映画のメモ帳+α

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Web2.0でビジネスが変わる

評価:
神田 敏晶
Amazonおすすめ度:
ビギナーにもわかりやすい
ネタとしては少し古いけど…
新書で出す必要が無い本
ビデオ・ジャーナリストの神田敏晶氏の著書である。
神田氏は、「インターネットによる選挙を今すぐにでも解禁し、そこから“政治2.0”を始める」というマニフェストを掲げて、参院選にも出馬したことが話題になった。web2.0がもたらしたのは、「ウェブを通じて○○ができる」という人の行動様式の変化である、と述べる。"Web2.0時代には、ネットの「こちら側」から「あちら側」へ確実にパワーシフトが起きている"という『ウェブ進化論』の記述を引用した上で、「あちら側」の、ウェブ上のサービスを通して結びついたユーザー同士の関係は、もはやパーチャルなものではなく「リアル」そのものになっていると主張する。

「マスメディアからCGMへ」と題された第2章では、これからの企業サイトのあり方について述べられている。“販売しているサイトでは、宣伝トークのオンパレードであるが、ブログやコミュニティでは、ネガティブな要素もきちんと述べられていて”、"あまりにも大げさなメッセージは、かえって消費者に不信感を抱かせる"と分析。そして、消費者の行動が「検索」を前提としたものでなった今、企業サイトは十分に比較検討できるだけの情報を提供しなければならない、価格.comやライバル企業のサイトにリンクを張ってもいいのでは、と大胆な提言をする。そして次のように述べている。

「臭いものにフタをして、いい香りだけをかかせるなんて広告はもう誰も欲していない」

「(多くの企業は)「マーケティング」に時間をかけているわりには、ユーザーが求めているものを見つけ出せていない。ならばそうした不満はユーザー自身の手で、誰でも目に付く場所に公開してしまえばいい。不満の共有が始まれば、不満の解決につながるスピードも速まり、そこからさらに新しいアイデアが生まれてくる可能性だって出てくる」

うーん、こういう記述を読むと、多くの日本人は”2ちゃんねるタレコミ”なんていうネガティブな連想をするかもしれませんね。そこで神田氏はアメリカでのウォルマートの従業員たちがブログで抗議行動を行い、お互いにトラックバックしあって世論に訴えかけていった結果、ウォルマートが労働環境の改善を発表せざるを得なくなった事例などをとりあげる。

「ブログからブログへ話題が連鎖し、世論形成の新しい形を形成し始めている」

「インターネットの依存度が高い人ほど、その「Attention」を知るきっかけは「Share」の部分が多いかもしれない。

神田氏はおそらくWeb2.0時代、情報の「連鎖」や「共有」を重視しているように感じられる。これはつまるところ情報の「開放性」にいきつくのだが。

梅田望夫氏は、「無料にして情報の存在を知らしめる」と述べていた。だが、神田氏は「無料」にはそれなりのリスクがつきまとうから、無料サービスにないアドバンテージを持ったサービスには対価を支払うという意識をもっていたいと述べている。やっぱり「無料」より高いものは世の中ないのである。

松下電器の石油ファンヒーター事故を例に挙げ、過剰な個人情報保護は、「ユーザーの利便性」をそこないかねない、という主張にはうなずく人も多いだろう。また紙媒体はコストが上がり、富裕層しか扱えなくなる。「金持ちはアナログ、貧乏人はデジタル」という構図が登場するかもしれない、といったユニークな視点も多数垣間見られる。TV視聴率に関すること、「拘置所に入った人」としての体験談などちょっと脇道にそれた箇所もまるで「ダ・ヴィンチ・コード」でのラングトン教授らが語るウンチク話のように面白い。

印象深い記載がある。

「情報を発信する」ということが習慣になっていると、人はどんな時でもポジティブになれるものだと思う

これはまさにその通りだと思う。

他のWeb2.0書に比べわれわれの生活に関わる話題が多く、神田氏の快活な話し方が目に浮かぶような良書である。神田 敏晶氏は、ネットの可能性をひたすらポジティブに信じているひとりであることは間違いないだろう。
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神田敏晶 『Web2.0でビジネスが変わる』(ソフトバンク新書)


2007.08.20 Monday | 16:21 | web2.0 | comments(0) | trackbacks(0) |

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2017.08.15 Tuesday | 16:21 | - | - | - |

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