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マドンナVSマライア(その4)〜「エビータ」は女優マドンナの最高傑作〜

アンドリュー・ロイド・ウェバーのヒット・ミュージカル『エビータ』の映画化は長年ハリウッドで企画だけが浮いている状態だった。エバ・ペロン役の候補と言われた女優はバーブラ・ストライザント、ライザ・ミネリ、ミシェル・ファイファー、メリル・ストリープ...。監督が『フェーム』等音楽ものに強いアラン・パーカーに決まると、マドンナは長い手紙とエバ・ペロンをイメージして作ったヒット曲"テイク・ア・バウ"のPVを監督に送り、なぜ自分がこの役にふさわしいかを切々と訴えたという。アラン・パーカーは"手紙の内容よりも熱意に打たれ"マドンナの起用を決意。このキャスティングにエバを何者にも侵されない聖母として崇拝しているアルゼンチンの一部の人から反対運動が起こった。

マドンナは、自分は歌手としても女優としてもまるで評価されていないことを悟り、この役を演じ切るためにボイス・トレーニングを積んだ。その努力は見事に実り、"これがあのマドンナ?"と思えるほど表現力豊かな歌唱を披露。作品もゴールデン・グローブ賞(ミュージカル/コメディ部門)作品賞、主演女優賞等を獲得し、一定の評価を得た。

前述のとおりエバ・ペロンの生き様はマドンナのそれと重なる部分が多い。
そのため映画ではマドンナのパブリック・イメージはむしろ追い風となり、役のリアリティを深めるのに役立っていた。"エバ・ペロン"ではなく"マドンナ"としてみていても全く違和感がない。マドンナの存在感が映画をぐいぐいとひっぱっている。この作品の成功の大きな原因となった。アカデミー賞主演女優賞も有力といわれたが、ハリウッドが長年蔑んできたマドンナをそう簡単に認めるはずもなく結局ノミネートすらされなかった。1997年のアカデミー賞ノミネートが発表された時、その結果よりマドンナがノミネート漏れしたことのほうがより大きく報道された。ボイコットの噂も流れたが、その年のアカデミー賞授賞式にちゃんと出席。司会のビリー・クリスタルは"(私をノミネートしなかったアカデミーに)一生かけて復讐するわ"といってましたよ、というきついジョークを飛ばした後、"one and only madonna”と紹介した、ロングドレスをまとったマドンナは主題歌"You Must Love Me"(名曲!)をしっとりと歌い上げた。歌声はゆらぎ、緊張しているのは誰の目から見ても明らか。でもその姿は"スターのオーラ"に満ち溢れていた。こういう姿こそファンが彼女を支持する理由だろう。マドンナは絶対に逃げない。

マドンナは『エビータ』の撮影が終わったあと静かにこう語っている。
「この作品(の評判が)が私の女優人生を変えるとはとても思えない。私は、あの人たち(ハリウッド業界人)が一番軽蔑している世界(音楽業界)からやってきたのだから」
残念ながら『エビータ』以降も、マドンナの言葉どおりの結果になってしまっている...。

マドンナほど長年にわたってトップ・スターの座をキープしている女性歌手は他にいない。音楽業界ではマドンナは尊敬される存在だ。驚異的な努力で夢をかなえてきたマドンナをもってしても、このハリウッドの厚い壁を越えることはできなかった。

演技は、まさに"他人になりきること"である。あまりに強いスター・イメージをもつマドンナ。スクリーンの中の彼女を"普通の女性"として見るのはかなり難しい。確かに演技はうまいとはいいがたいが、あそこまで叩かれるほどひどいとは僕は思わない。『エビータ』という大傑作を一本残してくれただけでも、僕は"女優マドンナ"を大評価する!!!『プリティ・リーグ』だって悪くない。

最近、マドンナは「もう映画はあきらめたわ。映画制作は大変なエネルギーを必要とするのよ。にもかかわらず、私が出演するというだけで、映画完成前から"駄作に決まってる"なんて決め付けられたらどうしょうもないじゃないの」と語ったと伝えられている。 とても残念である。『エビータ』のように彼女のスター・イメージをうまく利用できる作品であれば、まだまだ"女優マドンナ"の魅力を引き出せる可能性はいくらでも残っていると思う。でも、彼女はマドンナである。きっとまたやるだろう。
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2017.10.20 Friday | 20:59 | - | - | - |

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