映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

<< ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド | TOP | TINA ティナ >>

ロンドンゾンビ紀行

ロンドンゾンビ紀行(2012 イギリス)

ロンドンゾンビ紀行原題   COCKNEYS VS ZOMBIES
監督   マサイアス・ヘイニー
脚本   ジェームズ・モラン ルーカス・ローチ
撮影   ダニエル・ブロンクス
編集   ニール・ファレル  ジョン・パーマー
音楽   ジョディ・ジェンキンズ
出演   ハリー・トレッダウェイ ラスムス・ハーディカー
      アラン・フォード オナー・ブラックマン ミシェル・ライアン
      ジョージア・キング トニー・ガードナー リチャード・ブライアーズ

ロンドンゾンビ紀行」は、あの「ショーン・オブ・ザ・デッド」へオマージュをささげた作品として日本では2012年1月12日に劇場公開された。この手の映画としては異例なほど宣伝に力が入っており、公式サイトには多くの絶賛コメントがあふれてますが...。うーん、はっきりいうとこの映画、オマージュという名の"既視感"のかたまり。そつなく仕上がってはいるものの、それ以上でもそれ以下でもない。

物語
ロンドンでお気楽に暮らす兄弟、テリー(ラスムス・ハーディカー)とアンディ(ハリー・トレッダウェイ)は、祖父のレイ(アラン・フォード)が入居している老人ホーム「ボウ・ベル」が閉鎖されるというニュースを聞いて、祖父とその友人を救うため銀行強盗を企む。ところが街ではゾンビが大量に出現し、老人ホームの周りもゾンビが取り囲んでいた。祖父たちの身を案じる兄弟は、彼等の救出に向かうが...



この作品で好感がもてるのは製作サイドがゾンビ映画をちゃんと研究していることがわかる点だ。
最初から30分すぎた頃からゾンビはばんばん出てくるし、ゾンビはちゃんとのろのろ歩く。
いわゆる"ゾンビ映画マニア"からのクレームがつきにくい作りになっている。
それはこの映画の長所でもあるが、大きな短所でもある。
ゾンビ映画にはパターンがあるので、どこか突き抜けた要素がないと厳しい。

「ロンドンゾンビ紀行」には多くのゾンビ映画へのオマージュorパロディがあふれている。
ゾンビが家の外や金網などに大量にたむろするのは、ロメロの「ゾンビ」(1978) はじめ、過去のゾンビ映画でいやというほどみてきた"定番"である。また、赤ちゃんがまるで蹴鞠をするかのように蹴られる場面は「ブレインデッド」(1992)だし、のろのろゾンビの大群をくぐりぬけようとする場面は、宣伝にもあるとおり「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004) 、ロンドンの街をさまようゾンビは「ショーン〜」の他、「28日後...」(2002)や「コリン LOVE OF THE DEAD」(2008),まあ、この点に関してはイギリス発ゾンビ映画ならみんな同じですが(笑)。ただ、これらに比べて「ロンドンゾンビ紀行」のゾンビはどこか退廃感が不足気味。

ゾンビ映画の枠にとらわれずにみてもこの映画の物語は、どこかで観たような設定ばかり。老人たちが戦うというシチュエーションは大ヒットした「RED/レッド」(2010)をはじめ、高齢化社会のご時世でとくに珍しいものではない。また、グータラな若者が銀行強盗を企むという設定はあまりにもありふれすぎている。老人ホームの閉鎖を機に立ち上がるという設定は、イギリスの炭鉱閉鎖を題材にした「ブラス!」(1996)をイメージさせる。もっとも「ロンドンゾンビ紀行」にはの「ブラス!」ような厳しさは醸しだされていませんが...。

"××へのオマージュ"、"××へのパロディ"...よく聞く宣伝文句だが、それは元ネタを踏まえたうえで、その作品のオリジナリティをしっかり生みだしている場合に活きる言葉である。「ロンドンゾンビ紀行」はどこかで観たような...に終始しており、作品独自の魅力が全く浮かび上がってこない。独自性が生み出されていないオマージュやパロディは、ただのパクリである。

一番やばいのがラスト場面。銃の撃ちっぱなしでゾンビの大群をあっさり片付けてしまう。ゾンビ映画では反則であり、個人的には嫌いなパターン。あの「ゾンビランド」(2009)を思い浮かべる人もいるだろうが、物語の流れやその後、アメコミ風のスタイリッシュな映像で締めるあたりは「ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド」(2011)に酷似している。結局、「ロンドンゾンビ紀行」は単なる"パクリの寄せ集め"なのかな

今、日本ではミニ・シアター不況の時代であり、海外の映画祭などで評価の高い作品でも劇場公開されない、もしくは忘れたころにひっそり公開されるというのが当たり前となっている。また、ゾンビ映画はDVDスルーは当たり前、劇場公開されただけで勝ち組!のジャンルである。そんな厳しい情勢下(笑)、なぜオリジナリティに乏しいこの映画が劇場公開されたのだろう?こんな作品を一生懸命持ちあげにゃならぬほど今のミニ・シアター、あるいはゾンビ映画はお寒い状況なのだろうか?

「ロンドンゾンビ紀行」はゾンビ映画ファンにはあまりおすすめできない作品。手堅い作りではあるので、ゾンビ映画をあまり観たことがない人、もしくはライトな映画ファンなら暇つぶしにはなるかもしれない映画です、はい。
人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!

2013.06.18 Tuesday | 00:39 | ゾンビ映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

スポンサーサイト


2017.10.20 Friday | 00:39 | - | - | - |

コメント

コメントする









この記事のトラックバックURL

http://moviepad.jugem.jp/trackback/558

トラックバック

▲top