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第78回(2005年)アカデミー賞

第78回(2005年)アカデミー賞

78回アカデミー賞作品賞「クラッシュ」第78回アカデミー賞trivia
〜大本命「ブロークバック・マウンテン」敗れる〜

★ この年のアカデミー賞授賞式は例年より1週間遅れの3月5日に開催された。例年通りの開催だとトリノオリンピックと時期が重なるため、視聴率が低下するのを恐れたためた。とはいうものも、視聴率不振はあらかじめ予想されていた。なぜなら、作品賞ノミネートの顔ぶれは話題性のある派手な大作がなく、地味な低予算作品ばかり。事前調査で42%の成人が今年の作品賞にノミネートされた5作品のうち1本も見ていないと回答している有様だった。視聴率を意識し、放映時間を短縮するための試みは今年も行われ、授賞式上でもトム・ハンクス演じる"悪いスピーチの見本ビデオ"(だらだらと感謝する人を羅列しまくる内容です)が流されたりした。結果として放映時間は3時間21分で昨年より6分上まわった。肝心の視聴率だが昨年を8%も下回り、視聴者数は3,800万人。イラク戦争直前で『シカゴ』が作品賞を受賞した2003年に告ぐ低い数字となった。司会は、常連のビリー・クリスタルに断られた末、ニュースコメディ「ザ・デイリー・ショー」が人気のジョン・スチュワートに。グラミー賞の司会を2度経験しており、政治ジョークを得意とするため白羽の矢が立ったと思われる。彼の司会ぶりは好評。低迷した視聴率も、授賞式を余り見ないとされる18─34歳男性の視聴率は昨年から5%も上昇し、これはスチュワート起用の効果であると考えられている。

★ 作品賞ノミネートの顔ぶれは、前代未聞とも言えるほど低予算で地味な顔ぶれがならんだ。ゲイカップルの愛情を描いた『ブロークバック・マウンテン』、"白人は黒人を怖がっている。黒人は白人に脅えている。白人と黒人はアジア人が嫌い"などというセリフもあり、見知らぬ人への恐怖を描いた『クラッシュ』解釈によっては人種差別肯定ともとれそうな作品だ。赤狩りに真っ向から立ち向かったジャーナリストを描いた『グッドナイト&グッドラック』、1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件を描いた『ミュンヘン』、一家4人惨殺事件の犯人に迫ったノンフィクション「冷血」執筆時のゲイの小説家トルーマン・カポーティを描いた『カポーティ」と問題作がずらりと立ち並ぶ。

L.A.タイムズは「候補作品は、内容は濃いが興行的にはまったくダメ」、業界紙のVarietyは「人種差別、ホモ恐怖症、テロリズム、政府干渉とマスコミの偏見が寄り集まった5本の作品賞候補」と評し「映画の楽しみ方を知っているのは音響ミキサーだけだ。彼らはちゃんと『キング・コング』、『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』、『SAYURI』、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』、『宇宙戦争』をちゃんとノミネートしている!」と皮肉をいう始末。確かに『宇宙戦争』以外は例年のオスカーならノミネートされたでしょうね。あと『シンデレラマン』も。ま、派手な作品ばかりが並んだら「金ばっかりかかっている中身空っぽの映画ばかりノミネートした」なんて言われるんでしょうから、アカデミーもいろいろ大変ですな(笑)

 例年ならば作品賞はガチガチの本命作があることが多い。この年も大本命があった。『ブロークバック・マウンテン』だ。ベネチア映画祭金獅子賞をはじめ、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞も制覇。 ハリウッド業界内での賞でも、製作者組合賞、監督組合賞、脚本家組合賞などのビッグ部門を制覇。 向かうところ敵なしの勢いだった。俳優組合賞での"実質的な作品賞"とも言える"アンサンブル演技賞"を『クラッシュ』に奪われたことがやや気になる程度,,,。 ネックはこの作品がゲイのカップルの20年にわたる愛情を描いた"同性愛映画"であったこと。保守的なアカデミー会員が同性愛映画を作品賞に選ぶか?というのが最大の関心事となった。ただ、前哨戦での圧勝で、アカデミーも認めざるをえないだろうという見方が支配的で、やはりオスカーでも『ブロークバック・マウンテン』が大本命だった。

