映画のメモ帳+α

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シリアル・ママ

シリアル・ママ(1994 アメリカ)

「シリアル・ママ」原題   SERIAL MOM
監督   ジョン・ウォーターズ
脚本   ジョン・ウォーターズ   
撮影   ロバート・M・スティーヴンス   
音楽   ベイジル・ポールドゥリス
出演   キャスリーン・ターナー サム・ウォーターストン
      リッキー・レイク マシュー・リラード
      スコット・ウェスリー・モーガン 
      ミンク・ストール ジャスティン・ワーリン
      パティ・ハースト メアリー・ジョー・キャトレット
      スザンヌ・ソマーズ ジョーン・リヴァーズ

第47回(1994年)カンヌ国際映画祭クロージング上映作品(ノン・コンペ)

ムカつく奴は殺す。当然よ。何が悪いの?
ジョン・ウォーターズ監督『シリアル・ママ』は、そんな確固たるポリシーのもとシリアル・キラー(連続殺人犯)となった主婦の物語。警察も怖がらず、逮捕されても護送車で歌をうたうノーテンキ。裁判なんて赤子の手をひねるようなもの。シリアル・ママはひたすら明るいのです!




 ネタバレは当然全開。不適切な表現も不道徳な内容もたっぷり含んでおります。あくまで自己責任でお読みください。

まず、シリアル・ママごと主婦ビヴァリー(キャスリーン・ターナー)に哀れにも殺されてしまった人たちの"殺害理由"を見てみることにしましょー。

1.息子を変態扱いした
ママは息子チップ(マシュー・リラード)のPTA面談のため学校へ行く。そこで教師から「オタクのお子さんは家庭に問題がある。頭の中はホラー映画でいっぱいだ。彼を精神科医に見せろ」と言われた。イカったママは教師を車でひき殺す。

2.娘をフった
娘ミスティ(リッキー・レイク)をふって別の女に乗り換えたカールを男子トイレの中で火掻き棒で串刺しにする。

3.本当のことをいった
食事のとき、娘から「スコッティはママが殺人犯だといっている」と言われると、ママは「シートベルトもしないくせによく言うわ」と一蹴。ママにとっては"人を殺すこと"より"シートベルトを締めないこと"のほうが大罪なのだ。

4.鶏肉を食っていた
3の理由でスコッティを殺しにいく途中、スコッティの両親が鶏肉を食べているのを発見。バードウォッチングが趣味のママ(覗きをする口実かもしれないが)はかわいい小鳥の姿が思わず目に浮かび、その2人を始末する。

5.ビデオをレンタルした後、テープを巻き戻しせずに返却した
休日、家族はそろって教会に行く。後ろにはパトカーが何台も並んで後をついている。ママがくしゃみをし、タンが赤ん坊のほおに飛ぶと母親が大声を出す。教会はパニック状態。みんな、"シリアル・ママ"が来ていることを知っていたのだ。ママは息子チップがバイトをしているビデオショップに逃げ込む。店にビデオの巻き戻しをせずに返却してきたオバハンがくる。オバハンはテープを巻き戻さないうえに、チップを殺人鬼の息子と嘲った。怒ったママは家で『アニー』のビデオを見ながらいっしょに歌っていたオバハンをラム肉でたたき殺す。

6.見てしまった....
オバハン殺しを見てしまったスコッティ(ジャスティン・ワーリン)。ライブハウスに逃げ込んだが、ママはひたすら彼を追いかけ焼き殺しに成功する。そこでとうとう警察につかまる。会場からは「シリアル・ママ!」の大合唱。声援にこたえるママ。

シリアル・ママ一家説得力にあふるる殺害理由ですね。"ゴミの分別をしない"、"ビデオテープを巻き戻さない"といった規則を守らないのに腹を立て、"人を殺してはいけない"という法律を破っているし。(笑)車、火かき棒、ハサミ、エアコン、ラム肉の足、受話器...凶器もバラエティにとんでいる。殺人鬼をマスコミがヒーローにしたててしまう映画といえば『ナチュラル・ボーン・キラーズ』が思い浮かびますが、あの映画のように暗くうっとうしいものはない。ひたすら明るい"愛と正義の連続殺人鬼"となっています。ママは堂々としたもので反省などひとかけらもない。指紋すら一切ふき取っていない開き直りぶりはお見事?劇場で観たとき何度も大笑いしたが、笑っているのは自分だけだったような...。日本人はブラック笑いは好みじゃないようです。


さて6人を殺害した罪に問われたママ。ママは法廷で弁護人にクビにして、自分で自分の弁護をする暴挙に出た。誰がどう見ても有罪なのだが、ママは裁判をどうやって乗り切ったのか?

