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スター・トレック イントゥ・ダークネス

スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013 アメリカ)

スター・トレック イントゥ・ダークネス原題   STAR TREK INTO DARKNESS
監督   J・J・エイブラムス
脚本   ロベルト・オーチー アレックス・カーツマン デイモン・リンデロフ
撮影   ダン・ミンデル
編集   メリアン・ブランドン メアリー・ジョー・マーキー
音楽   マイケル・ジアッキノ
出演   クリス・パイン ザカリー・クイント ゾーイ・サルダナ サイモン・ペッグ
      ベネディクト・カンバーバッチ ジョン・チョー カール・アーバン
      ピーター・ウェラー アリス・イヴ ブルース・グリーンウッド アントン・イェルチン
      ノエル・クラーク ナズニーン・コントラクター アマンダ・フォアマン ディープ・ロイ
      ジェニファー・モリソン レナード・ニモイ

第86回(2013年)アカデミー賞視覚効果賞ノミネート

1966年からはじまった『スター・トレック』も2005年5月のTVシリーズ『スタートレック:エンタープライズ』終了でひと段落したと思いきや、2009年に新時間軸版の劇場映画として新たに登場。『スター・トレック』(2009)はスター・トレック映画版最大のヒットとなり、トレッキーたちを安堵させ、作品もアメリカ製作者組合(PGA)賞にノミネートされるなど高い評価を受けました。その新時間軸版第2段が『スター・トレック イントゥ・ダークネス』。監督は前作同様、J・J・エイブラムス。TVシリーズを知らないファンでも楽しめ、かつトレッキーをも満足させる...前作で成功した離れ業は今回も健在!前作同様、作品も高評価&大ヒット。これでスター・トレックは当分続きそうです。



物語
2259年(前作の一年後)、カーク艦長(クリス・パイン)率いるエンタープライズ号は火山噴火の危機にさらされていた、ある惑星を救う。副長のスポック(ザカリー・クイント)は火口に近づき、冷却装置を設置しようとするが、降りる途中でワイヤが外れ、火口に取り残されてしまう。スポックを救うためにはエンタープライズ号の姿を現地住民にさらさなければならない。カークは迷わず実行するが、探査という目的に違反する行為のため、カークは降格処分となってしまう。その頃、ロンドンでテロが起こり、サンフランシスコの宇宙艦隊本部も危機にさらされ、カークの恩人パイク提督(ブルース・グリーンウッド)が命を落とす。犯人はジョン・ハリソン中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)だった。彼の目的は?そして正体は...?

予告編を観て少しイヤな予感がしました。
アクション場面ばっかり!こんなのスター・トレックじゃない!
まあ、その予感は当たってましたが、そう単純な構成でもありませんでした。
簡単にいってしまえば、前半は一般観客を”釣る”ためのアクション場面、後半はトレッキー向けの内容が中心となっています。後半も過去のスター・トレックを観ていなくても十分楽しめるのですが知っていればニヤリの連発なのです。米国公開時、「トレッキーに気をつかいすぎている」という評が出たのもうなずけます。でも知らなくても問題ありません。なかなか高度なテクニックを使っています。

タイトルの"〜イントゥ・ダークネス"が示す通り、どこか『ダークナイト』をほうふつさせる雰囲気。プロデューサーのデイモン・リンデロフもダークナイトを意識していると公言しています。いっそ、スター・トレックもダークサイドとやらに墜ちてみようか?ってことでしょうか?でも、スター・トレックシリーズってどんなに深刻な内容を扱っても、その手の暗さって今イチ滲み出てこないんですよね。本作?もちろんありません(爆)。

悪役をどうするかも結構もめたようですが、結局やっぱりアレか!
アレを演じたのはベネディクト・カンバーバッチ。wikipediaの彼への記載を観ると"<世紀の悪役>として世界中から絶賛。同作品のロンドン・ワールドプレミアでは「英国の至宝(ナショナル・トレジャー)」と紹介された。"と書かれていますが、本当かしら?ベネディクト・カンバーバッチはジョン・ハリソンを演じるために、毎日4000kcalの食事(一般人が真似をすると大変なことになります...)、毎日2時間のトレーニングをつみ体を作り上げたそうです。そうですね、アレを演じるにはマッチョじゃないと....。その成果を見せびらかすべく、ジョン・ハリソンのシャワー場面も撮影されたそうですが、本編ではカット!まあ、話題作りのため、無意味に撮影したんでしょうけど。
これが問題のソレです。↓


作りもの説まで流れた、あの方のご立派なおっぱいにはまだまだ及ばねーぜ(謎)。

さて、物語のドラマ部分は、前作同様、カークとスポックの友情に主軸が置かれています。
後半、スター・トレックの伝統に伴い、艦長自ら危険な場所に出向きます。
エンタープライズ号はその間、艦長不在となる。
カークは当然のように副長スポックを代理に指名。抵抗するスポックにたいし
「今の自分は指揮がとれるほど冷静な状況ではない。今、艦長にふさわしいのは君だ」
前作、スポックを怒らせて艦長の座から引きづりおろしたエピソードを思い起こさせる内容。
このあたりのツボの使い方は上手いですね〜。

