映画のメモ帳+α

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ランド・オブ・ザ・デッド

ランド・オブ・ザ・デッド(2005 アメリカ・カナダ・フランス)

ランド・オブ・ザ・デッド原題   LAND OF THE DEAD
監督   ジョージ・A・ロメロ
脚本   ジョージ・A・ロメロ
撮影   ミロスラフ・バシャック
編集   マイケル・ドハティ
音楽   ラインホルト・ハイル ジョニー・クリメック
出演   サイモン・ベイカー デニス・ホッパー アーシア・アルジェント
      ロバート・ジョイ ジョン・レグイザモ ユージン・クラーク
      トム・サヴィーニ ピーター・アウターブリッジ ショーン・ロバーツ
      ペドロ・ミゲル・アルセ ペドロ・ミゲル・アルセ サッシャ・ロイズ
      クリスタ・ブリッジス アラン・ヴァン・スプラング ジョナサン・ウォーカー

ジョージ・A・ロメロ監督の前作「死霊のえじき」では学習能力のあるゾンビが登場したが、この「ランド・オブ・ザ・デッド」ではそこからさらに進んで、多少の思考能力を兼ね備えたゾンビが登場する。映画タイトルには "Dead City," "Dead Reckoning," "Twilight of the Dead," "Night of the Living Dead: Dead Reckoning."などが候補にあがったが、最終的には「ランド・オブ・ザ・デッド」におちついた。死者の土地...人間がすむ場所にゾンビの群れが侵入し、乗っ取ろうとする物語を象徴するタイトルだ。

物語
死者が蘇ってゾンビになり、人間を襲う。襲われたものは死んで、甦って、ゾンビとなる。ゾンビが多数派となり、生き残った少数の人間は2つの川に挟まれた都市でゾンビに怯えながら生活していた。ごく一部の金持ち階級がゾンビが入ってこない小都市をつくり、都市の中心にそびえる超高層タワーには統治者、カウフマン(デニス・ホッパー)が住み、贅沢三昧の暮らしをしていた。カウフマンの命令で危険地帯から食料や物資を運ぶライリー(サイモン・ベイカー)、チョロ(ジョン・レグイザモ)らの傭兵グループがいた。ライリーはこの仕事で金を稼いで、自由を得られる北の土地への逃亡を計画していた。一方のチョロはカウフマンに自分にも上流階級の暮らしをさせるように要求、カウフマンは彼の処分を検討していた。その頃、ゾンビに変化が起こり、群れをつくって、要塞都市に侵入しようとしていた。



娯楽映画キャラクターとしてのゾンビ像は、ジョージ・A・ロメロが作ったものであるから、創始者がどう改変しようと勝手じゃないか!と言ってしまえばそれまでなのだが、ゾンビが思考能力まで備えてしまうという設定は...もう、これは死人じゃないでしょ!と言いたくなる。こんな設定にしてしまうと、物語の都合にあわせて、ゾンビの能力をころころ変更することが可能になってしまう。それにゾンビは無個性の集団がよたよたと歩く姿が怖くもユーモラスだったのに、ゾンビが群れをつくり、指導者までいるというのはいかがなものか?人が死ぬときはひとり、誰かといっしょに死ぬなんてできない。死人が群れを作るなんてありえない!

ゾンビ映画の醍醐味は"ゾンビは話せない。走らない。思考能力を持たない。人肉を食べる。噛まれたものはゾンビとなる"など厳しい制約の中で、どれだけ新しい物語をつくれるか、斬新な映像を見せてくれるかだと思う。制約をゆるめすぎててしまうと、もはやゾンビである必然性はない。ただのモンスターで十分だ。

ゾンビが海からはいあがってくる場面がある。ハーク・ハーヴェイ監督「恐怖の足跡(Carnival of Souls)」(1962)へのオマージュだというが、ゾンビ映画として特に目新しいものではない。「マリンゾンビ(Shock Waves)」(1977)や「ナチス・ゾンビ/吸血機甲師団」(1980)などがあります。巨匠ロメロが今更真似せんでもよかろーに...。

恐怖の足跡
 参考にしたのはこの場面かな?

オマージュといえば、「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)に感激したロメロが、「ショーン〜」のエドガー・ライト監督と主演のサイモン・ペッグをゾンビ役としてカメオ出演させているのだが、「ショーン〜」の主人公ライリー(サイモン・ベイカー)と顔半分に火傷を負っているチャーリー(ロバート・ジョイ)の関係性はどこか「ショーン〜」のショーンとエドをほうふつさせる。もしかするとロメロが「ショーン・オブ・ザ・デッド」にオマージュ返しをしたのかもしれない。(2作は製作時期が近いため、単なる偶然かもしれませんが)

ロメロといえば、物語の中に何らかの時代性を反映させたがる人だが、今回は9.11後の世界を背景にした貧困の格差や、大国の覇権主義といったところか。だが、それが上手く盛り込まれているとは言い難い。主役ライリー、金をせびるチョロ、そして統治者カウフマンの3つの立場に加え、ゾンビの不可思議な動きが加わり、ストーリーがややわかりにくく、ゾンビが出てきても、ワンポイントリリーフにしか見えない。一応ゾンビ映画だから、時々顔みせしときますよ!って雰囲気で全然怖くありません。ゾンビが富裕層に襲いかかる場面では、「そーれ、もっとやったれ!」と思ったが(笑)、全体的にゾンビの印象が薄い。かといって登場人物が無駄に多いこともあり、ドラマ自体に魅力があるわけでもない。デニス・ホッパーをはじめ、アーシア・アルジェント、サイモン・ベイカー、ジョン・レグイザモといった有名俳優が出ているのもどこか違和感がある。ゾンビ映画俳優は"あんた、誰?”が基本なのに(爆)。いろいろ盛り込まれてあるが、すべて中途半端で、過去3作にあったカタルシスが「ランド・オブ・ザ・デッド」では最後まで感じられなかった。ロメロも20年ぶりのゾンビ映画ということで気合が入り過ぎてしまったか?観ても損はないけど、(ロメロ信者以外は)別に観なくてもいいかな、って感じの映画です。といっても映像に限って言えば、ロメロはひと味違いますけどね。
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2013.06.06 Thursday | 00:00 | ゾンビ映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

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2017.05.25 Thursday | 00:00 | - | - | - |

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