第53回(1980年)アカデミー賞
第53回(1980年)アカデミー賞
第53回アカデミー賞trivia
〜レーガン大統領狙撃事件で授賞式が延期に〜
★ 1981年3月10日、授賞式の開幕5時間前にレーガン新大統領が狙撃される事件が起こった。犯人はジョディ・フォスターへのストーカー行為で知られていたジョン・ヒンクリーという25歳の青年だった。授賞式当日、1週間前に撮影した大統領からのビデオメッセージが流れる予定だったこともあり、1時間後には授賞式の1日延期が発表された。冒頭に大統領のメッセージが予定どおり流された。「ナンシーと私が今年のオスカーの行方に興味をもっているのは、合衆国の秘密なんかではありません。アカデミー賞の崇高な目的は世界中の人々に夢と感動を与えることです。映画は永遠です」と語った後、「私はうまくいきませんでしたがね」とつけたし場内は大爆笑となった。
第53回アカデミー賞trivia
〜レーガン大統領狙撃事件で授賞式が延期に〜
★ 1981年3月10日、授賞式の開幕5時間前にレーガン新大統領が狙撃される事件が起こった。犯人はジョディ・フォスターへのストーカー行為で知られていたジョン・ヒンクリーという25歳の青年だった。授賞式当日、1週間前に撮影した大統領からのビデオメッセージが流れる予定だったこともあり、1時間後には授賞式の1日延期が発表された。冒頭に大統領のメッセージが予定どおり流された。「ナンシーと私が今年のオスカーの行方に興味をもっているのは、合衆国の秘密なんかではありません。アカデミー賞の崇高な目的は世界中の人々に夢と感動を与えることです。映画は永遠です」と語った後、「私はうまくいきませんでしたがね」とつけたし場内は大爆笑となった。
★ 作品賞には伝記映画が3本ノミネートされた。19世紀のイギリスに実在した青年ジョゼフ・メリックの半生を描いた『エレファント・マン』、プロボクサー、ジェイク・ラモッタをモデルとした『レイジング・ブル』、カントリー歌手ロレッタ・リンの生涯を追った『歌え!ロレッタ 愛のために』の3本である。日本のみで大ヒットした『エレファント・マン』は8部門ノミネートで全敗に終わったが、『レイジング・ブル』と『歌え!ロレッタ 愛のために』はそれぞれ主演男優(ロバート・デ・ニーロ)、主演女優賞(シシー・スペイセク)を獲得。モデルとなったラモッタとロレッタも会場に来ており、受賞を祝った。デニーロが役つくりのため体重を145ポンドから215ポンド(66 to 97 kg)に増やしたことが話題となったが、授賞式の時にはちゃんと元の体重に戻っていた。
★ 作品賞は上記の伝記映画をさしおき、アメリカの中流家庭を描いた『普通の人々』が受賞した。俳優としては一度ノミネートされただけだったロバート・レッドフォードが監督賞を受賞した。そのレッドフォードがプレゼンターをつとめた名誉賞は同じく無冠だったヘンリー・フォンダ。75歳のフォンダは杖をついて登場。娘ジェーンとの初共演作『黄昏』を撮り終えたばかりだった。ヘンリー・フォンダは「報いのある46年間の映画生活でした。この賞を得たことがクライマックスになります」と語り、スタンディング・オベーションで迎えられた。だが本当のクライマックスは翌年に持ち越されることになる。
★ 歌曲賞にはアラン・パーカー監督のミュージカル映画『フェーム』(名作!)より「フェーム」、「Out Here on My Own」の2曲がノミネートされ、前者で受賞をはたした。両曲とも歌唱はアイリーン・キャラ。アイリーンは2曲をメドレーで7分にわたって歌い踊り喝采を浴びた。「フェーム」は日本でもピンク・レディが「リメンバー (フェーム)」というタイトルでカバーしている。(歌詞の内容は全然違いますが...)
