映画のメモ帳+α

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ネメシス/S.T.X

ネメシス/S.T.X(2002 アメリカ)

ネメシス/S.T.X原題   STAR TREK: NEMESIS
監督   スチュアート・ベアード
原案   ジョン・ローガン リック・バーマン ブレント・スピナー
脚本   ジョン・ローガン
撮影   ジェフリー・L・キンボール
音楽   ジェリー・ゴールドスミス
出演   パトリック・スチュワート ブレント・スピナー ジョナサン・フレイクス
      マリナ・サーティス マイケル・ドーン レヴァー・バートン ゲイツ・マクファーデン
      トム・ハーディ ロン・パールマン ディナ・メイヤー ケイト・マルグルー
      ウーピー・ゴールドバーグ アラン・デイル シャノン・コクラン
      ジュード・チコレッラ ジョン・バーグ マイケル・オーウェン ブライアン・シンガー

ネメシス/S.T.X』は新スター・トレッククルーによる最終作です。ネメシスは、ローマ神話の復讐の女神を意味し、S.T.XのXは、スタートレックの映画版10作目を意味するローマ数字。劇場公開時の邦題でスター・トレックの名が伏せられました。(DVDでは復活)まあ、スター・トレックは熱狂的なファンをもつ一方、その名前がかえって客足を遠ざけることも多い。『ダークナイト』がバットマンの名前を伏せたと同じ理由ですね。

さて、この『スタートレック ネメシス』、全米興行成績は"スター・トレック映画版"ではじめて5000万ドルを切り、かつ作品評価も『スター・トレックV/新たなる未知へ』『スター・トレック 』(1979)についで低いという、散々な結果に終わり、新スター・トレック布陣は有終の美を飾ることができませんでした。

物語
ピカード艦長(パトリック・スチュワート)たちはライカー副長(ジョナサン・フレイクス)とカウンセラーのトロイ(マリナ・サーティス)の結婚式のため、トロイの故郷ベタゾイドに向かっていた。その頃、エンタープライズ号はロミュランとの中立地帯近くから陽電子波(ポジトロニックサイン)を感知、データ(ブレント・スピナー)のプロトタイプのアンドロイドB-4を発見する。B-4は修理されデータの記憶を与えられる。航行を続けていたエンタープライズ号に、長年の敵対関係にあった惑星ロミュラスのロミュランに向かうよう緊急指令が入る。ロミュランに政変が起り、新執政官シンゾン(トム・ハーディ)から講和の申し入れがあったからだ。ロミュラスにたどりついたピカードは、シンゾンが自分のクローンであり、ピカードの暗黒面を反映させた人格を持っていることを知る。シンゾンは、B-4を利用して艦隊の機密を盗み、さらに、ピカードとデータを拉致した。ピカードらはなんとか脱出し、B-4を停止させた。シンゾンの目的が、病気の治療のためピカードから骨髄移植を受けることと、戦艦シミターに搭載していたセラロン放射線発射装置を使って地球の全生物を滅ぼすことだと判明した。シンゾンはエンタープライズに攻撃をしかけバトル勃発、双方ともに大きな被害を被る。シンゾンはピカードをあきらめ、セラロン放射線を放とうとする。ピガードはそれを阻止するため単身でシミターに乗り込むが、途中で転送装置が故障し、帰還ができなくなった。そこでデータは宇宙遊泳で後を追う。データは一人用の緊急転送装置を使ってピガードを送り返し、発射装置を破壊してシミターごと爆破させた。



この映画、決してつまらなくはない。
ただし、映画評論家ロジャー・エバートはこう評しています。
(楽しんだと前置きしたうえで)"out of gas"(燃料切れ)"と。
印象はまさにその一言につきる。どこかで観たような設定のオンパレードなのです。

