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第31回(1958年)アカデミー賞

第31回(1958年)アカデミー賞

31回アカデミー賞作品賞「恋の手ほどき」第31回アカデミー賞trivia
〜不作の年なのに最多受賞記録更新?〜

★ 1955年12月、マーサー・ルーサー・キング牧師を中心に黒人のバス・ボイコット運動が起こったのをきっかけに各地で黒人問題が勃発している最中。白人と黒人が手錠でつながれたまま脱獄するという「手錠のまゝの脱獄」は時代の空気を反映した作品で、シドニー・ポワチエが黒人初の主演男優賞ノミネートとなるなど作品、監督賞等7部門にノミネートされたが、受賞は脚本、撮影の2部門にとどまった。なお脚本賞のひとりネイサン・E・ダグラスは赤狩りによるブラックリストのひとり"ネドリック・ヤング"の変名であった。アカデミー理事会は迷った末、ノミネート発表6週間前に「ブラックリスト組は受賞資格を持たない」という規則を取り消し、「作品そのものの業績に名誉を与える」と改めた。プロデューサーについては解除されていなかったが、10年に及ぶハリウッドの赤狩り問題に一応の終止符が打たれることになった。


★ 作品賞は本命なき争いと言われていたが、ふたをあければミュージカル『恋の手ほどき』が9部門を受賞し最多受賞記録を更新した。いくら不作の年とはいえ『恋のてほどき』程度の作品が大量受賞?といぶかしがる声も多数聞かれた。この作品のプロデューサーは『巴里のアメリカ人』など多数の作品を手がけたアーサー・フリード。彼がこれを最後に引退すると表明していたことが主な受賞理由と思われる。実はフリード『恋の手ほどき』以降も3本ほど製作しているのだが...。



★ 主演女優賞は、5回目のノミネートであるデボラ・カー、スーザン・ヘイワード、4回目のロザリンド・ラッセルという"無冠の女王"の争いとなった。受賞はスーザン・ヘイワード。演技派というよりは熱演タイプの女優だった。ヘイワードは勝気な性格で「オスカーが欲しい」と広言しており、『私は死にたくない』の死刑囚は「この役ならオスカーが取れる」ため意欲的にのぞんだ役だった。ヘイワードは「今まではオスカーのために仕事をしてきたけど、これからは演技を楽しみ、お金をじゃんじゃん稼ぐわ」と語ったが、その言葉のとおりオスカー獲得後はB級映画に出まくり女優としての評価を落とすばかりとなった。

Susan Hayward winning Best Actress

★ アンジェラ・ランズベリー、ジョーン・コリンズ、ダナ・ウィンターロザリント・ラッセル。前回は確実視されながらも受賞を逃したが、屈辱は今回もはたせなかった。ステージでアンジェラ・ランズベリー、ジョーン・コリンズ、ダナ・ウィンターの3女優が「私たちのおばあちゃんなら誰でもあのくらいできる」というふざけた歌を歌った。ロザリンドは無表情でそれを聞いていたという。なおロザリンドは1972年度にジーン・ハーショルト友愛賞を受賞している。

★ 20年前に主演女優賞を逸していたイギリスの舞台女優ウェンディ・ヒラーが『旅路』で助演女優賞に輝いた。ロンドンにいた彼女は翌日「名誉なんていらないわ。この賞を換金できたらいいのに」と醒めたコメントを出した。

★ 作品賞のプレゼンターはイングリッド・バーグマン。「ハリウッドの皆さんの前に顔を出すのは1949年以来のことです」とケーリー・グラントが紹介し、バーグマンがステージに登場すると客席はスタンディング・オベーションとなった。



第31回(1958年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「恋の手ほどき
   「メイム叔母さん」
   「熱いトタン屋根の猫
   「手錠のまゝの脱獄
   「旅路

主演男優賞
 デヴィッド・ニーヴン 「旅路」
   トニー・カーティス 「手錠のまゝの脱獄」
   ポール・ニューマン 「熱いトタン屋根の猫」
   シドニー・ポワチエ 「手錠のまゝの脱獄」
   スペンサー・トレイシー 「老人と海

主演女優賞
  スーザン・ヘイワード 「私は死にたくない」
   デボラ・カー 「旅路」
   シャーリー・マクレーン 「走り来る人々」
   ロザリンド・ラッセル 「メイム叔母さん」
   エリザベス・テイラー 「熱いトタン屋根の猫」

