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サバイバル・オブ・ザ・デッド

サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009 アメリカ・カナダ)

サバイバル・オブ・ザ・デッド原題   SURVIVAL OF THE DEAD
監督   ジョージ・A・ロメロ
脚本   ジョージ・A・ロメロ
撮影   アダム・スウィカ
編集   マイケル・ドハティ
音楽   ロバート・カーリ
出演   アラン・ヴァン・スプラング ケネス・ウェルシュ
      キャスリーン・マンロー デヴォン・ボスティック
      リチャード・フィッツパトリック アシーナ・カーカニス
      ステファーノ・ディマッテオ ジョリス・ジャースキー
      エリック・ウールフ ジュリアン・リッチングス ウェイン・ロブソン

ジョージ・A・ロメロ監督は「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968)、「ゾンビ」(1978) 、「死霊のえじき」(1985)の3部作で映画におけるゾンビ像を決定づけた。ホラー映画ファンの間では、マスター・オブ・ホラーと崇められる存在だが、その後、脱ホラーを模索して低迷、2005年、20年ぶりに「ランド・オブ・ザ・デッド」でゾンビ映画に回帰、2007年に「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」、そしてロメロ監督、ゾンビ映画6作目にあたるのが、この「サバイバル・オブ・ザ・デッド」である。巨匠が今なおゾンビ映画に意欲を燃やす姿勢は、多くのホラー映画ファンに歓迎される一方、"復帰"後の作品はファンの間でも微妙な評価におわり、この「サバイバル・オブ・ザ・デッド」はファン、批評家の評価ともに過去6作で最低、Survival of the Dead (2009) 興行的にも製作費400万ドルにして、全米興行収入は10万ドル超に終わる大惨敗。George A. Romero's Survival of the Dead ロメロは過去の遺物になった印象を残してしまった。

物語
世界中で死者が蘇り、人間を襲うようになり、デラウェア州沖プラム島では、死者は眠らせるべきというオフリン一族と、死者は生かしておくべきと考えるマルドゥーン一族が対立。マルドゥーン一族はオフリン一族のリーダー、パトリック・オフリン(ケネス・ウェルシュ)ら数名を島外へ追放したそれから4週間後、元州兵のサージ(アラン・ヴァン・スプラング)は軍隊を離れ、どこか安全な島に移りたいと考えていた。そんな最中、てボーイ(デヴォン・ボスティック)から死者が蘇らない"安全な島"があるという情報を知る。その"安全な島"の情報をインターネットの動画サイトに流していたのは、パトリック・オフリンらだった。サージたちはわずかな望みを託してその島に向かうが、そこで待ち受けていたのは、島民に労働力として使われながら、少しずつ進化をとげている死者たちの姿だった...



「サバイバル・オブ・ザ・デッド」は上映時間90分の映画だが、
30分経過…全く興味をそそらない物語展開。いつ面白くなるんだろう
60分経過…いくら何でもそろそろ...
90分経過…あら、終わっちゃった。

"死人の生存術"なんて意味不明の題名だが、サバイバルとは、この退屈な映画を最後まで観続けることなのかと思ってしまった。ジョージ・A・ロメロ監督は、若い映画製作者たちに「アイデアをつかむんだ。ストーリーは忘れろ。みな、ストーリーをアイデアだと勘違いしているんでね」と語っているそうだが、「ランド〜」以降の後半3部作はその言葉をロメロ本人にそのままお返ししたい衝動にかられる出来。ストーリーに期待して、ホラー映画、ましてやゾンビ映画を観る人はいない。だが、「ランド〜」以降のロメロ映画は物語に趣を置きすぎて(しかもストーリーはつまらない)、映像表現は凡庸、肝心のゾンビは時々ちょろちょろ出すだけ...。「サバイバル・オブ・ザ・デッド」は、ファンの心情を理解しているはずのロメロがそれを無視してわが道を進んでしまった、その悪い要素が最大限につまった作品だ。

それにしてもひどい脚本だなあ。前2作の微妙な評価の原因がどこにあるのか、ロメロが全く考察していないことがよくわかる。前2作の悪いところをそのまま引き継いでいるからね。

・密室に近い環境でゾンビと戦うことがサスペンスを生むのに、今回も場所を移動し、その先々でゾンビちょろちょろというお粗末さ
・何でゾンビ映画で人間×人間の戦いを見なきゃいけないの?観たいのは人間×"元人間"!!!つまらん内部抗争じゃない!
・登場人物が無駄に多い。かつストーリーに関係ない、無意味なキャラ設定(レズビアンの女とか、思わせぶりだけの少年とか)
・前半で、この作品が前作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」の続編であることを示唆する場面が登場するが、これ必要?
・ジェーン/ジャネットの双子姉妹設定。あまりの陳腐さにのけぞりました...。
・西部劇もどきの決闘場面。全く盛り上がらず...。

ここ数作で描いてきた"ゾンビより醜悪な人間の本性"をより追求したかったのかもしれないが、退屈なストーリーを語ることが手一杯。深みのある物語に至っていない。ロメロは「サバイバル・オブ・ザ・デッド」に後2作の続編を用意していることを明かしていたが、うーん...観たい人いる?

ゾンビ映画は、グロ・コメディ表現をやりつくした「ブレインデッド」(1992)で一度"終わった"と見なされ、「28日後...」(2002)が"走るゾンビ"を登場させ、アクション映画との融合をはかることにより、やや息を吹き返した。ゾンビ同様、殺してもいつのまにか甦ってしまうジャンルなのかもしれませんね(笑)。

だが、ゾンビ映画は基本的に西部劇同様、新しさが求められていない"水戸黄門的ジャンル"である。
人里離れた村で人間とゾンビが格闘、限られた設定の中で、ゾンビを怖く、魅力的にみせてくれれば、概ねファンは満足。"進化"したゾンビなんかいらない。ストーリーも凡庸でいいのだ。変にストーリーをごちゃごちゃいじられるとゾンビが引き立たなくなるし。いかにゾンビ(=映像)を魅力的にみせるか、それだけで勝負するゾンビ映画は、新人映像作家の登竜門のような役割をはたし続けている。「ランド〜」以降、ロメロの迷走ぶりを観るにつれ、形式が決まっているゾンビ映画を作り続けることの難しさがよくわかる。

ゾンビ映画ファンで、ロメロが嫌いという人はまずいないだろう。
ホラー映画の帝王、ジョージ・A・ロメロも73歳。あと何本ゾンビ映画を撮れるだろうか...。
「サバイバル・オブ・ザ・デッド」が最後ではあまりにも寂しい。
ロメロには、ストーリーは王道に徹し、見せ方だけで勝負する"正統派ゾンビ映画"をもう一度撮ってほしいものだ。
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2013.06.14 Friday | 00:00 | ゾンビ映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

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2017.10.20 Friday | 00:00 | - | - | - |

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