 ところが、既に公開を終了している『クラッシュ』が大キャンペーンを張り、Buzzの高揚に勤めた。13万枚のDVDを映画関係者に宅配サービス(ちなみにアカデミー会員は6000人弱)特に全体の20%を占める俳優にターゲットを絞り、8万枚を配るという徹底ぶり。また、人気司会者のオプラ・ウィンフリーが自分の番組でこの作品を強力にプッシュ。発表直前では"『クラッシュ』は『ブロークバック・マウンテン』を抜いた"とする声も目立ちはじめた。ただ、アカデミー協会は約6000人の大所帯。大本命とされている作品をひっくり返すのは並大抵でないとする見方のほうが強かった。

大注目の作品賞。プレゼンターはジャック・ニコルソン。彼が読み上げた作品名は『クラッシュ』!!! ニコルソン自身も『ブローク…』に投票したらしく、ホンマかいなという感じで手を両手に広げるジェスチャーをした。下馬評どおりの結果が続いたこの年のオスカーだが最後の最後にビッグ・サプライズ。監督のポール・ハギスや製作のキャシー・シュルマン、出演者のマット・ディロンテレンス・ハワードライアン・フィリップサンドラ・ブロックらが集まって喜びを分かち合う。ポール・ハギスとキャシー・シュルマンがステージにあがり、「愛と痛みと真実を描いた映画を支持してくれてありがとう」とハギスのコメントの後、ずらずらと感謝人の羅列に終始した。



 『クラッシュ』のサプライズ受賞は、"オスカーおたく"心に火をつけたようで実にたくさんのTriviaを生んだようだ。

・ ゴールデン・グローブ賞作品賞にノミネートされなかった作品がアカデミー賞作品賞に選ばれたのは2回目のこと
(1回目は73年の「スティング」)
・ 同じ脚本家による作品が連続で作品賞を受賞したのは史上初
・ 作品賞受賞作品が長編ドキュメンタリー作品受賞作品より興行収入で劣ったのは史上初(「皇帝ペンギン」は7700万ドル。「クラッシュ」は5400万ドル)
など枚挙にいとまがない。

ブロークバック・マウンテンthankyou広告監督賞受賞のアン・リーはじめスタッフは授賞式後、落胆の色を隠せず、原作者のアニー・プルーは、授賞式後、受賞作『クラッシュ』を"Trash(ゴミ)"と一言吐き捨てた。作品支持者は業界紙にThank you 広告を出し、『ブロークバック・マウンテン』が作品賞を受賞した26の賞を羅列して無念さを表現した。メディアも『クラッシュ』受賞より、"なぜ『ブロークバック・マウンテン』は破れたか"という趣旨の分析が目立った。アカデミーが同性愛映画に賞をあげたくないため、『クラッシュ』が対抗馬として担ぎ上げられたにすぎないという印象を持つ人も少なくなかった。"カウ・ボーイ"というアメリカン・アイコンを『ブローク…』の同性愛イメージから守りたいという年配のアカデミー会員票が『クラッシュ』に流れたという噂も聞こえてきた。まあ、ゲイっぽい映像ばかりを集めたカウ・ボーイ映画コーナーが授賞式で流されちゃったしね。ご年配のアカデミー会員はさぞご立腹だったでありませふ(笑)


「クラッシュ」勝利のPositiveな理由としては

・ 事前にDVDを13万枚配布し、特に全体の22%を占めると言われる俳優に集中的に送付した。その結果、トリノオリンピックでアメリカが不振だったために、送られてきたDVDを見て『クラッシュ』を再評価した人が多かった。
・ 人種差別をはじめとする、アメリカの抱える社会問題を取り扱った『クラッシュ』のほうが『ブロークバック・マウンテン』より重要なテーマを扱っている。
・ 『ブロークバック・マウンテン』は長くて退屈。業界内では作品賞を与えるほど評価されていなかった。

などとされている。だが、この年のアカデミー賞は"『クラッシュ』が受賞した年"ではなく、"保守的なアカデミーが同性愛映画に作品賞を与えるチャンスを放棄した年"として、映画史上語り継がれることは明白である。これは『クラッシュ』という作品にとっても不幸なことに違いない。