○ 証人の信憑性を無くす
・ママからしょっちゅう「チ○ポ吸い、プ○シー街4215番地だろ、売女、淫売女」とイヤガラセ電話を受けていたヒンクル夫人(ミンク・ストール)。証言台に立つがママから挑発され、自分が言われていた言葉をそのまま使ってママを罵倒する。ヒンクル夫人は法廷侮辱罪で逮捕されてしまった。ミンク・ストールはウォーターズ作品常連女優。こんな言葉はへっちゃらです。(爆)

・刑事はママの家のゴミ箱から出てきた殺人関係の本をとりだし、犯行を主張。ママは早速反対訊問にのぞむ。「お宅のゴミ箱をのぞくとどんな雑誌が?」「タイム、スポーツ、ナショナル・グラフィック...妻は婦人雑誌を読んでいます」すかさずママは「昨夜あなたの家のゴミ箱からこれを見つけました」とポルノ雑誌を取り出す。ゴミ分別に熱心なママはゴミ集配人と仲良しだった!

・カール殺しの証言煮立った近所のオバハン、ローズマリーに対し「あなたはゴミの分別をしてるの?」とチクリ。「キッチンがせまいのでしてません」というと、偽善的な?聴衆からは「おー」の嘆き節。

○ もともと信憑性のない証人
・教師をひき殺したときの目撃者は幸運なことにヤク中だった。法廷でもラリパッパ丸出し。

・トイレでのカール殺しの証言にもうひとり。だが、彼は変態であった。証言中、ママは『氷の微笑』のシャロン・ストーンよろしく股を開いたり閉じたりして彼を誘惑。すっかり心をかき乱された変態男は「殺害現場で彼女など見なかった」と言ってしまう。

○運も味方する?
大勢の観衆のもとで行われたスコッティ殺しは逃れようがないと思われたが、質疑の最中、女優のスザンヌ・サマーが傍聴にやってくる。彼女はテレビドラマでシリアル・ママを演じることになっていたのだ。裁判長も彼女のファンだったため質疑はテキトーに終わる。楽しいご都合主義である。

なんとママは無罪を勝ち取る。その後も"秋なのに白い靴をはいていた"陪審員を殺し、写真撮影においてスザンヌ・サマーとどちらが左側に立つかでもめ...。

この映画が笑えるのは脚本もさることながら、キャスリーン・ターナーの怪演によるところが大きい。
キャスリーンと言えば『白いドレスの女』などファム・ファンタールのイメージが強かったが....。
"美人女優"のイメージをかなぐり捨て、実に楽しそうに演じている。太ったのはてっきり役つくりと思いきや、その後全く戻っていないようで...。当初ママ役は『テルマ&ルイーズ』路線で?スーザン・サランドンに話がいったようだが、ギャラが折り合わずお流れに。でもキャスリーン・ターナーでよかったんじゃないかな?サランドンにコメディは似合わない...。

 ニコラス・ケイジ、ウイリアム・ハート、バート・レイノルズら過去の共演者への悪口が満載で物議を醸したキャスリーン・ターナーの自伝。参考 ケイジからは訴訟を起こされ、敗けた模様。で、この本の表紙も公式サイトもいったい何年前の写真を使っているのサ?




『シリアル・ママ』はジョン・ウォーターズがメジャー進出を意識して作った作品であるため彼にしてはソフトな仕上がりなのだが、それでもジョン・ウォーターズワールドは満載。さすがです。画面には日付や時刻なども映し出され、「この映画は実話である。ビヴァリー・サトウィンは本作品への協力をすべて拒絶した」と出てくるが、コレは悪い冗談でしょう。念のためパンフレットを買って確かめてみたが、モデルとなった実話の解説がどこにもない(爆)。それにしても皆さん、ちゃんとシートベルトを締め、ゴミの分別をして、ビデオを巻き戻してから返し(今はDVDだからほとんど心配なし?)、秋に白い靴をはいたりしないようにしないと、"シリアル・ママ"が忍び寄ってくるそ〜。
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2009.05.14 Thursday | 00:17 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |

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2020.02.22 Saturday | 00:17 | - | - | - |

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