映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

<< 速報!第84回アカデミー賞全ノミネートリスト | TOP | 第84回アカデミー賞受賞予想! >>

DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る

DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る(2011 日本)

DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る監督   高橋栄樹
撮影   村上拓
音楽   大坪弘人
出演   AKB48

AKB48をはじめて見たのは第58回(2007年)のNHK紅白歌合戦。中川翔子やリア・ディゾンと「アキバ特集」の一枠として登場していたが、人数の多さ以外全く印象に残らず、どうせ企画物だ、すぐ消えると思っていた。ところが、2年後の紅白で復活。その1年後には「ヘビーローテーション」をヒットさせ、「Beginner」はミリオンセラーになり、人気を定着させていた。それでも個人的にはAKB48に全く興味がなかった。薄いブラウスに黒のブラジャーを透けさせた「Beginner」での衣装をみて、ああ、こういう商売しているんだ、今がピークだろうな、と。

その1年後、2011年のAKB48の躍進ぶりは誰もが知るところだろう。「桜の木になろう」、「Everyday、カチューシャ」、「フライングゲット」、「風は吹いている」、「上からマリコ」と発売シングルすべてがミリオンヒットとなる前代未聞の快挙をなしとげた。「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」はそのAKB48の2011年の軌跡をたどった映画である。



AKB48と言えば、ついてまわるのが総選挙。シーズンが近づくと、yahooのトップページなどに「AKB総選挙が〜」という記事が頻繁に出てきた。正直言ってイラついた。これってニュース価値あるの?まして、昨年は東北大震災が起こって2〜3カ月しかたっていない時期。こんなニュース流している場合か!と怒りに近い感情がこみあげてきた。 (yahoo!のトップページに掲載されるトピックスは、日本人のニュース価値基準をおかしなものにしていると思う。特に芸能関係のニュースで○○結婚とか、××妊娠とかどーでもいい、ふた昔前ならスポーツ新聞の芸能欄か女性週刊誌でも熟読しない限り知りえなかった内容がトップにきてる。アクセス数が多いからだろうけど...。そもそも○○や××の名前を知らないことも珍しくない。何で見知らぬ奴の結婚だの離婚だのを教えてもらわなければならぬ!有名人の敷居って大幅に下がったな)

そんなことを思いつつも、あまりの報道量の多さに負けてしまい、総選挙の映像とやらを見てしまった。皆、異常なほどに緊張しており、1位奪取なるかが注目されていた前田敦子は肩で息をしている状態。見事1位になり壇上に上がった前田は「こんなに支えてくださっている皆さんがいるのに、どこかで孤独と戦いながら過ごしてきた部分もありました。....ひとつだけお願いがあります。私のことは嫌いでもAKBのことは嫌いにならないでください」声を絞り出すように語る彼女の姿に仰天した。誰だ、19歳の女の子にこんな台詞を言わせる奴は!何なんだこのAKBってのは?...そこではじめてAKB48に興味がわいてきた。総選挙だけでなくAKBの映像をyoutubeでいろいろと見て、いつの間にか(CDを買ったりはしないが)主要メンバーの顔と名前は一致するまでになってしまっていた。



そして遅まきながらドキュメンタリー第一弾「DODOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」をDVDで観た。仰天した、あまりのつまらなさに。アイドルとかミュージシャンとかの"ドキュメンタリー"はPVレベルと相場は決まっているのだが、「〜to be continued」はPVどころかDVD特典映像レベルのクオリティ。組閣祭りだの、研究生から正規メンバーへの昇格だのトピックはあるものの、基本的にはチームごとの主要メンバーのインタビューがずらっと並ぶ単調極りない構成。コレをわざわざ映画館の大スクリーンに映し出して金とってんだ、アコギな商売してんな...。この内容では、"一見客"はもちろんファンでも楽しめないのでは?と思ってしまった。




だからこの「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」にもほとんど期待していなかった。だが、今回は「総選挙」「西武ドーム公演」、「復興支援」など話題が豊富なこともあり、見ごたえは十分。見せたくないものをあえて見せる試みにもチャレンジしており、DVD特典映像からドキュメンタリーに昇格していた。


この映画は大きくわけて「復興支援」「総選挙」「西武ドーム公演」「チーム4(謹慎処分にも触れている)」「秋〜年末にかけてのイベント(じゃんけん大会、レコード大賞、紅白歌合戦)」の5つのパートに分かれている。それを順番に見ていくことにする。


