映画のメモ帳+α

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「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」〜天下無敵のジョニー・デップ〜 (その2)

ジョニー・デップという役者をはじめて見たのはラッセ・ハルストレム監督の『ギルバート・グレイプ』(1993)。故淀川長治氏が薦めていたのを聞いて何となく見に行ったように記憶している。知的障害をもつ弟、家から出ることができないほど太った母等をかかえながらもひたむきに生きていくジョニー演じるギルバートの姿がとても印象的だった。映画を見始めて日が浅かった僕は"大げさな演技をしなくても微妙な感情を的確に表現できる2枚目俳優"がこの世に存在することに驚いた-といっても映画をよく見るようになったのは結構遅いので....。それ以来、ジョニー・デップはずっと"気になる俳優"であった。ジョニーの出演作を全部見ているわけではないのだが(特に最近のは見逃しているほうが多い)見た作品の範囲で思うことを書き連ねることにする。

エド・ウッド』(1994)、『スリーピー・ホロウ』(1999)、『チャーリーとチョコレート工場』(2005)などのかっとんだ演技も悪くない。『夜になるまえに』(2000)の女装はキレイでしたね。惚れました(笑)。でもジョニーの真骨頂はやはり前述の『ギルバート・グレイプ』や『シザーハンズ』(1990) 、『デッドマン』(1995) 、『ネバーランド』(2004) らに代表される静かな佇まいの演技だと思う。ジョニーほどの2枚目でこういう演技が様になる俳優を僕は他にしらない。大半の2枚目スターはどんなに抑えた演技をしてもどこか"俺様モード"が残っている。< ブラピを見よ!『アイズ・ワイド・シャット』のトム・クルーズなんてキューブリックに無理矢理黙らされているようにしか見えなかったぞ!あ、また余計なことを。



ジョニー・デップのすごいところは、いい意味で作品の中に溶け込んでいる点だ。たとえ主演を張っていても、彼が不自然に目立ってしまうことはない。前述の『ギルバート〜』では主演のジョニーよりむしろ、レオナルド・ディカプリオやジュリエット・ルイスのほうが目を引いた。近作の『ネバーランド』でもケイト・ウインスレットやフレディ・ハイモアのほうが目立ったような気がする。これは彼の存在感が希薄だったからではない。主演を張りながらも作品全体を見渡した演技、別の言い方をすれば"受身の演技"がきちんとできているからだ。それゆえ『フェイク』(1997)のように、"究極の俺様俳優"アル・パチーノと競演などしたらその個性があだとなってしまうこともある。

『パイレーツ〜』はその"ジョニーの法則"を打ち破ってしまった画期的な作品といえる。彼の演技だけがひときわ目立ち、作品を支えている。だからといって、ジョニーが急に俺様演技に目覚めたわけではない。彼の表情、動きが抜群に面白かったから結果的にそうなってしまったにすぎない。今回の『〜デッドマンズ・チェスト』でもエリザベスに「さあ俺を口説け」と言い寄りあっさり逃げられたあとの表情!もう駄々っ子みたいできゃっわいい〜!(爆)

ジョニー・デップは昔から映画ファンの間では人気が高かった。パイレーツ・オブ・カリビアン』がヒットしたことで、それほど映画を見ない一般のファンに拡大したというだけである。ジョニーが支持される理由はルックス、演技力はもちろんのことだがその独特の作品選択にある。何せTVドラマでアイドル的人気を得たあとの映画出演作があの、○んこ食い!!!『ピンク・フラミンゴ』で悪名高いジョン・ウォーターズ監督『クライ・ベイビー』ですよ!アイドル上がりのすることではありません。(個人的に好きな監督ですが。『シリアル・ママ』は大傑作)

ジョニーは、自分のキャリアアップのため癖のある役を選んでいるわけではない。自分のやりたい役をやっているだけだ。この役をやればオスカーが取れるという意地汚いことは考えない。むしろオスカー向きとはいえない変な役ばかりやっている。『パイレーツ・オブ・カリビアン』だって、自分の子供に出演作を見せたかったことと、海賊という役柄が気にいったから出演したにすぎない。スターになりたかったからではありません(笑)(『スピード』(1994)の出演依頼を断ったのは有名な話)。そんなジョニーが、今までの出演作品と明らかに系統の違うディズニーの娯楽大作でオスカーに初ノミネートされたのはなんとも皮肉な話だ。"今までの名演を全部無視しといてこの作品で初ノミネート?"映画ファンの間でブーイングが起こったほどである。ま、これもジョニーらしい気がしますけど。

ハリウッドの若手男優の大半はジョニー・デップをロール・モデルにしているといわれる。『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』での全米俳優組合主演男優賞のサプライズ受賞はこの若手男優たちの支持によるものでしょう。もっともジョニー自身は勝てると思っておらず授賞式は欠席したらしいですが....。ハリウッドに媚びず、スターの座を追い求めもしないのに時を経て、気がついたら"稼げる大スター"に。まさに理想的ですね!

『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』のヒットを受けて日本で発売された写真集は3万部売れたという。映画本というのはとかく売れないもので初版はせいぜい3000部。しかも増刷なしというパターンが大半である現実を考えると脅威的な売れ行きといえよう。映画雑誌は"苦しいときのジョニー頼み"状態らしく、売れ行きが落ち込んでくるとジョニーを表紙にしたり特集を組んだりするらしいですよ。a○a○のsex特集といっしょ(爆)あ、また余計な.....

