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第28回(1955年)アカデミー賞

第28回(1955年)アカデミー賞

28回アカデミー賞作品賞「マーティ」第28回アカデミー賞trivia
〜アカデミー、テレビの才能を認める〜

★ 1956年早々、前年主演女優賞を受賞したグレース・ケリーがモナコ公レーニエ三世と婚約したというニュースが世界中をかけめぐった。ケリーは最後の作品「白鳥」を撮り終えるとフィラデルフィアの実家に引き上げて結婚準備をする予定だったがアカデミーによって引き止められた。主演男優賞のプレゼンターが女優・グレイス・ケリーの最後の仕事となった。またこの美女からオスカー像を受け取ったアーネスト・ボーグナインは主に悪役として活躍にもかかわらず善人役でオスカーを受賞した。彼の受賞は美男美女が良しとされるハリウッドのスター・システムが崩壊しつつあることを意味していた。

Ernest Borgnine winning the OscarR for Best Actor for "Marty"


★ カンヌ映画祭でアメリカ映画初のパルムドールを受賞した『マーティ』が下馬評でも圧倒的で作品・監督・主演男優・脚色の主要4部門を受賞した。作品賞候補5作のうち『マーティ』だけが白黒スタンダード撮影であり、スター不在、監督も無名。もともとはテレビドラマであったものを映画用に焼きなおしたものだった。大作、話題作を押しのけてこの映画が大ヒットしたことでハリウッドは派手さ、画面の大きさだけでなく内容で勝負しても映画はテレビに対抗できることに気づき始めたという。監督も脚本家もテレビ畑。敵視していたテレビ界の人材が主要賞を受賞する皮肉な結果となった。また、『マーティ』は主にニューヨークの現地ロケで行われていたことから、ハリウッドを離れたほうがユニーク作品を生み出せると考える"ニューヨーク派"を生み出すきっかけともなっている。

★ 主演男優賞には1955年9月30日、ポルシェを激突させ24歳で亡くなったジェームズ・ディーンも『エデンの東』でノミネートされていた。翌年も『ジャイアンツ』でノミネートを受けており、故人にして2年連続ノミネートという異例の事態となったが受賞には至らなかった。

★ 主演女優賞は4度目のノミネートとなったスーザン・ヘイワードを推す声もあったが、本命であったイタリアの大女優アンナ・マニャーニが受賞した。『バラの刺青』はテネシー・ウィリアムズが彼女のために書いた戯曲の映画化だったが、マニャーニは英語に自信がなかったので舞台には立たず、映画化にあたってやっと出演したといういきさつがある。マニャーニは授賞式出席の要請を受けていたが「オスカーのためにデモをしなければいけないなんて嫌」と拒否。オスカー像は『バラの刺青』で共演し、助演女優賞にノミネートされていたマリサ・ハヴァンが代理で受け取った。マニャーニは電話で受賞の知らせを受けると「もし冗談だったら、あんたを殺しにいくよ」とまくし立てて大喜びしたという。

★ 最優秀外国語映画は稲垣浩監督の『宮本武蔵』。2年連続、3度目の日本映画の受賞。この年は『雨月物語』も衣装デザイン賞にノミネートされていた。日本映画の2年連続受賞にあたっては、アカデミー推薦委員会にいたウィリアム・ホールデンが日本びいきであり、彼が強く推したことが影響したといわれている。


第28回(1955年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「マーティ
   「慕情
   「ミスタア・ロバーツ
   「ピクニック
   「バラの刺青」

主演男優賞
 アーネスト・ボーグナイン 「マーティ」
   ジェームズ・キャグニー 「情欲の悪魔」
   ジェームズ・ディーン 「エデンの東
   フランク・シナトラ 「黄金の腕
   スペンサー・トレイシー 「日本人の勲章」

主演女優賞
  アンナ・マニャーニ 「バラの刺青」
   スーザン・ヘイワード 「明日泣く」
   キャサリン・ヘプバーン 「旅情
   ジェニファー・ジョーンズ 「慕情」
   エリノア・パーカー 「わが愛は終りなし」

助演男優賞
  ジャック・レモン 「ミスタア・ロバーツ」
   アーサー・ケネディ 「アメリカの戦慄」
   ジョー・マンテル 「マーティ」
   サル・ミネオ 「理由なき反抗
   アーサー・オコンネル 「ピクニック」