総選挙

AKB48 22ndシングル選抜総選挙。運動会の徒競争でも順位をつけないという今のご時世、女の子の人気投票を実施し、それを世間一般にひろくさらすという残酷きわまりないイベントである。最初は「何でこの子たちこんなに緊張しているだろー」と不思議に思っていたが、今は納得。ここでの順位が向こう1年間の仕事の幅を決めてしまうのである。AKB48が出てくるTV番組や記事、メンバーの名前の前には必ずといっていいほど"総選挙×位の"という枕言葉がつく。熱心なファンをのぞく世間一般はその順位だけで彼女たちを値踏みする。順位の低い子は"不人気メン"のレッテルを貼られ、ブレイクへの道がいっそう遠ざかるシステム。おそるべき格差社会である。映画の中で前田敦子は「(総選挙を)やりたいと思っている人は誰もいない」と語っていたが、メンバー全員にとって総選挙は恐怖のイベントなのだ。高校受験や大学受験、就職試験の結果発表を待つ心情に近いものがあるのだろう。

さて当映画での総選挙。TVなどでさんざん見せられた壇上でのコメント場面も出てくるが、それはさわり程度。メインはその舞台裏である。ヒロインは2位に落ちてしまった大島優子。選挙発表が終わったあと、大島は2位のトロフィーを抱きかかえ、人目を避けるように舞台裏からステージを降りる。大島はこの時「誰とも話したくなかった」という。ひとり茫然とたたずむ大島を心配し、篠田麻里子小嶋陽菜がかけよった。突然泣き崩れる大島を抱きしめる篠田、その横でどう対応していいかわからず立ち尽くす小嶋...。大島の涙の原因は「2位に落ちた悔しさ」だけではないだろう。

メンバーの大部分がまったくの「ド素人」からスタートするAKB48。そんな中で大島優子は子役上がりであり芸歴は長い。AKB48の中では、当然のように演技も歌もダンスも水準以上、とくにダンスは一番うまいという声も強く、"欠点がないことが欠点"といわれることさえある。AKB48は「女の子たちの成長を見せるパフォーマンス集団」。はじまりが「ド素人」であればあるほどその"伸びしろ"を見せられる。そんな集団の中で芸歴の長い大島優子は例え人気があっても、基本的には「規格外」のメンバーなのだ。第2回総選挙のときの映像を観ればわかるのであるが、前田敦子が2位に落ちた時、何人ものメンバーがもらい泣きしていた。その一方、大島優子が1位をとったときには、どこか白けた雰囲気が漂っていたのだ。「規格外」の大島が1位をとっても(彼女のファン以外)誰も祝福しないという、厳しい立場に置かれている。おそらく大島本人が誰よりもそれを自覚していると思う。昨年の「〜to be continued」の中でも大島は(1位をとったにもかかわらず)「総選挙が一番つらかった」と語っている。

大島優子の本音は「トップアイドルをめざしてAKB48に入ったわけではないので、2位のほうが気楽でいい。だけど応援してくれるファンの手前上、1位になりたくないとは言えない」といったところじゃないだろうか。泣き崩れる大島優子に、メンバーの誰とも分かち合えないジレンマを抱える彼女の深い孤独をみた。

高橋みなみは、順位が落ちてショックだったはずなのだが、そんなそぶりはひとかけらも見せず、前田敦子を探しだして祝福する。さすがのリーダーぶりだ。少し離れたところで板野友美河西智美が寄り添って泣いていた。

過去3回の総選挙では前田敦子と大島優子が常にトップ争いをしており、不動の2トップと呼ばれている。モーニング娘。と違ってAKB48はメンバー毎に所属する芸能事務所が違うのだが、前田と大島は同じ事務所。これはAKB48にとって幸運だったと思う。もし、2人が違う事務所だったら、本人たちのあずかり知らぬところで、事務所単位でライバルを蹴落とすためのネガティブ・キャンペーンが貼られ、無駄なトラブルが起こりかねない。2トップが同じ事務所であれば、そんなキナ臭い心配は無用。単なる偶然かもしれないが、これが計算によるものだったら、(2人を同じ事務所に所属させたことは)的確な判断だと言わざるを得ない。

第3回総選挙選抜メンバーによるシングル「フライングゲット」


この頃がAKBのピークでしょうね。楽曲も選抜メンバ−もこの曲が最強。


復興支援

この映画を語るとき、絶対に外せないのが「復興支援」活動。AKB48は既に12億円以上の寄付、日本赤十字社へのキャンペーンにも協力、そして(映画に描かれている)被災地への訪問を定期的に続けている。小さなセットで踊る彼女たちの姿に大喜びする子供たち。この場面を見ると、アイドルってすごい力を持っているんだな、と思う。ネットを開くとAKB48というだけで、何でもかんでも悪口コメントを書きまくる人がいるが、「復興支援」活動をずっと「続けて」いること、これはきちんと評価すべきだ。

