映画のメモ帳+α

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グーグル・アマゾン化する社会

評価:
森 健
Amazonおすすめ度:
最適解
皮相な概説 Webの社会科学的性格の認識欠如
AmazonとGoogleのからくり
当書、『グーグル・アマゾン化する社会』のまえがきには

(日々進化の耐えないウェブの)便利さの享受の裏側で生きている静かな変化は、見過ごされがちである。本書では、そこを読み解いていきたいと思う。

とある。この本の肝はずばり第1章のタイトルになっている「多様化が引き起こす一極集中現象」。
ウェブ2.0論、グーグル・アマゾン論というよりはむしろ"Web2.0時代の大衆社会論"といった感である。とはいってもグーグル・アマゾンの名を、客寄せパンダとして形容詞に盛り込んだわけではない。

第2章ではweb2.0という概念を非常にコンパクトにまとめてある。
第3章はアマゾンを"参加のアーキテクチャー"と呼び、徹底的な顧客中心主義を実行してきたおかげで現在の地位を築いた。ただ、ウェブの年代で区切ればアマゾンはWeb1.0時代の企業である、と。
じゃあ、Web2.0時代の企業はどこぞや?となると、ハイ皆様の予想通り"司祭"グーグル様のご登場でございます。続く第4章において、グーグルを半強制的な参加のアーキテクチャーと呼んでいる。佐々木俊尚サンなら"半"という言葉は必要ない!と思うでしょうね。(笑)
(原則として)すべてのサービスは無料であり、ウェブ内で完結する。グーグルは、根本的レベルで、ウェブに参加するユーザーをとりこむアーキテクチャーをつくっていると主張する。そして、あらゆる競合他社を差し置いて、アマゾンとグーグルへの一極集中現象が起こっていると述べる。

この本でたびたび引用されるのは、

正しい状況下では、集団はきわめて優れた知力を発揮するし、
それは往々にして集団の中でいちばん優秀な個人の知力よりも優れている

という考え方。異議あり!のヒトも多いでしょうね(笑)。
「ニューヨーカー」誌などに執筆しているコラムニスト、ジェームズ・スロウェッキーの著書『「みんなの意見」は案外正しい』で主張されている内容だ。グーグルの"多くリンクされているページほど信頼性が高い"とみなすグーグルのページランク・システムなどが典型的な例であろう。
そして"集団での話し合いによる合意は、むしろその構成員の力関係によって形成されることがわかっている"とのべた上で、自分の意見が優勢と認知した人は声高に発言し、劣勢と認知した人は孤立を恐れて沈黙する。その結果、優勢意見はより勢力を増し、劣勢意見はますます少数意見になる”と。



いまやネットを通して単なる1個人であっても情報発信することができる。
梅田 望夫氏などはこの部分を強調している。だが、当書の著者森 健氏は"いかにウェブに大量の情報があろうとも、そもそもほとんどのページが見られていない。ネット・コミュニティーを事実上少数の人々がリードし、大多数はそれに同調するか埋もれていってしまう"という趣旨のことを主張する。

昨今、格差社会という言葉をよく聞く。金持ちはより金持ちになる。「美しい方はいっそう美しく、そうでない方はそれなりに...」ではなくますます××になっていくような、勝ち組・負け組とやらでくくりたがる社会である。
このことは第5章「スケールフリー・ネットワーク」−金持ちほどますます金持ちになる理由 のところで述べられている。金持ちほどケチだから、じゃありませんよ(笑)

ITの発達は間違いなく格差社会に手を貸していると感じる。
まして政治の世界において、ブッシュだの小泉だのが、まったく別の思惑でそれを加速するようなことばかりやっているのだから、世の中格差社会にならないはずがないのであります。

<情報が多様化すればするほど、どうしても最適化された一極集中の情報を摂取せざるをえないのだ。

<人は劣勢に立たされると、ときに冷静さを失い、間違った情報や扇情的な情報によって、一極集中的な群衆行動を引き起こす。それをウェブのようなツールが後押しするのか、食い止めるのかは、情報を見極めるユーザー次第だ

本来、情報が多いということはそれだけ選択肢がひろがるはずである。
だが、実際はその逆であるという皮肉な現象が起こっている。今まで以上に、判断力を養っていかなければ、それと気づかぬまま情報の洪水の中に飲まれてはしまうということだ。どの論者も共通して指摘していることであり、本書はそれを説得力あふれる構成でこれでもかとばかりに提示してくる。今からのweb2.0時代、"みんなの意見"を鵜呑みにせず、自己を切り開きたい人にとっては必読の書であるといえるだろう。
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森 健 著『グーグル・アマゾン化する社会』(amazon)

2007.08.19 Sunday | 13:32 | web2.0 | comments(0) | trackbacks(0) |

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2017.03.26 Sunday | 13:32 | - | - | - |

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