映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※コメントは承認制とさせていただいております

<< 第52回(1979年)アカデミー賞 | TOP | 第54回(1981年)アカデミー賞 >>

第53回(1980年)アカデミー賞

第53回(1980年)アカデミー賞

53回アカデミー賞作品賞「普通の人々」第53回アカデミー賞trivia
〜レーガン大統領狙撃事件で授賞式が延期に〜

★ 1981年3月10日、授賞式の開幕5時間前にレーガン新大統領が狙撃される事件が起こった。犯人はジョディ・フォスターへのストーカー行為で知られていたジョン・ヒンクリーという25歳の青年だった。授賞式当日、1週間前に撮影した大統領からのビデオメッセージが流れる予定だったこともあり、1時間後には授賞式の1日延期が発表された。冒頭に大統領のメッセージが予定どおり流された。「ナンシーと私が今年のオスカーの行方に興味をもっているのは、合衆国の秘密なんかではありません。アカデミー賞の崇高な目的は世界中の人々に夢と感動を与えることです。映画は永遠です」と語った後、「私はうまくいきませんでしたがね」とつけたし場内は大爆笑となった。

★ 作品賞には伝記映画が3本ノミネートされた。19世紀のイギリスに実在した青年ジョゼフ・メリックの半生を描いた『エレファント・マン』、プロボクサー、ジェイク・ラモッタをモデルとした『レイジング・ブル』、カントリー歌手ロレッタ・リンの生涯を追った『歌え!ロレッタ 愛のために』の3本である。日本のみで大ヒットした『エレファント・マン』は8部門ノミネートで全敗に終わったが、『レイジング・ブル』と『歌え!ロレッタ 愛のために』はそれぞれ主演男優(ロバート・デ・ニーロ)、主演女優賞(シシー・スペイセク)を獲得。モデルとなったラモッタとロレッタも会場に来ており、受賞を祝った。デニーロが役つくりのため体重を145ポンドから215ポンド(66 to 97 kg)に増やしたことが話題となったが、授賞式の時にはちゃんと元の体重に戻っていた。



★ 作品賞は上記の伝記映画をさしおき、アメリカの中流家庭を描いた『普通の人々』が受賞した。俳優としては一度ノミネートされただけだったロバート・レッドフォードが監督賞を受賞した。そのレッドフォードがプレゼンターをつとめた名誉賞は同じく無冠だったヘンリー・フォンダ。75歳のフォンダは杖をついて登場。娘ジェーンとの初共演作『黄昏』を撮り終えたばかりだった。ヘンリー・フォンダは「報いのある46年間の映画生活でした。この賞を得たことがクライマックスになります」と語り、スタンディング・オベーションで迎えられた。だが本当のクライマックスは翌年に持ち越されることになる。



★ 歌曲賞にはアラン・パーカー監督のミュージカル映画『フェーム』(名作!)より「フェーム」、「Out Here on My Own」の2曲がノミネートされ、前者で受賞をはたした。両曲とも歌唱はアイリーン・キャラ。アイリーンは2曲をメドレーで7分にわたって歌い踊り喝采を浴びた。「フェーム」は日本でもピンク・レディが「リメンバー (フェーム)」というタイトルでカバーしている。(歌詞の内容は全然違いますが...)




第53回(1980年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「普通の人々
   「歌え!ロレッタ愛のために
   「エレファント・マン
   「レイジング・ブル
   「テス

主演男優賞
 ロバート・デ・ニーロ 「レイジング・ブル」
   ロバート・デュヴァル 「パパ」
   ジョン・ハート 「エレファント・マン」
   ジャック・レモン 「マイ・ハート マイ・ラブ」
   ピーター・オトゥール 「スタントマン」

主演女優賞
  シシー・スペイセク 「歌え!ロレッタ愛のために」
   エレン・バースティン 「レザレクション/復活」
   ゴールディ・ホーン 「プライベート・ベンジャミン
   メアリー・タイラー・ムーア 「普通の人々」
   ジーナ・ローランズ 「グロリア

