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テルマ&ルイーズ

テルマ&ルイーズ(1991 アメリカ)

「テルマ&ルイーズ」原題   THELMA & LOUISE
監督   リドリー・スコット
脚本   カーリー・クーリ   
撮影   エイドリアン・ビドル
音楽   ハンス・ジマー
出演   スーザン・サランドン ジーナ・デイヴィス
      マイケル・マドセン ブラッド・ピット
      クリストファー・マクドナルド
      スティーヴン・トボロウスキー
      ティモシー・カーハート ハーヴェイ・カイテル



第64回(1991年) アカデミー賞 脚本賞受賞
監督賞、主演女優賞(スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス)、撮影、編集賞ノミネート


テルマ&ルイーズ』は女性の自立を描いた作品として今もよく話題にのぼる映画。ラスト場面は伝説化しており、「90年代の女性版」アメリカン・ニュー・シネマと評されることも多い作品だ。

日常に退屈している主婦テルマ(ジーナ・デイヴィス)とウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)が週末の2日間、ちょっとした旅行をしようと計画。ところが立ち寄ったバーでテルマがある男にレイプされそうになったためルイーズが発砲。男を殺してしまったためにとんでもないはめになる。そこでJ.Dと称する大学生(ブラッド・ピット)と出会い、テルマは彼と関係をもってしまう。一方のルイーズは頼まれたお金を届けにきたジミー(マイケル・マドセン)と会う。ところがJ.Dの実体は強盗だった。彼にそのお金を盗まれてしまったため、テルマはJ.D仕込みの強盗を行い(やけに丁寧な応対なのだ)、金をつくる。

ルイーズ「第1級殺人に強盗・・・」
テルマ「正当防衛よ!」
ルイーズ「正当防衛で強盗なんかする?

2人はメキシコに逃げようとするが、すでに殺人容疑がかかっておりパトカーに呼び止められてしまう。警官をピストルで脅し、ラジオを壊し、警官の銃を奪い、パトカーのトランクに警官をとじこめてしまった。たびたび出会っているトラックの運転手を呼び出し、セクハラ言葉連発を謝らせようとするが、運転手はいうことなんか聞かない。そこで彼のトラックを爆破!2人の暴走はどんどんエスカレートしていく。一度は警察の追撃をかわすが、2人は追い詰められ...。テルマは「降参したくない」そして2人は...。いいラスト場面である。数年前、ジーナ・ディヴィスがこの映画の続編を作りたがっているというニュースを目にしたが、この続きのストーリーをこしらえるのは無謀きわまりない。(笑)

テルマが気弱な女から徐々に強くなっていく過程は見ものである。また、ルイーズが過去レイプされた経験をもつという点も物語の伏線として見事にいかされている。秀逸な脚本である。男くさい映画ばかりを撮っているリドリー・スコットがこの映画の監督である点も興味深いところだ。

主演の2人はそろってアカデミー賞主演女優賞にノミネート。2人に同情的な刑事を演じるハーヴェイ・カイテル(最近見ないな...)もよい。またブラッド・ピットの出世作としても知られている。役名のJ.Dとはもちろんジェームズ・ディーンのこと。かの淀川長治先生はブラピの演技について「ジョームズ・ディーンの真似ばかりしているからだめ」と批判していたが、この役の印象が強すぎる?といっても淀川先生、本物のブラピに会ったとき、大はしゃぎだったらしい(笑)。淀川先生が亡くなったとき、ブラピは弔電を打っている。いいやつじゃないか。ちなみにこのJ.D役、ブラピは1度オーディションを落ちているが、ウィリアム・ボールドウィンが降板したため急遽出演が決まった。また、J.D役のオーディションにはかのジョージ・クルーニーもいたという。

実は『テルマ&ルイーズ』には元ネタがある。映画『モンスター』で描かれた全米初の女性連続殺人鬼アイリーン・ウォーノスティリア・ムーア(映画ではセルビーという名に変えられている)である。原型をとどめないくらい脚色されており、テルマとルイーズはアイリーンとティリアのようにレズ関係として描かれてはいない。しかし、元ネタに敬意を示したのか?テルマとルイーズはラスト場面でキスをした。このキスについて、スーザン・サランドンはドキュメンタリー映画『セルロイド・クローゼット』の中でこう語っている。

