映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

<< 第65回(1992年)アカデミー賞 | TOP | 第67回(1994年)アカデミー賞 >>

第66回(1993年)アカデミー賞

第66回(1993年)アカデミー賞

66回アカデミー賞作品賞「シンドラーのリスト」第66回アカデミー賞trivia
〜スピルバーグが念願のオスカーを獲得〜

★ まさにスティーヴン・スピルバーグのためのオスカー・ナイトだった。ロシア系ユダヤ人の地をひくスピルバーグが監督した『シンドラーのリスト』は12部門ノミネート中、作品。監督など7部門を受賞。またもうひとつの監督作『ジュラシック・パーク』も3部門を受賞し10部門ものオスカーを制した。作品賞を受賞した際、スピルバーグは「教師の方にお願いがあります。ホロコーストを絶対に歴史の中に埋もれさせないでください」、共同制作者のブランコ・ラスティグは「私はホロコーストの生き残りです。番号は83317番でした。アウシュビッツからこの舞台まで長い道のりでした」とスピーチした。



★ 『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオンは女性としては史上2人目の監督賞ノミネートとなった。『ピアノ・レッスン』はカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。クオリティ面では『シンドラーのリスト』を遥かに上回る。これほどの名作をモノにしてしまうとカンピオンは後が続かないのでは?と危惧する声があったが、残念ながらそのとおりの結果となりつつある。それにしてもマイケル・ナイマンがなぜ作曲賞にノミネートされていないのだろう?ナイマンは『ピアノ・レッスン』のような商業的音楽は2度とやらないと言ったらしいが...。「犠牲者」はいい曲です。サントラ持ってます。

The Sacrifice (Michael Nyman)


★ 主演女優賞はカンヌ国際映画祭女優賞をはじめ、文字通り各映画賞を総ナメにした『ピアノ・レッスン』のホリー・ハンターが絶対視されていた。本命ホリー、対抗なし、オッズ1倍状態でした(笑)。監督のジェーン・カンピオンはホリーが演じたエイダ役には当初"背が高く、目もくらむような美人"を想定。シガニー・ウィーバーをイメージしていたといわれており、"(小柄で極めて美人というわけでもない)ホリー・ハンターには会わずにすむ"と思っていたらしい。ホリーは自らのピアノ演奏とスコットランド訛りで話すビデオを監督に送り、必死で売り込み、エイダ役を獲得した。



★ ホリー・ハンター、エマ・トンプソンと2人の女優が主演、助演賞にWノミネートを受けていた。まず助演女優賞ではトンプソンまたはウィノナ・ライダーが有力視されていたがオスカーは『ピアノ・レッスン』のアンナ・パキンにわたる大番狂わせとなった。(といわれてますが個人的には極めて妥当な結果だと思いマス)11歳のアンナ・パキンはテイタム・オニールに続く史上2番目の年少受賞者となった。母親役のホリー・ハンターが、自分も「ザ・ファーム/法律事務所」でノミネートされていたにもかかわらず大喜びしていたのは主演受賞が確実視されていたことによる余裕?パキンは喜んでいるのか泣いているのかわからない微妙な表情でしばらく言葉に詰まり「ジェーン(監督)とホリーに感謝します」とスピーチした後はさっさと会場の自分の席に戻ってしまった。受賞者は舞台袖にいくのが慣わしであり、プレゼンターのジーン・ハックマンが戸惑っているのがおかしいですね。



★ 外国語映画賞は『ピアノ・レッスン』とカンヌ国際映画祭パルムドールを分け合い、撮影賞にもノミネートされている『さらば、わが愛/覇王別姫』が大本命だった。だが、オスカーは凡作『ベルエポック』に渡る大番狂わせ。アカデミーが中国に配慮した結果であると噂された。中国は体制批判的な内容、同性愛が描かれていたりしたためこの作品を好ましく思っていなかった。アカデミー賞外国語映画賞がトチ狂った結果を出すことはままあるが、この年は究極のソレといってよいだろう。

★ アカデミーは短編部門を廃止しようとしていたが、「新人の登竜門をなくすとは何事か?」と監督協会などの猛反対にあい、しばらく様子を見ることにした。短編部門は現在も続いている。

★ 名誉賞には過去主演女優賞に6度ノミネートされながらも受賞を逃してきたデボラ・カーに贈られた。プレゼンターのグレン・クローズからオスカー像が手渡されたが、73歳のデボラは像の重みのため一瞬よろめいてしまいヒヤリとさせられた。何ともいえぬ品の良さは健在だった。受賞を逃してきたのはオードリー・ヘブバーン(「ローマの休日」)、イングリッド・バーグマン(「追想」でハリウッド復帰)、エリザベス・テイラー(「バターフィールド8」死にそうになっていた)など話題性のあるライバルと競うことが多かったことと、デボラ自身がそれほどオスカーがほしいという欲を見せなかったことが原因と言われている。(そこがまたいいですね)





第66回(1993年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「シンドラーのリスト
   「ピアノ・レッスン
   「日の名残り
   「父の祈りを
   「逃亡者

