映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

<< 第34回(1961年)アカデミー賞 | TOP | 第36回(1963年)アカデミー賞 >>

第35回(1962年)アカデミー賞

第35回(1962年)アカデミー賞

35回アカデミー賞作品賞「アラビアのロレンス」第35回アカデミー賞trivia
〜ジョーン・クロフォードがベティ・デイヴィスに復讐! 〜

★ 1962年8月5日、マリリン・モンローが多くの謎を残したまま死を迎えた。かつてハリウッドをにぎわした大物プロデューサーたちも大半が姿を消してしまっている状態で、モンローの死はハリウッド黄金時代の最後を飾る伝説だと言われている。

★ 過去4度ノミネートされていたが受賞に恵まれなかったグレゴリー・ペックが12年ぶりに主演男優賞ノミネートを受けた。差別と戦うフィンチ弁護士を演じた『アラバマ物語』で受賞をはたし、47歳にして大根役者の汚名を返上した。 アティカス・フィンチ役は003年のAFI(アメリカ映画協会)が発表した「最も偉大な映画ヒーロー」ではインディ・ジョーンズ、ジエームズ・ポンドらを抑え、見事1位を獲得している。役柄同様にリベラルな発言で知られていたペックには政界進出の噂が絶えなかった。



★ 主演女優賞はリー・レミックをのぞく4人がそれぞれ本命と言われる大混戦。複数受賞もありうると言い出す新聞記者もいたため、アカデミーでは全員の分のオスカー像を準備していたという。ウィナーは『奇跡の人』で盲目の女教師を演じたアン・バンクロフト。舞台と同じ役を演じての受賞で、授賞式の日もブロードウェイ舞台『肝ったまおっかあ』に出演中だったため、大女優ジョーン・クロフォードが代理でオスカー像を受け取った。

代理でステージにあがることはクロフォードが練りに練った策略だった。『何がジェーンに起こったか』で共演したベティ・デイヴィスだけがノミネートを受け、自分は無視されたことが面白くなかったのだ。かつ撮影中ベティ・デイヴィスはクロフォードに対して「主役は自分よ」という態度をとり続けていた。デイヴィスへの復讐はただひとつ。彼女が欲しがっているオスカーを自分が手にすることである。他のノミネート者に「もし欠席するなら私を代理にしてください」という手紙を書いた。特に授賞式欠席が確実なバンクロフトに攻勢をかけ、公式の場で「"奇跡の人"のアン・バンクロフトの演技はすばらしい」という褒め言葉を繰り返した。そして策略は見事的中。バンクロフトが受賞者だった。クロフォードは気を落としている"共演者"ベティ・デイヴィスの肩に手をかけたあと、ステージにあがった。ハリウッドの黄金時代を生き抜いた大女優ジョーン・クロフォードの登場で会場は拍手に包まれた。3年前にペプシ・コーラの社長であった夫をなくしたクロフォードは当時同社の副社長。楽屋に2台のペプシ・コーラ冷却器を準備して、受賞者や関係者にペプシ、酒、チーズなどを配るなど女王のようにふるまっていた。翌日の新聞は「主役はジョーン・クロフォード!」と書きたて、まるで彼女がオスカーを受賞したかのような雰囲気すら醸し出していた。



あのベティ・デイヴィスがこれに黙っているわけがない。『何がベティに起こったか?』のヒットに気をよくしたロバート・アルドリッチ監督が『ふるえて眠れ』という映画で再び2人の共演を企画したがデイヴィスはこれを拒否。相手役をオリヴィア・デ・ハビラントに変更させた。それから23年後TV番組のインタビューでデイヴィスは「"ジェーン"のときはあのペプシ・コーラの女が私からオスカーを奪い取った。あの女は自分が受賞した気になってアン・バンクロフトに1年もオスカーを渡さなかったそうよ。自分のオスカーでもないのにバカな女よ」と吐き捨てたという。


第35回(1962年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「アラビアのロレンス
   「史上最大の作戦
   「THE MUSIC MAN」
   「戦艦バウンティ」
   「アラバマ物語

主演男優賞
 グレゴリー・ペック 「アラバマ物語」
   バート・ランカスター 「終身犯
   ジャック・レモン 「酒とバラの日々
   マルチェロ・マストロヤンニ 「イタリア式離婚狂想曲」
   ピーター・オトゥール 「アラビアのロレンス」

主演女優賞
  アン・バンクロフト 「奇跡の人
   ベティ・デイヴィス 「何がジェーンに起ったか?
   キャサリン・ヘプバーン 「LONG DAY'S JOURNEY INTO NIGHT」
   ジェラルディン・ペイジ 「渇いた太陽
   リー・レミック 「酒とバラの日々」