ピカードのクローンは"姿なき誘拐犯"(Allegiance)、データのプロトタイプは"アンドロイドのめざめ"(The Offspring)であったな...。
まあ、百歩譲ってTVシリーズを観ていない人には関係ないとしても、主要キャラクター2人にこんな設定をしかけられるとお腹いっぱい。そしてデータの死...『スター・トレックII/カーンの逆襲』のスポックの時と似たようなパターン。ちなみにスポック同様、データにも"復活を示唆する"映像を加えようとしましたが、演じるブレント・スピナーが「もう自分は年齢的にデータの子供っぽい無邪気さを表現するのが難しい」という理由で断ったそうです。確かに映画版になってからデータの顔が老けこんでましたからね、アンドロイドなのに(爆)。

既視感ばかりが積み重なる物語設定で何の新鮮味もない。あと、前作の深紅とうって変わって、今回は緑を基調とした宇宙の色使い。深緑ならまだよかったのですが、黄緑に近いこの色、DVDで観てもうるさく感じたのですから、劇場の大スクリーンで観たら...。

この映画の見所って冒頭、データがジャズ・スタンダードの”Blue Skies"を歌う場面くらい。なかなかいい声だ。
あと、大御所ジェリー・ゴールドスミスのスコアもさえてる。ゴールドスミスは全5作のスター・トレックの音楽に関わっているが、映画が好評だったのは『スター・トレック ファースト・コンタクト』だけ。めぐりあわせが悪いのかそれとも彼が疫病神なのか(爆)。実は『スター・トレックVI/未知の世界』のときも依頼されていたが前作の不評ぶりに懲りて断っている。それでもトレッキーにとってジェリー・ゴールドスミスは偉大です。何といってもテーマ曲の作曲者ですから。

『ネメシス/S.T.X』の監督は、当初『スター・トレックII/カーンの逆襲』と『スター・トレックVI/未知の世界 』をてがけたニコラス・メイヤーに話がいっていました。メイヤーは脚本の書きなおしを要求、プロデューサーのリック・バーマンがそれを受け入れなかったため、メイヤーは断りました。そりゃ書き直せっていいますよ、この脚本なら。

新スター・トレックTVシリーズ開始時にあたり、創始者のジーン・ロッデンベリーはある条件を出していました。

前シリーズ宇宙大作戦は称賛される一方、指揮官が毎回危険で未知の星に率先して乗り込むピンチになると決まって転送装置が故障するなどのワンパターンぶりが批判されていたことを受けて、ロッデンベリーはこれらを新スター・トレックの物語で使うのを禁止し、脚本家を苦しめたと言われています。その新スター・トレックの映画版最終章で...。ジーン・ロッデンベリーが生きていたらこの脚本を嘆いたでしょう。

『ネメシス/S.T.X』からは出演者から監督スチュアート・ベアードへの批判が続々飛び出す、ゆゆしき事態となっています。ライカー副長役のジョナサン・フレイクス、カウンセラー役のマリナ・サーティス、ジョーディ・ラフォージ役のレヴァー・バートンらがこぞってベアードを批判。"彼は新スター・トレックのエピソードなど1作も観ておらず、スター・トレックの世界感を嫌っていた。主要キャラクターの名前すらロクに覚えていない状態だった"とケチョンケチョン。ジョナサン・フレイクスにいたっては「(前2作同様)自分が監督していればもっとマシなものが出来た」とまで言い放った。実は当作の監督、ニコラス・メイヤーに断られた後、レヴァー・バートンにチャンスを与えようという動きがありましたが、スタジオがスチュアート・ベアードを雇ったという。ベアードは監督というより編集畑の人なんですけどね...。まあ、ジョナサン・フレイクスとレヴァー・バートンの怒りは監督させてもらえなかったことに起因しているかもしれませんが(笑)。

『ネメシス/S.T.X』はこれまでのスター・トレック作品の劣化コピーという出来。新スター・トレック映画版は宇宙大作戦クルーの前6作より全体的に劣る気がする。新スター・トレックのキャストならもっといい作品が作れたはずなのに...。新スター・トレックの映画版製作にあたって、(口を出す権利はなかったにしても)ジーン・ロッデンベリーというお目付け役がもうこの世にいなかったからかもしれませんね。
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2017.06.24 Saturday | 21:13 | - | - | - |

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