映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

<< 第18回(1945年)アカデミー賞 | TOP | 天井桟敷の人々 >>

第19回(1946年)アカデミー賞

第19回(1946年)アカデミー賞

19回アカデミー賞作品賞「我等の生涯の最良の年」第19回アカデミー賞trivia
〜オリヴィア・デ・ハヴィラント、妹にプイ!〜

★ 戦争直後、ヨーロッパ映画がアカデミー賞に旋風を巻き起こした。イギリス映画『ヘンリー5世』は4部門、『逢びき』が3部門にノミネートされるなど、イギリス映画全般で11のノミネートを獲得。3つの受賞をはたし『ヘンリー5世』を製作・監督・主演をはたしたローレンス・オリヴィエに特別賞が贈られた。また、イタリア映画『無防備都市』(イングリット・バーグマンが感銘を受け、監督のロベルト・ロッセリーニのもとに走ったきっかけとなった作品)が脚色賞、フランス映画『天井桟敷の人々』が脚本賞候補になるなど、非英語圏作品も顔を出しアカデミー賞にも国際化の波が押し寄せてきた。アカデミー賞はアメリカ国内の映画賞である。外国映画にどう対応するか議論が行われ、翌年から優れた外国語映画に対して特別賞を贈ることが決定した。

★ 作品賞を受賞した『我等の生涯の最良の年』は、3人の復員兵が故郷の町に帰る物語。この時期の国民感情をたくみに表現した映画である。復員兵のひとりを演じたハロルド・ラッセルは両手に義手をはめた実在の負傷兵でベテランを押しのけて助演男優賞を獲得、特別賞もあわせて受賞した。ラッセルはプロの俳優ではなくその後、宣伝関係の仕事についた。1980年に「サンフランシスコ物語」で一度だけ映画復帰している。1992年に妻の目の手術費用を工面するため、オスカー像を競売にかけた。約6万ドルで売却されたという。

★ 主演男優賞のプレゼンターはジョーン・フォンテイン。昨年の主演女優賞ウィナーであるジョーン・クロフォードが勤める予定だったが、またもや舞台恐怖症にかかってしまった...。そのジョーン・フォンテインの実姉オリヴィア・デ・ハヴィラントが待望の初受賞を果たした。ジョーンは姉を祝福するため、両手を広げて近寄っていったが、ハヴィラントは妹に背をむけ、「私がどんな気持ちなのか知っているくせに、どうしてこんなことをするのかしら」と冷たく言い放った。フォンテインに背を向けるハヴィラントの写真が新聞に載ったため、かねてからの姉妹不和の噂は決定的なものとなった。ハヴィラントはよい役を求めて映画会社を提訴し、仕事を干されていた時期もあり苦難を乗り越えての受賞となった。だが実際のところ、この年は『逢びき』のシリア・ジョンソンがの最有力候補といわれていた。イギリス映画の侵略をおそれるメジャー各社が圧力をかけ、ハリウッドの生え抜き女優であるハヴィラントに受賞させたといわれている。オスカーが欲しくてメジャー会社と闘い続けたハヴィラントが、そのメジャー会社の圧力のおかげで受賞できたという皮肉な結果となった。

★ 過去、監督賞に3度ノミネートされながらいずれも無冠に終わっていた"艶笑喜劇の巨匠"エルンスト・ルビッチ監督に特別賞が贈られた。いわゆるお詫びであり、今でいう名誉賞のニュアンスである。ルビッチは同年11月、心臓発作で亡くなった。55歳の若さであった。


第19回(1946年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは原則としてamazon

作品賞
  「我等の生涯の最良の年
   「ヘンリー五世」
   「素晴らしき哉、人生!
   「剃刀の刃
   「子鹿物語

主演男優賞
 フレデリック・マーチ 「我等の生涯の最良の年」
   ローレンス・オリヴィエ 「ヘンリー五世」
   ラリー・パークス 「ジョルスン物語
   グレゴリー・ペック 「子鹿物語」
   ジェームズ・スチュワート 「素晴らしき哉、人生!」

主演女優賞
  オリヴィア・デ・ハヴィランド 「遥かなる我が子」
   シリア・ジョンソン 「逢びき
   ジェニファー・ジョーンズ 「白昼の決闘
   ロザリンド・ラッセル 「世界の母」
   ジェーン・ワイマン 「子鹿物語」

助演男優賞
  ハロルド・ラッセル 「我等の生涯の最良の年」
   チャールズ・コバーン 「育ちゆく年」
   ウィリアム・デマレスト 「ジョルスン物語」
   クロード・レインズ 「汚名
   クリフトン・ウェッブ 「剃刀の刃」