さて、後半にいけばいくほどトレッキーのツボに攻撃をしかけてきます。
もう、ネタバレなしで話を進めるのは難しい状況ですが、努力します(笑)。
この映画を鑑賞するにあたって、観ておいたほうがいいのはもちろん...
ただし、それ自体がネタバレでね...。
といっても、ここまで書いたらトレッキーさんはみんな気づくでしょうけど。
そう、アナタの予想通り。アレです。リンク先はもろネタバレですから、いやな人はクリックしないで!→これ

アリス・イヴ演じる某役もこの映画で登場しますしね。
彼女の正体なんて名前聞いただけでわかる(笑)。
スター・トレック新時間軸版においては、新キャラは出てこないと思ったほうがいいでしょう。これは懸明な判断。人気のシリーズもので新キャラを登場させると不評と相場は決まっています。ファンは保守的なんです。ヨソモノは嫌い(笑)。

ラスト近く、カークの行動もそれに寄り添うスポックもアレよ!アレ!アレの逆バージョン。
手が込んでますな〜。
そして、今回は出演しないといわれていたMr.スター・トレック、レナード・ニモイ様。やっぱり出てきました。
でも、スクリーンの中で10秒にも満たない出演時間。ニモイ様に失礼じゃないかい(爆)。
老スポックに扮したニモイ様がお告げになる。

「大きな犠牲を強いられます」

笑いました。そりゃそうでしょうよ。
レナード・ニモイが撮影現場に登場すると、出演者、スタッフそろって拍手でお出迎えするそうです。
もう、神の領域(笑)。

アレ以外にもいろいろあります。
まあ、ウフーラ(ゾーイ・サルダナ)とチェコフ(アントン・イェルチン)には今回も違和感。ほとんど別人です。そもそもウフーラとスポックが恋仲なんてありうるのか...?って前回の記事でも書いてますね(^^;
その一方、ドクター・マッコイを演じるカール・アーバンは前任者デフォレスト・ケリーの口調をよく研究していますね。「私は医者だ。××じゃない!」という決まり文句もしっかり言わされています。また、スールー(ジョン・チョー)が艦長イスの座り心地を試しているのも面白い。後日、エクセルシオール号の艦長に昇進するスールーの野心をほのめかす場面!
また、ジョン・ハリソンがエンタープライズ号内に閉じ込められる場面、類似シーンはTVシリーズで見かけましたね。新スター・トレックの"Deja Q" とか...(他にもいっぱいあるんでしょうけど、筆者はトレッキーを気取れるほど詳しくないのです)

よ〜く観ると、この『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のストーリー、あんまりオリジナリティがないことがわかります。前作同様、カークとスポックの関係が軸で、過去の彼等の立場を追随、もしくはひっくり返してみせただけ。冒頭なんて、カークが「一人の者の要求が多数の者の要求よりも重かったからだ」なんていいだすんじゃないかとひやひやしましたし。そして絶体絶命のピンチをスコット(サイモン・ペッグ)が救うというパターンも前作と同じ。さすがに3作めは違うパターンを考えないと飽きられます。ボーグでも出しますか?(時代が違うって!)でも、ラスト例の恒星日誌が出てきて”これから5年間の探査旅行にいく”って...。新時間軸版とはいえ、もう宇宙大作戦の時代に突入する予定ですか?まあ、こういう風にしておけば万が一コケた場合シリーズを終わらせることができる、ある種の保険をかけておいたのでしょうか?

さて、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』、今回も批評・興行とも十分な成功をおさめ、既に続編製作が決定しています。特筆すべきは海外興行収入の良さ!「スター・トレック」シリーズは元がアメリカのTVドラマということもあり、アメリカ以外の興行収入は(日本も含めて)ふるわないというのがお決まりのパターン。でも、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』では現段階でアメリカとその他海外の興行収入はほぼ互角。海外に限って言えば日本公開を前にして、既に前作の2倍近い結果になっています。新時間軸版の『スター・トレック』はTVシリーズを基盤としていないはじめてのシリーズ。2作目にして、TVシリーズの呪縛から解放され、前作と本作だけを観ている、映画版独自のファンを獲得しつつある証拠でしょう。これは製作サイドの狙い通りでしょうね。

さて、先日キャストとスタッフが来日し、そこでプロデューサーのブライアン・バーグが「次作は2015年か2016年に公開したい」と語っています。まあ、スター・トレック50周年を記念して2016年に公開というパターンでしょう。ただ...日本のマスコミはJ・J・エイブラムス監督に対し、緘口令でもひかれていたのか、一番大事な質問をしていないようです。

