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第20回(1947年)アカデミー賞

第20回(1947年)アカデミー賞

20回アカデミー賞作品賞「紳士協定」第20回アカデミー賞trivia
〜赤狩りにゆれるハリウッド〜

★ 1947年9月、映画人19人にピンク色の紙切れが届いた。いわゆる"赤狩り"のスタートである。映画人たちは思想・信条の自由を侵害するものだとしてこれに抵抗し、左翼的、非米的とみなされた仲間を激励した。一方、経営者・製作サイドでは"非米的"人物を追放する協定がなされ、映画人たちは心が揺らぎ始めていた。

★ 作品・監督賞は『紳士協定』と『十字砲火』の激突。ともに反ユダヤ人問題を扱った作品であった。『十字砲火』を製作したエイドリアン・スコット、監督のエドワード・ドミトリクは非米活動委員会から召還され、証言を拒否したためいわゆる"ハリウッド・テン"の仲間入りをしてしまった。それにもかかわらず『十字砲火』が作品・監督賞にノミネートされたのは、当時はアカデミー会員の中に反骨精神が残っていた証である。『紳士協定』も『十字砲火』も日本で劇場公開されたのは80年代過ぎのことである。

★ 監督賞は『紳士協定』のエリア・カザン。彼が非米活動委員会に召還され、仲間の名前を告げたことはあまりにも有名。密告者という汚名はは生涯、カザンにのしかかることになる。また、また昨年『ジョルスン物語』で主演男優賞にノミネートされたラリー・パークスも召喚状を受け取っていたひとり。聴聞会の打ち切りもあってまだ赤の烙印は押されていなかったため、この年はプレゼンターとして登場している。彼はのちに映画の仕事を失うことになる。

★ 業界紙「デイリー・バラエティ」が投票者の13%にあたる200人あまりに紙上投票してもらい、その結果を紙上で発表した。投票権をもつ人たちにアンケートをとったのだから的中率が高いのはあたりまえ。実際、作品、主演男優、助演男優、助演女優賞が一致しておりアカデミーから非難を受けたため翌年以降中止となった。ところが1999年に同様のことが再び起こっている。

★ 主演女優賞は昨年も有力視されていたロザリント・ラッセルが本命といわれていた。ところが受賞はロレッタ・ヤング。スウェーデン人のメイド役ということで当初イングリッド・バーグマンにオファーがあったが彼女が断ったことによる代役だった。事前予想は最下位。誰からも愛される無難な役を演じることが多く演技派とは呼べない彼女の受賞はビッグ・サプライズとされた。子役からスタートして女優20年目にしての受賞。スピーチは「やっとのことで...」というのが精一杯で後は絶句するばかりだった。
授賞式後のパーティでロザリント・ラッセルとロレッタ・ヤングは顔をあわせた。2人はお互いに抱き合って祝福。残念ながら?キャットファイトは起こらなかった。


第20回(1947年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「紳士協定
   「気まぐれ天使
   「十字砲火
   「大いなる遺産」
   「三十四丁目の奇蹟

主演男優賞
 ロナルド・コールマン 「二重生活」
   ジョン・ガーフィールド 「BODY AND SOUL」
   グレゴリー・ペック 「紳士協定」
   ウィリアム・パウエル 「ライフ・ウィズ・ファーザー」
   マイケル・レッドグレーヴ 「MOURNING BECOMES ELECTRA」

主演女優賞
  ロレッタ・ヤング 「ミネソタの娘」
   ジョーン・クロフォード 「失われた心」
   スーザン・ヘイワード 「スマッシュ・アップ」
   ドロシー・マクガイア 「紳士協定」
   ロザリンド・ラッセル 「MOURNING BECOMES ELECTRA」

助演男優賞
  エドマンド・グウェン 「三十四丁目の奇蹟」
   チャールズ・ビックフォード 「ミネソタの娘」
   トーマス・ゴメス 「RIDE THE PINK HORSE 」
   ロバート・ライアン 「十字砲火」
   リチャード・ウィドマーク 「死の接吻