ハリウッドに同性愛者が多いのはあまりにも有名だが、それを認めることは全く別問題のようだ。ゲイをカミングアウトしているサー・イアン・マッケランはかつて「アメリカでは映画俳優がゲイであることをカミングアウトすることはとても難しい。ニューヨークの舞台俳優はOKなのに、カリフォルニアは考え方が古い」と嘆いていた。『ブロークバック・マウンテン』に出演したミシェル・ウィリアムズは、カリフォルニア州のキリスト教系の母校から「卒業生がゲイをテーマにした映画に出演したのは非常に不愉快。当校の価値観とは異なり、一切かかわりを持ちたくない」と絶縁宣言された。ノミネート段階では"オスカーは変わった"というイメージをほのかに醸し出したものの、結果はこれである。問題作はノミネートはしても受賞はさせない、やっぱりアカデミー賞は保守的なままであるというイメージを強烈に植えつけた授賞結果であった。

ここで私見を少々。僕は『ブローク,,,』が落選したことより『クラッシュ』が受賞したことに納得がいかない。テーマうんぬんではなく、単純に映画のクオリティという意味で他の4作品は『クラッシュ』より上だと思う。やっぱり同性愛映画にあげたくなかったため必要以上に持ち上げられた作品であるという感は否めない。同性愛がテーマの作品に与えるよりは他に...でも他のもパレスチナ問題やら赤狩りやらでちょっとな〜、じゃあこれにするか!って感じが濃厚。『ミュンヘン』や『グッドナイト&グッドラック』が受賞しても僕はそれほど違和感はない。明らかに1ランク下の『クラッシュ』が受賞したことに抵抗がある。この作品、黒人には非常に気配りがされているものの、他の人種は十把一絡げの感。あくまで白人の視点からまったく逸脱していないし、人種差別があるのは仕方ない、見知らぬ人は怖いのだからと開き直っているような感もある。こんな作品を受賞させたハリウッドに別の意味で失望した。


★ 監督賞はアン・リーが大本命。「台湾人監督の同性愛映画をアカデミーが認めるか」との見地から、昨年作品賞受賞の『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家でもあるポール・ハギスやアカデミー会員が大好きな"俳優兼監督"ジョージ・クルーニーを対抗馬にあげる声もあったが、これまでのアン・リーのそうそうたる実績がそれらの声をかき消した。アン・リー監督作品全9作の内何と5作がアカデミー賞にノミネートされている。『ウェディング・バンケット』(1993)、『恋人たちの食卓』(1994) は外国語映画賞ノミネート、『いつか晴れた日に』(1995)は作品賞を含む7部門ノミネート(アン・リーの監督賞ノミネート漏れが話題になった)、『グリーン・デスティニー』(2000)では作品・監督賞を含む堂々10部門ノミネート!他の作品を見ても不評だったのはアメコミの映画化『ハルク』(2003)だけであり、既に巨匠の仲間入りをはたしている。受賞の機は十分に熟したといってよい。

オスカー像を手にするアン・リープレゼンターはトム・ハンクス。なぜか怒りながら出てきた。ハリウッドNo.1の人格者といわれるハンクスに何が起こったか? 事前に固く拒否していた『フォレスト・ガンプ 一期一会』の曲を登場の際のBGMに使われたせいだという説もあるが真相は謎。個人的には珍しいモノを見ることができて面白かったけど(笑)。そのハンクスが読み上げた名前は大本命のアン・リー。アジア人監督初の受賞となった。リーは例の控えめな笑顔で登場し「まず実在はしないけど、愛の素晴らしさを教えてくれた2人の登場人物に感謝します」と切り出し、スタッフ、家族、そして最後に「母と台湾、香港、中国の皆さんに感謝します」と締めくくった。  『ブロークバック・マウンテン』はアン・リーが『グリーン・デスティニー』、『ハルク』といった大作を2本取ったあとで疲れ切っており、引退もしくは長期休養を考えていた矢先に、アニー・プルーによる原作を思い出し、小規模の作品ということで製作を決めた作品である。ただし、大本命とされた作品賞を逃したため、授賞式後は落胆の色を隠せなかったようだ。