「女同士なら観客も受け入れやすいわ。男同士の恋愛は大変なタブーだから」
「ラスト場面でキスしたら、みんな唖然としていた。ジーナにだけ前もって話していた。でもこれは性的なものではなく、愛の表現よ」
「『明日に向って撃て!』のブッチとサンダンスも最後にキスをすればよかったのに。そうすれば撃たれる理由も増えたわね」

この映画を一躍有名にしたラスト場面のキスはサランドンのアイディアだった模様。今も昔も"お騒がせ"が好きな姉御だ(爆)。ルイーズ役は当初シェールにオファーされていたが彼女が断ったためスーザン・サランドンに役がまわってきたという。シェールが演じていたら単なるコメディになったかも。ラスト場面のキスもなかったでしょう(笑)。ルイーズ役はスーザン・サランドンで正解!?

『テルマ&ルイーズ』は女性映画の代表作としてとられられているが、そんな理屈を抜きにして楽しめる、実に痛快な娯楽作品である。
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2009.05.12 Tuesday | 00:11 | 映画 | comments(4) | trackbacks(1) |

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2020.04.05 Sunday | 00:11 | - | - | - |

コメント

こんにちは。
懐かしい〜です。
rord movieは・・と思い浮かべる時、一番に出てきます。スーザン・サランドンも良かったですが、ジーナ・ディヴィスが印象に残っています。ちょっとした気分転換だったはずだったのに、あらあら〜どうすんのよ・・・と。
改めて、確認すると豪華キャストですね。
2009/05/14 7:13 AM by zukka
rord movieとして、とても強い印象が残っている映画です。大自然へのダイブが潔く爽快なラストでした。

日常に(男性社会に?)抑圧されてきた女性が、犯罪を犯し、逃避行を続ける中で、女性として自立していく…
旅の中で、自由と自信も味わっていくのですが、犯罪を犯す引き金となったのはレイプでした。彼女たちが引き返せなかったのは、罪から逃れたいからではなく、抑圧されてきた日常に、もう、戻れなかったから…

もちろん、moviepad様も「降参したくない」という台詞をはっきり書かれているのですが、
>実に痛快な娯楽作品である
と言い切らないで…
ラストで大泣きしてしまったので…

どの映画を見ても(どんな特殊メイクをしても!)私にとってのブラピは、この役のイメージ(特に後姿)をズルズルと引きずったままです。

2009/05/14 12:45 PM by パール
zukkaさん、こんばんわ。

ジーナ・デイヴィスの役のほうが内面の変化がはっきりしているので印象に残りますね。
サランドンの重量感(笑)みたいなものが彼女をより引き立てていると思います。

ブラピの出世作でもあるのですが、彼やあのハーヴェイ・カイテルが出演していたこと、
監督がリドリー・スコットであること...
要するに男の存在をすべて忘れそうになるくらい(爆)
テルマ&ルイーズ、2人のイメージが強烈でした!
2009/05/14 9:01 PM by moviepad
パールさんはこの映画にかなり思い入れがあるようですね。

>私にとってのブラピは、この役のイメージ(特に後姿)をズルズルと引きずったままです。

だなんて...。
僕はこの映画にブラピが出ていたことを忘れかけてましたが。(爆)

すいません。ワタクシめはラストで

「お〜、かっちょえー」

と思ってしまいました。ボキャ貧で失礼(笑)

でもドラマとしてしっかりしているからこそ
『テルマ&ルイーズ』はクラシック映画になったんですよね。

日常性を思い切って捨ててしまえば、人間は強くなれるのでしょうか?
2009/05/14 9:13 PM by moviepad

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テルマ&ルイーズ/Thelma & Louise(映画/DVD)
男たちよホールド・アップ! すべてが快感。女たちのルネッサンス! テルマ&ルイーズ (Thelma & Louise) 製作:1991年(アメリカ) 配給:松竹富士配給 <スタッフ> 監督:Ridley Scott(リドリー・スコット) 製作:Ridley Scott(リドリー・ス
(パパさんギタリストの『偉人になる予定です』 2009/08/04 12:49 AM)

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