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第58回(1985年)アカデミー賞

第58回(1985年)アカデミー賞

58回アカデミー賞作品賞「愛と哀しみの果て」第58回アカデミー賞trivia
〜「カラーパープル」が11部門全敗 〜

★ 昨年同様、2作品が11部門にノミネートされていた。だが、作品賞はこの2作『愛と哀しみの果て』と『カラーパープル』の激突!ではなく、勝負は最初からついていた。『カラーパープル』の監督スティーヴン・スピルバーグが監督賞にノミネートされていなかったからである。このことについてスピルバーグは「貴重な映画がポップコーンムービーに勝つこともある。歴史はポプコーンより重い」という意味不明なコメントを出した。ビリー・ワイルダー、ジョン・ヒューストン、黒澤明の3大巨匠がプレゼンターをつとめた作品賞は下馬評どおり『愛と哀しみの果て』に渡った。


『カラーパープル』は黒人女性の自立を描いたアリス・ウォーカーのピューリッツア賞受賞小説の映画化であるが、何と11部門全敗に終わった。敗因は、露骨なオスカー狙いが嫌われた、「一見黒人の立場から描いているようで、黒人の心を理解していない映画」と演出を疑問視する声も多かった...などさまざまな説がささやかれた。だがほどんどオスカーに直結している全米監督組合賞を受賞しているにもかかわらず、ノミネートすらされなかったのは不可思議なことであった。当時スピルバーグはハリウッドに豪邸をたてたばかりだった。婚約者のエイミー・アーヴィングが「彼はハリウッドのプリンス、私はプリンセス」と発言したことや『トワイライト・ゾーン』の撮影中に主演男優ヴィク・モローが事故で死亡したにもかかわらずスピルバーグが哀悼の意をしめさなかったことなどが反発をまねいていた。またヒット作を連発していることへの嫉妬も入り混じり"スピルバーグ・バッシング"が沸き起こっていたことがその背景にあると言われている。

10部門以上ノミネートされた作品がひとつも受賞できなかったのは同じく11部門にノミネートされていた1977年の『愛と喝采の日々』以来2度目である。(のち2002年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』が10部門全敗している)

★ 黒澤明監督の『』が監督、撮影、美術、衣装デザインの4部門でノミネートされた。外国語映画賞にノミネートされなかったのは、海外配給権をもつフランスが『乱』を自国の代表作品としてエントリーしなかったためである。受賞は衣装デザイン賞のみ。ステージにあがったワダ・エミは「これ(オスカー像)には私の衣装はいらないわね」と笑わせた。

プレゼンターとして登場したシェール★ 助演男優賞のプレゼンターをつとめたシェールはへそをあらわにした大胆な衣装で登場し、会場を仰天させた。昨年、カンヌ映画祭で女優賞を受賞した『マスク』の演技がノミネートされなかったことに憤慨し、アカデミーへ復讐すべく「40歳の私にもまだ性的魅力があることをわからせる衣装をつくって」とデザイナーに依頼したそうである。



★ 名誉賞には主演男優賞に6度、監督賞をいれると7度ノミネートでいまだ受賞がなかったポール・ニューマンに贈られた。ニューマンは『ハスラー2』の撮影を行っていたシカゴからの中継を通して姿を見せただけだったので、会場をしらけさせた。3年前に有力とみなされながら落選して恥をかいたため授賞式に行きたくなかったらしい。



同じく7度候補にあがりながらいずれも賞を逃してきたジェラルディン・ペイジは主演女優賞にノミネートされていたが、8度目のノミネートでようやくオスカー像を手にした。彼女の名前が呼ばれた瞬間、会場はスタンディング・オベーションとなった。ペイジは翌年心臓発作で亡くなっており、もしこの年彼女に受賞させなければアカデミーは悔やむことになったかもしれない。





第58回(1985年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは当サイト記事もしくはamazon

作品賞
  「愛と哀しみの果て
   「カラーパープル
   「蜘蛛女のキス
   「女と男の名誉
   「刑事ジョン・ブック/目撃者

主演男優賞
 ウィリアム・ハート 「蜘蛛女のキス」
   ハリソン・フォード 「刑事ジョン・ブック/目撃者」
   ジェームズ・ガーナー 「マーフィのロマンス」
   ジャック・ニコルソン 「女と男の名誉」
   ジョン・ヴォイト 「暴走機関車

主演女優賞
  ジェラルディン・ペイジ 「バウンティフルへの旅」
   アン・バンクロフト 「アグネス」
   ウーピー・ゴールドバーグ 「カラーパープル」
   ジェシカ・ラング 「スウィート・ドリーム」
   メリル・ストリープ 「愛と哀しみの果て」