助演女優賞
 セレステ・ホルム  「紳士協定」
   エセル・バリモア 「パラダイン夫人の恋
   グロリア・グレアム 「十字砲火」
   マージョリー・メイン  「卵と私」
   アン・リヴィア 「紳士協定」

監督賞
 エリア・カザン 「紳士協定」
   ジョージ・キューカー  「二重生活」
   エドワード・ドミトリク 「十字砲火」
   ヘンリー・コスター 「気まぐれ天使」
   デヴィッド・リーン 「大いなる遺産」

脚本賞
<原案>
  「三十四丁目の奇蹟」
   「五番街の出来事」
   「死の接吻」
   「スマッシュ・アップ」
   「春の凱歌」

<オリジナル脚本>
 「独身者と女学生」
   「BODY AND SOUL」
   「二重生活」
   「チャップリンの殺人狂時代
   「靴みがき

<脚色>
 「三十四丁目の奇蹟」
   「影なき殺人
   「十字砲火」
   「紳士協定」
   「大いなる遺産」

撮影賞
<白黒>  
 「大いなる遺産」
   「幽霊と未亡人
   「大地は怒る」

<カラー> 
  「黒水仙
   「ライフ・ウィズ・ファーザー」
   「MOTHER WORE TIGHTS」

美術監督・装置賞
<白黒>  
  「大いなる遺産」
   「THE FOXES OF HARROW」

<カラー> 
 「黒水仙」
   「ライフ・ウィズ・ファーザー」

録音賞
 「気まぐれ天使」
   「大地は怒る」
   「T-MEN」

編集賞
  「BODY AND SOUL」
   「気まぐれ天使」
   「紳士協定」
   「大地は怒る」
   「邪魔者は殺せ

特殊効果賞
  「大地は怒る」
   「征服されざる人々

劇・喜劇映画音楽賞
 「二重生活」
   「気まぐれ天使」
   「征服への道」
   「永遠のアムバア」
   「ライフ・ウィズ・ファーザー」

ミュージカル映画音楽賞
 「MOTHER WORE TIGHTS」
   「闘牛の女王」
   「南米珍道中」
   「南部の唄」
   「MY WILD IRISH ROSE」

歌曲賞
  「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」 Zip-A-Dee-Doo-Dah  (南部の唄)
   「A Gal in Calico」 (THE TIME,THE PLACE AND THE GIRL)
   「I Wish I Didn't Love You So」 (ポーリンの冒険
   「Pass That Peace Pipe」 (GOOD NEWS)
   「You Do」 (MOTHER WORE TIGHTS)

短編賞
<カートゥーン>
 「ピーチク小鳥」
   「CHIP AN'DALE」
   「DR.JEKYLL AND MR.MOUSE」
   「PLUTO'S BLUE NOTE」
   「TUBBY THE TUBA」

<1巻>
 「GOODBYE MISS TURLOCK」
   「BROOKLYN,U.S.A.」
   「MOON ROCKETS」
   「NOW YOU SEE IT」
   「SO YOU WANT TO BE IN PICTURES」

<2巻>
 「CLIMBING THE MATTERHORN」
   「CHAMPAGNE FOR TWO」
   「FIGHT OF THE WILD STALLIONS」
   「GIVE US THE EARTH」
   「A VOICE IS BORN」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「FIRST STEPS」
   「PASSPORT TO NOWHERE」
   「SCHOOL IN THE MAILBOX」

<長編>
 「DESIGN FOR DEATH」
   「JOURNEY INTO MEDICINE」
   「THE WORLD IS RICH」

特別賞
 ジェームズ・バスケット
   (「南部の唄」のリーマスおじさんの心あたたまる演技)    
 「ビルの冒険物語」
   (映画での小説的技巧と娯楽の融合)     
 「靴みがき」
   (戦争で傷ついた国へ感動性を与えた。創造的精神が逆境に打ちかつことを世界に証明)
  ウィリアム・N・セリッグ、アルバート・E・スミス、トーマス・アーマット、ジョージ・K・スプーア
   (映画を発展させ、世界的媒体に変えたパイオニアとしての功績)    

アーヴィング・G・タールバーグ記念賞
   (該当なし) 

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2009.01.15 Thursday | 01:04 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

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