復興支援曲「風は吹いている」




チーム4

前作「DODOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」の延長戦上にあるパート。チームA、チームK、チームBに続いて研究生から昇格したメンバーで新たに結成されたチーム4を描いたパート。だが、ここは意図せずして、別のテーマにすり替わってしまった。リーダーに任命された大場美奈が謹慎処分となってしまったのだ。AKB48加入前の個人ブログに恋愛、飲酒をほうふつさせる内容があったことが原因。わずか2カ月足らずでのキャプテン復帰、"謹慎は形骸化"と醒めた目が多いようだが、映画では美談仕立てになっていて少々白ける。そもそも本人が出てきて「私が復帰してもいいですか?」と聞くのは反則。こういうことは本人のいないところで話し合わないと!傷ついて泣きそうな顔をしている本人を目の前にだめといえる鬼畜はそうそういない。

大場美奈は今、かなり面白いです。かわいくなってるし。がんばってるんだな〜。

「恋愛禁止」ルールはAKB48の鉄の掟。アイドルなら皆そうだろうが、AKB48の場合は恋愛発覚(恋愛と疑われるケースも含む)→即解雇、という厳しいものだ。だが、それはあくまで"AKB48加入後"の話。加入後の恋愛発覚→解雇、については比較的ファンも納得させやすい。恋愛したのが悪いのではなく、組織のルールを守れなかったのだから。

だが、今問題となっているのは、"AKB48加入前の恋愛"。大部分がこちらにあたり、その内容も男性とのプリクラ写真から、お泊り疑惑、飲酒、喫煙をほうふつさせるものまでさまざま。姉妹グループを含め、今まで何人も取りざたされているが、その処分は数カ月謹慎から解雇まで統一性にかけている。ファンからも批判があがっているため、AKB陣営も統一基準をつくることを検討しているようだ。「今の選抜メンバーに不祥事が出たら、その情報を全力で握りつぶすはず」「最近の処分は高校野球、ジャニーズ事務所などに比べると甘すぎる」という声も少なくない。モーニング娘。の加護亜依も喫煙が発覚した時点で解雇された。恋愛だけならまだしも、喫煙や飲酒をしてもかんたんに許されるという指標をアイドルが与えてしまうのはまずい。

そもそも今どきの女の子に「恋愛禁止」条例なんてナンセンスという声もある。"加入前の恋愛"を不問に帰すかどうかは意見が賛否両論、真っ二つにわかれるだろう。

ただ、AKB48人気はこの「恋愛禁止」ルールがもたらす安心感が大きく影響している。いくら本人が希望して復帰したところで、AKB48にいても人気回復は難しく、必要以上に苦労するのは目に見えている。AKB48だけが芸能界ではない。いくら本人が希望しても復帰などさせてあげないほうが、長い目でみて本人のため、な気がする。

映画でもこの辺りもう少し突っ込んでほしかったのだが、内部で作ったドキュメンタリー、ちらりと触れる程度が限界だったか...。

追記 奇しくもこの映画の公開日と時を同じくして、初期メンバー平嶋夏海の脱退がに発表されました。"加入後の恋愛"であり、同情の余地はないはずだが、苦労人として信望が厚かった彼女がそんなことをしているのなら、他のメンバーだって....とファンの間で不信感が拡がっている模様。「恋愛禁止」ルールはまた、しばらく物議を醸しそうです。

6/14追記 ついにこの日が...総選挙で4位に躍進した指原莉乃がAKB加入後にファンとつきあっていたという報道がでました。ファンに手を出すのはアイドルにとってタブー中のタブー行為。加入後のことですし、“脱退"となっても不思議ではないですが、大手事務所所属の人気メンバーだからおとがめなし?事実無根なら本人の口からきっぱり否定すればすむこと。↓には当分AKB48人気は当分安泰と書いたけど...。ここでの対応を間違えると前田敦子卒業後、AKB48人気は間違いなく失速する。→指原莉乃はHKT48へ移籍することになりました。秋元さんて賢いな、と当初は思っていたんだけど、実態は肩書が変っただけ。売れっこは"形式的"ペナルティのみか...。彼女を通してここまで実社会の嫌〜な面を見せていいのか?こんなことしていたらAKBに新規ファンはつかないと思うよ。




西武ドーム公演

映画の舞台あいさつで大島優子が「ホラー映画ではありません」と前置きし、高橋みなみが「アイドルとしてはどうかな...と思う場面もありますが」と語った西武ドーム公演の舞台裏。映画一番の見どころだ。




