映画のメモ帳+α

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ダウンヒル

ダウンヒル(1927 イギリス)

原題   DOWNHILL
監督   アルフレッド・ヒッチコック
原作   コンスタンス・コリアー アイヴァー・ノヴェロ
脚色   エリオット・スタナード
撮影   クロード・L・マクドネル
出演   アイヴァー・ノヴェロ ベン・ウェブスター
      アネット・ベンソン リリアン・ブレイスウェイト
      バーバラ・ゴット イアン・ハンター ロビン・アーヴィン

(日本劇場未公開)

アルフレッド・ヒッチコック監督『ダウンヒル』は、前作『下宿人』のヒットを受け、大スターアイヴァー・ノヴェロと再び組んで作った長篇4本目。良家の息子が無実の罪で学校を退学になったことをきっかけに、どんどん落ちぶれていく物語。面白みはさほどないが、視覚表現においてヒッチコックらしさが垣間見える。初期ヒッチコック映画の中では最もダークな作品のひとつと称されている。

 以下の記事はネタバレしています。未見の方はご注意ください。

物語
ロディ(アイヴァー・ノヴェロ)は盗みを働いた罪でパブリック・スクールを退学させられた。本当は友人ルビイ(ロビン・アーヴィン)が犯人であることを知っていたが、この件は語らなかった。父親から勘当されたロディはいやおうなしに社会に出ることになる。ある女優と親しくなるが、そこにもいられなくなる。パリでプロのダンサーとして社交界をにぎわすがまたしても追い出され、マルセイユの貧民街にいったあと、アフリカ行きの船に乗り込むが、間違ってロンドンについてしまい....

原作は主演のアイヴァー・ノヴェロとコンスタンス・コリアーが書いた戯曲。舞台では、ラグビーの試合の後、ノヴェロが"生脚"を見せるのがセクシーと評判を呼んだが、映画では上半身裸にしている。それにしても当時30代半ばだったノヴェロが学生役なんて...。まあ、いろいろ言うのは野暮でしょうね。

映画はサイレント作品。最近発売されているDVDでは勝手に音楽をつけてあるようだが、オリジナルはサイレント。もしヒッチコックのエッセンスを感じ取りたいのであれば、サイレントで観たほうがいいだろう。社交界の場面に入る前に出てきた"The world of make-believe"という言葉にどきり。日本語に訳してしまえば"見せかけの世界"と少々味気なくなるが...。The world of make-believe"...言葉の響きカッコいいなあ。どこかで使おうっと(笑)

ヒッチコックが「戯曲はたいしたことない」と語るとおり、物語は退屈です。前半、寝そうになりました。でも勘当されたあと、主人公がひとりエスカレーターを降りる場面がよい。下に降りていくにつれて、エレベーターの側面に影が濃くなり、まるで暗闇に落ちていくようにみえる。タイトルの『ダウンヒル』のとおり、主人公の人生が"下り坂"に落ちていくようなイメージだ。

ダウンヒル エスカレーター

はじまって37分ごろ、ロディが女優の楽屋を訪れる場面で、こんな見せ方をしています。
ダウンヒル1  ダウンヒル2

ふりかえった女優の目線でカメラをまわしたんでしょうけど、あまり意味がないような(笑)。

あの社交場での怪しげな老女(詩人という設定らしい)、髭があるように見えるんですけど。男が女装しているのかと思った(笑)。この女優はヴァイオレット・フェアブラザーで、当時40歳ぐらい。アイヴァー・ノヴェロよりちょっと上ぐらいです。彼女は次作『ふしだらな女』ではもっと嫌みな役(ヒロインの夫の母親)で登場します。まあ、それはさておき。その後からようやくヒッチコックらしい映像が続きます。病気でうなされているとき、過去、自分を陥れた人物がそろって登場する悪夢に襲われるのですが、そのときバックにまわるレコード盤があって、そのうえに亡霊のように過去の残像が浮かび上がる。うまいなあ、音が聞こえてくるようです。『サイコ』での"悲鳴をあげるバイオリンの音"のようなイメージですねえ。

ダウンヒル 悪夢

そして、ロンドンにたどりつくと...。ここで街の様子を普通にとらないのがヒッチコック。
戸惑う主人公の心情を表すかのように街が幾重にもぶれてみえる。

ダウンヒル ロンドン1ダウンヒル ロンドン2ダウンヒル ロンドン3ダウンヒル ロンドン4
ダウンヒル ロンドン5ダウンヒル ロンドン6ダウンヒル ロンドン7ダウンヒル ロンドン8


この『ダウンヒル』。ヒッチコック映画の中ではつまらない部類だと言われているようですが、視覚効果が面白く、個人的には結構好きな作品。
ヒッチコック映画は気に言った映像表現があれば、それだけで満足なんです。
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1000 Frames of Downhill (1927)

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2017.07.23 Sunday | 19:03 | - | - | - |

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