助演男優賞
  エド・ベグリー 「渇いた太陽」
   ヴィクター・ブオノ 「何がジェーンに起ったか?」
   テリー・サヴァラス 「終身犯」
   オマー・シャリフ 「アラビアのロレンス」
   テレンス・スタンプ 「奴隷戦艦」

助演女優賞
 パティ・デューク 「奇跡の人」
   メアリー・バダム 「アラバマ物語」
   シャーリー・ナイト 「渇いた太陽」
   アンジェラ・ランズベリー 「影なき狙撃者
   セルマ・リッター 「終身犯」



監督賞
 デヴィッド・リーン 「アラビアのロレンス」
   ピエトロ・ジェルミ 「イタリア式離婚狂想曲」
   ロバート・マリガン 「アラバマ物語」
   アーサー・ペン 「奇跡の人」
   フランク・ペリー 「リサの瞳のなかに」

脚本賞
<脚色>
 「アラバマ物語」
   「アラビアのロレンス」
   「リサの瞳のなかに」
   「奇跡の人」
   「ロリータ」 

<オリジナル脚本>
 「イタリア式離婚狂想曲」
   「フロイド/隠された欲望」
   「ミンクの手ざわり」
   「去年マリエンバートで」
   「鏡の中にある如く

撮影賞
<白黒>
 「史上最大の作戦」
   「終身犯」
   「アラバマ物語」
   「すれちがいの街角」
   「何がジェーンに起ったか?」

<カラー>
 「アラビアのロレンス」
   「ジプシー」
   「ハタリ!
   「戦艦バウンティ」
   「不思議な世界の物語」

美術監督・装置賞
<白黒>
  「アラバマ物語」
   「酒とバラの日々」
   「史上最大の作戦」
   「PERIOD OF ADJUSTMEN」
   「ローマを占領した鳩」

<カラー>
 「アラビアのロレンス」
   「戦艦バウンティ」
   「THE MUSIC MAN」
   「ミンクの手ざわり」
   「不思議な世界の物語」

音響賞
 「アラビアのロレンス」
   「THE MUSIC MAN」
   「パリよ、こんにちは!」
   「ミンクの手ざわり」
   「何がジェーンに起ったか?」

編集賞
  「アラビアのロレンス」
   「史上最大の作戦」
   「影なき狙撃者」
   「THE MUSIC MAN」
   「戦艦バウンティ」

特殊効果賞
  「史上最大の作戦」
   「戦艦バウンティ」

作曲賞
 「アラビアのロレンス」
   「フロイド/隠された欲望」
   「戦艦バウンティ」
   「隊長ブーリバ
   「アラバマ物語」

編曲賞
 「THE MUSIC MAN」
   「ジャンボ」
   「ジゴ」
   「ジプシー」
   「不思議な世界の物語」

歌曲賞
  「酒とバラの日々」Days of Wine and Roses (酒とバラの日々)
   「Love Song from Mutiny on the Bounty(Follow Me)」 (戦艦バウンティ)
   「Song from Two for the Seesaw(Second Chance)」 (すれちがいの街角)
   「Tender is the Night」 (夜は帰って来ない)
   「Walk on the Wild Side」 (荒野を歩け) 

衣装デザイン賞
<白黒>
 「何がジェーンに起ったか?」
   「酒とバラの日々」
   「リバティ・バランスを射った男
   「奇跡の人」
   「死んでもいい」

<カラー>
 「不思議な世界の物語」
   「ジプシー」
   「THE MUSIC MAN」
   「パリよ、こんにちは!」
   「青い目の蝶々さん」

短編賞
<カートゥーン>
 「THE HOLE」
   「イカロス」
   「NOW HEAR THIS」
   「SELF DEFENSE FOR COWARDS」
   「SYMPOSIUM ON POPULAR SONGS」

<実写>
 「結婚記念日」
   「BIG CITY BLUES」
   「THE CADILLAC」
   「THE CLIFF DWELLERS(ONE PLUS ONE)」
   「PAN」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「DYLAN THOMAS」
   「THE JOHN GLENN STORY」
   「THE ROAD TO THE WALL」

<長編>
 「THE BLACK FOX」
   「ALVORADA(BRAZIL'S CHANGING FACE)」

外国語映画賞
 「シベールの日曜日」 (フランス)
   「エレクトラ」 (ギリシャ)
   「祖国は誰のものぞ」 (イタリア)
   「サンタ・バルバラの誓い」 (ブラジル)
   「TLAYUCAN」(メキシコ)

ジーン・ハーショルト友愛賞
 スティーヴ・ブロイディ

人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!
2009.01.24 Saturday | 22:35 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

スポンサーサイト


2018.06.24 Sunday | 22:35 | - | - | - |

コメント

コメントする









▲top