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第27回(1954年)アカデミー賞

第27回(1954年)アカデミー賞

27回アカデミー賞作品賞「波止場」第27回アカデミー賞trivia
〜本命ジュディ・ガーランド、グレース・ケリーに敗れる 〜

★ テレビの台頭で映画業界は危機感をつのらせたが、シネマスコープが登場すると一気に盛り返してきた。大型映画時代到来!といわれたがこの年の作品賞は白黒スタンダードの『波止場』と『喝采』の一騎打ちという皮肉。ハリウッドは大型映画を望んでいないと言う声もあったが、まだシネマスコープ作品から傑作が出ていないというのが実情だった。

★ 『波止場』は作品賞、そして監督賞を受賞したが監督のエリア・カザンは授賞式に姿を見せなかった。非米活動委員会の証言台で転向を宣言し、かつての仲間の名前を告げたことから裏切り者のレッテルが貼られていたからである。

★ マーロン・ブランドは4年連続のノミネート。ボクサーくずれの沖仲士を演じた『波止場』でついに受賞を果たした。ブランドも今回は自信があったようでタキシードを着込み、カメラの前で笑顔をふりまいた。ブランドは「死にたいくらいくすぐったい。アカデミー会員がたくさんいる会社の作品に出た連中が有利という説があるので、ビング・クロスビーがとると思っていたのだが、僕がもらったところをみるとアカデミー賞の投票は公正だと信じるよ」とコメントした。



★ 主演女優賞は神経不安定な時期を乗り越え『スタア誕生』でカムバックしたジュディ・ガーランドが本命で26歳の新星グレース・ケリーが対抗と見られていたが、軍配はケリーにあがった。この年彼女の主演映画が5本公開されいずれもヒットしていたし、所属するMGM、製作会社パラマウントの両社から支援されるという幸運もあった。敗れたガーランドは授賞式前日に娘を出産したばかりで病院にいたが、「だめだとわかっていたわ。もらってもいいはずなのに。この子が私のオスカーよ」と寂しそうにつぶやいたという。ガーランドのもとには同情の電報や手紙が殺到、グルーチョ・マルクスは「親愛なるジュディ。これはブリンクス以来最大の強盗だよ」と電報を打っている。またサミー・デイヴィス・ジュニアは自伝の中で「あのときはグレイス・ケリーがどうしてジュディのオスカーを盗むことができたのか、どうしてもわからなかった」「映画産業は彼女のおかげで何百万ドルも稼いだのに、(中略)まだまだ稼げるときに倒れてしまった彼女の不心得を誰かが罰しようとしたのだ。」と綴っている。ジュディはこのときのショックから立ち直ることはできなかった。



★ 3度ノミネートされたが受賞がなかった往年の大女優グレタ・ガルボに名誉賞が贈られた。映画に出演しなくなってから14年たつガルボは、会場には姿を表さず友人の女優ナンシー・ケリーが代理でオスカー像を受け取った。

★ 衣笠貞之助監督の『地獄門』が衣装デザイン賞、名誉賞(最優秀外国語映画賞)の2冠に輝いた。前年の『羅生門』で味をしめた大映が海外受けを狙って製作した作品だったせいか日本での評価は伸び悩んだ。


第27回(1954年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「波止場
   「ケイン号の叛乱
   「喝采
   「掠奪された七人の花嫁
   「愛の泉

主演男優賞
 マーロン・ブランド 「波止場」
   ハンフリー・ボガート 「ケイン号の叛乱」
   ビング・クロスビー 「喝采」
   ジェームズ・メイソン 「スタア誕生
   ダン・オハーリヒー 「ロビンソン漂流記

主演女優賞
  グレイス・ケリー 「喝采」
   ドロシー・ダンドリッジ 「カルメン
   ジュディ・ガーランド 「スタア誕生」
   オードリー・ヘプバーン 「麗しのサブリナ
   ジェーン・ワイマン 「心のともしび」

助演男優賞
  エドモンド・オブライエン 「裸足の伯爵夫人
   トム・テューリー 「ケイン号の叛乱」
   リー・J・コッブ 「波止場」
   カール・マルデン 「波止場」
   ロッド・スタイガー 「波止場」



助演女優賞
 エヴァ・マリー・セイント 「波止場」
   ニナ・フォック 「重役室」
   ケティ・フラド 「折れた槍」
   ジャン・スターリング 「紅の翼」
   クレア・トレヴァー 「紅の翼」