助演女優賞
 アン・バクスター 「剃刀の刃」
   エセル・バリモア 「らせん階段
   リリアン・ギッシュ 「白昼の決闘」
   フローラ・ロブソン 「サラトガ本線
   ゲイル・ソンダーガード 「アンナとシャム王

監督賞
 ウィリアム・ワイラー 「我等の生涯の最良の年」
   クラレンス・ブラウン 「子鹿物語」
   フランク・キャプラ 「素晴らしき哉、人生!」
   デヴィッド・リーン 「逢びき」
   ロバート・シオドマク 「殺人者

脚本賞
<原案>
  「VACATION FROM MARRIAGE」
   「暗い鏡」
   「THE STRANGE LOVE OF MARTHA LVERS」
   「オーソン・ウェルズINストレンジャー
   「遥かなる我が子」

<オリジナル脚本>
 「第七のヴェール」
   「青い戦慄」
   「天井桟敷の人々
   「汚名」
   「アラスカ珍道中

<脚色>
 「我等の生涯の最良の年」
   「アンナとシャム王」
   「逢びき」
   「殺人者」
   「無防備都市

撮影賞
<白黒>  
 「アンナとシャム王」
   「育ちゆく年」

<カラー> 
  「子鹿物語」
   「ジョルスン物語」

室内装置賞
<白黒>  
  「アンナとシャム王」
   「KITTY」
   「剃刀の刃」

<カラー> 
 「子鹿物語」
  「シーザーとクレオパトラ
  「ヘンリー五世」

録音賞
 「ジョルスン物語」
   「我等の生涯の最良の年」
   「素晴らしき哉、人生!」

編集賞
  「我等の生涯の最良の年」
   「素晴らしき哉、人生!」
   「ジョルスン物語」
   「殺人者」
   「子鹿物語」

特殊効果賞
  「陽気な幽霊
   「盗まれた青春」

劇・喜劇映画音楽賞
 「我等の生涯の最良の年」
   「アンナとシャム王」
   「殺人者」
   「ヘンリー五世」
   「ユーモレスク」

ミュージカル映画音楽賞
 「ジョルスン物語」
   「ブルー・スカイ
   「CENTENNIAL SUMMER」
   「夜も昼も
   「ハーヴェイ・ガールズ

歌曲賞
  「サンタフェ鉄道」 On the Atchison,Topeka and Santa Fe  (ハーヴェイ・ガールズ)
   「All Through the Day」 (CENTENNIAL SUMMER)
   「I Can't Begin to Tell You」 (THE DOLLY SISTERS)
   「Ole Buttermilk Sky」 (インディアン渓谷)
   「You Keep Coming Back Like a Song」 (ブルー・スカイ)

短編賞
<カートゥーン>
 「猫の演奏会」
   「CHOPIN'S MUSICAL MOMENTS」
   「JOHN HENRY AND THE INKY POO」
   「リスの山小屋作戦」
   「WALKY TALKY HAWKY」

<1巻>
 「FACING YOUR DANGER」
   「DIVE-HI CHAMPS」
   「GOLDEN HORSES Edmund Reek」
   「SMART AS A FOX」
   「SURE CURES」

<2巻>
 「A BOY AND HIS DOG」
   「COLLEGE QUEEN」
   「HISS AND YELL」
   「THE LUCKIEST GUY IN THE WORLD」

ドキュメンタリー映画賞
<短編>
 「SEEDS OF DESTINY」
   「ATOMIC POWER」
   「LIFE AT THE ZOO」
   「PARAMOUNT NEWS ISSUE#37」
   「TRAFFIC WITH THE DEVIL」

<長編>
   (該当なし)

特別賞
 ローレンス・オリヴィエ
   (「ヘンリー五世」の製作・監督・主演)
 ハロルド・ラッセル
   (「我等の生涯の最良の年」出演を通して傷病兵の仲間に希望と勇気を与えた)
 エルンスト・ルビッチ
   (映画芸術への貢献)
 クロード・ジャーマン・Jr
   (傑出した子役演技)

アーヴィング・G・タールバーグ記念賞
 サミュエル・ゴールドウィン


人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!
2009.01.14 Wednesday | 01:07 | アカデミー賞の軌跡 | comments(0) | - |

スポンサーサイト


2017.07.23 Sunday | 01:07 | - | - | - |

コメント

コメントする









▲top