助演男優賞
  バール・アイヴス 「大いなる西部
   セオドア・バイケル 「手錠のまゝの脱獄」
   リー・J・コッブ 「カラマゾフの兄弟」
   アーサー・ケネディ 「走り来る人々」
   ギグ・ヤング 「先生のお気に入り

助演女優賞
 ウェンディ・ヒラー 「旅路」
   ペギー・キャス 「メイム叔母さん」
   マーサ・ハイヤー 「走り来る人々」
   モーリン・ステイプルトン 「孤独の旅路」
   カーラ・ウィリアムズ 「手錠のまゝの脱獄」

監督賞
 ヴィンセント・ミネリ 「恋の手ほどき」
   リチャード・ブルックス 「熱いトタン屋根の猫」
   スタンリー・クレイマー 「手錠のまゝの脱獄」
   マーク・ロブソン 「六番目の幸福
   ロバート・ワイズ 「私は死にたくない」

脚本賞
<脚色>
  「恋の手ほどき」
   「熱いトタン屋根の猫」
   「私は死にたくない」
   「旅路」
   「THE HORSE'S MOUTH」

<オリジナル脚本>
 「手錠のまゝの脱獄」
   「THE GODDES」
   「月夜の出来事」
   「縄張り」
   「先生のお気に入り」

撮影賞
<白黒>
 「手錠のまゝの脱獄」
   「楡の木蔭の欲望」
   「私は死にたくない」
   「旅路」
   「若き獅子たち

<カラー>
 「恋の手ほどき」
   「メイム叔母さん」
   「熱いトタン屋根の猫」
   「老人と海」
   「南太平洋

美術監督・装置賞
  「恋の手ほどき」
   「メイム叔母さん」
   「媚薬
   「ある微笑」
   「めまい

音響賞
 「南太平洋」
   「私は死にたくない」
   「愛する時と死する時
   「めまい」
   「若き獅子たち」

編集賞
  「恋の手ほどき」
   「メイム叔母さん」
   「カウボーイ
   「手錠のまゝの脱獄」
   「私は死にたくない」

特殊効果賞
  「親指トム」
   「雷撃命令」

劇・喜劇映画音楽賞
 「老人と海」
   「大いなる西部」
   「旅路」
   「若き獅子たち」
   「白い荒野」

ミュージカル映画音楽賞
 「恋の手ほどき」
   「THE BOLSHOI BALLET」
   「くたばれ!ヤンキース
   「恋愛候補生」
   「南太平洋」

歌曲賞
  「いとしのジジ」Gigi (恋の手ほどき)
   「Almost in your Arms」 (月夜の出来事)
   「A Certain Smile」 (ある微笑)
   「To Love and Be Loved」 (走り来る人々)
   「A Very Precious Love」 (初恋) 

衣装デザイン賞
 「恋の手ほどき」
   「媚薬」
   「大海賊」
   「ある微笑」
   「走り来る人々」


短編賞
<カートゥーン>
 「KNIGHT KNIGHT BUGS」
   「PAUL BUNYAN」
   「SIDNEY'S FAMILY TREE」

<実写>
 「グランド・キャニオン」
   「JOURNEY INTO SPRING」
   「THE KISS」
   「SNOWS OF AORANGI」
   「T IS FOR TUMBLEWEED」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「海女ガール」
   「EMPLOYEES ONLY」
   「JOURNEY INTO SPRING」
   「THE LIVING STONE」
   「OVERTURE」

<長編>
 「白い荒野」
   「ANTARCTIC CROSSING」
   「THE HIDDEN WORLD」
   「PSYCHIATRIC NURSING」

外国語映画賞
 「ぼくの伯父さん」 (フランス)
   「ARMS AND THE MAN」 (西ドイツ)
   「LA VENGANZA」 (スペイン)
   「THE ROAD A YEAR LONG」 (ユーゴスラヴィア)
   「THE USUAL UNINDENTIFIED THIEVES」(イタリア)

名誉賞
 モーリス・シュヴァリエ
   (半世紀以上にわたる世界の娯楽への貢献)

アーヴィング・G・タールバーグ記念賞
 ジャック・L・ワーナー

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2009.01.21 Wednesday | 02:11 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

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