトでした。この女優さん、上手いですね。
裁判官フィリップはうなだれます。
マンクスマン5

そして、いよいよ真相がばれそうになると、フィリップに後光が差してきます。何がえらいのでしょうか?(笑)
マンクスマン3

わかりやすい視覚効果はなくても、この凡庸なメロドラマをそれなりに面白かったのは見せ方が上手いから。『マンクスマン』はヒッチコック最後のサイレント映画。ファンなら観ておいて損はありません。例の『定本 映画術』 ヒッチコック/トリュフォーの51Pにサイレントからトーキーへの移行時の話題で、ヒッチコックが映画について語る内容は必読!全部は引用できないが、「いまつくられている映画の大部分がとても<映画>とは言えない代物だ。<しゃべっている人間の写真集>と呼びたいくらいだね。映画でストーリーを語るときには、どうしても必要なとき以外は台詞にけっして頼ってはならないというのが鉄則と思うんだよ。」悲しいことに、この対談から長い年月がたった今でも状況は変わらない。
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1000 Frames of The Manxman (1929)

2014.07.09 Wednesday | 18:47 | A・ヒッチコック | comments(0) | trackbacks(0) |

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2017.03.29 Wednesday | 18:47 | - | - | - |

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