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第47回(1974年)アカデミー賞

第47回(1974年)アカデミー賞

47回アカデミー賞作品賞「ゴッドファーザーPART II」第47回アカデミー賞trivia
〜政治論争起こるもコッポラはしゃぎ、バーグマンなごませる 〜

★ まさにフランシス・フォード・コッポラのための夜だった。『ゴッドファーザーPART II』は11部門にノミネートされ作品・監督賞を含む6部門を受賞。初のシリーズ物連続受賞となり、続編が前作を上回ることはないというジンクスを見事はねかえした。また、コッポラが監督を手がけた『カンバセーション…盗聴…』も作品、脚本賞にノミネートされていたし、脚本のみ手がけた『華麗なるギャッピー』は編曲、衣装デザイン賞を受賞している。コッポラは自ら受賞した作品、監督、脚色、そして助演男優賞を受賞したロバート・デ・ニーロの代理と合計4回もステージにあがりまさに大はしゃぎだった。コッポラの父親カーマイン・コッポラはニーノ・ロータとともに作曲賞を受賞。パパ・コッポラは「息子がいなければ私はここに立っていない。しかし私がいなければ彼は存在しえないのだ」とスピーチし会場は大爆笑となった。



★ 主演男優賞は『ハリーとトント』のアート・カーニー。猫といっしょにニューヨークから娘の住むシカゴまで旅に出る老人を演じた。受賞スピーチで「25年来の友人であるエージェントに感謝します。なぜなら彼は躊躇する私に"やりなさい。あなたは老人なんだから"とすすめてくれたおかげであの映画に主演し、今夜の栄光につながったのだから」と語った。彼は56歳で72歳の役を演じている。また主演女優賞は昨年涙をのんだエレン・バースティンが3度目のノミネートで受賞した。授賞式当日はニューヨークで舞台に立っていたためマーティン・スコセッシ監督が代理でオスカーを受け取っている。

★ アカデミー賞授賞式の最中に論争が起こってしまった。事の発端は『ハーツ・アンド・マインズ』で長編ドキュメンタリー賞を受賞した際、製作者バート・シュナイダーの発言である。『ハーツ〜』はベトナム戦争におけるアメリカ人の醜悪ぶりを描いた作品。監督のピーター・デイヴィスとともにステージにあがったシュナイダーはベトナム情勢について意見を述べた後、「パリ調停をベトナムへ適用させるべく尽力して下さったアメリカの友人たちに私たちの感謝の気持ちをお伝えください。これらの行動は、アメリカ国民とベトナム国民共通の公益に奉仕するものと信じます」というベトコンのリーダーからの電報を読み上げた。拍手とブーイングが入り乱れてその場は終わった。だが露骨なプロパガンダに視聴者からの苦情が殺到。式が後半に及んだとき、司会のフランク・シナトラが「アカデミーは一切の政治的配慮を除外しているので、今夜、授賞式の席上で起こった不祥事をお詫びします」とアカデミーの名で読み上げたことで話がもつれてしまった。この声明はボブ・ホープが書き上げ、プロデューサーの許可を得てシナトラが読み上げたものであった。その後、世界中に中継される授賞式を政治目的で利用することの是非について翌年まで尾をひく激しい論争が沸き起こったが、結局会員の良識に委ねることになった。なお、この作品が日本で劇場公開されたのは36年後の2010年6月19日である。

Hearts and Minds trailer



★ ギスギスした授賞式の雰囲気をなごませたのはイングリッド・バーグマンだった。彼女は名誉賞受賞のジャン・ルノアールの代理として一度ステージに立ち、その後『オリエント急行殺人事件』の演技で助演女優賞を受賞した。
「オスカーをいただくのはうれしいことです。でもオスカーは忘れっぽい人ですね。タイミングをつかむのも下手。去年一番の名演技は『アメリカの夜』のヴァレンティナ・コルテーゼだってことはみんな知っているはずなのに。」バーグマンはひたすらヴァレンティナの演技を褒め称え、「ごめんなさいね、ヴァレンティナ。勝つつもりはなかったの」とバーグマンが言えばヴァレンティナは「とんでもない」と手を横にふり、アカデミー賞史上に残る名場面となった。この後バーグマンは「2度も主演女優賞をとっているあなたが一段下の賞を受けることに抵抗はなかったか?」という記者からの質問に対し「もちろんありません。私がひょっとしたら歌曲賞をもらうことだってあるかもしれないでしょう」と切り返した。イングリッド・バーグマンはアカデミー賞に最も愛されたスターのひとりであろう。

↓大女優の貫禄を感じます。やっぱりバーグマンはいいですね!


第47回(1974年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「ゴッドファーザーPART II
   「チャイナタウン
   「カンバセーション…盗聴…
   「レニー・ブルース
   「タワーリング・インフェルノ

主演男優賞
 アート・カーニー 「ハリーとトント
   アルバート・フィニー 「オリエント急行殺人事件
   ダスティン・ホフマン 「レニー・ブルース」
   ジャック・ニコルソン 「チャイナタウン」
   アル・パチーノ 「ゴッドファーザーPART II」

主演女優賞
  エレン・バースティン 「アリスの恋
   ダイアン・キャロル 「愛しのクローディン」
   フェイ・ダナウェイ 「チャイナタウン」
   ヴァレリー・ペリン 「レニー・ブルース」
   ジーナ・ローランズ 「こわれゆく女