まず初日の映像を見て驚く。舞台裏は民族大移動といわんばかりの運動会。「次の曲は何?」「私、どこから出ればいいの?」1曲終わるごとにバタバタと駆けずり回るメンバーたち。...大人数のため、ある程度は仕方ないかもしれないが、ここまで準備不足だったのか?本番なのに何をやっているのだろう...。秋元康は(自分たち運営の準備不足を認めつつも)「今までで最悪の出来。君たちの力はこんなものじゃないだろう」と叱咤。メンバーたちもそれはうすうす感じていたようで、高橋みなみは「このままで2日目、3日目を続けたら私たちは確実に終わります」とメンバーに檄をとばす。

何が問題だったのかは映画だけを見ているとわかりにくいのだが、原因はセットリストだったようだ。西武ドームのような大劇場でのコンサートの場合、劇場公演に通い詰める、昔からの熱心なファンだけでなく、TVでAKB48を見て、ヒット曲を何曲か知っているだけの"ライトなファン"も多くかけつける。ところが1日目は劇場公演曲を中心、つまり"コアなファン"に焦点を合わせた選曲をしてしまった。そのため、"はじめてAKB48をみる"ライトなファンにとっては知らない曲ばかりでちんぷんかんぷん→コンサートは盛りあがらない、というパターンに陥ってしまった、らしい。(観てないから詳しくはよくわかりませんけどね)

これはヒット曲を多く持つアーティストに共通の悩みだろう。毎回同じ曲ばかりやると、熱心なファンからはマンネリだと批判される。だが、はじめてコンサートにくるファンにとっては知っている曲=ヒット曲がいっぱいあったほうが楽しい。知らない曲ばかり→面白くない→もう2度と行かない...ファンを増やしたいアーティストとしてはこの悪循環は絶対に避けたいところ。昔からのファンの要望と新規ファンの要望の間でどうバランスをとるか?「ファンからの人気はないけど自分はこの曲が好きだからやりたい」という、アーティスト側の意向がからんでくるともっと面倒臭くなる。

1日目の様子を受け、彼女たちは寝る暇を惜しんでセットリストやMCを見直した。2日目は出足で(一日目ではやらなかった)前田敦子や板野友美のソロデビュー曲、各派生ユニットのヒット曲を連発して新規ファンの心をつなぎとめる戦略に出たようだ。(3日目もさらに見直しを行ったらしい)彼女たちは、劇場公演と西武ドームのような大ステージでの"観客の質の違い"を理解した。




前田敦子が過呼吸で倒れてしまい、出演が危なくなる。だが、コンサート後半では新曲「フライングゲット」の披露が控えている。総選挙で選ばれたメンバーによる歌唱曲なので、ファン投票でセンターに選ばれた前田が出ないわけにはいかない。前田の回復を待つため、MCで時間をかせぐ他のメンバー。そしてフライングゲットのイントロとともに...。舞台裏でこんなドラマティックなことが起こっていたとはファンも想像しなかったに違いない。最後の方では前田だけでなく、大島優子、高橋みなみ、柏木由紀など多くのメンバーが体調を崩し、気力だけでステージにあがる。大島優子が「ホラー映画」と称したのはこのあたりだ。真夏の7月、大人数のステージ....こんな環境で体調を崩さないほうがおかしい。AKB48って究極の3K職場!?AKB48に入りたい!と思っている子はこの場面を見てから決めましょう(笑)。ただねえ...私たちは少女たちを超劣悪環境で酷使しています!って正々堂々と見せつけるってどうよ?




仕事への取り組み方として"質より量"という考え方がある。量をこなせば自然と質もついてくる...。AKB48の殺人的スケジュールを見るとまさにこの考え方だ。人気アイドルの平均睡眠時間は一日3時間なんて話は今も昔も特に珍しいことではないが、西武ドームのような大きな劇場での公演はある程度時間をかけてリハーサルをするべきだと思う。人気メンバーの多くはソロ仕事を抱え、スケジュール調整もままならないのだろうが、時には"量より質"の仕事もさせてあげないと彼女たちの成長にはつながらないのではないか?

一流アーティストであればあるほど、コンサートのリハーサルには十分時間をかけている。(マドンナなどは数か月だと言われている)「未完成なものでもいい。成長する姿を見せる」と「準備不足でもいい」はイコールでない。このあたり運営側もきちんと考えてあげないと。「未完成な垂れ流し」ばかりを見せ続けると、ファンは確実に離れていくだろう。

蛇足だが、AKBの子たちのインタビューを聞いていて気になることがある。「夢は女優」とか「歌手になりたい」とか...例えソロではなくてもCDを出していたり、ドラマ出演経験があれば既にプロの"歌手","女優"になっています。本当にチャンスが与えられず、実績もなく目指しているだけの子に失礼。ちゃんと"×××のような女優になりたい"という副詞をつけるべきだ。


じゃんけん大会ete...

