映画のメモ帳+α

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快楽の園

快楽の園(1925 イギリス/ドイツ)

快楽の園原題   THE PLEASURE GARDEN
監督   アルフレッド・ヒッチコック
原作   オリヴァー・サンディス
脚色   エリオット・スタナード
撮影   バロン・ヴェンティミリア
出演   ヴァージニア・ヴァリ カルメリータ・ジェラティ
      マイルズ・マンダー ジョン・スチュアート ニタ・ナルディ

(日本劇場未公開)

映画監督にとってデビュー作はその人の全てのエッセンスが凝縮されている、とよく言われる。だが、サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコックにその定義は当てはまらない。ヒッチコックの長篇第1作『快楽の園』は、ヒッチコックいわく"メロドラマ"。ヒッチコックが助監督として従事していたグレアム・カッツ監督は女性関係のトラブルが多かった。かつヒッチとそりが合わなかったのか、彼をクビにしてしまった。そんな時、製作者のマイケル・バルコン(ダニエル・デイ=ルイスの母方の祖父です)から"英独合作の映画を頼まれているんだ。監督をしてみないか"と提案された。ヒッチはシナリオと美術監督の仕事だけで十分満足しており、監督をしてみたいとは考えていなかったという。当時、ヒッチは26歳。ひょんなことから映画監督デビューとなった。

 以下の記事はネタバレしています。未見の方はご注意ください。

物語
パッツィー(ヴァージニア・ヴァリ)は"快楽の園"というナイトクラブの踊り子。財布をすられた田舎娘ジル(カルメリータ・ジェラティ)を"快楽の園"で働かせてあげることにした。ジルは踊り子となり、ヒュー(ジョン・スチュアート)と恋仲になる。ヒューは事業のため、アフリカに旅立つ予定でジルもすぐ後を追う予定だった。パッツィーはヒューの友人レヴェット(マイルズ・マンダー)と結婚するが、彼もヒューのいるアフリカに旅立った。ジルは男たちにちやほやされる生活に溺れ、アフリカへ旅立つ気配がない。パッツィーは夫レヴェットのいるアフリカに向かったが、レヴェットは地元の女を愛人としていた。パッツィーは別れる決心を固め、その一方で熱病におかされているヒューの看病をする。レヴェットは愛人の女を自殺にみせかけて溺死させ、パッツィーをも殺そうとするが、それを見ていた現地の医師に射殺されてしまう。パッツィーはヒューと結ばれ、イギリスに帰る。



まあ、ヒッチの言うとおり、普通のメロドラマですね。ヒッチ本人も本作に思い入れがないようで、例のトリュフォーとの対談も作品の内容ではなく、裏話に終始しています。冒頭、レンズで踊り子を覗き込む場面なんかはヒッチっぽい。"のぞき"はヒッチコック映画の基本。その極め付けが『裏窓』だったりするんですけどね。この映画のラストを観たドイツのプロデューサーは「こんな残酷なものを観客に見せられるか!」と激怒したそうです。マイケル・バルコンは「ヨーロッパ映画というよりアメリカ映画ぽいな」と感想をもらした。既にヒッチコックの将来を見抜いていたのでしょうか?新人監督ゆえ公開は映画が完成してから半年後となったが、批評は好評。ロンドン・デイリー・エクスプレスは"巨匠の頭脳をもった新人"と評された。先見の目がある!でも"巨匠の頭脳"って一体何?ヒッチコック独特のテンポの良さは健在。無駄に冗長な場面もなくスムーズに物語はすすみます。サイレント映画にしては演技が仰々しくなく、落ち着いた印象。ヒッチコックのファンなら見ておいて損はない作品です。
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1000 Frames of The Pleasure Garden (1925)

 ↓当記事、及び今後のヒッチコック映画記事の主な参考資料です。


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2017.05.25 Thursday | 19:13 | - | - | - |

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