映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
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第82回アカデミー賞受賞結果&所感

第82回アカデミー賞が発表されました。
結果は以下のとおり。

作品賞    「ハート・ロッカー」
主演男優賞  ジェフ・ブリッジス 「Crazy Heart」   
主演女優賞  サンドラ・ブロック 「しあわせの隠れ場所」  
助演男優賞  クリストフ・ヴァルツ 「イングロリアス・バスターズ」 
助演女優賞  モニーク 「プレシャス」  
監督賞    キャスリン・ビグロー 「ハート・ロッカー」  
オリジナル脚本賞   「ハート・ロッカー」
脚色賞     「プレシャス」
撮影賞     「アバター」
美術賞     「アバター」
録音賞     「ハート・ロッカー」
編集賞     「ハート・ロッカー」
作曲賞     「カールじいさんの空飛ぶ家」 
歌曲賞      "The Weary Kind"(Crazy Heart)
衣装デザイン賞  「ヴィクトリア女王 世紀の愛」
メイクアップ賞   「スター・トレック」
視覚効果賞    「アバター」
音響編集賞    「ハート・ロッカー」
短編アニメ賞    「Logorama」 
短編実写賞      「The New Tenants」
短編ドキュメンタリー賞   「Music by Prudence」
長編ドキュメンタリー賞    「The Cove」
外国語映画賞   「瞳の奥の秘密」(アルゼンチン) 
アニメーション映画賞   「カールじいさんの空飛ぶ家」

主な作品の受賞数(複数受賞作品のみ)
『ハート・ロッカー』 6部門
『アバター』 3部門
『プレシャス』 2部門
『カールじいさんの空飛ぶ家』 2部門

はっきり言って授賞式はひどくつまらなかった。だが、キャスリン・ビグローとサンドラ・ブロックの"いい女ぶり"がそれを帳消しにしたという印象。何はともあれ、『ハート・ロッカー』の作品賞受賞が嬉しい!CONGRATULATION!!!まあ、詳しいことは後日、"アカデミー賞の軌跡"カテゴリーでやるのでここでは思いつくまま箇条書き。

★ 『ハート・ロッカー』の作品紹介役にキアヌはないだろー、と思いきや...そっか彼はキャスリン・ビグロー監督作『ハートブルー』に出演してたんだ...。

★ キャスリン・ビグローとサンドラ・ブロックのような性格のよさそうな女性が受賞する一方、イヤな女も健在です。衣装デザイン賞受賞のサンディ・パウエル。ああ、またこのババアかよ。エラソーにステージに登場すると「これで3回目だわ。私って欲張りね。」「すべての衣装担当者にこの賞を捧げます。でも私がもらったけどね」だって!!! 何てイヤみな女。まあ、このスピーチは不評でしょうからもう彼女が受賞することはないでしょう(爆)

ペネロペ・クルスはケバキレ可愛かった。キャメロン・ディアスはケバキレ...ちょっと老けてきた。デミ・ムーア、単に老けていた。

★ 案の定というかやっぱりというか、長編ドキュメンタリー賞、和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした「The Cove」が受賞してしまいましたね。作品を観ていないので断定はできないが予告編や授賞式で流されたフッテージを見る限りでは、感銘を受けることはなさそうな映画。日本を批判しているからではなく、なんと言うか感触が悪いんです。プロデューサーはバカみたいなスピーチしてました(爆)。うーん、ドキュメンタリー賞、昨年もテレビ番組レベルの『マン・オン・ワイヤー』が受賞しているし、ドキュメンタリー映画をきちんと評価できる人って(評論家も含めて)いないんじゃないか?と不安を感じる今日このごろ。

★ 短編ドキュメンタリーの受賞時、プロデューサーのオバハンが監督のスピーチ中、マイクを奪い取るようにスピーチ。どうも監督とプロデューサーが対立していたようです。この手の割り込み、アメリカでは"カニエする"というようです。詳しくはこちら→オスカー短編ドキュメンタリー賞の監督と「カニエった」プロデューサーの確執

★ そのドキュメンタリー賞を上回る、アカデミー賞の"ガン"、外国語映画賞。今年もやってくれましたね。下馬評の高かった、カンヌパルムドール受賞作(『白いリボン』)やグランプリ作品(『預言者』)を当然のようにはじき、アルゼンチンの『瞳の奥の秘密』が受賞。候補5作品中、一番"わかりやすい作品"だという噂...。

★ それにしても授賞式の演出はさえなかった。脚本も今イチだし、スティーヴ・マーティンは相変わらずつまらないし、アレック・ボールドウィンはいい味出していたけどちょっとワンパターンかな。『恋するベーカリー』の共演者である2人、メリルに対し「最多落選者」「演技は素晴らしいけど、ヒットラー収集家とは」(本当か!?)と軽口をたたけるのは特権か。そういえばメリルを紹介したスタンリー・トゥッチが「ノミネートは16回で打ち止めにすべき」「(メリルと共演した)2作は私の代表作です」と語ったのには笑った。

★ 珍しくイジられていたメリル・ストリープ。またもや落選。ここまでくるとハラスメントですな。もう"メリルを称えるには、ノミネートし続ければよい。受賞はさせる必要なし"という暗黙の了解があるかのようです。メリルの隣にいたオトコはダンナ?最近、メリルはずっと娘と一緒に来ていたのに。やっぱ受賞する気まんまんだった?

