映画のメモ帳+α

音楽映画、アカデミー賞関連の記事に力を入れています。
ゾンビ、スタートレック、ヒッチコック監督作、ドキュメンタリー映画のカテゴリーもあり。
映画300字レビュー、はじめました。
※TB、コメントともに承認制とさせていただいております

<< 第11回(1938年)アカデミー賞 | TOP | 風と共に去りぬ >>

第12回(1939年)アカデミー賞

第12回(1939年)アカデミー賞

12回アカデミー賞作品賞「風と共に去りぬ」第12回アカデミー賞trivia
〜『風と共に去りぬ』8部門受賞でも不満? 〜

★ 『風と共に去りぬ』が8部門受賞の快挙。その他、アーヴィング・G・タールバーグ記念賞や特別賞まで受賞してしまった。この年は豊作で、『風と共に去りぬ』が特にクオリティ面でずば抜けていたわけではなかった。ひとたび話題が集中すると大量受賞につながるという、後々アカデミー賞において度々見受けられる傾向のはじまりだった。

★ スターが授賞式会場に到着するころにはもうファンは受賞結果を知っていた。授賞式終了後の午後11時まで結果を公表しないというマスコミ規定を破り、『ロサンゼルス・タイムズ』が8時45分発売の夕刊で結果を公表してしまったからだ

★ 助演女優賞は『風と共に去りぬ』のハティ・マクダニエルオリヴィア・デ・ハヴィランドの争いと見られていたが、栄冠はマクダニエルにあがった。黒人初の受賞、というより黒人初の授賞式出席者であった。マクダニエルは自分の名前が呼ばれると「ハレルヤ!」と叫び、涙ながらにスピーチはこなしたが席に戻ってからも泣き続けた。一方敗れたオリヴィアも客席でも、アフター・パーティでも(口惜しさで)泣き続け、友人たちが交代で慰めに行かないといけなかったという。



★ 主演男優賞はロバート・ドーナットクラーク・ゲイブルジェームズ・スチュワートの3つ巴で、ややゲーブル有利といわれていたが、チップス先生を演じた英国俳優ロバート・ドーナットの受賞となった。前年『城砦』でオスカーを逃したことの"埋め合わせ"と呼ばれている。
アカデミー賞が(同業者の功績を称える)"報奨のシステム"と呼ばれる所以である。個人的にはドーナットの受賞は妥当だと思います。

★ グレタ・ガルボは『ニノチカ』で3度目のノミネートを受けていたが、今回も受賞を逃がし「無冠の女王」となってしまった。MGMの大スターでありながら総支配人ルイス・B・メイヤーが彼女を嫌っていたことが原因だと言われている。

★ 監督賞はフランク・キャプラジョン・フォードウィリアム・ワイラーサム・ウッドらの名匠を差し置いて『風とともに去りぬ』のヴィクター・フレミングへ。『風と共に去りぬ』は当初はジョージ・キューカー監督で撮影されたが、3週目にしてフレミングに変えフレミングも最終段階でダウンしてしまい、サム・ウッドが仕上げにかけつけたといういきさつがある。しかも演出はすべて製作者デヴィッド・O・セルズニックの指示で行われた。フレミングは受賞もそれほど喜んでいなかったという。

★ 『風と共に去りぬ』は18人ものシナリオ・ライターに脚本を部分的にかかせた。
クレジットはシドニー・ハワード1人だけ。彼はすでに亡くなっていたので、初の故人受賞者となった。

★ まさに『風と共に去りぬ』一色のオスカー・ナイトだったが、製作者セルズニックは満足ではなかった模様。式後のパーティで「なぜゲイブルが受賞を逃したのだ?宣伝不足じゃないのか?」と宣伝担当を叱り飛ばしていたという。


第12回(1939年)アカデミー賞ノミネート一覧

 マークは受賞作品。リンクは当サイト記事もしくはamazon

作品賞
  「風と共に去りぬ
   「愛の勝利」
   「チップス先生さようなら
   「邂逅
   「スミス都へ行く
   「ニノチカ
   「廿日鼠と人間
   「駅馬車
   「オズの魔法使
   「嵐ケ丘」

主演男優賞
 ロバート・ドーナット 「チップス先生さようなら」
   クラーク・ゲイブル 「風と共に去りぬ」
   ローレンス・オリヴィエ 「嵐ケ丘」
   ミッキー・ルーニー 「青春一座」
   ジェームズ・スチュワート 「スミス都へ行く」

主演女優賞
  ヴィヴィアン・リー 「風と共に去りぬ」
   ベティ・デイヴィス 「愛の勝利」
   アイリーン・ダン 「邂逅」
   グレタ・ガルボ 「ニノチカ」
   グリア・ガーソン 「チップス先生さようなら」

助演男優賞
  トーマス・ミッチェル 「駅馬車」
   ブライアン・エイハーン 「革命児ファレス」
   ハリー・ケリー 「スミス都へ行く」
   ブライアン・ドンレヴィ 「ボー・ジェスト
   クロード・レインズ 「スミス都へ行く」

助演女優賞
 ハティ・マクダニエル 「風と共に去りぬ」
   オリヴィア・デ・ハヴィランド 「風と共に去りぬ」
   ジェラルディン・フィッツジェラルド 「嵐ケ丘」
   エドナ・メイ・オリヴァー 「モホークの太鼓
   マリア・オースペンスカヤ 「邂逅」