★ 授賞式前一番の物議を醸し出したのは、外国語映画賞にノミネートされたパレスチナ出品の『パラダイス・ナウ』。2005年のベルリン国際映画祭でヨーロッパ最優秀作品賞を受賞。ゴールデングローブ外国語映画賞も受賞している。イスラエルに侵入し、自爆テロを実行しようとするパレスチナ青年の最後の48時間を描いた作品である。イスラエル人犠牲者の遺族らが『パラダイス・ナウ』に賞を与えないよう求める嘆願書と3万3000人の署名をアカデミーに送るという騒ぎを起こした。嘆願書は、「映画は自爆テロを正当化し、テロリストをも被害者のように描いている」「作品はテロを賛美しており、権威ある映画賞が与えられればテロを誘発する」と訴え、ノミネート取り消しを求めた。アカデミー賞事務局では「候補作が変更されることはありえない」と要求を突っぱねた。当作のハニ・アブ・アサド監督は授賞式直前の3月3日、ハリウッドで会見し、「互いに双方の心の痛みを理解しない限り、パレスチナ問題は解決しない」、「誰にでも表現の自由はある」「アメリカではいつもは容疑者扱いだが、今日は逆に警護されている」と静かに語った。この騒ぎのため、FBIは授賞式がテロの標的になる可能性が高いとみて、会場周辺で例年にない厳戒態勢を敷くはめになった。結局、外国語映画賞は南アフリカの『TSOTSI』が受賞。『パラダイス・ナウ』は受賞を逃した。長編ドキュメンタリー賞も『ダーウィンの悪夢』、『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』などの問題作を押しのけ、興行的にも大成功したフランスの『皇帝ペンギン』が受賞。受賞スタッフが日本の配給会社から縁起担ぎで贈られたというペンギンのぬいぐるみを持ってスピーチする姿は愛嬌があってよかったが...。

★ 授賞式のハイライトはロバート・アルトマンの名誉賞受賞場面くらい。メリル・ストリープリリー・トムリンの漫才もどきの紹介の後、アルトマンが登場すると会場は当然のごとくスタンディング・オベーション。永久に鳴り止まないのではと思うほどの拍手につつまれた。過去監督賞5度ノミネートで無冠。アンチハリウッドの代表のような人だが、その彼がハリウッドでいかに尊敬されているかがはよくわかる。アルトマンは「私は10年以上前、心臓移植で30代後半の若い女性の心臓をもらった。その計算でいけば、この賞をもらうには早すぎる」と淡々と語ったが、約8ヶ月後の2006年11月20日ガンによる合併症のため81歳で亡くなっている。




★ 主演賞はノーサプライズ。主演男優賞は犯罪ノンフィクションとして名高い「冷血」執筆中のトルーマン・カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンが受賞。対抗は『ブロークバック・マウンテン』のヒース・レジャーで、作品の勢いはホフマンを上回っていたが、若手にもっとも厳しいこの部門26歳という若さがネックとなった。また、カントリー歌手、ジョニー・キャッシュの伝記映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』でキャッシュの恋人ジューン・カーターを演じたリース・ウィザースプーンは実在の人物役、歌も吹き替えなし、主演女優賞にふさわしいスター女優と完璧なまでに受賞条件がそろい、初ノミネートにして主演女優賞を獲得している。





★ 主演女優賞でリース・ウィザースプーンの対抗馬とされていたのが、TVドラマ『デスパレートな妻たち』で一躍有名になったフェリシティ・ハフマン。対象作『トランスアメリカ』で女性になる手術を待つ性同一障害者の"男"を演じている。その『トランスアメリカ』の主題歌「Travelin' Thru」を歌うのはカントリーの大御所ドリー・パートン。第53回(1980年)の「9時から5時まで」につづき2度めのパファーマンスとなったが、会場からは手拍子も沸き起こった。それにしてもこのとき彼女は既に60歳。相変わらず胸はスイカのようで腰は冗談みたいに細い。どこまで本物なのだろうか?まるで宇宙人を見ているようで楽しゅうございました(笑)。



★ 『アメリカン・スプレンダー』、『サイドウェイ』で2年連続主演部門で有力視されながらもいずれも落選の憂き目にあったポール・ジアマッティ。本年は『シンデレラマン』で助演の鑑とも言えそうな演技をきっちりとこなし、前2年分も含めて助演男優賞の最有力候補と言われていた。ジアマッティは全米俳優組合賞も獲得し当確と思われたが、作品に勢いがなく 有力視された主演のラッセル・クロウがノミネート漏れしたあたりから雲行きが怪しくなってきた。そこで大きく浮上したのがジョージ・クルーニー。 監督作『グッドナイト&グッドラック』が好評で、『シリアナ』ではデ・ニーロばりの激太り演技が話題となったクルーニーがゴールデン・グローブ賞を受賞したあたりから風向きが変わってきた。クルーニーは見事、監督、脚本と合わせて3部門にノミネートされたが、受賞させるなら助演男優賞だろうと言う空気が流れ始め、一躍本命に躍り出た。対象作品の勢いでマット・ディロンジェイク・ギレンホールを押す声も強まり、既受賞者で18年ぶりのノミネートとなったウイリアム・ハート以外は受賞の可能性有りとされた。

