映画のメモ帳+α

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スター・トレックV/新たなる未知へ

スター・トレックV/新たなる未知へ(1989 アメリカ)

スター・トレックV/新たなる未知へ原題   STAR TREK V: THE FINAL FRONTEER
監督   ウィリアム・シャトナー
原作   ジーン・ロッデンベリー
原案   ウィリアム・シャトナー ハーヴ・ベネット デヴィッド・ローヘリー
脚本   デヴィッド・ローヘリー
撮影   アンドリュー・ラズロ
音楽   ジェリー・ゴールドスミス
出演   ウィリアム・シャトナー レナード・ニモイ デフォレスト・ケリー
      ジェームズ・ドゥーアン ジョージ・タケイ ニシェル・ニコルス
      ウォルター・コーニッグ デヴィッド・ワーナー ローレンス・ラッキンビル
      チャールズ・クーパー ジョージ・マードック

第10回ゴールデンラズベリー賞最低作品、監督、主演男優(ウィリアム・シャトナー)賞受賞。最低助演男優(デフォレスト・ケリー)、最低脚本賞ノミネート

長く続いているシリーズものには、"なかったことにしたい”作品、いわば黒歴史というべき作品がつきもの。最近ではそーいう作品をつくってしまった場合は、いったんリセットして最初からやり直すいわばリブートが大流行だが、宇宙大作戦クルー出演に意味があった当時のスター・トレックではそうもいかない。カーク船長ごとウィリアム・シャトナーがメガホンをとった『スター・トレックV/新たなる未知へ』は宇宙大作戦メンバーによる全6作のうち、興行・批評ともぶっちぎりのワースト、ラジー賞作品賞の不名誉までついた、映画版スター・トレックのまさに黒歴史と呼ぶべき作品だ。



物語
時は23世紀。中立圏惑星ニンバス3が何者かによって占拠されたと知らせを受け、エンタープライズ号クルーは救出のためにニンバス3に向かう。だが、その犯人はスポックの腹違いの兄であるサイボック(ローレンス・ラッキンビル)であった。サイボックはロミュラン人、クリンゴン人を人質にとって立てこもり、ついにエンタープライズ号を乗っ取ってしまう。彼は"精神的苦痛からの解放"と称するマインド・コントロールで乗組員たちを次々と洗脳していく。やがてサイボックの目的が、未だ誰も足を踏み入れたことがない「神」がいる伝説の惑星“シャカリ"にいくことであり、そのためにエンタープライズ号が必要だったことを知る。カーク(ウィリアム・シャトナー)たちはその目的を叶えるため、“シャカリ”に向かうが...

うーん、悪口しか思い浮かばない映画なので手短に。
まず、脚本がひとすぎますよ、これ。
臭い、鈍い、しっちゃかめっちゃか。
何でこれでOKが出たの?

冒頭の砂漠めいた場所でサイボックが登場する場面から臭い。

そしてカークのロック・クライミング
続いてドクター
「久しぶりの休暇。命の洗濯だ」はー。

そしてカーク
「山に登る理由を知らんのか。そこにあるからだ」
笑うところなんでしょうけど...

ロッククライミングに失敗し、九死に一生をえるカーク
「君たち2人が一緒だから死ぬとは思わなかった。死ぬのは自分一人のときだ
後のストーリー展開にもからむ台詞なんですが、すごく軽く聞こえましたね。
その後、カーク、スポック、マッコイのキャンプファイヤー場面に続きます。
ファンサービスのつもりなんでしょうけど、これが全然面白くない(;_;)

「スター・トレック」の脚本家の腕が試されるのは、カークはともかく、スポックに面白い台詞を作れるか、ドクターに皮肉以上の台詞を作れるかにあると思うのですが、今回は全くなし。特にスポックに見せ場がないのが致命的だ。

強いて言えばドクターがスポックに向かって
君に若いころなどあったのか
と語る場面くらい。レベル低い〜。

一方、無駄な見せ場を作られてしまったのがウフーラ
すっかりオバハンになってしまった彼女の裸踊りなんて誰得?
冗談で話していたネタを、アホなシャトナーが採用してしまったのが元凶のようですが...。