ここはさらっと描かれているので記事もさらっといきます。まずはじゃんけん大会。じゃんけん(=運)だけでシングルの選抜メンバーを決めるという何とも原始的な試みです。

AKBのシングルを歌う選抜メンバーは当初、秋元康の判断だけで決めていた。だがファンから秋元の選考に対する不満が続出。じゃあファンに決めてもらいましょーということ選抜総選挙が始まった。それで一件落着と思いきや...「TVにいっぱい出ているメンバーにたくさんの票が集まるのは当たり前」と格差社会を的確に指摘したクレームが続出。それを受けてじゃんけん(=運)だけでシングルの選抜メンバーを決めるじゃんけん大会がスタートしたという流れです。今まで選抜メンバーに選ばれたことがないメンバーにチャンスを与えることが主目的だが、全員参加のため人気メンバーが勝ち抜いてしまうこともある。第2回となる昨年は、グループ最年長、総選挙第4位の篠田麻里子が勝ったことが話題となった。その結果、CDジャケット、衣装などに麻里子様の意見がかなり反映された模様。特に振付は麻里子様のはからいで、選抜メンバー全員に見せ場がくるように何度も変更されたらしい。心優しき麻里子様。


じゃんけん選抜曲「上からマリコ」


前田、大島の2トップをはじめ、多くの人気メンバーを欠いたじゃんけん選抜シングル「上からマリコ」。さすがにミリオンは厳しいという見方も強かったが...何と約130万枚のメガヒット。麻里子パワー、恐るべしというべきか、もう選抜メンバーが誰であっても売れるほどAKB48のブランド力が強くなったのか?予想以上のヒットは多くの人を驚かせた。

じゃんけん大会の映像で少し不満なこと。選抜常連のメンバーは「今回は負けてもいい」とリラックスムードだったのに対し、選抜に選ばれたことのない子はそれこそ必死。負けてしまい絶望にうちひしがれていた子もいたらしい。そういうの、きちんと見せてほしかったな。「格差社会」が浮き彫りになってしまうから出したくなかった?





その後、レコード大賞、紅白歌合戦がちらっと映る。この映画の製作にはNHKエンタープライズがからんでいるから(昨年もそして今年も、AKBドキュメンタリー映画の数日前にNHKのAKBドキュメンタリーが放送されているし)紅白は当然としてもレコ大の場面が短かったのは不満。単純に映像使用権の問題か、年明けに金スマで放送されたから?

AKB48は2010年、ミリオンセラー「Beginner」でレコード大賞に初参戦。有力視されたが大賞はEXILEにさらわれ、楽屋に戻ってメンバーみんなで大泣きした。高橋みなみは「悔しさを忘れないため」この日にとった集合写真を1年間携帯の待ち受け画像にしていたという。うがった大人の目から見ると「権威が失墜した今のレコード大賞なんか獲ってうれしいのかな?」と思ってしまうが、「私たちはまだ世間に認められていない」「がんばった証が欲しかった」と言われると何も言えなくなる。人は認められることでより成長するのだから。


会いにいけるアイドル

「すぐ消える」という陰口をよそに年々進化をとげているAKB48。その秘訣は何だろうか?
それはどんなに売れても、軸がぶれていないことだと思う。

AKB48は「女の子の成長を見せるパフォーマンス集団」であり、「会いにいけるアイドル」である。
ミリオンセラーを連発する今となっても、この路線に変更はない。

秋元康は「たとえCDが売れなくなっても劇場があれば何かできる」という。秋元康は1985年4月から2年半、おニャン子クラブを手掛けたが、おニャン子クラブの活動母体であったTV番組「夕やけニャンニャン」が突然打ち切られ、おニャン子クラブも解散を余儀なくされた。その時の苦い経験からTV番組という不安定な基盤には頼らないことを決めたのかもしれない。

今、現在TV番組、CMなどでAKB48を見ない日はないが、おそらくAKB48運営はTV出演をそれほど重視していない。あくまで「会いにいけるアイドル」大事なのは劇場公演であり、握手会である。そういうスタンスなのだろう。