★ 授賞式の話に戻ります。今年は歌曲賞ノミネートパフォーマンスがなかったこともあり、何かメリハリがなくてつまらない。ジョン・ヒューズの追悼特集があるのは知っていたけど、あんなに称えられるべき人?どんな大御所も過去、あそこまではしてもらえなかったような...。ホラー映画特集もとってつけたようだし、ホラーといってもB級ものは少なかったのが嫌味。このパート、タラちゃんに編集させるべきでした。それと作曲賞にあわせたダンス・パフォーマンスも何だかな、細かいテクニックに走っていて今ひとつ躍動感がなかった気がする。時間短縮を意識しすぎて単調な授賞式になった印象です。

★ クエンティン・タランティーノは終始ふてくされてました。有力視されていた脚本賞をのがしたとき泣きそうな顔してたし。そのタラちゃん、ペドロ・アルモドバルとともに外国語映画賞のプレゼンターとして登場。タラちゃん、ペドロにむかって「ずっとあなたのファンでした。あえて嬉しい」<嘘こけ!(爆)ちなみにタラちゃん、「最近のイタリア映画はみんな同じ。気がめいるだけ」と発言し、ペドロから一喝された過去があります。タラちゃんがビビリ気味だったのはきっとそのせいです。参照 拙記事『ボルベール〈帰郷〉』一番下のほうにそのエピソード書いています。

★ 昨年、『ハート・ロッカー』と並んで批評家からはトップクラスの賛辞を受けた『マイレージ、マイライフ』。確実視されていた脚色賞まで逃し、受賞ゼロ。監督のジェイソン・ライトマンは30代前半の若さで2度の監督賞ノミネート。ねたまれてます(笑)。ちなみに、客席での態度が最も評判悪かったのはジョージ・クルーニー。"あまりにもつまらなさそうな顔をしている”。まあ、出演作が受賞ゼロではね、笑顔を見せるチャンスもなかった。

★ ガボーレイ・シディベの紹介役は『プレシャス』の製作総指揮をつとめたオプラ・ウィンフリー。さすがの落ち着きと貫禄です。「デビュー作にしてメリル・ストリープと一緒にノミネートされるなんてあなたはシンデレラ・ガールよ」と称えられ、シディベはぼろぼろ泣いてました。

★ 昨年は過去のオスカー受賞経験者が演技賞ノミネート者を紹介するというパターンでしたが、今年は主演部門に限り、過去の共演者(男女問わず)が紹介するというパターン。ジェレミー・レナーの紹介役はコリン・ファレル。いかにも"友達(ダチ)を紹介するぜ!”といった感じ。ナチュラルでよかった!ジェレミー・レナーは受賞に値する演技。個人的には彼に受賞してほしかった。

★ モーガン・フリーマンの紹介役で登場したティム・ロビンス。あら、いつものお連れの方は?
何かは忘れたが、作品の紹介役でご登場のシャーリーズ・セロン。あら、いつものお連れの方は?
時の流れを感じますねぇ。

★ 主演男優賞は下馬評どおりジェフ・ブリッジス。会場はスタンディング・オベーション。彼を紹介したのはミシェル・ファイファー。彼女がアカデミー賞授賞式に登場するのは相当久しぶりでは?ジェフ・ブリッジスは終始、好々爺といった風情。でもスピーチは感謝人の羅列。長くてゆるかったぞ!

