映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
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プラダを着た悪魔 〜That's allと言われても...〜

プラダを着た悪魔(2006 アメリカ)

プラダを着た悪魔(2006)原題   THE DEVIL WEARS PRADA
監督   デヴィッド・フランケル
原作   ローレン・ワイズバーガー
脚本   アライン・ブロッシュ・マッケンナ
撮影   フロリアン・バルハウス
音楽   セオドア・シャピロ
出演   メリル・ストリープ アン・ハサウェイ スタンリー・トゥッチ

第79回(2006年)アカデミー賞主演女優(メリル・ストリープ)、衣装デザイン賞ノミネート。

〜ストーリー〜
大学を卒業したばかりのアンディ(アン・ハサウェイ)は、超一流ファッション雑誌"RUNAWAY"の編集長のアシスタントの職を得る。世界中の女性の憧れの的ともいえる仕事だ。ところがアンディは本来ジャーナリスト志望で、お洒落には全く無関心。とりあえずステップアップのためと割り切る。ところがその編集長ミランダ(メリル・ストリープ)は平日も休日も関係なく携帯を鳴らし続け、無謀とも言える要求を次から次へと出してくる...。

この作品は「恋も仕事もがんばる女の子のためのビタミンムービー」らしい。確かに、映像はブランド品のオンパレードだし(全然わかりませんが)女性好みのシチュエーションにあふれている。ただし、僕の鑑賞目的はただひとつ。

大女優メリル・ストリープ様の暴演にひれ伏すことである。

それはそれは十分に堪能させていただきました。唇の動きひとつでデザイナーを震えあがらせる貫禄。アシスタントのデスクに自分のコートやバックを放り投げるときの仕草。眼鏡を少しずり下げ、上目遣いの、相手を射るような視線。もう全ての仕草が堂に入っている。こんなこわいオバチャン厳格なキャリア・ウーマン本当にいそうですよね。何しろ彼女はメリル・ストリープである。演技はPerfect!!!不安要素があるとすると...



メリル・ストリープという人は"ファッションセンスのみを神から授からなかった"と言われているお方なのである。彼女がファッション界のカリスマ編集長に見えるのだろうか...。

メリルはファッション産業に関するあらゆる資料を読み漁り、役作りにあたったという。スピーチシーンでのブラックドレス姿のメリルは気品があって実に美しい。(デザインはヴァレンティノ)この映画でのメリル、実はプラダを着ていない。体型に合わないからだとか。主に1987年〜89年のダナ・キャランビル・ブラスをご着用。ウエストがしっかりあるクラシカルなフォームが特徴だそーです。プラダとしては面白くないでしょうね。

ひとりの若者が"プロ"になるまでの過程がよく描かれているし、競争の激しい業界で生き抜くための処世術も盛り込まれていますので、日本男子が見ても十分に楽しめます。自分の"社会人1年生時代"を思い出す人も多いかもしれません。あるデザイナーに書類を届けに行く際、そのデザイナーブランドのバックを下げていくところなどは「おおぅー、成長したな」と爺やも思わず目を細めたわい(笑)最初は違和感を感じつつも、だんだん良くも悪くも業界慣れし、その結果学生時代の友人と話がかみ合わなくなることも誰しも経験があることでしょう。

嵐の夜中に飛行機をチャーターせよ、とか、ハリーポッターの次回作の(未発表)原稿を子供に届けよなど無謀極まりない要求を次から次へと出すミランダ。原作者のローレン・ワイズバーガーがN.Yの有名ファッション紙「VOGUE」での勤務経験があったことからミランダのモデルは「VOGUE」編集長アナ・ウィンターではないかと噂されております。アナ・ウインターってこんな要求出す人なんですかね?(双方とももちろん否定していますが)

何はともあれ、一つ一つのことに強いこだわりをもち、不可能を可能にしてみせる!!!くらいのパワーがなければ"カリスマ"にはなれないのでしょう。そういう気質は必然的に他人を遠ざけてしまい、自分を孤独に追い込むものですが...。ミランダがアンディに対して最後に発したセリフは、厳しい業界で生き抜くための原動力と信念にあふれています。自分の信じた道を仕事にし、それを続けている人であれば共感できる要素もあるでしょう。

ラストを甘いと感じる人もいるかもしれません。
でも映画全体にはびこる大女優メリル様の重厚極まりない存在感のおかげで僕はあまり気になりませんでした。
映像よし(ファーストシーンはいかにも!って感じで今イチでしたが)、演技よし。
一見の価値は十分にある良質の娯楽作品です。それにしてもアン・ハサウェイの顔って思いっきり派手ですね。That's all!
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2006.11.18 Saturday | 21:47 | 映画 | comments(12) | - |