昔はヒット曲を出すためにTVとのタイアップは不可欠だった。化粧品などのCMソングや映画の主題歌がヒットしていた時代もあった。「ザ・ベストテン」「夜のヒットスタジオ」など歌番組が隆盛を誇っていた時代もあった。テレビドラマの主題歌が軒並みミリオンヒットになった時代もあった。今はどれもOUT。テレビからヒット曲が生まれる時代は過去のものになりつつある。

CD売上が激減し、停滞する音楽市場の中でAKB48が一人勝ちしている理由がここにある。TVに頼らず、「会いにいけるアイドル」というコンセプトを貫いた結果なのである。

「女の子の成長を見せるパフォーマンス集団」というコンセプトが一番わかりやすく具現化しているのはこの映画である。

昨年は「DODOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」
今年は「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」

おそらく来年も同時期に2012年の活動を集約したドキュメンタリー映画が公開されるだろう。
このシリーズを続けてみるだけでも、観客は彼女たちの成長を見届けることができる流れになっている。このシリーズの目的は"映画作品"を作ることではなく、文字どおりの"記録"。親が子供の成長をホームビデオで録画しつづけるのと同じ趣旨なのだ。

2011年総選挙で3位に躍進した柏木由紀。握手会での対応の良さが人気上昇につながったといわれている。その彼女が最近のインタビューでこんなことを言っていた。
「会いに行けるアイドルというコンセプトをどこまで維持していけるのか…。少しでも多く劇場に立ちたい。」
「私たちは会いに行けるアイドルなのに、まだ行ったことがない場所がたくさんある」

そんな声を反映してかAKB48は2012年、1年間かけて全国47都道府県すべてをまわるコンサートツアーを行うという。「会いにいけるアイドル」という軸がぶれない限り、AKB48人気は当分安泰だろう。

 追記 3/25 AKB48の絶対的エース、前田敦子が卒業を発表。これは驚きですね〜。あっちゃんは後2〜3年はいる、選抜常連メンバーの卒業第一号は大島優子だろうとずっと思っていたので。トップが潔く身をひく、大企業のお役員さん見習ったら?あっちゃんは2推しだったので(1推しはこじはる)寂しいです。前田敦子は暗めの表情と笑顔の落差が魅力的な、独特の雰囲気のある子。女優としても歌手としてもがんばってほしいものです!(歌はうまいとはいえないけど、言葉をかみしめるように歌う姿がいい。よいブレーンに恵まれれば歌手としてもいけると思う)。彼女卒業後、(「上からマリコ」のヒットをみても)CDセールスはすぐ激減するようなことはないと思うけど、何といっても「看板」を失うことは大きい。未だにAKB48は前田敦子しか知らないって人...。数字に表れてこない部分での影響が半年とか1年後とかにでてきそう。追記 ↑に書いていることと相反するんですが、最近AKB48は初期のコンセプトを忘れつつある。単なるビジネスモデルにすぎないんじゃないかと感じています。映画の内容に関係ないんでこれ以上は書きませんが。
人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!


スポンサーサイト


2017.12.10 Sunday | 20:51 | - | - | - |

コメント

こんにちは。
いやぁ、驚きました。
アカデミー賞の記事のあと、AKBの映画の記事がくるとは!
自分は、AKBのTVに出る彼女たちの名前と顔は一致しますよ。
この記事を読んで映画を見に行きます!とは言えないですが・・・

それにしても、幅が広い。

久しぶりにコメントしました。
2012/02/08 1:01 AM by
亮さん、こんばんわ

このサイトにAKBが出てくると思った人はあまりいないでしょうね(笑)これ、映画としての出来はともかく結構面白かったですよ!
2012/02/12 12:21 AM by moviepad
こんちは、久しぶりです。

映画も面白かったですが、その映画の背景になってる事象を親切丁寧に描いてくださってる記事がにわかファンとしては大層、面白かったです。

ただAKB48だけがCDで躍進してるのは1人で何枚も同じCDを買ってくれる最強のファンから搾取できる構造が成功したという事も欠かせないと思っています。
2012/02/19 2:16 AM by ふじき78
お久しぶりです。

>その映画の背景になってる事象を親切丁寧に描いてくださってる記事がにわかファンとしては大層、面白かったです。

ありがとうございます。実はもっと書きたいことがたくさんあったんですけど、映画で描いている内容とかけ離れてしまう可能性が高いので断念したんです。

>1人で何枚も同じCDを買ってくれる最強のファンから搾取できる構造が成功した

これがまさにソレです。いわゆるAKB商法といわれるヤツですね。
マジレスすると長くなるので手短に。

★ひとりで何枚もCDを買わせる

いかにリピーターを増やすか、複数買いをさせるかを考えるのは"ビジネスの基本"
特別なことではないと考えます。

ただ、食べ物とかと違って同じCDを何枚も持ってて何の意味があるのか?とは思います。

今ヒットチャートを見渡すとAKB、ジャニーズ、K-POP、アニメがらみ、
それらだけで大部分が埋め尽くされている。

ヒットチャートはアイドルグッズの販売ランキングと化してしまった。
良い曲が売れてヒットチャート上位にランクされる、という公式がすっかり過去のものとなってしまったのは哀しいことです。

