映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

<< 第44回(1971年)アカデミー賞 | TOP | 第46回(1973年)アカデミー賞 >>

第45回(1972年)アカデミー賞

第45回(1972年)アカデミー賞

45回アカデミー賞作品賞「ゴッドファーザー」第45回アカデミー賞trivia
〜マーロン・ブランド、ハリウッドに反抗して受賞拒否〜

★ 作品賞は8部門にノミネートされていた『ゴッドファーザー』が興行的大ヒットも後押しし大量受賞が予想されたが、獲得したのは作品、主演男優、監督賞の3部門のみ。一方10部門ノミネートされてはいたものの対抗馬であった『キャバレー』が監督、主演女優、助演男優ら8部門を獲得。受賞数では『ゴッドファーザー』を断然上回る番狂わせが起きた。これは作品賞を受賞しなかった作品としては最多受賞記録である。

"The Godfather" producer Albert S. Ruddy winning the OscarR for Best Picture at the 45th Annual Academy AwardsR in 1973



★ 主演男優賞は『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランドが本命視されており、授賞式前日にもアカデミー会長ダニエル・タラダッシュらが電話で出席を要請していたが、ブランドは電話に出ず、返事もしなかった。受賞はやはりブランドだったが、彼は欠席していた。ここで新たな問題が起こる。代理人と評してサチーン・リトルフェザーというインディアン女性がステージにあがり、プレゼンターのリブ・ウルマンとロジャー・ムーアを戸惑わせた。リトルフェザーはブランドのメッセージを代読する。
"ハリウッドはこれまでインディアンを悪者として取り扱っており、テレビ放映、劇場再公開の際のインディアンの扱いが不当"、"ウンデット・ニー監禁事件"に抗議するため" 受賞を拒否するという内容で「もし同胞を守れないとしても、せめてわれわれはその執行者とならないようにしようではないか」という言葉で結ばれていた。



会場は大ブーイングが起こった。少なくても自分で受賞を拒否すべきという批判もわきおこったが、"人種差別に反対するオガラ・ラ・スー族の抗議を支援するために、ウンデット・ニーに向かう途中だから"というブランドの欠席理由である。「ブランドのスタンド・プレイ」「インディアンはこんな形の友情を望んでいない」と俳優仲間や芸能マスコミは批判したが、ブランドをよく知っている人はこの行動を驚かなかったという。なおブランドの代理人をつとめたサチーン・リトルフェザーという女性はミス・ヴァンパイアUSAに選ばれたことがあるマリア・クルズという女優であることが判明し、さらに顰蹙を買った。

受賞により"過去の人"となりつつあったブランドのギャラははねあがったが、これ以降ブランドはアカデミー賞とはほとんど無縁となる。ブランドの受賞は取り消されず、オスカー像はアカデミー事務局に保管されている。

★ ニーノ・ロータ作曲の『ゴッドファーザー』のテーマ曲は大反響を呼んだが、オリジナルではなく、ニーノ・ロータが1959年のイタルア映画『フォルチュネッラ』(日本未公開)に書いた曲の再使用であることが判明したため、候補から外されている。

★ 「1月1日から12月31日までロサンゼルス地区で1週間以上連続して興行された35ミリ、または70ミリ作品。」これがアカデミー賞のノミネート対象となる作品である。
チャップリンの『ライムライト』は1952年にニューヨークでは公開されていたものの、ロサンゼルス地域では前年の授賞式の後、ようやく初公開となった。『ライムライト』はこの年はじめてアカデミー賞の対象となり、見事作曲賞を受賞している。

★ 『ビリー・ホリデイ物語』のダイアナ・ロスと『サウンダー』のシシリー・タイソンの2人の黒人女優が主演女優賞にノミネートされ注目を浴びた。ダイアナ・ロスはかなり有力といわれていたが、映画製作に進出したばかりのモータウン・レコードらの過剰な宣伝キャンペーンが裏目に出て敗れてしまった。受賞は『キャバレー』のライザ・ミネリ。ミネリは記者会見で「これは亡き母の生涯の夢でした。今私は母がなしえなかった夢をはたしたのです」と目に涙をあふれさせながら語った。母とはいうまでもなくジュディ・ガーランドのこと。ガーランドは2度ノミネートされたが受賞ははたせずその失意から立ち直れないまま1969年6月29日、47歳の若さで他界していた。このとき、ライザ・ミネリは「葬儀はハリウッドでするように」という周囲の助言を断り、ニューヨークで葬儀を行った経緯がある。「ママはハリウッドを憎んでいたから」がその理由だった。




第45回(1972年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「ゴッドファーザー
   「キャバレー
   「脱出
   「移民者たち」
   「サウンダー」

主演男優賞
 マーロン・ブランド 「ゴッドファーザー」 ※受賞拒否
   マイケル・ケイン 「探偵<スルース>」
   ローレンス・オリヴィエ 「探偵<スルース>」
   ピーター・オトゥール 「THE RULING CLASS」
   ポール・ウィンフィールド 「サウンダー」

