映画のメモ帳+α

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ベルズ・アー・リンギング

ベルズ・アー・リンギング(1960 アメリカ)

ベルズ・アー・リンギング原題   BELLS ARE RINGING
監督   ヴィンセント・ミネリ
脚色   ベティ・コムデ アドルフ・グリーン
撮影   ミルトン・R・クラスナー
音楽   アンドレ・プレヴィン
出演   ジュディ・ホリデイ ディーン・マーティン
      フレッド・クラーク ジーン・ステイプルトン
      ジェリー・マリガン ヴァレリー・アレン
      エディ・フォイ・Jr フランク・ゴーシン

第33回(1960年)アカデミー賞ミュージカル映画音楽賞ノミネート

ベルズ・アー・リンギング』はブロードウェイにおいて、1956年11月から924回にわたって上演された人気舞台の映画化です。主演はジュディ・ホリデイ。出世作『ボーン・イエスタディ』と同様に、舞台同様映画版でも主演する形となりました。『ボーン〜』ではアカデミー主演女優賞を獲得していますが、この『ベルズ・アー・リンギング』では(『ボーン〜』で逃していた)トニー賞の主演女優賞を受賞しています。アーサー・リードヴィンセント・ミネリのMGM最後の作品ということで知られていますが、この映画はジュディ・ホリディの遺作にもなってしまいました。

〜物語〜
1956年のニューヨーク。 電話応対代行会社に勤めるエラ(ジュディ・ホリデイ)は、仕事上得た情報をもとに他の顧客にアドバイスを与え、顧客の人生を豊かなものとする事に楽しみを見出していた。エラは顧客の一人であり、劇作家のジェフリー(ディーン・マーティン)に恋をしていた。ついに彼女はジェフリーと直接会う事にするが、問題はエラが彼と話すときは63才の"ママ"を演じていたことであった。



電話応対代行会社とは今でいうコールセンターみたいなものでしょうか?ただ企業だけでなく、ジェフリーのように個人的な電話も受け付けているところがよくわからない。電話がらみのなんでも屋といったところでしょうか?留守電や携帯電話が発達した今となってはややピンとこない仕事であります。スタートのピンクの題字はセンス悪し。やたらシネマスコープを強調するところも時代を感じます。ああ、古臭い、つまんなさそ...と思っていてもジュディ・ホリディが出てくると雰囲気がぱーと明るくなるのがいい。インコ?にむかってピーと話しかける場面は楽しい!電話応対の場面では声音を次々とかえ芸達者ぶりを見せてくれます。ジュディ・ホリディは高校卒業後、オーソン・ウェルズのマーキュリー・シアターで電話交換手の仕事をしていたことがあるため、この役は最初から彼女を想定してつくられたようです。でも、仕事上知りえた情報を平然と横流しする。今の個人情報がどーのこーの厳しいご時世なら真っ先にクビでしょうね。それに自分の昇進のため、伝言サービス会社が売春クラブの隠れミノと決め込んで摘発しようとするバーンズ警部は言語同断。何の根拠もなしに盗聴器を設置するとは!ケシカランことだらけの物語でありますが、この手の映画でそんなツッコミは野暮というものです。

やはりアーサー・リード製作、ヴィンセント・ミネリ監督のミュージカルですから、楽しいのはやっぱり歌です。脚本がかけなくて苦しむディーン・マーティンが歌う”Do It Yourself"。脚本を書こうと決意したのに、なぜ途中で酒を飲み、何度も鏡を見る?(笑)また、"Drop That Name"という歌では当時のスターの名前がぞろぞろ出てきます。なぜかアーサー・リードとヴィンセント・ミネリの名も...。気を使ったのか?ギャグのつもりか?馬券の新システムについて歌う"It’s A Simple Little System"の場面も楽しい。クラシックの名盤を隠語にして馬券の注文を受けるという内容ですが、こんな面倒くさいもの覚えられるか!(爆)また俳優ブレイク(フランク・ゴーシンがマーロン・ブランドの真似をしているのも時代を感じます。ここでジュディも一緒になって真似をするところが楽しいのですが...。そうそう、『ボーン・イエスタディ』では"ひゃ〜、ひゃ〜、ひゃ〜♪"としか歌わせてもらえなかった(笑)ジュディも当作では存分に歌を披露。ラストの"I’m Going Back"ではシャウトしまくっています。

ちなみに"Just in timeはジャズ・スタンダードになりました。
映画のなかではあんまり魅力的に聞こえない不思議。


でもメル・トーメが歌うと良い。MEL TORME - Just In Time

やはりジュディ・ホリディは魅力的だ。可愛らしくそしてファニー。『ボーン〜』同様、アタマの弱そうなブロンド女性の役なのですが、出演者のひとりであるハル・リンデンは「(ジュディは)実際は知的なのに(『ボーン〜』の成功により)頭の悪いブロンド美人に見られた。」と語っています。ハル・リンデンは舞台版ではジェフリーを演じています。映画版ではスター、ディーン・マーティンにとって変わられたのですが、彼は黄金のタキシードを着て歌い踊る役で映画版にも出演しています。これはジュディが口ききをしてくれたからだそうで、ハルはジュディのことを「私が共演した女優では最も親切な人」と褒め称えています。ジュディは見た目どおりの優しい性格の人だったんですね〜。そしてハルは「彼女が病気だと知らなかった。米国がん協会の宣伝もしてたのに」この映画の6年後、ジュディ・ホリディは乳がんで43歳の若さで亡くなりました。後半、ジュディがしんみり歌いあげる"The Party's Over"はそんな事情を想いながら聞くと感慨深いものがあります。



『ベルズ・アー・リンギング』はミュージカル映画の例にもれず物語は無茶苦茶なのですが、舞台を映画化したミュージカルゆえ曲は粒ぞろいだし、ジュディ・ホリディを見ているだけで十分楽しい!肩のこらない映画を見たい気分のときにオススメの一本です!
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2018.09.16 Sunday | 00:09 | - | - | - |

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