でもそれはAKBの責任ではありません。
大きなムーブメントには必ず反発が伴うもの。
AKBが一人勝ちしているのは。アンチAKB的な人たちを魅了するような音楽を作りだせない製作側の問題でもあります。それに、最近のAKB、楽曲のクオリティもその辺の"アーティストもどき"よりはるかに高いですよ。

★大部分のファンはその構造を納得済みで購入している。

気になるにはAKB48のファンの大部分が学生。
CD100枚とか買う金がどこから出ているんだろうか?と。
自分でバイトして貯めたお金で買っているならいいんですが
親に頼っているとすると...金を出してやる親が悪い。責めるべきは親です。

自分の好きなことにだけはお金を一切惜しまない、そういう人はたくさんいます。
自分の趣味だったり、酒だったり、恋人だったり対象はいろいろですが...。
彼らの場合はそれが「アイドル」であり「AKB48」である。それだけのことです。
趣味や好きなものに対する"度を超えた投資"も時間がたつにつれて"適量"に落ち着くもの。
AKB商法に対して、外野がぎゃーぎゃー騒ぐのは余計なお世話だと僕は考えます。
2012/02/19 5:27 PM by moviepad
こんちは、もう一言です。

私個人もAKBの彼女らに関しては何ら悪感情を持ってません。今、提供される楽曲も外野サイドで聞いててとても気持ちいいとも思います。

うんまあ、他にも「会いに行けるアイドル」って南青山少女歌劇団、東京パフォーマンスドールとかもいて、彼女たちがそのコンセプトを貫いていなかったかと言うとそうでもないだろ、と思ってしまったので一言書き添えてしまいました。

集客できるシステムを考えた奴は偉いかもしれないけど、どうもその富が最終的に彼女たちまで分配されなさそうな気がするのが気がかりです。そういう契約と言っちゃえばそれまでなんですが。
2012/02/20 1:09 AM by ふじき78
こんばんわ

>うんまあ、他にも「会いに行けるアイドル」って南青山少女歌劇団、東京パフォーマンスドールとかもいて、彼女たちがそのコンセプトを貫いていなかったかと言うとそうでもないだろ、と思ってしまったので

このあたり、私は正直いってよくわかりませんのでコメントできませんm(_ _)m

「会いに行ける」とはちょっと焦点がずれるのですが、ネットの力もおおきいと思います。
メンバーの大部分がブログをやっており、ファンはそれを毎日チェックできる
耐えず近況報告ができる、というのも人気維持に役立っていると思います。

まあ、「アイドル」と「スター」今や完全に別物になってしまいましたね。
ネットも含めてイエロージャーナリズム全盛の今、親近感で売る以外ないのかな。

>どうもその富が最終的に彼女たちまで分配されなさそうな気がするのが気がかりです。

AKBって外野が邪推するほど儲かっていないんじゃないか、と思ったりします。
売れるまで4年かかっているし、関連グループを含めると200人以上いるんでしょ。
でも何であんなに次々、派生グループを作るのかな?先の先まで見通しているのか、それとも...。
2012/02/20 7:36 PM by moviepad
非常に細部まで分析されていて感心しました。(失礼かな)確かに前田敦子こそAKBそのものだったと、あの「卒業」宣言のときはっきりわかりましたよ。漠然とした誰推しでもなくAKB推しだと思っていたのに、私は前田敦子推しだったとわかりました。一般社会的(AKBを知らない)にはよくドラマの露出が多い大島優子の方が人気があると思います。しかし前田敦子はAKBコンセプトそのものだったと思います。ナイーブで無防備で全くいじられていなかった少女の成長を目の当たりにしていくこそAKBだと思います。
ただ、前田敦子は大島優子のファン(ヲタ)に負けたのかなという気もします。某サイトでのバッシングはそれはひどいですね。握手会でもそういう連中による嫌がらせも相当あったようです。(麻里子は自分は図太いと云ったことの裏返し)特に、第一回総選挙の嫌がらせとそれ以降の総選挙の異常なコメントでわかります。
先日の朝日新聞夕刊文化欄で、一位になって謝る異常なコメントと書かれていました。
でもこの記事タイトルは「総アンチ社会に輝く希望」となっていました。かなり大きな扱いでした。
それにしても良し悪しは別としてこの2週間余りの間で前田敦子はAKBの企業価値を大幅に増大させたことは間違いなおでしょう。
2012/04/12 11:35 PM by アマデウス
アマデウスさん、はじめまして!
コメント、ありがとうございます。