助演男優賞
  ドン・アメチー 「コクーン
   クラウス・マリア・ブランダウアー 「愛と哀しみの果て」
   ウィリアム・ヒッキー 「女と男の名誉」
   ロバート・ロジア 「白と黒のナイフ
   エリック・ロバーツ 「暴走機関車」

助演女優賞
 アンジェリカ・ヒューストン 「女と男の名誉」
   マーガレット・エイヴリー 「カラーパープル」
   エイミー・マディガン 「燃えてふたたび」
   メグ・ティリー 「アグネス」
   オプラ・ウィンフリー 「カラーパープル」



監督賞
 シドニー・ポラック 「愛と哀しみの果て」
   ヘクトール・バベンコ 「蜘蛛女のキス」
   ジョン・ヒューストン 「女と男の名誉」
   黒澤明 「
   ピーター・ウィアー 「刑事ジョン・ブック/目撃者」

脚本賞
<オリジナル脚本>
 「刑事ジョン・ブック/目撃者」
   「バック・トゥ・ザ・フューチャー
   「未来世紀ブラジル
   「オフィシャル・ストーリー」
   「カイロの紫のバラ

<脚色>
  「愛と哀しみの果て」
   「カラーパープル」
   「蜘蛛女のキス」
   「女と男の名誉」
   「バウンティフルへの旅」

撮影賞
 「愛と哀しみの果て」
   「カラーパープル」
   「マーフィのロマンス」
   「乱」
   「刑事ジョン・ブック/目撃者」

美術監督・装置賞
  「愛と哀しみの果て」
   「未来世紀ブラジル」
   「カラーパープル」
   「乱」
   「刑事ジョン・ブック/目撃者」

音響賞
 「愛と哀しみの果て」
   「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
   「コーラスライン
   「レディホーク
   「シルバラード

編集賞
  「刑事ジョン・ブック/目撃者」
   「コーラスライン」
   「愛と哀しみの果て」
   「女と男の名誉」
   「暴走機関車」

作曲賞
 「愛と哀しみの果て」
   「アグネス」
   「カラーパープル」
   「シルバラード」
   「刑事ジョン・ブック/目撃者」

歌曲賞
  「セイ・ユー・セイ・ミー」 Say You,Say Me (ホワイトナイツ/白夜)
   「ミス・セリーのブルース」 Miss Celie's Blues (カラーパープル)
   「パワー・オブ・ラブ」 The Power of Love (バック・トゥ・ザ・フューチャー)
   「セパレート・ライブス」 Separate Lives (ホワイトナイツ/白夜)
   「サプライズ・サプライズ」 Surprise,Surprise (コーラスライン) 

衣装デザイン賞
 「乱」
   「カラーパープル」
   「ナティ物語」
   「愛と哀しみの果て」
   「女と男の名誉」

メイクアップ賞
 「マスク
   「カラーパープル」
   「レモ/第一の挑戦

音響効果編集賞
 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
   「レディホーク」
   「ランボー/怒りの脱出

視覚効果賞
 「コクーン」
   「オズ」
   「ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎

短編賞
<アニメ>
 「ANNA & BELLA」
   「THE BIG SNIT」
   「SECOND CLASS MAIL」

<実写>
 「MORRY'S PILGRIM」
   「GRAFFITI」
   「RAINBOW WAR」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「WITNESS TO WAR:DR.CHARLIE CLEMENTS」
   「THE COURAGE TO CARE」
   「KEATS AND HIS NIGHTINGALE:A BLIND DATE」
   「MAKING OVERTURES-THE STORY OF A COMMUNITY ORCHESTRA」
   「THE WIZARD OF THE STRINGS」

<長編>
 「BROKEN RAINBOW」
   「LAS BADRES-THE MOTHERS OF PLAZA DE MAYO」
   「SOLDIERS IN HIDING」
   「THE STATUE OF LIBERTY」
   「公式命令9066/日本人強制収容所」

外国語映画賞
 「オフィシャル・ストーリー」 (アルゼンチン)
   「ANGRY HARVEST」 (西ドイツ)
   「連隊長レドル」 (ハンガリー)
   「赤ちゃんに乾杯!」 (フランス)
   「パパは、出張中!」 (ユーゴスラヴィア)

名誉賞
 ポール・ニューマン
   (数々の記憶に残る演技、素晴らしい人格、演技への献身に対して)
 アレックス・ノース
   (映画のための音楽における卓越した創造性と傑出した芸術性)

ジーン・ハーショルト友愛賞
 チャールズ・"バディ"・ロジャース

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2009.02.05 Thursday | 22:08 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

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