主演女優賞
  ライザ・ミネリ 「キャバレー」
   ダイアナ・ロス 「ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実
   マギー・スミス 「TRAVELS WITH MY AUNT」
   シシリー・タイソン 「サウンダー」
   リヴ・ウルマン 「移民者たち」

助演男優賞
  ジョエル・グレイ 「キャバレー」
   エディ・アルバート 「ふたり自身」
   ジェームズ・カーン 「ゴッドファーザー」
   ロバート・デュヴァル 「ゴッドファーザー」
   アル・パチーノ 「ゴッドファーザー」

助演女優賞
 アイリーン・ヘッカート 「バタフライはフリー」
   ジーニー・バーリン 「ふたり自身」
   ジェラルディン・ペイジ 「おかしな結婚」
   スーザン・ティレル 「ゴングなき戦い」
   シェリー・ウィンタース 「ポセイドン・アドベンチャー



監督賞
 ボブ・フォッシー 「キャバレー」
   ジョン・ブアマン 「脱出」
   ヤン・トロエル 「移民者たち」
   フランシス・フォード・コッポラ 「ゴッドファーザー」
   ジョセフ・L・マンキウィッツ 「探偵<スルース>」

脚本賞
<脚色>
  「ゴッドファーザー」
   「キャバレー」
   「移民者たち」
   「おかしな結婚」
   「サウンダー」

<オリジナル脚本>
 「候補者ビル・マッケイ
   「ブルジョワジーの秘かな愉しみ
   「ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実」
   「好奇心
   「戦争と冒険」

撮影賞
 「キャバレー」
   「バタフライはフリー」
   「ポセイドン・アドベンチャー」
   「1776」
   「TRAVELS WITH MY AUNT」

美術監督・装置賞
  「キャバレー」
   「ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実」
   「ポセイドン・アドベンチャー」
   「TRAVELS WITH MY AUNT」
   「戦争と冒険」

音響賞
 「キャバレー」
   「バタフライはフリー」
   「候補者ビル・マッケイ」
   「ポセイドン・アドベンチャー」
   「ゴッドファーザー」

編集賞
  「キャバレー」
   「脱走」
   「ゴッドファーザー」
   「ホット・ロック」
   「ポセイドン・アドベンチャー」

劇映画作曲賞
 「ライムライト
   「ポセイドン・アドベンチャー」
   「イメージズ
   「NAPOLEON AND SAMANTHA」
   「探偵<スルース>」

編曲・歌曲賞
 「キャバレー」
   「ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実」
   「ラ・マンチャの男

歌曲賞
  「モーニング・アフター」The Morning After (ポセイドン・アドベンチャー)
   「Ben」 (ベン)
   「Come Follow,Follow Me」 (THE LITTLE ARK)
   「小さな愛のワルツ」Marmalade,Molasses & Honey (ロイ・ビーン
   「Strange Are the Ways of Love」 (THE STEPMOTHER) 

衣装デザイン賞
 「TRAVELS WITH MY AUNT」
   「ゴッドファーザー」
   「ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実」
   「ポセイドン・アドベンチャー」
   「戦争と冒険」

短編賞
<アニメ>
 「A CHRISTMAS CAROL」
   「KAME SUTRA SIDES AGEIN」
   「タップ タップ」

<実写>
 「NORMAN ROCKWELL'S WORLD...AN AMERICAN DREAM」
   「FROG STORY」
   「SOLO」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「THIS TINY WORLD」
   「HUNDERTWASSER'S RAINY DAY」
   「K-Z」
   「SELLING OUT」
   「THE TIDE OF TRAFFIC」

<長編>
 「MARJOE」
   「ドキュメンタリー マルコムX」
   「シャロン・テート殺人事件」
   「THE SILENT REVOLUTION」
   「APE AND SUPER APE」

外国語映画賞
 「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」(フランス)
   「I LOVE YOU ROSA」(イスラエル)
   「MY DEAREST SENORITA」(スペイン)
   「朝焼けは静かなれど・・・」(ソ連)
   「THE NEW LAND」(スウェーデン)

名誉賞
 チャールズ・S・ボーレン
   (映画界で38年間にわたり労使問題の推進者であり人種差別廃止の推進者)
 エドワード・G・ロビンソン
   (演技者、芸術の支援者、献身的な市民としての偉大なルネッサンス人間であることに)

特殊業績賞 (視覚効果)
   L.B.アボット、A.D.フラワーズ(ポセイドン・アドベンチャー)

ジーン・ハーショルト友愛賞
 ロザリンド・ラッセル



人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!
2009.01.29 Thursday | 22:43 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

スポンサーサイト


2017.03.28 Tuesday | 22:43 | - | - | - |

コメント

コメントする









▲top