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ワールド・ウォー Z

ワールド・ウォー Z(2013 アメリカ)

ワールド・ウォー Z原題   WORLD WAR Z
監督   マーク・フォースター
原作   マックス・ブルックス
原案   マシュー・マイケル・カーナハン J・マイケル・ストラジンスキー
脚本   マシュー・マイケル・カーナハン ドリュー・ゴダード デイモン・リンデロフ
撮影   ベン・セレシン
編集   ロジャー・バートン マット・チェーゼ
音楽   マルコ・ベルトラミ
出演   ブラッド・ピット ミレイユ・イーノス ジェームズ・バッジ・デール
      ダニエラ・ケルテス ルディ・ボーケン ファナ・モコエナ アビゲイル・ハーグローヴ
      スターリング・ジェリンズ ファブリツィオ・ザカリー・グイド マシュー・フォックス

2006年に出版された『WORLD WAR Z』(原題:World War Z: An Oral History of the Zombie War)は人間とゾンビの戦争を描いたパニック小説。"徴候”"大いなるパニック"、"全面戦争"などの章タイトルのもとにを世界中の人たちのインタビューの羅列形式で進む異色作である。作者のマックス・ブルックスは映画監督メル・ブルックスと女優アン・バンクロフトの間に生まれた子供である。この本はそこそこのベストセラーになり、翌年2007年にブラッド・ピットの映画制作会社プランBエンターテインメントが映画化権を獲得した。2011年7月に撮影が開始され、2012年12月に公開が予定されていたが、脚本のリライト、追加撮影による製作費の高騰などこの手の大作につきもののトラブルが数多く伝えられた。映画『ワールド・ウォー Z』は予定より半年遅れの2013年6月21日に全米公開。トラブル続きの映画はヒットしないというジンクスを乗り越え、全米興行収入は約2億ドルの大ヒット。ブラッド・ピット主演作としても過去最高の結果となっています。(実は製作費も同じくらいなんですが...)



ます、この映画は原作とは完全に別物です。
予習として原作を読んでおこうなんて全くの無駄。
原作とは別に原案者がクレジットされているのが何よりの証拠です。
原作からは人間VSゾンビ戦争という設定と主人公の職業を頂戴しただけなのです。
ちなみに、ブラピ演じる元国連職員、原作ではインタビュアーに徹しており、国連に呼び戻されたり、家族を守るために闘ったりしません。
原作と映画が別物...はよくあることですが、ここまで原作を無視して、凡庸なオリジナル・ストーリーを作ってしまうのも珍しい。
まあ、あの原作を2時間でまとめる能力のある脚本家がハリウッドにはいなかったということですね。

かつ、この作品はゾンビ映画ともいいがたい。ただのパニック・アクション映画です。(当サイトでは便宜上ゾンビ映画に分類していますが)
走るゾンビだから...なんて今更いいません(原作では走るゾンビじゃないんですが)。恋するゾンビよりまし。
そもそも製作サイドがゾンビ映画であることを隠すような売り方をしているのです。
WORLD WAR ZのZはいうまでもなくZombieのZなんですがね...。
興行的な影響を考慮したのか、ゾンビ映画特有の、人間の内臓をむしゃぼり食うようなグロい描写もほぼ皆無。
これを描かなければゾンビの怖さはわからないのに...。
家族で観られるゾンビ映画なんて、この世にあっていいものでせふか。
これだけ大規模なパニック映画なのに、終末感も退廃感もNothing。
そもそもこの映画にはイメージというものを何ひとつ醸しだしていません。ただ、騒がしいだけ。



もちろん、見どころが全くないわけではありません。
逃げ回る人間たちの群れを上からとらえたカメラワークはシュールかつ滑稽。
イスラエルで壁をよじ登るゾンビの群れ。
そして、飛行機内でゾンビが潜んでいて...
これはありそうでなかった設定。飛行機内でのゾンビパニック場面はこの映画一番の迫力でした。
でも、その後がいけない。ご都合主義のオンパレード。
主人公は何があっても絶対に死にません!たとえ飛行機が落ちようが...。
にもかかわらず、ブラピが"死を覚悟して"研究所のある部屋に入り、
仲間たちに「家族に愛していると伝えてくれ」と紙に書いて見せる場面に失笑。
出来の悪いハリウッド映画にありがちな、唐突で押しつけがましい感動!
ハリウッドって家族愛とかそういうものを持ち出せば、どんな映画でもまともなドラマに見えると思っているフシがある。
そもそもこの主人公、自分の家族を救う気持ちはあっても、世界の危機に関心を払っているようには見えないのですが、こんなのアリですか?

それにしても原作の面白いところが全く使われていない驚き。
あの原作を忠実に再現するのは不可能としても、"レデカー・プラン"とか"寝返り"とか"野良"とかピックアップしたら面白くなりそうなネタはいくつもあったのに。そもそもこの脚本家チーム、原作読んでないんじゃないの?

『ワールド・ウォー Z』は当初、3部作構想があったそうです。相次ぐトラブルと製作費の高騰でその芽は消えかけましたが、大ヒットを受け、パラマウント社もブラピも続編に意欲的とか。ブラピいわく「原作に素晴らしい素材が残っていることは確か」だそうです。残っているも何も全然使ってない(爆)。ちなみにブラピのスタントマンは一日18時間も働かせたあげく、何と時給670円だったとか!ブラピって超ブラック企業経営者だったのね。

『ワールド・ウォー Z』はそこそこ面白いけど、観終わった後、中身カラッポ映画特有の気持ち悪い余韻が一瞬ひろがり、10分後には内容をすべて忘れてしまう、ハリウッドの悪いところが全部詰まっているような、いわゆる××映画です。ゾンビの大群を観て「わあ、すごい、すごい」と喜ぶ以上の知的刺激を求める人、原作ファン、ゾンビ映画ファンは観ない方が無難。筆者は3D字幕で観ましたが、2Dで十分です。まあ、暇つぶしには悪くないかもしれませんがね。
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2013.08.11 Sunday | 02:57 | ゾンビ映画 | comments(0) | trackbacks(5) |

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