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2024.03.19 Tuesday | 21:47 | - | - | - |

コメント

こんばんは。TBさせて頂きました。

私もMのクチなんで、悪魔の編集長がよかったです。
メリル・ストリープはファッションセンス、ゼロなんですか...。
私もこの終り方でOK。原作本のラストは違うみたいですね。
2006/11/19 4:36 PM by ガガ
ガガさん、はじめまして!
コメント&TBありがとうございます。

>私もMのクチなんで、悪魔の編集長がよかったです。

ぞくぞくするくらいよかったでしょう(爆)
...自覚症状はまったくないんですが、昔、友達と"誰はSで誰はMか、なんて会話が盛り上がったとき、僕は満場一致でMと認定されてしまいました(笑)
2006/11/19 11:16 PM by moviepad
こんばんば。TBどうもです。
ミランダには、モデルらしき人がいるのですねwこわ〜〜
ファッションコメディ映画かと思いきや、いろいろな要素が満載でとても面白かったです!

That's all!(笑)
2006/11/20 6:45 PM by たいむ
たいむさん、コメントありがとうございます!
あ、That's allと言われたら口応えしちゃいけないんでしたっけ(笑)

アナ・ウィンターは「映画をとっても楽しんだ」と余裕しゃくしゃくのコメントをし、メリル様に向かって「あなたは私には全然似てないわ」と言い放ったとか。

メリルは「アナではなく、何人かの男性をモデルにして役つくりをした」とコメントしてますが...本当かいな(笑)
【2006/11/20 7:41 PM】 moviepad |
2006/11/21 12:28 AM by moviepad
TB有難うございます。

大女優メリル様のミランダが見れただけでも
幸せです、そんな気持ちになりますね。

メリルに限らず、ハリウッドスターって
ファッションセンスがかなり無い様な気がして
たんですが(雑誌見るたびに私服のスターには
幻滅でした)

元気になれた映画ですし、音楽も良かったです。
また、宜しくお願いします。

2006/11/21 4:15 AM by yamasan
yamasan さん コメントありがとうございます。

ハリウッドスターとかタレントは公の場での衣装はほとんどスタイリストまかせでしょうからね。

>雑誌見るたびに私服のスターには幻滅でした

昔のハリウッドスターはこんなことはなかったと、デザイナーの誰かが言ってましたよ。

>音楽も良かったです
マドンナの「jump」を聞くと,この映画の場面しか思い浮かばなくなり困ってます(笑)
マドンナの最新アルバム収録曲のため、サントラには含まれていないようですね。
2006/11/21 7:08 PM by moviepad
こんばんは。メリルはプラダは着てないんですね〜。プラダは「象徴」なんでしょうね。
TBさせていただきました〜
2006/11/29 12:00 AM by カオリ
カオリさん、TB&コメントありがとうございます。

メリルは服はおろか靴もプラダではありません。個人的に1足持ってるようですが「私の足の形が悪いから、すぐ足が痛くなる」ので履けないのだとか。
2006/11/29 12:23 AM by moviepad
TBのお返し、ありがとうございました。
この映画、やはりアン・ハサウェイではなくメリル・ストリープの映画だなぁと。
メリルの印象が強烈で、久々に大女優ここにありという感じでした。
2006/12/02 10:50 AM by Hannya
Hannyaさん コメントありがとうございます。

>メリルの印象が強烈で、久々に大女優ここにありという感じでした。

メリルは最近も地道にいい作品に出てますよ。
「めぐりあう時間たち」とか「アダプテーション」とか。映画ファンの中でに"うますぎてイヤミ"という理由でメリルが苦手な人も結構いるようですが、僕は好きです。安心して演技を見ていることができるので。
2006/12/02 8:17 PM by moviepad
僕は映画好きとゆうよりメリル好きなんです だからこのコメントがすごく うれしかったあ 笑 19の時たまたま映画館で永遠に美しくを見て 名前も知らなかったメリルのファンになりました この映画でオスカーとらせたい(>_<)
2006/12/07 3:13 AM by まさ
まささん、コメントありがとうございました。
僕もメリルは好きなんですよ。演技力はもちろん、知性や品性が感じられて。ロバート・アルトマン監督の遺作となってしまった「今宵、フィッツジェラルド劇場で」(来年春公開予定)もとても楽しみです。

オスカー、この映画で撮ってほしいですね。
でも今回は「The Queen」という映画でのヘレン・ミレンが下馬評でダントツトップ。ノミネートまでは確実だと思いますが受賞は厳しそうです。前回だったら絶対取れたのに...。おっとリースのファンに怒られそうだ(笑)
来年もオスカーシーズンが来たらこのページで特集を組んで予想出しますので、もしよろしければまた遊びにきてください!
2006/12/07 6:36 PM by moviepad

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