ジョニー・デップが現存する最高の男優のひとりであることは間違いない。ポール・ニューマンのように年老いても自然にかっこいい、渋い役者になっていくだろう。(演技スタイルは全く違いますが)
俳優ジョニー・デップの天下はこれからも当分揺るがない。
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2006.09.04 Monday | 22:20 | 映画 | comments(8) | trackbacks(3) |

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2019.09.05 Thursday | 22:20 | - | - | - |

コメント

明けましておめでとうございます!
今年も宜しくお願いします^^
このmoviepadさんの記事大好きです♪
ジョニー・デップの地味ファンの私としては、
「うん、うん」と頷きながら読ませて頂きました。
どの映画でも違った顔を見せてくれるジョニーは、年をとっても味のある役者になってくれるでしょうね。
「ギルバート・グレイプ」も大好きな作品の一つで、時々DVDで観ています。この時レオも素晴らしい演技をしていましたよね。
最近メジャーになり過ぎてしまったジョニー。嬉しい反面ちょっと複雑な心境でいます。
2007/01/06 9:35 PM by 由香
由香さん、こんばんわ!

まるでジョニーが突然いい役者になったかのような最近の人気。昔からのファンにとっては少し抵抗あるでしょうね。

そーなんですよ!この記事はジョニーのファンなら泣いて喜ぶに違いないと思って書いたのですが(爆)反応がなくてさみしふございました。コメントいただいて僕が泣いて喜んでおります(笑)やっぱり昔からのファンの人じゃないとピンとこない記事だったのかもしれません。僕も複雑な心境です(笑)
2007/01/06 11:18 PM by moviepad
再び失礼します^^
実はこの記事、以前から何回も読んでいました。(←ストーカーではありません・笑)
鋭い切り口で、読み応えタップリです!!
心では思っていても、文章として書くって難しいから、「うん、うん、そう、そう、そうなのよ〜〜〜」と叫んでいました(汗)
それでは・・・また♪
2007/01/06 11:48 PM by 由香
由香さん、コメントありがとうございます。

長くて改行も少ない、こんな読みにくい記事を熱心に読んでいただいて恐縮です。

もし記事が気に入っていただけたのなら、人気blogランキングのボタンをちょいとクリックしていただけるととてもうれしふございます(笑)
2007/01/07 9:04 PM by moviepad

達也です。

『パイレーツ・オブ・カリビアン』をやっと観ました。
色々厳しい評価も耳にしていましたが、
自分的には結構楽しめました。
人気ゲームのシリーズモノの様に、前作をみっちりプレイした
人には非常に面白く観れるようです。
台詞の行間や仕草、小道具の意味などの理解には、
作り手と観客の間に、ある種のパーレイ(取り引き)が
必要なのだと思います。
「東インド会社」の登場もある意味この物語を象徴しています。
組織として世界を地図に塗り込めようとする者達と、
限りなく自由を愛する海賊達とのせめぎ合いを
感じさせてくれます。

3ではキースがジャックの父親役で出るようですし、
また海賊達に捕まってしまいそうです。

2007/01/21 12:40 PM by TATSUYA
tatsuyaさん、こんばんわ
コメント&TBありがとうございました。

<前作をみっちりプレイした人には非常に面白く観れるようです。

1作目ももちろん見ましたが、ジョニー・デップ以外ほとんど覚えていません。

>東インド会社
そういえばそんなものもあったような気がします。とほほ...(^^;

ジョニーが切望していたというキース・リチャーズの出演は楽しみですね!





2007/01/22 2:29 AM by moviepad
moviepadさん、こんにちは!
昨日はありがとうございました^^・

もう、またまたお邪魔して申し訳ありません。
『ディパーテッド』でレオ君熱が再発し、『ギルバート・グレイプ』の記事を書きました。
思考回路が単純極まりないのですが、この映画のジョニー&レオは、今とは違う魅力があり、作品も地味ながらとても好きなんです。
2007/01/27 3:53 PM by 由香
由香さん、こんばんわ。

『ギルバート・グレイプ』もう一回見たいですね。でも僕は同じ映画はめったに2度見ないんです。それよりも気になりつつも見逃してしまった作品を見たいと思うタイプなので....。
この作品と再会できる日はいつの日やら(笑)

すいません。同じ記事を同じところに何度もTBするのはためらいを感じるので今回はTBのお返しはいたしません。ご了承くださいm(_ _)m
2007/01/28 12:46 AM by moviepad

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初めまして♪は・・・パイレーツ・オブ・カリビアン〜デッドマンズ・チェスト〜
最近、遅まきながら色々な方のブログを拝読し、本来活字病の傾向のある私は、読んで読んで読みまくった  そして、「自分でもやってみたいなぁ・・・」と無謀な考えが過ぎり、こうしてPCに向かっている。ところがgooに登録した途端、勤労9年目のボロPCが文字化けし、説
(★YUKAの気ままな有閑日記★ 2007/01/06 9:27 PM)
『パイレーツ・オブ・カリビアン』を100倍面白く観る。
海賊達とのパーレイ。それがコツかも。 パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト スペシャル・エディションジョニー・デップ、オーランド・ブルーム 他 (2006/12/06)ブエナ・ビスタ・ホーム・エンタ
(TATSUYAのレンタル映画レビュー 2007/01/21 12:40 PM)
ギルバート・グレイプ
一番好きな俳優ジョニー・デップと昔好きだった俳優レオナルド・ディカプリオが共演しているこの映画一粒で二度美味しいグリコのキャラメル(古っ)よりも、甘く切ない感動の涙を誘う名作だ【story】アイオワ州エンドゥーラという田舎町で、身動きが出来ない程太ってし
(★YUKAの気ままな有閑日記★ 2007/01/27 3:48 PM)

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