助演女優賞
 ジョー・ヴァン・フリート 「エデンの東」
   ベッツィ・ブレア 「マーティ」
   ペギー・リー 「皆殺しのトランペット」
   マリサ・パヴァン 「バラの刺青」
   ナタリー・ウッド 「理由なき反抗」

監督賞
 デルバート・マン 「マーティ」
   エリア・カザン 「エデンの東」
   デヴィッド・リーン 「旅情」
   ジョシュア・ローガン 「ピクニック」
   ジョン・スタージェス 「日本人の勲章」

脚本賞
<原案>
  「情欲の悪魔」
   「理由なき反抗」
   「ベンソン少佐の個人的な戦争」
   「戦略空軍命令
   「THE SHEEP HAS 5 LEGS」

<脚色>
 「マーティ」
   「日本人の勲章」
   「暴力教室」
   「エデンの東」
   「情欲の悪魔」

<オリジナル脚本>
 「わが愛は終りなし」
   「軍法会議」
   「ぼくの伯父さんの休暇
   「エディ・フォイ物語」
   「いつも上天気」

撮影賞
<白黒>  
 「バラの刺青」
   「暴力教室」
   「明日泣く」
   「マーティ」
   「QUEEN BEE」

<カラー> 
  「泥棒成金
   「野郎どもと女たち
   「慕情」
   「オクラホマ!
   「A MAN CALLED PETER」

美術監督・装置賞
<白黒>  
  「バラの刺青」
   「暴力教室」
   「明日泣く」
   「黄金の腕」
   「マーティ」

<カラー> 
 「ピクニック」
   「足ながおじさん
   「野郎どもと女たち」
   「慕情」
   「泥棒成金」

録音賞
 「オクラホマ!」
   「慕情」
   「情欲の悪魔」
   「ミスタア・ロバーツ」
   「見知らぬ人でなく」

編集賞
  「ピクニック」
   「暴力教室」
   「トコリの橋
   「オクラホマ!」
   「バラの刺青」

特殊効果賞
  「トコリの橋」
   「暁の出撃」
   「雨のランチプール」

劇・喜劇映画音楽賞
 「慕情」
   「ピクニック」
   「バラの刺青」
   「黄金の腕」
   「愛欲と戦場」

ミュージカル映画音楽賞
 「オクラホマ!」
   「足ながおじさん」
   「いつも上天気」
   「情欲の悪魔」
   「野郎どもと女たち」

歌曲賞
  「慕情(恋ははかなく、恋はすばらしきもの)」Love Is a Many Splendored Thing (慕情)
   「I'll Never Stop Loving You」 (情欲の悪魔)
   「サムシング・ガッタ・ギブ」Something's Gotta Give (足ながおじさん)
   「(Love Is)The Tender Trap」 (THE TENDER TRAP)
   「アンチェインド・メロディ」Unchained Melody (UNCHAINED) 

衣装デザイン賞
<白黒>
 「明日泣く」
   「QUEEN BEE」
   「バラの刺青」
   「THE PICKWICK PAPERS」
   「雨月物語

<カラー>
 「慕情」
   「野郎どもと女たち」
   「わが愛は終りなし」
   「泥棒成金」
   「THE VIRGIN QUEEN」

短編賞
<カートゥーン>
 「SPEEDY GONZALES」
   「GOOD WILL TO MEN」
   「THE LEGEND OF ROCK A BYE POINT」
   「NO HUNTING」

<1巻>
 「SURVIVAL CITY」
   「GADGETS GALORE」
   「3RD AVE.EL」
   「THREE KISSES」

<2巻>
 「THE FACE OF LINCOLN」
   「ON THE TWELFTH DAY...」
   「SWITZERLAND」
   「大空の戦慄」
   「THE BATTLE OF GETTYSBURG」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「民族と自然/北極圏の人々」
   「THE BATTLE OF GETTYSBURG」
   「THE FACE OF LINCOLN」

<長編>
 「HELEN KELLER IN HER STORY」
   「HEARTBREAK RIDGE」

名誉賞
 「宮本武蔵
   (1955年度最優秀外国語映画)

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2009.01.20 Tuesday | 00:14 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

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2017.11.21 Tuesday | 00:14 | - | - | - |

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