映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
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私はゾンビと歩いた!

私はゾンビと歩いた!(1943 アメリカ)

私はゾンビと歩いた!原題   I WALKED WITH A ZOMBIE
監督   ジャック・ターナー
脚本   カート・シオドマク アーデル・レイ
撮影   J・ロイ・ハント
編集   マーク・ロブソン
音楽   ロイ・ウェッブ
出演   トム・コンウェイ フランシス・ディー
      ジェームズ・エリソン エディス・バレット
      クリスティン・ゴードン テレサ・ハリス ジェームズ・ベル

(日本ビデオ題)ブードゥリアン
(TV放送時題)生と死の間

ゾンビと歩いたの
変ね 1年前はゾンビ映画の存在すら目に入らなかったのに
ゾンビ映画は怖いけど興味があった

いきなり何を言い出す?これは昨今のワタクシでございます。
ゾンビ映画をゾンビにおきかえれば、この映画の冒頭の台詞となります。
この映画とは「私はゾンビと歩いた!
ジャック・ターナー監督が、あのホラー古典の名作「キャット・ピープル」(1942)に続いて
RKOヴァル・リュートンと組んで製作したホラー映画です。




物語
カナダ人の看護婦ベッツィー(フランシス・ディー)は、ポール(トム・コンウェイ)の妻ジェシカ(クリスティン・ゴードン)の世話をするため、カリブ島にやってきた。ジェシカはひどい熱病で脊髄をやられ、話すこともできない夢遊病者のようになってしまっていた。ベッツィーは、ジェシカをめぐって、ポールと彼の弟ランド(エディス・バレット)がもめた過去があることがわかってきた。何とかジェシカを治したいと願うベッツィーは、ジェシカにショック療法を試してみるも失敗。途方にくれたベッツィーは噂にきいたブードゥー教の医者のもとへジェシカを連れていくことにする。

この映画のストーリーはAmerican Weekly Magazine誌にInez Wallaceが執筆した記事をベースにしています。
その記事とはハイチの農園にゾンビが奴隷として働いているという内容(実際は生きた人間がドラッグづけにされているだけ、と後に判明)。
プロデューサーのヴァル・リュートンはこの記事をとっかかりに、ハイチを舞台とした"ジェーン・エア"っぽく脚色させて、物語をつくりあげました。

ベッツィーをカリブ島につれていくポール

"はじめての人は皆ここを美しいと思う
でも、実際は死と腐敗だらけ
飛魚は他の魚に食われる恐怖で跳ねるだけ
海は微生物の死骸で汚染されているから輝いている
美しいものは皆死ぬ 星さえも"

いきなり、キザな厭世感をかましてくれます。
この台詞どおり、美しいカリブの島も
影を強調したようなモノクロ映像で映し出されると
どこかいかがわしさが漂います。

「私はゾンビと歩いた!」は世界初のゾンビ映画「恐怖城」(1932)より、さらにヴードゥー教をフューチャーしています。
ヴードゥー教は教義や教典がないため、宗教というより民間信仰といったほうがいいそうです。

ヴードゥー教の神 タンバラという台詞が映画にでてきます。
タンバラとは何じゃらほい、と思っていたら
ヴードゥー教では西アフリカ伝来の神格たちや精霊たちをラダといい
そのラダの長をタンバラと呼ぶそうです。

ヴードゥー教の儀式は太鼓を使ったダンスや歌、動物の生贄(いけにえ)、神が乗り移る「神懸かり」などからなる。
太鼓の音は映画でも不気味に響き渡ります。
そして動物の生贄...その動物とは、もうお分かりですね。
そして、神がかり、これは物語の重要なキーワードです。

「神が降りてきて人の体を借りて言葉を伝える」
「神様が私に言わせていると思わせるのがここでは一番の方法なの」
こんな台詞が映画に出てきます。
教義や教典がないヴードゥー教では、神様になってしまったものが集団をつかさどるのでしょうか?

さて、ゾンビはどこ?
まあ、ストーリーの冒頭から大体想像付きますね、はいその通りです。
なぜ彼女がゾンビにされたのか?物語の大部分を占める兄弟の愛憎劇がその鍵を握ります。
よって、この映画のゾンビは全然こわくありません。
下記はハイチのさとう畑におけるゾンビのイラストです。
このイメージにかなり忠実ですね。

ハイチ ゾンビ イラスト

「私はゾンビと歩いた!」はゾンビ映画というより幻想ホラー映画に近い。
フンフォートと呼ばれる場所に向かうときの、風の音。太鼓の響き。
そして光と影の両面をいっそう強調したようなモノクロ映像。
ひたすら映像美と雰囲気を楽しむ映画です。
ジャック・ターナー監督の前作「キャット・ピープル」の映像が気に入った人ならこの作品も気に入るでしょう。

「私はゾンビと歩いた!」はこの手の映画の例のもれず、劇場公開時は酷評されましたが、時がたつにつれて評価があがってきた作品。
きっと、ヴードゥーの神がどこかの評論家の体を借りて絶賛させたのでしょう。(笑)
あ、ひょっとしたらこの記事も...
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2013.05.22 Wednesday | 01:01 | ゾンビ映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

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2019.09.05 Thursday | 01:01 | - | - | - |

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