先日の動画をみた限り、「後輩に道を譲る」のは半分本当だと思いますが
(「私たちがいつまでも居座っていると下が育たなくなる」という話をを大島優子とよくするという話を聞いたことがありましたので)
残りの半分はやっぱり重圧とバッシングに疲れてたんだな、と感じました。
記事にも書きましたが、20歳そこそこの女の子に「私のことは嫌いでも〜」なんて台詞を言わせるのは異常です。

前田敦子がセンターでなかったら今のAKBは絶対ない。アンチはそれを認めたくないんでしょうけど、いなくなってからその存在感の大きさに気づくでしょう。

最近の報道をみて、「たかがひとり辞めるくらいで大騒ぎするな」と思った人も多いでしょう。
(僕も昨年の総選挙報道をみて何でこんなことで大騒ぎするんだろう、と思ってましたから)

でも、今やAKBは巨大ビジネス。
大企業が創立以来の"看板"を変える...
そう考えるとこれは結構、大きなニュースです。(笑)
CDセールスとかの表向きの数字ではなく、
最も有名なメンバーがいなくなるわけだから一般への認知度とか
あまり目に見えないところで相当影響すると思いますよ。

あと、彼女の「声」が欠けるのも痛い。
AKB48って誰がどこを歌っているのか歌だけ聴いているとよくわからないんですが、
ファンに言わせると「あっちゃん」と「たかみな」と「こじはる」だけはわかるそうです。

ここは映画ブログなので、ちょっと言わせてもらうと

映画がコケたと言われていますが、もともと公開規模に無理があっただけで...
アイドル映画はとっくの昔に"死んだジャンル"。
ヒットした試しは...たぶんここ30年くらい(爆)はないと思います。
「もしドラ」の興行収入9億というのは(過去のアイドル映画と比較すると)そんなに悪くない数字です、実は。
周りの期待があまりに過剰すぎただけ。これでバッシングされるのは気の毒としかいいようがないです。

あっちゃんはあんなに忙しいのに、よく映画を観て勉強しているな、と感心していました。
先日、外国映画サポーターとかで表彰されていましたが
(最近、洋画が不振なので)彼女にはいい映画をたくさん見てブログとかで紹介してほしいです!
2012/04/13 1:18 AM by moviepad

コメントする









この記事のトラックバックURL

http://moviepad.jugem.jp/trackback/488

トラックバック

「DOCUMENTARY of AKB48 show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」:驚愕のバックステージ
映画『DOCUMENTARY of AKB48 show must go on
(大江戸時夫の東京温度 2012/01/30 12:13 AM)
DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on
□作品オフィシャルサイト 「DOCUMENTARY OF AKB48 Show must go on」□監督 高橋栄樹 □キャスト AKB48鑑賞日 1月27日(金)■劇場 TOHOシネマズ川崎■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0.5)<感想> CDが売れなくなったこの時代に、昨
(京の昼寝〜♪ 2012/01/31 8:18 AM)
『DOCUMENTARY OF AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』を渋谷トーホーシネマズ2で観ながら、これはアイドルが兵隊な映画だふじき★★★★★
五つ星評価で【★★★★★今、もっとも面白い見世物】 映画としての出来は問うまい。 そんな所にこの作品の主眼はないからだ。 ちなみに、私は先頭の5,6人が見分けられる程度の ...
(ふじき78の死屍累々映画日記 2012/02/19 2:52 AM)
『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on  少女たちは傷つきながら、夢を見る』 (2011) / 日本
監督: 高橋栄樹 出演: AKB48 映画『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on  少女たちは傷つきながら、夢を見る』公式サイトはこちら。 フリーパスポート13本目。 去年もAKB映画の第1弾は鑑賞しているので(楽天からインポートしたはずなのに何故かgooに記事が来
(Nice One!! @goo 2012/02/20 7:46 AM)
DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら...
「枯れないためにも、いつまでも太陽のような存在でいてください。」by大島優子 DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る 公式サイト 解説:爆発的人気を誇る人気アイドルグループAKB48の光と影に迫るドキュメンタリー第2弾。C
(コツコツと映画を観てます。 2012/06/10 5:23 PM)

▲top