第53回(1980年)アカデミー賞ノミネート一覧
※ ★マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon
作品賞
★ 「普通の人々」
「歌え!ロレッタ愛のために」
「エレファント・マン」
「レイジング・ブル」
「テス」
主演男優賞
★ ロバート・デ・ニーロ 「レイジング・ブル」
ロバート・デュヴァル 「パパ」
ジョン・ハート 「エレファント・マン」
ジャック・レモン 「マイ・ハート マイ・ラブ」
ピーター・オトゥール 「スタントマン」
主演女優賞
★ シシー・スペイセク 「歌え!ロレッタ愛のために」
エレン・バースティン 「レザレクション/復活」
ゴールディ・ホーン 「プライベート・ベンジャミン」
メアリー・タイラー・ムーア 「普通の人々」
ジーナ・ローランズ 「グロリア」
助演男優賞
★ ティモシー・ハットン 「普通の人々」
ジャド・ハーシュ 「普通の人々」
マイケル・オキーフ 「パパ」
ジョー・ペシ 「レイジング・ブル」
ジェイソン・ロバーズ 「メルビンとハワード」
助演女優賞
★ メアリー・スティーンバージェン 「メルビンとハワード」
アイリーン・ブレナン 「プライベート・ベンジャミン」
エヴァ・ル・ガリエンヌ 「レザレクション/復活」
キャシー・モリアーティ 「レイジング・ブル」
ダイアナ・スカーウィッド 「サンフランシスコ物語」
監督賞
★ ロバート・レッドフォード 「普通の人々」
デヴィッド・リンチ 「エレファント・マン」
マーティン・スコセッシ 「レイジング・ブル」
リチャード・ラッシュ 「スタントマン」
ロマン・ポランスキー 「テス」
脚本賞
<オリジナル脚本>
★ 「メルビンとハワード」
「ブルベイカー」
「フェーム」
「アメリカの伯父さん」
「プライベート・ベンジャミン」
<脚色>
★ 「普通の人々」
「英雄モラント/傷だらけの戦士」
「歌え!ロレッタ愛のために」
「エレファント・マン」
「スタントマン」
撮影賞
★ 「テス」
「青い珊瑚礁」
「歌え!ロレッタ愛のために」
「ジェネシスを追え」
「レイジング・ブル」
美術監督・装置賞
★ 「テス」
「歌え!ロレッタ愛のために」
「エレファント・マン」
「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」
「影武者」
音響賞
★ 「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」
「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」
「歌え!ロレッタ愛のために」
「フェーム」
「レイジング・ブル」
編集賞
★ 「レイジング・ブル」
「歌え!ロレッタ愛のために」
「コンペティション」
「エレファント・マン」
「フェーム」
作曲賞
★ 「フェーム」
「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」
「エレファント・マン」
「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」
「テス」
歌曲賞
★ 「フェーム」 Fame (フェーム)
「9時から5時まで」 Nine to Five (9時から5時まで)
「オン・ザ・ロード・アゲイン」 On the Road Again (忍冬の花のように)
「Out Here on My Own」 (フェーム)
「愛のテーマ」 People Alone (コンペティション)
衣装デザイン賞
★ 「テス」
「エレファント・マン」
「わが青春の輝き」
「ある日どこかで」
「世界崩壊の序曲」
短編賞
<アニメ>
★ 「THE FLY」
「ALL NOTHING」
「HISTORY OF THE WORLD IN THREE MINUTES FLAT」
<実写>
★ 「THE DOLLAR BOTTOM」
「FALL LINE」
「A JURY OF HER PEERS」
ドキュメンタリー映画賞
<短編>
★ 「KARL HESS:TOWARD LIBERTY」
「DON'T MESS WITH BILL」
「THE ERUPTION OF MOUNT ST.HELENS」
「IT'S THE SAME WORLD」
「LUTHER METKE AT 94」
<長編>
★ 「毛沢東からモーツァルトへ/中国のアイザック・スターン」
「AGEE」
「THE DAY AFTER TRINITY」
「フロント・ライン/ベトナム戦争の全貌」
「THE YELLOW STAR-THE PRESECUTION OF THE JEWS IN EUROPE 1933-45」
外国語映画賞
★ 「モスクワは涙を信じない」 (ソ連)
「コンフィデンス/信頼」 (ハンガリー)
「影武者」 (日本)
「終電車」 (フランス)
「エル・ニド」 (スペイン)
特別業績賞
<視覚効果>
★ ブライアン・ジョンソン、リチャード・エドランド、デニス・ミューレン、ブルース・ニコルソン
(スター・ウォーズ/帝国の逆襲)
名誉賞
★ ヘンリー・フォンダ
(輝かしい業績と映画芸術への長年の貢献)
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