映画のメモ帳+α

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プリシラ

プリシラ(1994 オーストラリア)

「プリシラ」原題   The Adventures of Pricilla: Queen of the Desert
監督   ステファン・エリオット
脚色   ステファン・エリオット
撮影   ブライアン・J・ブレーニー
音楽   ガイ・グロス
出演   テレンス・スタンプ ヒューゴ・ウィーヴィング
      ガイ・ピアース ビル・ハンター
      サラ・チャドウィック マーク・ホームズ
      ジュリア・コーテス

第67回(1994年)アカデミー賞衣装デザイン賞受賞

異質の要素をくっつけると面白い話ができあがる。無味乾燥な"砂漠"においてド派手コスチュームで踊る"ドラッグ・クイーン"。映画『プリシラ』はオーストラリアを舞台に3人のドラッグクイーンが繰り広げるロード・ムービーです。1994年のカンヌ国際映画祭<ある視点>部門で上映されるとたちまち口コミがひろがり、2000人もの人たちが入場できないほどの大人気。見事、観客賞を受賞した作品です。



宣伝チラシを見ると性転換をしている誇り高きバーナデット(テレンス・スタンプ)、バイセクシャルなゲイ?ミッチ(ヒューゴ・ウィービング)、ノーテンキなゲイ(ガイ・ピアース)と銘打っている。バーナードは性転換しており、ミッチは結婚して子供までいる。若造のフェリシアは常に半裸に近い格好だ。

それにしてもテレンス・スタンプ演じるバーナードのエレガントさ!心優しきボブ(ビル・ハンター)が彼女に惹かれるのも納得?バーナードは途中立ち寄った居酒屋で、バーナードの1/100の優美さも持ち合わせていないような中年のオバハンに「あんたたちに飲ませる酒はないよ」と言われると「あんた、タンポンをあそこにぶちこんだら?入れてくれる男いないでしょ」と切り返し、居酒屋は爆笑につつまれる。そのオバハンとの酒の飲み比べにも見事に勝利!バーナードだって元男!やるときはやります。

物語において音楽の比重はそれほど高くないのですが、70年代のディスコヒットを中心にキャッチーな曲がずらり並び、かつドラッグ・クイーンがド派手な衣装でパフォーマンスすることから、強烈な印象を残す。その中から何曲がピックアップしてみます。

・「愛はかげろうのように(I've Never Been To Me)」・・・1982年フロリダのあるラジオDJが6年前にリリースされていたこの曲をオンエアしたところ、問い合わせの電話が殺到し、全米N0.3ヒットまで駆け上ったシャーリーンの名曲。日本では椎名恵『LOVE IS ALL』というタイトルでカバーしています。映画冒頭でミッチがクチパクで歌う曲で、サビの部分だけが映し出されますが、後半、"あなたが抱いている赤ちゃん、それが愛なのよ"という語りのくだりがある曲で(映画では歌われていませんが)、ミッチのその後を暗示させるようなスタートです。



・「ゴー・ウェスト」・・・3人がバスに乗って出発するときに使われるこの曲は言わずと知れたヴィレッジ・ピープルの大ヒット曲。のちにペット・ショップ・ボーイズがカバーしていています。ヴィレッジ・ピープルは男性6人組のグループでゲイ・イメージを前面に出して音楽活動を行った最初のグループといわれる。一般の人々にも受け入れられるように、ポップ路線へと変更し大成功を収めた。この映画に使われるべきして使われた曲でしょうね。日本では西城秀樹が「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」としてカバーした「Y.M.C.A」があまりにも有名。またピンクレディーも「In The Navy」を「ピンク・タイフーン」というタイトルでカバーしてスマッシュヒットさせている。(サビは♪ピンク・レディー、もっと元気よく!なんて歌詞になっています...)

・「アイ・ラヴ・ザ・ナイトライフ」・・・ホテルに泊まるため、バスから降りて街を闊歩するときに流れる曲。アリシア・ブリッジズによる1978年の国際的なディスコ・ヒット。アメリカよりもむしろヨーロッパでヒットしている。映画のイメージに最も近い曲です。ただ真っ昼間、太陽が光り輝く場面で「アイ・ラヴ・ザ・ナイトライフ」が流れるって...?

・「恋のサバイバル(I Will Survival)」・・・泣く子も黙るディスコ・スタンダード。砂漠の夜、アボリジニ(オーストラリア先住民)とささやかな交流をする場面で歌われる。グロリア・ゲイナーが1979年に発表したこの曲は、全米N0.1を記録しグラミー賞最優秀ディスコレコード賞を受賞。最優秀レコード賞、最優秀女性ポップボーカルにもノミネートされた。数多くのアーティストがカバーしており、日本でも布施明がレコーディングしている。

・「ファイナリー」・・・シー・シー・ペニストンが1991年にはなった全米N0.1ヒット。興行先のホテルで披露される曲。年長者のテレンス・スタンプがわざと?ワンテンポ遅れて踊っているという芸の細かさ!

・「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」…1992年の全米N0.1ヒット。歌っているヴァネッサ・ウィリアムス本人の映像とともに、ラストに流れる。ヴァネッサは1983年アフリカ系アメリカ人として初のミス・アメリカに選ばれたが、前年にヌード写真をとったことが発覚し栄誉を剥奪された。この曲の歌詞にそのエピソードが反映されていると言われている。最高のものは最後に残しておく(Save the Best for Last)というフレーズがさりげなく希望を醸し出してくれる。


リジー・ガーディナーシドニーにすむ3人のドラッグ・クイーンたちが、ミッチの妻子が住む田舎町にプリシラ号と名づけたバスに乗って巡業にいく姿を描く、いわゆるロード・ムービー。行く先々で"化け物"扱いされ、傷つきながらも、バーナードの新しい恋や、父親としてどう振舞っていいかわからず悩むミッチなどさりげなくペーソスが組み込まれている。それでもべたついた感じはしないのは音楽とド派手な衣装のおかげ?この奇抜なドラッグ・クイーンの衣装は『王妃マルゴ』、『マーヴェリック』、『若草物語』などの正統派を差し置いて、アカデミー衣装デザイン賞を獲得しました。ビーチサンダルを繋げたドレスも出てきます。アカデミー賞授賞式ではデザイナーのリジー・ガーディナーがアメリカン・エキスプレスのゴールド・カードを繋げたドレスを来て登場した。全部自分の名前入りだそうです。いやはや...。ちなみに彼女は興行先のホテルでミッチを案内するメイド役、監督のステファン・エリオットはドアマンとして(若い!)で登場しています。



ラスト、大勢の客に囲まれながら『マンマ・ミーア』を歌うころになると誰もが幸せな気分になるでしょう。ちょっと落ち込んでいるときに観ると元気がもらえる映画です。
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2009.03.25 Wednesday | 01:27 | 映画 | comments(2) | trackbacks(2) |

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2018.11.21 Wednesday | 01:27 | - | - | - |

コメント

はじめまして。

まさに、落ち込んでいるときに観ると元気がもらえる映画、ですね。
何度元気をもらったことか。大好きな映画です。
2013/02/17 12:19 PM by IHURU
IHURUさん、はじめまして!
この映画って今でも根強い人気があるみたいですね。
tsutayaのおすすめ100本とかに入っていたから?
もう20年近く前の映画なのに古さを感じない作品です。

2013/02/17 11:12 PM by moviepad

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