THE FINAL FRONTIER uhura


また、サイボックがスポックの腹違いの兄という設定も安直。
ジーン・ロッデンベリーはこの設定が気に入らず、当作と次作の一部は公式認定しない、とまで言ったそうです。
TVシリーズにもスポックを結婚させようとしたり、スポックに片思いしていた女を登場させたりなど
いろいろありましたが、ネタに困ったときのスポック周辺いじり、個人的にはあまり好きじゃない。

スター・トレックシリーズにおいて神は何度もテーマにされています。映画版第一作でもとりあげられており、創始者(神)と融合したらどうなるか?というトンデモ話でしたが、今回のアホ神に比べたらまだマシかも...。

こんな、"御光"にだまされてはいけません!
スター・トレック5/新たなる未知へ 神

船をもってこいとのたまう神に「神に船が必要か」と問いかけるカーク。
「神を疑った」といって目からビームを発射する神!
STAR TREK V: THE FINAL FRONTEER god
笑った、笑った。もちろん、呆れ果てて(爆)。

どさくさまぎれにクリンゴンまでからませ、ラストはしっちゃかめっちゃか。

マッコイから「神は一体どこにいるのだろう?」と聞かれたカークはドヤ顔で
神は我々の心の中にいるのさ

…これってもしかして感動しなきゃいけない場面なんですか?
すいませんね、気づきませんでした。

スター・トレックはどこかB級ムードが漂っており、ファンもそれを楽しんでいる雰囲気もある。
アカデミー賞にはほとんどからまないけど、ラジー賞にも縁がなかった。
つまり、"ある程度のクオリティ"は保ってきたわけです。
ここでそれが崩れます。ラジー賞(最悪映画賞)、作品・監督・主演男優賞3冠を達成。ウィリアム・シャトナーは監督・主演男優W受賞の名誉に輝いてしまいました。(脚本が受賞しなかったのは不思議)

どーしてこういうことになったのでしょう?
まずは、前作『スター・トレック4/ 故郷への長い道 』がシリーズ最高のヒットとなったことから、出演者のギャラが高騰してしまった。そのため、製作費削減のため、特撮をILMに頼めなくなった。よって、映像はTVシリーズ並みのクオリティに舞い戻っています。なのに音楽は1作目以来の巨匠ジェリー・ゴールドスミスを起用。特撮をケチっても巨匠の名前は欲しかったの?この映画がシリーズラストと言う触れ込みだったからかもしれません。なのにラストで特撮映像に手抜き?この優先順位の付け方、SF映画では間違いだと思ひます。

あと、監督ウィリアム・シャトナーの人望のなさでしょうね。前2作で監督としての手腕を認められたレナード・ニモイに対抗して監督に名乗り出たことは容易に予想できます。もともとシャトナーは自分より人気があるスポックごとレナード・ニモイに嫉妬の裏返し?で、"主役はあくまで俺様だ!と言わんばかりに現場で傲慢な態度をとり、共演者のほとんどから嫌われていたと言われています。ジョージ・タケイは公然とシャトナーの悪口を言っていましたしね。その一方、映画版では明らかに特別扱いされ続けているレナード・ニモイに対してはほとんど悪口が聞こえてこない。(シャトナーと唯一、良好な関係をキープしていたのもニモイだと言われている)4作めと5作目の出来の差は、2人の人徳の差も大きいのでは?と思う。嫌いな奴(かつ、監督としての実績に乏しい)の下だと、スタッフもいいものを作りたいというより面倒臭いから早く終わらせたいと思ってしまうのでは?

米国のある有名古参ファンは
「"神との遭遇"テーマは難しいので、大体失敗している」
「宇宙大作戦TVシリーズでも5本に1本は失敗作。映画版でも順番がまわってきただけ」
と冷静な?見方をしている。

『スター・トレックV/新たなる未知へ』は原題の〜THE FINAL FRONTEERが示す通り、シリーズ最後の作品という触れ込みで公開されました。だけど、興行、批評ともシリーズ最悪の結果。これで終われないと思ったのか、もう1作作られました。「スター・トレック」はどの作品も繰り返し観ているという人でもこの作品は一回きりという人も多いかも。DVD購入もこれだけはパス!?...まあトレッキーならこんなキワモノでも手元に置いてしまうんでしょうね。この作品を擁護することに至福の喜びを感じている人もいるようですし。
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2017.04.26 Wednesday | 19:46 | - | - | - |

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