映画のメモ帳+α

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名優・緒形拳逝く

あまりにも突然です。
日本を代表する俳優緒形拳さんが10月5日、肝がんによりお亡くなりになりました。
つい最近も映画『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』やテレビドラマ『風のガーデン』などに出演。
71歳にして、バリバリの現役だったのに。


緒形さんのプロフィールを観ると恥ずかしながら未見の作品が予想以上に多かった。
火宅の人』など数本しか見ていない。
それでも緒形拳の演技は山ほど見たような感触が残る。
1作ごとの印象が強烈だからだろう。

緒形さんといえばあるエピソードを思い出す。

僕は1999年4月28日、銀座のシャンテ・シネで上映されていたテオ・アンゲロプロス監督の『永遠と一日』という映画を観にいった。

 10/9 追記 当初記事では(記憶が定かでなかったため)おそらく『ユリシーズの瞳』のほうだろう、もしかしたら『永遠と一日』?という書き方をしていたのですが、調べてみたらどうも『永遠と一日』だった模様。記事修正しました。 参照

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作とあって、銀座のシャンテ・シネは超満員。
立ち見が出るほどであった。連休間際とはいえ平日のp.m4:30に観たんですよ...。
翌々日4/30のスポーツ紙でも『永遠と一日』大ヒット中!と報じられていたが記事を見て目が点になった。僕が鑑賞した翌日の4/29、あの緒形拳さんが劇場まで観に来ていた!
しかも満員のため座席を確保できず天下の緒形拳が劇場の通路階段に座って鑑賞していたとか...。

劇場担当者よ、これはあまりにも失礼じゃないの?と思ったものだが、
緒形さんが特別扱いされるのを拒否したのでしょう。気づかなかったなんてことはないよね?
翌日に観ていれば生・緒形拳を拝めたかもしれないのに...。
悔しさでいっぱいになった。

それにしても評判高い映画を一般の人に混じって、階段に座ってまで劇場鑑賞するなんて。さすが天下の名優は違う!と緒形拳に対する好感度がグンとあがったのをよく覚えている。

10月9日からフジテレビ系でスタートするTVドラマ『風のガーデン』(倉本聡脚本)は9月28日に撮影終了したばかり。緒形さんは9月30日までブログをほぼ毎日更新している。ブログは写真がメインだがとてもキレイ。芸能人ブログにありがちな写メではない。こんなところにも緒形さんのアーティストとしてのこだわりが感じられる。ちなみに最後の記事はドラマの記者会見の模様を記しており、"是非是非 ご覧下さい。"で締められている。

 追記
ブログが更新されていてびっくりしました。引き継いでいるのは幹太さん?直人さん?


緒形さんは8年ほど前から肝炎を患い、約5年前に肝がんに移行していた。
そのことは家族しか知らず、長男で俳優の緒形幹太さん、緒形直人さんらは「絶対に仕事関係の人に言うな」と固く口止めされていたという。

それにしても『風のガーデン』のクランクアップから1週間後の死去。
きしくもドラマの放映開始4日前とは!
誰も望まない形での"最高の宣伝"となってしまった。
緒形拳は散りぎわまで役者そのものだ。

大女優イングリッド・バーグマンの墓には「人生の最後まで演技をし続けた」と書かれている。
この言葉はそっくりそのまま緒形拳にあてはまる。

心からご冥福をお祈りします。
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2008.10.08 Wednesday | 01:36 | 映画 | comments(4) | trackbacks(1) |

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2020.08.03 Monday | 01:36 | - | - | - |

コメント

moviepadさん、こんにちは。
いつも楽しみに拝見しています。
緒形拳さんの『永遠と一日』ついての記事興味深く読みました。私もこの映画を見たからです。
昨日、『風のガーデン』の第一回目を見て、
名作の予感がしています。

ずっと、キム・ギドク監督の特集?をやっておられたので、「サマリア」を見てみました。
不思議な世界観の持ち主で魅力がありますね。
2008/10/12 9:12 AM by honyomi
honyomiさん、こんばんわ

『永遠と一日』は素晴らしい作品なので
緒形さんも満足されたのではないでしょうか?

『風のガーデン』、そしてNHKで再放送されたドラマ『帽子』を
僕も見ました。
『風の〜』のほうは1回目なので、まだ序章って感じでしたが
中井貴一との対決場面などの見せ場が後にあるようなので
今から楽しみにしています。

『帽子』での緒形さんの演技は最高でした。
歩き方、手のふりかた、笑顔、若者にげんこつをお見舞いする場面...
初老の帽子職人をなんともかわいらしく(失礼)演じていました。
70代、80代の緒形さんの演技を観たかった...。本当に残念です。

キム・ギドクについてはハイ、特集です(笑)
内容が強烈なので、好き嫌いがはっきり分かれる監督だと思いますが、
『サマリア』がOKだったのなら他の作品も大丈夫でしょう。
2008/10/12 7:35 PM by moviepad
大物であっても、1人の映画ファンとして、私たちと同じ状況で映画を観る・・・
本当に映画が好きなんですよね。
映画ファンとして、役者として、本当に素晴らしい方だったと思います。
「人生の最後まで演技をし続けた俳優」として、心に刻み付けておかないといけません。
お悔やみ申し上げます。
2008/10/14 9:19 AM by
亮さん、こんばんわ

銀座のシャンテ・シネは
IR有楽町駅から徒歩5分くらいの場所にある
ミニシアターです。

すぐ近くに小さな広場があって、
そこにはハリウッドを真似て?
有名スターの手形が展示されています。
緒形拳さんの手形もあったと記憶しております。

そんな場所にあるミニシアターに
緒形拳さん本人が一般客として
表れるというのは驚きであります。
人目につかないように客席が暗くなってから入場したら
満員で座れなかったというのが実情だと思いますが...。

緒形さん自身、カンヌ映画祭パルムドール受賞作『楢山節考』をはじめ
カンヌ映画祭出品作に出演されていますし、やはりカンヌパルムドール作品は気になるのでしょう。
巨匠テオ・アンゲロプロス監督、名優ブルーノ・ガンツ主演ですし...。
俳優としての飽くなき探究心が劇場に向かわせたのだと思います。

それと、こういうことは憶測ではあまり書きたくないのですが...。
緒形さんはこのエピソード時期である1999年頃から慢性肝炎を患っていたそうです。
『永遠と一日』の、死を強く意識した作家が「とりあえず一日を生きる力を取り戻る」という
内容に、ひとりの人間として惹かれるものがあったのではないか?
と思ったりもしております。
2008/10/14 10:28 PM by moviepad

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