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第37回(1964年)アカデミー賞

第37回(1964年)アカデミー賞

37回アカデミー賞作品賞「マイ・フェア・レディ」第37回アカデミー賞trivia
〜 ロンドンを舞台にしたミュージカル対決!〜

★ 12部門ノミネートの『マイ・フェア・レディ』と13部門ノミネートの『メリー・ポピンス』の対決が注目された。良作ともロンドンを舞台にしたミュージカル映画である。結果は『マイ・フェア〜』が作品・監督賞を含む8部門、『メリー〜』は5部門の受賞で『マイ・フェア・レディ』の勝利。監督のジョージ・キューカーも5度目のノミネートで初受賞となった。ちなみに興行成績では『メリー・ポピンス』が『マイ・フェア・レディ』をはるかに上回っている。

★ 前年以上にイギリス勢が好調。司会のボブ・ホープは「皆さん、テムズ河畔のサンタ・モニカにようこそお越しくださいました」と挨拶し、ラスト「敗れた皆さんよ。これから手をつないでイギリス大使館にデモろうじゃありませんか」で締めくくっている。1964年は「007」シリーズ、そしてビートルズ映画が世界中で大ヒットした年でもあった。

オードリー・ヘブバーンとジュリー・アンドリュース★ 『マイ・フェア・レディ』はジュリー・アンドリュースが主演をつとめたブロードウェイ舞台を映画化したもの。ワーナーの社長ジャック・L・ワーナーは映画化に対し「ジュリー・アンドリュースの名声は舞台だけ。国際的知名度は低い」として彼女を起用せず、イライザ役にはオードリー・ヘブバーンを指名した。オードリーの演技は好評だったが、歌がマーニ・ニクソンによる吹き替えだったためか主演女優賞にノミネートされなかった。これには異議も多く、オードリーを候補に加えようとする動きもあったがアカデミーは「ノミネート者以外への投票は無効」と忠告しその動きは収まった。受賞式当日、アカデミー会長グレゴリー・ペックの要請でオードリーは主演男優賞のプレゼンターをつとめ、共演者レックス・ハリスンにオスカー像を手渡した。ハリスンは「私の2人の"フェア・レディーズ"に心から感謝をします」とのべ、ジュリー・アンドリュースへの気遣いを見せた。そして主演女優賞はそのジュリー・アンドリュースが『メリー・ポピンズ』で受賞。ワーナーが間違ったキャスティングをしたことへのお詫びとも評された。イギリス出身のアンドリュースは「アメリカの方が親切だということは知っていましたけど、私にこの名誉をくださるなんて。みなさん、これは本当なんですね」とスピーチしている。テレビ・カメラはオードリーに抱擁されてひどく動揺するジュリー・アンドリュースの姿をしっかりと捕らえた。

 マーニ・ニクソンはメゾ・ソプラノ歌手。『マイ・フェア・レディ』のオードリーのほか『王様と私』のデボラ・カー、『南太平洋』のミッツィ・ゲイナー、『ウェスト・サイド物語』のナタリー・ウッドなどを吹き替え『サウンド・オブ・ミュージック』ではソフィア尼の役で出演もはたしている。





★ 助演男優賞は英国俳優ピーター・ユスティノフが『トプカピ』で受賞。4年前の『スパルカタス』に続いて2度目の受賞となった。また助演女優賞は『ふるえて眠れ』のアグネス・ムーアヘッドが本命視されていたが、 受賞者は『その男ゾルバ』のリラ・ケドロヴァ であった。ケドロヴァはレニングラード生まれで、パリの舞台を中心に活躍した女優。はじめての英語演技での受賞だった。結局、演技賞は4人とも外国人の手に渡った。

★ ハリウッド映画の撮影中だったクラウディア・カルディナーレアラン・ドロンも授賞式にやってきた。まだ、ドロンはハリウッドでは無名で「あのハンサムなフレンチ・ガイは誰?」という囁きがもれた。司会のボブ・ホープがドロンの経歴を紹介した後、ドロンは特殊視覚効果賞のプレゼンターをつとめた。


第37回(1964年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「マイ・フェア・レディ
   「ベケット」
   「博士の異常な愛情
   「メリー・ポピンズ
   「その男ゾルバ

主演男優賞
 レックス・ハリソン 「マイ・フェア・レディ」
   リチャード・バートン 「ベケット」
   ピーター・オトゥール 「ベケット」
   アンソニー・クイン 「その男ゾルバ」
   ピーター・セラーズ 「博士の異常な愛情」

主演女優賞
  ジュリー・アンドリュース 「メリー・ポピンズ」
   アン・バンクロフト 「女が愛情に渇くとき」
   ソフィア・ローレン 「ああ結婚
   デビー・レイノルズ 「不沈のモリー・ブラウン」
   キム・スタンレー 「雨の午後の降霊祭

助演男優賞
  ピーター・ユスティノフ 「トプカピ」
   ジョン・ギールグッド 「ベケット」
   スタンリー・ホロウェイ 「マイ・フェア・レディ」
   エドモンド・オブライエン 「五月の七日間」
   リー・トレイシー 「最後の勝利者」