助演男優賞
  ロバート・デ・ニーロ 「ゴッドファーザーPART II」
   フレッド・アステア 「タワーリング・インフェルノ」
   ジェフ・ブリッジス 「サンダーボルト
   マイケル・V・ガッツォ 「ゴッドファーザーPART II」
   リー・ストラスバーグ 「ゴッドファーザーPART II」



助演女優賞
 イングリッド・バーグマン 「オリエント急行殺人事件」
   ヴァレンティナ・コルテーゼ 「映画に愛をこめて アメリカの夜
   マデリーン・カーン 「ブレージングサドル
   ダイアン・ラッド 「アリスの恋」
   タリア・シャイア 「ゴッドファーザーPART II」

監督賞
 フランシス・フォード・コッポラ 「ゴッドファーザーPART II」
   ジョン・カサヴェテス 「こわれゆく女」
   ボブ・フォッシー 「レニー・ブルース」
   ロマン・ポランスキー 「チャイナタウン」
   フランソワ・トリュフォー 「映画に愛をこめて アメリカの夜」

脚本賞
<オリジナル脚本>
 「チャイナタウン」
   「アリスの恋」
   「カンバセーション…盗聴…」
   「ハリーとトント」
   「映画に愛をこめて アメリカの夜」

<脚色>
 「ゴッドファーザーPART II」
   「THE APPRENTICESHIP OF DUDDY KRAVITZ」
   「レニー・ブルース」
   「オリエント急行殺人事件」
   「ヤング・フランケンシュタイン」

撮影賞
 「タワーリング・インフェルノ」
   「チャイナタウン」
   「大地震
   「レニー・ブルース」
   「オリエント急行殺人事件」

美術監督・装置賞
  「ゴッドファーザーPART II」
   「チャイナタウン」
   「大地震」
   「地球の頂上の島」
   「タワーリング・インフェルノ」

音響賞
 「大地震」
   「チャイナタウン」
   「カンバセーション…盗聴…」
   「タワーリング・インフェルノ」
   「ヤング・フランケンシュタイン」

編集賞
  「タワーリング・インフェルノ」
   「ブレージングサドル」
   「チャイナタウン」
   「大地震」
   「ロンゲスト・ヤード

劇映画作曲賞
 「ゴッドファーザーPART II」
   「チャイナタウン」
   「オリエント急行殺人事件」
   「SHANKS」
   「タワーリング・インフェルノ」

編曲・歌曲賞
 「華麗なるギャツビー
   「星の王子さま
   「ファントム・オブ・パラダイス

歌曲賞
 「タワーリング・インフェルノ/愛のテーマ」 We May Never Love Like This Again 
   (タワーリング・インフェルノ)
   「Benji's Theme(I Feel Love)」 (ベンジー)
   「Blazing Saddles」 (ブレージングサドル)
   「Little Prince」 (星の王子さま)
   「Wherever Love Takes Me」 (ゴールド) 

衣装デザイン賞
 「華麗なるギャツビー」
   「チャイナタウン」
   「デイジー・ミラー」
   「ゴッドファーザーPART II」
   「オリエント急行殺人事件」

短編賞
<アニメ>
 「CLOSED MONDAYS」
   「THE FAMILY THAT DWELT APART」
   「HUNGER」
   「VOYAGE TO NEXT」
   「プーさんと虎」

<実写>
 「ONE EYED MEN ARE KINGS」
   「CLIMB」
   「THE CONCERT」
   「PLANET OCEAN」
   「THE VIOLIN」
   「WINNIE THE POOH AND TIGER TOO」


ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「DON'T」
   「CITY OUT OF WILDERNESS」
   「EXPLORATORIUM」
   「JOHN MUIR'S HIGH SIERRA」
   「NAKED YOGA」

<長編>
 「ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実
   「ANTONIA:A PORTRAIT OF THE WOMAN」
   「THE CHALLENGE-A TRIBUTE TO MODERN ART」
   「THE 81ST BLOW」
   「THE WIND AND THE BRAVE」

外国語映画賞
 「フェリーニのアマルコルド」 (イタリア)
   「CATSPLAY」 (ハンガリー)
   「遠雷」 (ポーランド)
   「ルシアンの青春」(フランス)
   「THE TRUCE」 (アルゼンチン)

名誉賞
 ハワード・ホークス
   (世界映画の中に顕著な地位を確立したアメリカ映画の巨匠)
 ジャン・ルノワール
   (世界の賞賛を得た無声映画、トーキー、長編、ドキュメンタリー、TVまでの優美、真摯な才能)

特別業績賞
<視覚効果>
 フランク・フレンダル、アルバート・ウィットロック、グレンロビンソン(大地震)

ジーン・ハーショルト友愛賞
 アーサー・B・クリム

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2009.01.30 Friday | 21:31 | アカデミー賞の軌跡 | comments(2) | - |

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2017.04.17 Monday | 21:31 | - | - | - |

コメント

いよいよ次回は、自分が生まれた年です。
こうやって考えると、アカデミー賞は、やはり、非常に歴史も権威もあるものですよね。
一つずつ観ていっても、何十日もかかるんですから・・・
まだまだ観たい作品がたくさん残ってるのは、ラッキーかもしれないです。
2009/01/31 4:14 PM by
亮さん、こんばんわ。
ただいま1975年をアップしました!

そろそろお馴染みの映画タイトルが登場してくるころです。
例えば『ロッキー』を知らない人はいないと思いますが
もう32年前の映画なんですね...。

僕もこの特集のためにリサーチをしていく過程で、観たくなった映画がたくさんあります。
気乗りのしない新作を何となく見るくらいなら、旧作に走ることをお勧めします(笑)
2009/01/31 10:52 PM by moviepad

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