★ 主役のひとりは何といっても主演女優賞のサンドラ・ブロック。名前が呼ばれると通路をはさんで隣に座っていたメリル・ストリープに近寄り、まるで「ごめんね」とでも言っているかのようでした。そして「本当に私でいいの?皆さんが根気負けしたんじゃないの?」と笑わせた後、他の候補者ひとりひとりを丁寧に称え、亡くなった母の話で思わず涙ぐむというサンドラらしからぬ?パフォーマンス。客観的に見てしまうと受賞はやや疑問だが、個人的にサンドラは好きだし、このスピーチを見てしまうと、彼女の受賞に異論を唱える気にはなれない。前哨戦での受賞スピーチは落ち着いたものだったが、さすがにオスカーは違う?サンドラ、キャリー・マリガンへのコメントはやや距離感を感じましたが、メリルはもちろん、ガボーレイ・シディベやヘレン・ミレンとも仲良くなったみたいですね。

★ キャサリン・ビグローの後ろに座っていたジェームズ・キャメロン。ひたすら怖い。ベン・スティラーが「アバター」をおっかなびっくりでおちょくっていた。そもそも当初はサシャ・バロン・コーエンとのコンビで出演予定だったが、サシャがかなりキャメロンをおちょくった出し物を用意していたため、びびったプロデューサー側がサシャを降板させたと言われている。

★ キャスリン・ビグローは、『ハート・ロッカー』のスタッフが受賞するたびに満面の笑みを浮かべ立ち上がって拍手。誰もが彼女に好感を覚えただろう。ビグローは監督賞、(プロデューサーとして)作品賞、脚本のマーク・ボールも脚本と作品賞。この2人が2つのオスカーを獲得。サンドラ・ブロックをあわせたこの3人が今年のオスカーの主役といったところか。「アバター」中傷メールを送ったことから授賞式出席禁止処分を受けたニコラス・シャルティエに対してプロデューサーのひとりグレッグ・シャピロが「彼はこの作品に全力をかけていたんだ」とフォローしていた。

★ 脚本賞、そして編集賞が『ハート・ロッカー』に渡ったとき、これで作品賞も『ハート・ロッカー』だな、と思った。監督賞のプレゼンターは過去2度、監督賞を有力視されながらノミネートすらされなかったバーブラ・ストライザンド。もう受賞者はキャスリン・ビグローですよ!と予告しているよーなもの。バーブラは封筒をあけ、「ついにやったわね。キャスリン・ビグロー」と読み上げました。どーでもいいけどバーブラ、何故お前が泣く?(爆)

★ 作品賞は当然のように『ハート・ロッカー』プロデューサー3人の後ろで兵士役3人が肩を組んで喜んでいた。ちとはしゃぎすぎかも(笑)話はそれますが今回受賞者を読み上げるとき、「THE WINNER IS〜」という言い方が復活していましたね。まあ、これまでとおり”OSCAR GOES TO"と言っている人もいましたが。


映画ファンの中にはエンタメ至上主義者がかなり多い。娯楽系作品であればクズみたいな映画ですら称え、(「クローバーフィールド/HAKAISHA」を褒め称えた人々を見よ!)、その一方批評家などが褒め称える映画を「退屈」とか言ってけなす。娯楽映画を称え、アート映画や社会派映画をけなす姿勢がかっこいいと思っている。そーいう人たちにとっては今回のアカデミー賞の受賞結果は不満極まりないものだろう。だがアカデミー賞は本来、人気賞でもテレビ番組でもない。あくまで"素晴らしい業績を残した映画人"を称える映画業界内部の賞である。派手な話題にとらわれず、あくまで作品の質を評価したアカデミー賞。久しぶりに良心を感じた。『ハート・ロッカー』は作品賞にふさわしい傑作。今回の受賞結果、個人的には大満足である。

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2018.10.14 Sunday | 02:41 | - | - | - |

コメント

moviepad様
昨日、授賞式のダイジェストをBSで見ました。
こちらの記事のおかげで、想像力を発揮し、とても楽しく見ることができました。

過去の演技賞ノミネート者を紹介するのは、良かったです。
衣装にも目が行くので、やはり、女性陣に注目してしまいました。ミシェル・ファイファー きれいでした。サンドラ・ブロック 好感持てます。
演技者の皆さんなので、どう見られるのかをきっちり考えているのでしょうが、ちょっと垣間見える視線とか表情…映画の画面では見られない…

>今回の受賞結果、個人的には大満足である
同感です!
2010/03/21 9:16 AM by パール
パールさん、こんばんわ

>こちらの記事のおかげで、想像力を発揮し、

いや〜、想像力を喚起する要素がこの記事のどこにあるのかよくわからないのですが(笑)、
お役に立てたのなら光栄です。

アカデミー賞授賞式のTV中継をみるようになって15年くらいになりますが、
ミシェル・ファイファーを授賞式で見たのは初めてのような...。
ミシェルは3回ノミネートされているので、そのときはきてたんでしょうけど。
授賞式のプロデューサーが『ヘアスプレー』の監督だったから呼べたのかもしれませんね。

サンドラは明らかに受賞を意識していましたね。
でも1週間後にダンナの浮気発覚...。ちょっと可愛そうです。

はい、受賞結果には大満足です。
たまには、まともな選出をすることもあるので、アカデミー賞ウォッチングはやめられません(爆)
2010/03/22 1:25 AM by moviepad

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