監督賞
 エリア・カザン 「波止場」
   アルフレッド・ヒッチコック 「裏窓
   ジョージ・シートン 「喝采」
   ウィリアム・A・ウェルマン 「紅の翼」
   ビリー・ワイルダー 「麗しのサブリナ」

脚本賞
<原案>
  「折れた槍」
   「ショウほど素敵な商売はない
   「パンと恋と夢
   「禁じられた遊び
   「夜の人々」

<脚色>
 「喝采」
   「ケイン号の叛乱」
   「裏窓」
   「麗しのサブリナ」
   「掠奪された七人の花嫁」

<オリジナル脚本>
 「波止場」
   「裸足の伯爵夫人」
   「おかしなおかしな自動車競争」
   「グレン・ミラー物語
   「あの手この手」

撮影賞
<白黒>  
 「波止場」
   「喝采」
   「重役室」
   「悪徳警官」
   「麗しのサブリナ」

<カラー> 
  「愛の泉」
   「エジプト人」
   「裏窓」
   「掠奪された七人の花嫁」
   「銀の盃」

美術監督・装置賞
<白黒>  
  「波止場」
   「喝采」
   「重役室」
   「快楽」
   「麗しのサブリナ」

<カラー> 
 「海底二万哩」
   「ブリガドーン
   「デジレ」
   「RED GARTERS」
   「スタア誕生」

録音賞
 「グレン・ミラー物語」
   「ブリガドーン」
   「ケイン号の叛乱」
   「裏窓」
   「奥様は芳紀十七才」

編集賞
  「波止場」
   「ケイン号の叛乱」
   「紅の翼」
   「掠奪された七人の花嫁」
   「海底二万哩」

特殊効果賞
  「海底二万哩」
   「地獄と高潮」
   「放射能X

劇・喜劇映画音楽賞
 「紅の翼」
   「ケイン号の叛乱」
   「おかしなおかしな自動車競争」
   「波止場」
   「銀の盃」

ミュージカル映画音楽賞
 「掠奪された七人の花嫁」
   「カルメン」
   「グレン・ミラー物語」
   「スタア誕生」 
   「ショウほど素敵な商売はない」

歌曲賞
  「泉の中の三つの銀貨」 hree Coins in the Fontain (愛の泉)
   「Count Your Blessings Instead of Sheep」 (ホワイト・クリスマス
   「ハイ・アンド・マイティ」 The High and the Mighty (紅の翼)
   「Hold My Hand」 (奥様は芳紀十七才)
   「去って行った彼」The Man That Got Away (スタア誕生) 

衣装デザイン賞
<白黒>
 「麗しのサブリナ」
   「重役室」
   「終着駅
   「IT SHOULD HAPPEN TO YOU」
   「THE EARNING OF MADAME DE...」

<カラー>
 「地獄門」
   「ブリガドーン」
   「デジレ」
   「スタア誕生」
   「ショウほど素敵な商売はない」 

短編賞
<カートゥーン>
 「WHEN MAGOO FLEW」
   「CRAZY MIXED UP PUP」
   「PIGS IS PIGS」
   「SANDY CLAWS」
   「TOUCHE,PUSSY CAT」

<1巻>
 「THIS MECHANICAL AGE」
   「THE FIRST PIANO QUARTETTE」
   「THE STRAUSS FANTASY」

<2巻>
 「A TIME OUT OF WAR」
   「BEAUTY AND THE BULL」
   「JET CARRIER」
   「SIAM」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「木曜日の子供たち」
   「JET CARRIER」
   「REMBRANDT:A SELF PORTRAIT」

<長編>
 「滅びゆく大草原」
   「THE STRATFORD ADVENTURE」

名誉賞
 ボーシュ&ロム光学社
   (映画産業進歩への貢献)
 ケンプ・R・ナイヴァー
   (国立図書館文書フィルムコレクションの保存を可能にしたリノヴェア・プロセスの開発)
 グレタ・ガルボ
   (忘れがたい演技に)
 ダニー・ケイ
   (ユニークな才能/アカデミーおよび大衆、映画界への奉仕)
 ジョン・ホワイトリー、ヴィンセント・ウィンター
   (「The Little Kidnappers」における子役演技)
 「地獄門」
   (1954年度最優秀外国語映画)

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2009.01.19 Monday | 01:25 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

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