「次作もあなたが監督するのですか?」

ご存じのとおり、J・J・エイブラムスは新スター・ウォーズの監督に決定しており(「スター・ウォーズ」が「スター・トレック」と同じ人に監督を依頼するなんて...ハリウッドの人材難が嘆かれますな)、以前から「自分は"スター・ウォーズ派"で"スター・トレック"は嫌いだった」と公言していることも考えると、J・J・エイブラムスは本作を最後に監督を降板するという見方が強くなっています。J・J・エイブラムスはあるメディアに対し「スター・ウォーズとスター・トレックを両方やるのは、絶対無理」と前置きしたうえで、「(スター・トレックの次作を)監督する可能性は残っている」と含みを持たせる発言をしています。先日、英国のあるメディアでJ・J・エイブラムスは、スター・ウォーズを降板し、スター・トレックの次回作を手がけると報道されました。その理由としては家族と離れたくないため、(スター・ウォーズの撮影を)アメリカでしたかったJ・J・エイブラムスの意向を無視し、ルーカス・フィルムが勝手にロンドン撮影を決めたことによる不信感と言われています。ルーカス・フィルムは即座にその噂を否定。ただし、J・J・エイブラムス本人からの正式なコメントはまだ出ていない模様。結果がどうであれ、J・J・エイブラムスはスター・トレック続投に未練を持っていることは確かみたいです。

ファンの大部分は続投を望んでいると思われますが、それでもJ・J・エイブラムスは降板せざるをえないという見方が強く、後任には『G.I.ジョー バック2リベンジ』のジョン・M・チュウが有力という報道も出ています。個人的には『第9地区』『エリジウム』のニール・ブロンカンプがいいと思うけど...。ブロンカンプがやると理屈っぽくなっちゃうかな?まあ、スター・トレックにおいて監督が変わるのは珍しくないし、トレッキーさんたちは作品の質への要求はそれほど高くなく、とにかくスター・トレックシリーズがずっと続くことが一番大事と思っている雰囲気があります。そのちょっとゆるい感じが個人的に好きです。脚本家チームも交代が噂されていましたが、こちらはロベルト・オーチー&アレックス・カーツマンの続投が本決まり。そもそも交代させる理由がない。スター・トレック映画版において2作連続好評で興行的にも成功したケースは今回がはじめてなんですから!

何はともあれ、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』は、前作同様、一般観客とトレッキー両方の心をつかむことに成功し、娯楽SF映画としては申し分のない仕上がり。いい意味でハリウッドの底力を存分に示しました。132分の上映時間もあっという間!幅広い層の映画ファンに自信をもっておすすめできる作品です。
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Star Trek Into Darkness at Memory Alpha (a Star Trek wiki)
Star Trek Into Darkness at Rotten Tomatoes
Star Trek Into Darkness at Box Office Mojo

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2017.03.29 Wednesday | 23:20 | - | - | - |

コメント

楽しんできました。
moviepad様の記事を読ませて頂き、ギャラクシー・クエストを観てから、映画館に行きました。
スター・トレックって何?の娘がギャラクシー・クエストをとても気に入ってしまい、本作も一緒に鑑賞。
スター・ウォーズよりも面白い!と言っていました。
歴代スター・トレック映画も順次鑑賞したいのですが、最寄りのレンタル屋さんでは、ずっと貸出し中です。
いつも素敵な記事、ありがとうございます。moviepad様のおかげで、何倍も楽しく映画を観ることができます。
2013/09/03 8:55 PM by パール
パールさん、こんばんわ

ギャラクシー・クエストで予習したんですか?
...うー、順番が違う。間違った案内をしたよーな気がする(爆)。

でも、楽しんでもらえたのなら何よりです。
スター・トレックを何本か観たあと(できれば宇宙大作戦も)ギャラクシー・クエストを観るともっと楽しめますよ!
2013/09/04 12:38 AM by moviepad
スター・トレック BEYOND が秋に公開されますね。監督が代わるので、本作とイメージが変わってしまうのかちょっと心配ですが…観に行きます。
ボーンシリーズも楽しみです。
シリーズ物は、世界観が出来上がっているので安心して観に行ってしまうのですが、それでいいのか…

ところで、「高慢と偏見とゾンビ」が観たいのですが、東北では公開予定がなさそうです…残念…
ゾンビ映画に抵抗がなくなったのは、moviepadさまのおかげです(笑)。
2016/08/26 11:43 PM by パール
スター・トレック BEYOND、予告編見る限りでは、「これはスター・トレックでない!」と思いました(笑)。
アメリカでは現在公開中で評価はまずまずのようですが前2作ほどではない模様。

「高慢と偏見とゾンビ」は鑑賞予定。
ただ、記事書くかどうかはわかりません。
2016/08/27 3:58 PM by moviepad

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スター・トレック イントゥ・ダークネス : 映像だけは逸品
 お盆休み終盤、いかがお過ごしですか。もう、毎日暑くてぐだぐだですが、今日はあの人気シリーズの先行上映を観に行ってまいりました。ではでは。 【題名】 スター・トレッ
(こんな映画観たよ!-あらすじと感想- 2013/08/17 3:27 PM)

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