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第50回(1977年)アカデミー賞

第50回(1977年)アカデミー賞

50回アカデミー賞作品賞「アニー・ホール」第50回アカデミー賞trivia
〜主役ウディ・アレンはパブでクラリネット、ヴァネッサはプロパガンダ発言〜

★ 『愛と喝采の日々』と『ジュリア』が11部門ノミネート、『スター・ウォーズ』が10部門、作品賞にノミネートされていないが『未知との遭遇』が8部門で候補になり、女性映画とSFが強さを発揮した。一方『アニー・ホール』のウディ・アレンが監督・主演男優・脚本の3部門でノミネートされた。これは『市民ケーン』のオーソン・ウェルズ以来の快挙だった。

★ 『アニー・ホール』は5部門ノミネートだったが、作品、監督、主演女優、脚本の4部門を受賞。主演女優賞を受賞したダイアン・キートンはアニー・ホールそのもののファッションでステージにあがった。一方、監督、脚本と2つのオスカーを獲得したウディ・アレンは会場に姿を見せなかった。はれてオスカーを受賞した夜、マンハッタンのマイクルズ・パブでクラリネットを演奏していたことは今や伝説となっている。アレンは深夜に帰宅しそのまま寝てしまったため受賞を知ったのは翌日のこと。コメントは一切なかった。1年後にようやく受賞の件にふれ「『アニー・ホール』がオスカーを取ったことは自分には何の意味もない。受賞ごっこには関心がないんだ。彼らが何をしようがどうでもいいね」と語った。





★ 『グッバイガール』で主演男優賞を受賞したリチャード・ドレイファスは当時29歳。当部門で史上最年少受賞となった。だが、ドライファスはその後プレッシャーによりドラッグに走りスランプに陥いる。18年後の1995年『陽のあたる教室』で主演男優賞にノミネートされカムバックをはたした。



★ 日本のサンリオが製作した『愛のファミリー』は長編ドキュメンタリー賞を受賞した。7人の子供を持ったまま、夫に先立たれたドロシー夫人がベトナム戦争戦災孤児などを引き取り19人の身体の不自由な子供たちを育てていく姿を描き出した作品である。

★ 授賞式の会場前では混乱が起こっていた。そのお騒がせ主は『ジュリア』で助演女優賞にノミネートされていたヴァネッサ・レッドグレイヴ。ヴァネッサは記録映画『パレスチナ人』を製作し「パレスチナ人民と反ファシストのために戦う」と発言するなど、パレスチナ解放機構(PLO)を支持し、反イスラエルの立場をとっていた。そのため75人のJDL(Jewish Defense League ユダヤ防衛同盟)が「レッドグレイヴとアラファト、完璧な情事」、「ヴァネッサ・レッドグレイヴとPLOは絶対にだめ」と書かれたプラカードを掲げて抗議のデモを行った。一方PLOのグループ約200人も「ヴァネッサ、良心と勇気の女性」と書いたプラカードを掲げて集まっていた。ヴァネッサはガードマンの護衛のもと非常口から入場しなければならなかった。

★ 最初に登場したプレゼンターは『サタデーナイト・フィーバー』で人気沸騰中のジョン・トラボルタ。いきなり問題の助演女優賞発表である。しかも受賞者はヴァネッサだった。彼女はステージにあがるやいなや「世界のユダヤ人の汚点であるひと握りのシオニストの与太者どものいやがらせに屈せず私を選んでくれたことに感謝します」とのっけからぶちかまし、「反ユダヤ主義、反ファシズムの闘士として戦い続けることを誓います」という言葉で締めくくった。ヴァネッサ受賞が伝えられると会場外の抗議者たちは「ヴァネッサは殺人者」と書いている人形に火をつけた。場内に突入しようとするものもいたが、警官に阻まれた。この夜警官は500人動員されておりJDLの5人が逮捕、警官を含む3人が負傷したそうだ。ヴァネッサの発言はもちろん論議を呼んだ。彼女を賞賛するものもいたが、オスカーを政治的発言の場にするべきでないという意見が大勢をしめた。脚色賞のプレゼンターとして登場したパディ・チャイエフスキーは「アカデミー賞を自分の政治的プロパガンダに利用する奴にはむかつくし、うんざりする。レッドグレイヴの受賞は歴史的瞬間なんかじゃないから声明は必要ない」と発言し喝采をあびた。





第50回(1977年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは当サイト記事もしくはamazon

作品賞
  「アニー・ホール
   「グッバイガール
   「ジュリア
   「スター・ウォーズ
   「愛と喝采の日々

主演男優賞
 リチャード・ドレイファス 「グッバイガール」
   ウディ・アレン 「アニー・ホール」
   リチャード・バートン 「エクウス」
   マルチェロ・マストロヤンニ 「特別な一日
   ジョン・トラヴォルタ 「サタデー・ナイト・フィーバー

主演女優賞
  ダイアン・キートン 「アニー・ホール」
   アン・バンクロフト 「愛と喝采の日々」
   ジェーン・フォンダ 「ジュリア」
   シャーリー・マクレーン 「愛と喝采の日々」
   マーシャ・メイソン 「グッバイガール」