主演男優賞
 トム・ハンクス 「フィラデルフィア
   リーアム・ニーソン 「シンドラーのリスト」
   アンソニー・ホプキンス 「日の名残り」
   ダニエル・デイ=ルイス 「父の祈りを」
   ローレンス・フィッシュバーン 「TINA ティナ

主演女優賞
  ホリー・ハンター 「ピアノ・レッスン」
   エマ・トンプソン 「日の名残り」
   デブラ・ウィンガー 「永遠の愛に生きて」
   アンジェラ・バセット 「TINA ティナ」
   ストッカード・チャニング 「私に近い6人の他人

助演男優賞
  トミー・リー・ジョーンズ 「逃亡者」
   レイフ・ファインズ 「シンドラーのリスト」
   ジョン・マルコヴィッチ 「ザ・シークレット・サービス
   ピート・ポスルスウェイト 「父の祈りを」
   レオナルド・ディカプリオ 「ギルバート・グレイプ

Tommy Lee Jones winning Best Supporting Actor

助演女優賞
 アンナ・パキン 「ピアノ・レッスン」
   エマ・トンプソン 「父の祈りを」
   ホリー・ハンター 「ザ・ファーム/法律事務所
   ロージー・ペレス 「フィアレス
   ウィノナ・ライダー 「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事

監督賞
 スティーヴン・スピルバーグ 「シンドラーのリスト」
   ジェーン・カンピオン 「ピアノ・レッスン」
   ジェームズ・アイヴォリー 「日の名残り」
   ジム・シェリダン  「父の祈りを」
   ロバート・アルトマン 「ショート・カッツ

脚本賞
<オリジナル脚本>
 「ピアノ・レッスン」
   「フィラデルフィア」
   「ザ・シークレット・サービス」
   「デーヴ
   「めぐり逢えたら

<脚色>
  「シンドラーのリスト」
   「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」
   「日の名残り」
   「永遠の愛に生きて」
   「父の祈りを」

撮影賞
 「シンドラーのリスト」
   「ピアノ・レッスン」
   「逃亡者」
   「さらば、わが愛/覇王別姫
   「ボビー・フィッシャーを探して

美術監督・装置賞
  「シンドラーのリスト」
   「アダムス・ファミリー2
   「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」
   「日の名残り」
   「オルランド

音響賞
 「ジュラシック・パーク
   「クリフハンガー
   「逃亡者」
   「ジェロニモ
   「シンドラーのリスト」

編集賞
  「シンドラーのリスト」
   「ザ・シークレット・サービス」
   「父の祈りを」
   「ピアノ・レッスン」
   「逃亡者」

作曲賞
 「シンドラーのリスト」
   「逃亡者」
   「日の名残り」
   「ザ・ファーム/法律事務所」
   「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」

John Williams winning Best Original Score for "Schindler's List"

歌曲賞
  「ストリーツ・オブ・フィラデルフィア」 Streets of Philadelphia (フィラデルフィア)
   「フィラデルフィア」 philadelphia (フィラデルフィア)
   「ア・ウィンク・アンド・ア・スマイル」 A Wink and a Smile (めぐり逢えたら)
   「アゲイン」 Again (ポエティック・ジャスティス/愛するということ)
   「恋に落ちたあの日」 The Day I Fall In Love (ベートーベン2) 

衣装デザイン賞
 「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」
   「オルランド」
   「ピアノ・レッスン」
   「シンドラーのリスト」
   「日の名残り」

メイクアップ賞
 「ミセス・ダウト
   「フィラデルフィア」
   「シンドラーのリスト」

視覚効果賞
 「ジュラシック・パーク」
   「クリフハンガー」
   「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

音響効果編集賞
 「ジュラシック・パーク」
   「クリフハンガー」
   「逃亡者」

短編賞
<アニメ>
 「ペンギンに気をつけろ!
   「BLINDSCAPE」
   「大いなる河の流れ
   「SMALL TALK」
   「THE VILLAGE」

<実写>
 「BLACK RIDER」
   「DOWN ON THE WATERFRONT」
   「最悪の依頼」
   「THE SCREW」
   「マリッジブルーの愉しみ

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「DEGENDING OUR LIVES」
   「CHICKS IN WHITE SATIN」
   「BLOOD TIES:THE LIFE AND WORK OF SALLY MANN」

<長編>
 「I AM A PROMISE:THE CHILDREN OF STANTON ELEMENTARY SCHOOL」
   「THE BROADCAST TAPES OF DR.PETER」
   「CHILDREN OF FATE」
   「FOR BETTER OR FOR WORSE」
   「クリントンを大統領にした男」

外国語映画賞
 「ベルエポック」 (スペイン)
   「さらば、わが愛/覇王別姫」 (香港)
   「ウェディング・バンケット」 (台湾)
   「青いパパイヤの香り」 (ベトナム)
   「Hedd Wyn」 (アイルランド)

名誉賞
 デボラ・カー
   (輝かしい業績に)

ジーン・ハーショルト友愛賞
 ポール・ニューマン

ゴードン・E・ソーヤー賞
 ペトロ・ヴラホス

人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!
2009.02.09 Monday | 21:22 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

スポンサーサイト


2018.11.12 Monday | 21:22 | - | - | - |

コメント

コメントする









▲top