助演男優賞
  ティモシー・ハットン 「普通の人々」
   ジャド・ハーシュ 「普通の人々」
   マイケル・オキーフ 「パパ」
   ジョー・ペシ 「レイジング・ブル」
   ジェイソン・ロバーズ 「メルビンとハワード」

助演女優賞
 メアリー・スティーンバージェン 「メルビンとハワード」
   アイリーン・ブレナン 「プライベート・ベンジャミン」
   エヴァ・ル・ガリエンヌ 「レザレクション/復活」
   キャシー・モリアーティ 「レイジング・ブル」
   ダイアナ・スカーウィッド 「サンフランシスコ物語」



監督賞
 ロバート・レッドフォード 「普通の人々」
   デヴィッド・リンチ 「エレファント・マン」
   マーティン・スコセッシ 「レイジング・ブル」
   リチャード・ラッシュ 「スタントマン」
   ロマン・ポランスキー 「テス」

脚本賞
<オリジナル脚本>
 「メルビンとハワード」
   「ブルベイカー
   「フェーム
   「アメリカの伯父さん
   「プライベート・ベンジャミン」

<脚色>
  「普通の人々」
   「英雄モラント/傷だらけの戦士」
   「歌え!ロレッタ愛のために」
   「エレファント・マン」
   「スタントマン」

撮影賞
 「テス」
   「青い珊瑚礁
   「歌え!ロレッタ愛のために」
   「ジェネシスを追え」
   「レイジング・ブル」

美術監督・装置賞
  「テス」
   「歌え!ロレッタ愛のために」
   「エレファント・マン」
   「スター・ウォーズ/帝国の逆襲
   「影武者

音響賞
 「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」
   「アルタード・ステーツ/未知への挑戦
   「歌え!ロレッタ愛のために」
   「フェーム」
   「レイジング・ブル」

編集賞
  「レイジング・ブル」
   「歌え!ロレッタ愛のために」
   「コンペティション」
   「エレファント・マン」
   「フェーム」

作曲賞
 「フェーム」
   「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」
   「エレファント・マン」
   「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」
   「テス」

歌曲賞
  「フェーム」 Fame (フェーム)
   「9時から5時まで」 Nine to Five (9時から5時まで
   「オン・ザ・ロード・アゲイン」 On the Road Again (忍冬の花のように)
   「Out Here on My Own」 (フェーム)
   「愛のテーマ」 People Alone (コンペティション) 

衣装デザイン賞
 「テス」
   「エレファント・マン」
   「わが青春の輝き」
   「ある日どこかで
   「世界崩壊の序曲」

短編賞
<アニメ>
 「THE FLY」
   「ALL NOTHING」
   「HISTORY OF THE WORLD IN THREE MINUTES FLAT」

<実写>
  「THE DOLLAR BOTTOM」
   「FALL LINE」
   「A JURY OF HER PEERS」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「KARL HESS:TOWARD LIBERTY」
   「DON'T MESS WITH BILL」
   「THE ERUPTION OF MOUNT ST.HELENS」
   「IT'S THE SAME WORLD」
   「LUTHER METKE AT 94」

<長編>
 「毛沢東からモーツァルトへ/中国のアイザック・スターン」
   「AGEE」
   「THE DAY AFTER TRINITY」
   「フロント・ライン/ベトナム戦争の全貌」
   「THE YELLOW STAR-THE PRESECUTION OF THE JEWS IN EUROPE 1933-45」

外国語映画賞
 「モスクワは涙を信じない」 (ソ連)
   「コンフィデンス/信頼」 (ハンガリー)
   「影武者」 (日本)
   「終電車」 (フランス)
   「エル・ニド」 (スペイン)

特別業績賞
<視覚効果>
 ブライアン・ジョンソン、リチャード・エドランド、デニス・ミューレン、ブルース・ニコルソン
(スター・ウォーズ/帝国の逆襲)

名誉賞
 ヘンリー・フォンダ
   (輝かしい業績と映画芸術への長年の貢献)

人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!
2009.02.02 Monday | 22:09 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

スポンサーサイト


2024.03.25 Monday | 22:09 | - | - | - |

コメント

コメントする









▲top