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K-19

K-19(2002 アメリカ・イギリス・ドイツ)

k-19原題   K-19: THE WIDOWMAKER
監督   キャスリン・ビグロー
原案   ルイス・ノーラ
脚本   クリストファー・カイル
撮影   ジェフ・クローネンウェス
音楽   クラウス・バデルト
出演   ハリソン・フォード リーアム・ニーソン
      ピーター・サースガード
      クリスチャン・カマルゴ

k-19』はソ連の原子力潜水艦であるk-19が1961年7月4日、北海グリーンランド付近で起こした事故を題材にした映画である。原題のTHE WIDOWMAKERとは直訳すれば未亡人製造機。k-19は映画で描かれた原子炉冷却材システムのトラブル以外にも衝突事故、火災事故などを次々起こし、「この船に乗ったら生きて帰れない」と称されたことからきたニックネームである。




監督のキャスリン・ビグローはロシアに出向き、この事故に関わった人たちに取材。製作期間5年を費やして完成した作品である。でも、主演はハリソン・フォード。なぜ"敵国"アメリカのスターがロシア人を演じる?プロパガンダ映画とは思えないので、設定自体が何らかのアイロニーを含んでいるとは思えない。製作費を調達するためであろう。『K−19』の製作費は1億ドルと推定されている。だが全米での興行収入は3500万ドル。世界興収も6500万ドルに終わった。見事なBOX OFFICE BOMB(興行的大失敗作)だが、映画自体はBOMB(爆弾=駄作の意)ではない。ただ、全体的には"金のかかりすぎた密室劇"という印象だ。忠実に再現されたというK-19艦の全貌もお目見えするが、ほとんどが艦内でのドラマ。”潜水艦もの”を期待すると肩透かしを食う。前半はやや退屈だが、原子炉の冷却装置にひび割れが見つかったあたりから俄然面白くなっていく。応急措置をとるために修理班は”レインコート並みの機能しかない”防御服を着て、高濃度放射線区域に立ち入ることを余技なくされる。100%自殺行為!この場面は泣けました。実務経験のない優等生役ピーター・サースガードのヘタレぶりはまあ、想定の範囲内でした(笑)。ちなみに、このときの被曝線量は人間の致死量の10倍だった。

もし事故が起これば核戦争勃発の可能性もある。乗組員の命を救うためには最悪の場合、”敵国”アメリカの救援を求めなければならないかもしれない。そのときボストリコフ艦長(ハリソン・フォード)はどんな決断を下すのか?

それにしても原子力潜水艦というのは当時、こんなにチャチでずさんな管理をされていたのか?よく核戦争が起きなかったものだ、と映画よりそっちのほうに冷や汗。

※ 1961年、実際に指揮をとっていたのはニコライ・ブラディノロヴィッチ・ザテエフ大差

高濃度放射線区域に立ち入った全員が1週間以内に死亡。モスクワは"単なる事故"とみなし、彼らを英雄とはみなさなかった。

『k-19』はドラマとしては面白い。”組織論”のような見方もなりたち、管理職クラスの人が一番楽しめるかもしれない。だが、”敵国”アメリカの大スター、ハリソン・フォードが主演ということでこれが”ソ連”の話とは誰も思わない。英米が舞台でないのに、なぜか英語が使われているという映画はあまりにも多すぎて、そこをツッコムのは野暮というもの。だがフィクションならまだしも、史実をもとにしている作品をここまでリアリティを欠く設定にするのはマズイ。関係者に取材しているのだし、こんなヘンテコリンな劇映画を作るくらいなら、潔くドキュメンタリーにした方が有意義なものが残せたのでは?↓こんな感じで

Submarino k19 Armada de la Union Sovietica


『k-19』はハリウッドの大手スタジオではなく、ナショナル・グラフィックス社が資金を提供したという珍しい作品。いろんな意味での妥協が見え隠れし、娯楽映画としても社会派映画としても中途半端だが“男のドラマ”を見たいというシンプルな気持ちで臨めば楽しめる作品である。

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2010.03.06 Saturday | 10:36 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

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2019.09.05 Thursday | 10:36 | - | - | - |

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