プレゼンターはニコール・キッドマン。『ピースメーカー』であの方と共演している。結果はやっぱり...あの方ジョージ・クルーニーだった。壇上に上がったクルーニーは「これで監督賞はもらえないってことだな」と一発かましたあと、「死亡記事が目に浮かぶよ。1997年の最もセクシーな男でバットマンのジョージ・クルーニーが…」と得意の自虐ネタに続いて「全員にバットスーツを着せて同じことをさせない限り演技なんて比較できないよ」とわりとフツーのコメント。締めは「ハリウッドはちょっとずれている。でもそれはいいことです。エイズでも公民権問題でもあまり世間に知られていないうちに取り上げたのがハリウッドです。自分はハリウッドの一員であることを誇りに思う」とばっちり決め、ベストスピーチのひとつと評された。 ところで、クルーニーはレッド・カーペットでのインタビューでも最後に「I love media」とつけ加えてたな。これがヤツの口説き方なのか(爆) ちなみに『シリアナ』でのジョージ・クルーニーの役は当初、ハリソン・フォードにオファーがあった役。フォードは後日、この役を断ったことを悔やんでいたという。



★ 助演女優賞は本命なき戦いと言われており、ノミネートの段階で"誰が入り誰が落ちてもおかしくない"と言われていた。ちなみに下馬評で有力視されていながらノミネート漏れした女優は、スカーレット・ヨハンソン、マリア・ベロ、シャーリー・マクレーン、コン・リー、サンディ・ニュートンなどの豪華な顔ぶれ。このスター女優達を蹴落として選ばれたのは実に地味〜な方々デス(笑)。その中でゴールデン・グローブ賞、俳優組合賞を立て続けに受賞したレイチェル・ワイズが最有力とされ、対抗は『ブロークバック・マウンテン』で夫がゲイと知って悩む妻と妻役を好演したミシェル・ウィリアムズと批評家賞圧勝のエイミー・アダムスとされていた。2度目のノミネートとなった『カポーティ』のキャサリン・キーナーも侮れない。既受賞者であるフランシス・マクドーマンド以外全員に受賞の可能性があるといわれていた。プレゼンターのモーガン・フリーマンが読み上げた名前は本命のレイチェル・ワイズ。ダーレン・アロノフスキー監督の子供を妊娠中のワイズは "I share it with others" と切り出した後、共演のレイフ・ファインズ、フェルナンド・メイレレス監督らに感謝の意を述べあっさりと退場。名門ケンブリッジ大学出身の英国人女優らしい無駄のない正統派スピーチだった。面白み に欠けたが、第74回(2001年)でメモを読み上げただけのジェニファー・コネリーより少しマシ?(笑)



★ 歌曲賞は『ハッスル&フロウ』から"It's Hard Out Here for a Pimp"。出演者であり、第81回(2008年)助演女優賞にノミネートされたタラジ・P・ヘンソンもボーカルを担当している。この曲のパフォーマンスの直後にプレゼンターのクイーン・ラティファが登場。「私も歌いたかったわ」といった後、封筒をあけIt's Hard Out Here for a Pimp♪と歌うことで結果を伝えた。それにしてもTHREE 6 MAFIAの受賞スピーチ態度のお下品なこと(笑)。司会のジョン・スチュワートは大笑いし「ああやって受賞すればいいんですよ」ちなみにpimpとはポン引きという意味です。




第78回(2005年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「クラッシュ
   「ブロークバック・マウンテン
   「カポーティ
   「グッドナイト&グッドラック
   「ミュンヘン

主演男優賞
 フィリップ・シーモア・ホフマン 「カポーティ」
   テレンス・ハワード 「ハッスル&フロウ
   ヒース・レジャー 「ブロークバック・マウンテン」
   ホアキン・フェニックス 「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道
   デヴィッド・ストラザーン 「グッドナイト&グッドラック」