監督賞
 ヴィクター・フレミング 「風と共に去りぬ」
   フランク・キャプラ 「スミス都へ行く」
   ジョン・フォード 「駅馬車」
   ウィリアム・ワイラー 「嵐ケ丘」
   サム・ウッド 「チップス先生さようなら」

脚本賞
<原案>
 「スミス都へ行く」
   「ママは独身」
   「邂逅」
   「ニノチカ」
   「若き日のリンカーン

<脚色>
 「風と共に去りぬ」
   「チップス先生さようなら」
   「スミス都へ行く」
   「ニノチカ」
   「嵐ケ丘」

撮影賞
<白黒>
  「嵐ケ丘」
   「駅馬車」
   「銀の靴」
   「オペレッタの王様」
   「ガンガ・ディン
   「別離
   「革命児ファレス」
   「コンドル
   「雨ぞ降る」

<カラー>
  「風と共に去りぬ」
   「女王エリザベス」
   「モホークの太鼓」
   「四枚の羽根
   「THE MIKADO」
   「オズの魔法使」

室内装置賞
  「風と共に去りぬ」
   「ボー・ジェスト」
   「CAPTAIN FURY」
   「銀の靴」
   「邂逅」
   「スミス都へ行く」
   「女王エリザベス」
   「雨ぞ降る」
   「駅馬車」
   「MAN OF CONQUEST」
   「オズの魔法使」
   「嵐ケ丘」

録音賞
 「最後の抱擁」
   「風と共に去りぬ」
   「チップス先生さようなら」
   「MAN OF CONQUEST」
   「スミス都へ行く」
   「廿日鼠と人間」
   「女王エリザベス」
   「雨ぞ降る」
   「ノートルダムの傴僂男
   「オペレッタの王様」
   「BALALAIKA」

編集賞
 「風と共に去りぬ」
   「チップス先生さようなら」
   「スミス都へ行く」
   「雨ぞ降る」
   「駅馬車」

特殊効果賞
  「雨ぞ降る」
   「風と共に去りぬ」
   「コンドル」
   「女王エリザベス」
   「TOPPER TAKES A TRIP」
   「大平原
   「オズの魔法使」

作曲・編曲賞
  「駅馬車」
   「青春一座」
   「銀の靴」
   「オペレッタの王様」
   「ノートルダムの傴僂男」
   「かれらに音楽を」
   「スミス都へ行く」
   「廿日鼠と人間」
   「女王エリザベス」
   「SHE MARRIED A COP」
   「別離」
   「懐しのスワニー」
   「WAY DOWN SOUTH」

作曲賞
  「オズの魔法使」
   「ゴールデン・ボーイ」
   「ガリヴァー旅行記
   「MAN OF CONQUEST」
   「NURSE EDITH CAVELL」
   「雨ぞ降る」
   「嵐ケ丘」
   「廿日鼠と人間」
   「THE MAN IN THE IRON MASK」
   「永遠に貴方を
   「愛の勝利」
   「風と共に去りぬ」

歌曲賞
  「Over the Rainbow」 (オズの魔法使)
   「Faithful Forever」 (ガリヴァー旅行記)
   「I Poured My Heart into a Song」 (SECOND FIDDLE)
   「Wishing」 (邂逅)

短編賞
<カートゥーン>
 「白鳥の子(みにくいアヒルの子)」
   「BRAVE LITTLE TAILOR」
   「GOOD SCOUTS」
   「HUNKY AND SPUNKY」
   「MOTHER GOOSE GOES HOLLYWOOD」

<1巻>
 「THAT MOTHERS MIGHT LIVE」
   「THE GREAT HEART」
   「TIMBER TOPPERS」 

<2巻>
  「THE DECLARATION OF INDEPENDENCE」
   「SWINGTIME IN THE MOVIES」
   「THEY'RE ALWAYS CAUGHT」

特別賞
 ダグラス・フェアバンクス
   (アカデミー初代会長としての貢献)
  映画救済基金
   (映画産業への奉仕)
 ジュディ・ガーランド
   (『オズの魔法使い』での子役演技)



 テクニカラー社
   (3色式長編映画の成功)
 ウィリアム・キャメロン・メンジース
   (『風と共に去りぬ』においてカラーによる劇的ムード)

アーヴィング・G・タールバーグ記念賞
 デヴィッド・O・セルズニック

人気blogランキングこの記事が参考になりましたら左のバナーにクリックお願いします!
2009.01.09 Friday | 00:19 | アカデミー賞の軌跡 | comments(2) | - |

スポンサーサイト


2017.09.09 Saturday | 00:19 | - | - | - |

コメント

筆者ははっきり言って勉強不足
監督賞受賞者のビクター・フレミングは授賞式を欠席していない https://www.youtube.com/watch?v=rpd6eQKnmWY

言論の自由はありますけど嘘を書くのはやめましょう
2015/04/01 4:18 PM by あ
ご指摘ありがとうございました。
記事は訂正しました。

この箇所は某書籍を参照して書いたんですけどね...

これは事実誤認なので、言論の自由とは別次元の問題だと思います。

アカデミー賞関係の事実誤認はネット、書籍問わず個人的に山ほどみかけます。「あ」さんはたいそう"勉強"されているようですが、こうやって随所にコメントしまくっているんですか?
2015/04/02 11:08 AM by moviepd

コメントする









▲top