助演女優賞
 リラ・ケドロヴァ 「その男ゾルバ」
   グラディス・クーパー 「マイ・フェア・レディ」
   イーディス・エヴァンス 「ドーヴァーの青い花」
   グレイソン・ホール 「イグアナの夜
   アグネス・ムーアヘッド 「ふるえて眠れ

Lila Kedrova winning Best Supporting Actress

監督賞
 ジョージ・キューカー 「マイ・フェア・レディ」
   マイケル・カコヤニス 「その男ゾルバ」
   ピーター・グレンヴィル 「ベケット」
   スタンリー・キューブリック 「博士の異常な愛情」
   ロバート・スティーヴンソン 「メリー・ポピンズ」

脚本賞
<脚色>
  「ベケット」
   「博士の異常な愛情」
   「メリー・ポピンズ」
   「マイ・フェア・レディ」
   「その男ゾルバ」

<オリジナル脚本>
 「がちょうのおやじ」
   「ビートルズがやって来る/ヤァ!ヤァ!ヤァ!
   「わかれ道」
   「明日に生きる」
   「リオの男」

撮影賞
<白黒>
 「その男ゾルバ」
   「不時着」
   「ふるえて眠れ」
   「イグアナの夜」
   「卑怯者の勲章」

<カラー>
 「マイ・フェア・レディ」
   「ベケット」
   「シャイアン」
   「メリー・ポピンズ」
   「不沈のモリー・ブラウン」

美術監督・装置賞
<白黒>
  「その男ゾルバ」
   「卑怯者の勲章」
   「ふるえて眠れ」
   「イグアナの夜」
   「五月の七日間」

<カラー>
 「マイ・フェア・レディ」
   「ベケット」
   「メリー・ポピンズ」
   「不沈のモリー・ブラウン」
   「何という行き方!

音響賞
 「マイ・フェア・レディ」
   「ベケット」
   「がちょうのおやじ」
   「メリー・ポピンズ」
   「不沈のモリー・ブラウン」

編集賞
  「メリー・ポピンズ」
   「ベケット」
   「がちょうのおやじ」
   「ふるえて眠れ」
   「マイ・フェア・レディ」

特殊視覚効果賞
  「メリー・ポピンズ」
   「ラオ博士の7つの顔」

音響効果賞
  「007/ゴールドフィンガー
   「若さでブッ飛ばせ!」

Norman Wanstall winning the OscarR for Sound Effects for "Goldfinger"

作曲賞
 「メリー・ポピンズ」
   「ベケット」
   「ローマ帝国の滅亡
   「ふるえて眠れ」
   「ピンクの豹

編曲賞
 「マイ・フェア・レディ」
   「ビートルズがやって来る/ヤァ!ヤァ!ヤァ!」
   「メリー・ポピンズ」
   「七人の愚連隊
   「不沈のモリー・ブラウン」

歌曲賞
  「チム・チム・チェリー」Chim Chim Cheree (メリー・ポピンズ)
   「Dear Heart」 (ニューヨークの恋人)
   「Hush...Hush,Sweet Charlotte」 (ふるえて眠れ)
   「わが町シカゴ」 My Kind of Town (七人の愚連隊)
   「Where Love Has Gone」 (愛よいずこへ) 

衣装デザイン賞
<白黒>
 「イグアナの夜」
   「禁じられた家」
   「ふるえて眠れ」
   「彼氏はトップレディ」
   「訪れ」

<カラー>
 「マイ・フェア・レディ」
   「ベケット」
   「メリー・ポピンズ」
   「不沈のモリー・ブラウン」
   「何という行き方!」

短編賞
<カートゥーン>
 「ピンクの豹・ペンキ騒動の巻」
   「NUDNIK#2」
   「クリスマス・クラッカー」
   「HOW TO AVOID FRIENDSHIP」

<実写>
 「CASALS CONDUCTS:1964」
   「HELP!MY SNOWMAN'S BURNING DOWN」
   「THE LEGEND OF JIMMY BLUE EYES」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「NINE FROM LITTLE ROCK」
   「BREAKING THE HABIT」
   「CHILDREN WITHOUT」
   「KENOJUAK」
   「140 DAYS UNDER THE WOLRD」

<長編>
 「太陽のとどかぬ世界
   「THE FINEST HOURS」
   「FOUR DAYS IN NOVEMBER」
   「THE HUMAN DUTCH」
   「OVER THERE,1914-18」

外国語映画賞
 「昨日・今日・明日」 (イタリア)
   「砂の女」(日本)
   「シェルブールの雨傘」 (フランス)
   「KVARTERET KORPEN(RAVEN'S END)」(スウェーデン)
   「SALLAH」(イスラエル)

名誉賞
 ウィリアム・タトル
   (「ラオ博士の七つの顔」のメイク・アップにたいして)

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2009.01.25 Sunday | 23:17 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

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2017.11.23 Thursday | 23:17 | - | - | - |

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