主演女優賞
  リース・ウィザースプーン 「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」
   ジュディ・デンチ 「ヘンダーソン夫人の贈り物
   フェリシティ・ハフマン 「トランスアメリカ
   キーラ・ナイトレイ 「プライドと偏見
   シャーリーズ・セロン 「スタンドアップ

助演男優賞
  ジョージ・クルーニー 「シリアナ
   マット・ディロン 「クラッシュ」
   ポール・ジアマッティ 「シンデレラマン
   ジェイク・ギレンホール 「ブロークバック・マウンテン」
   ウィリアム・ハート 「ヒストリー・オブ・バイオレンス

助演女優賞
 レイチェル・ワイズ 「ナイロビの蜂
   エイミー・アダムス 「Junebug」
   キャサリン・キーナー 「カポーティ」
   フランシス・マクドーマンド 「スタンドアップ」
   ミシェル・ウィリアムズ 「ブロークバック・マウンテン」

監督賞
 アン・リー 「ブロークバック・マウンテン」
   ジョージ・クルーニー 「グッドナイト&グッドラック」
   ポール・ハギス 「クラッシュ」
   ベネット・ミラー 「カポーティ」
   スティーヴン・スピルバーグ 「ミュンヘン」

脚本賞
<オリジナル脚本>
 「クラッシュ」
   「グッドナイト&グッドラック」
   「マッチポイント
   「イカとクジラ
   「シリアナ」

<脚色>
  「ブロークバック・マウンテン」
   「カポーティ」
   「ナイロビの蜂」
   「ヒストリー・オブ・バイオレンス」
   「ミュンヘン」

撮影賞
 「SAYURI」
   「バットマン ビギンズ」
   「ブロークバック・マウンテン」
   「グッドナイト&グッドラック」
   「ニュー・ワールド

美術監督・装置賞
  「SAYURI」
   「グッドナイト&グッドラック」
   「ハリー・ポッターと炎のゴブレット
   「キング・コング
   「プライドと偏見」

音響賞
 「キング・コング」
   「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
   「SAYURI
   「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」
   「宇宙戦争

編集賞
  「クラッシュ」
   「シンデレラマン」
   「ナイロビの蜂」
   「ミュンヘン」
   「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」

作曲賞
 「ブロークバック・マウンテン」
   「ナイロビの蜂」
   「SAYURI」
   「ミュンヘン」
   「プライドと偏見」

歌曲賞
  「It's Hard Out Here For A Pimp」 (ハッスル&フロウ)
   「In The Deep」 (クラッシュ)
   「Travelin' Thru」 (トランスアメリカ)

衣装デザイン賞
 「SAYURI」
   「チャーリーとチョコレート工場
   「ヘンダーソン夫人の贈り物」
   「プライドと偏見」
   「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」

メイクアップ賞
 「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」
   「シンデレラマン」
   「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

視覚効果賞
 「キング・コング」
   「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」
   「宇宙戦争」

音響効果編集賞
 「キング・コング」
   「SAYURI」
   「宇宙戦争」

短編賞
<アニメ>
 「The Moon And The Son: An Imagined Conversation」
   「badgered」
   「The Mysterious Geographic Explorations of Jasper Morello
   「9」
   「One Man Band」

<実写>
 「Six Shooter」
   「Ausreiser」
   「Cashback」
   「Our Time Is Up」 
   「Sidasti barinn i dalnum」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「A Note of Triumph: The Golden Age of Norman Corwin」
   「God Sleeps in Rwanda」
   「The Life of Kevin Carter」
   「マッシュルーム・クラブ

<長編>
 「皇帝ペンギン
   「ダーウィンの悪夢
   「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?
   「マーダーボール
   「Street Fight」

外国語映画賞
 「ツォツィ」 (南アフリカ)
   「Don't Tell」 (イタリア)
   「戦場のアリア」 (フランス)
   「パラダイス・ナウ」 (パレスチナ)
   「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」 (ドイツ)

長編アニメ賞
 「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!
   「ティム・バートンのコープスブライド
   「ハウルの動く城

名誉賞
 ロバート・アルトマン
   (キャリアを通して表現を再構築し、映画製作者にも観客にも刺激を与えた)

ゴードン・E・ソーヤー賞
 ゲイリー・デモス

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2009.03.12 Thursday | 00:53 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

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