助演男優賞
  ジェイソン・ロバーズ 「ジュリア」
   ミハイル・バリシニコフ 「愛と喝采の日々」
   ピーター・ファース 「エクウス」
   アレック・ギネス 「スター・ウォーズ」
   マクシミリアン・シェル 「ジュリア」



助演女優賞
 ヴァネッサ・レッドグレーヴ 「ジュリア」
   レスリー・ブラウン 「愛と喝采の日々」
   クィン・カミングス 「グッバイガール」
   メリンダ・ディロン 「未知との遭遇
   チューズデイ・ウェルド 「ミスター・グッドバーを探して」

監督賞
 ウディ・アレン 「アニー・ホール」
   ジョージ・ルーカス 「スター・ウォーズ」
   ハーバート・ロス 「愛と喝采の日々」
   スティーヴン・スピルバーグ 「未知との遭遇」
   フレッド・ジンネマン 「ジュリア」

脚本賞
<オリジナル脚本>
 「アニー・ホール」
   「グッバイガール」
   「レイト・ショー」
   「スター・ウォーズ」
   「愛と喝采の日々」

<脚色>
  「ジュリア」 
   「エクウス」  
   「I NEVER PROMISED YOU A ROSE GARDEN」 
   「オー!ゴッド」
   「欲望のあいまいな対象

撮影賞
 「未知との遭遇」
   「海流のなかの島々」
   「ジュリア」
   「ミスター・グッドバーを探して」
   「愛と喝采の日々」

美術監督・装置賞
  「スター・ウォーズ」
   「エアポート'77/バミューダからの脱出
   「未知との遭遇」
   「007/私を愛したスパイ
   「愛と喝采の日々」

音響賞
 「スター・ウォーズ」
   「未知との遭遇」
   「ザ・ディープ
   「恐怖の報酬」
   「愛と喝采の日々」

編集賞
  「スター・ウォーズ」
   「未知との遭遇」
   「ジュリア」
   「トランザム7000
   「愛と喝采の日々」



視覚効果賞
  「スター・ウォーズ」
   「未知との遭遇」

作曲賞
 「スター・ウォーズ」
   「未知との遭遇」
   「ジュリア」
   「ザ・メッセージ
   「007/私を愛したスパイ」



編曲・歌曲賞
 「A LITTLE NIGHT MUSIC」
   「ピートとドラゴン」
   「シンデレラ」

歌曲賞
  「ユー・ライト・アップ・マイライフ」 You Light Up My Life (マイ・ソング)
   「Candle on the Water」 (ピートとドラゴン)
   「私を愛したスパイ」 Nobody Does It Better (007/私を愛したスパイ)
   「舞踏会のふたり」 The Slipper and the Rose Waltz(He Danced with Me/She Danced with Me) (シンデレラ)
   「誰かが待っている」 Someone's Waiting for You (ビアンカの大冒険) 

衣装デザイン賞
 「スター・ウォーズ」
   「エアポート'77/バミューダからの脱出」
   「ジュリア」
   「A LITTLE NIGHT MUSIC」
   「真夜中の向う側」

短編賞
<アニメ>
 「砂の城」
   「THE BEAD GAME」
   「THE DOONESBURY SPECIAL」
   「JIMMY THE C」

<実写>
 「I'LL FIND A WAY」
   「THE ABSENT MINDED WAITER」
   「FLOATING FREE」
   「NOTES ON THE POPULAR ARTS」
   「SPACEBORNE」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「GRAVITY IS MY ENEMY」
   「AGUEDA MARTINEZ:OUR PEOPLE,OUR COUNTRY」
   「FIRST EDITION」
   「OF TIME,TOMBS AND TREASURE」
   「THE SHETLAND EXPERIENCE」

<長編>
 「愛のファミリー」
   「THE CHILDREN OF THEATRE STREET」
   「HIGH GRASS CIRCUS」
   「HOMAGE TO CHAGALL:THE COLOURS OF LOVE」
   「UNION MAIDS」

外国語映画賞
 「これからの人生」 (フランス)
   「イフゲニア」 (ギリシャ)
   「サンダーボルト救出作戦」 (イスラエル)
   「特別な一日」 (イタリア)
   「欲望のあいまいな対象」 (スペイン)

特別業績賞
 フランク・E・ワーナー (「未知との遭遇」の音響効果編集)
 ベン・バート(ベンジャミン・バート・Jr) (「スター・ウォーズ」での宇宙人とロボットの声の創造)

名誉賞
 マーガレット・ブース(フィルム編集者として62年間の比類なき映画産業への奉仕)
 ゴードン・E・ソーヤー、シドニー・ポール・ソロウ
(アカデミー映画芸術・科学の高い規範の維持への献身)

アーヴィング・G・タールバーグ記念賞
 ウォルター・ミリッシュ

ジーン・ハーショルト友愛賞
 チャールトン・ヘストン

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2009.02.01 Sunday | 22:07 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

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