アイアンマン
アイアンマン(2008 アメリカ)
原題 IRON MAN
監督 ジョン・ファヴロー
脚本 マーク・ファーガス ホーク・オストビー
アート・マーカム マット・ハロウェイ
撮影 マシュー・リバティーク
音楽 ラミン・ジャヴァディ
出演 ロバート・ダウニー・Jr ジェフ・ブリッジス
テレンス・ハワード グウィネス・パルトロー
ショーン・トーブ サミュエル・L・ジャクソン
第81回(2008年)アカデミー賞視覚効果、音響効果編集賞ノミネート
アメリカでは大ヒットしたのに、日本ではさっぱり客が入らない。最近、こういうケースが目立って多い。まずはコメディ映画。たとえアメリカで興行収入1億ドルを突破していても日本はDVDスルー、というパターンは珍しくなくなっています。コメディ映画の後塵を追うのが、アニメとアメコミ原作映画。ピクサー製作アニメや『スパイダーマン』シリーズといった例外はありますが...。『アイアンマン』はアメリカで興収3億ドル突破のアメコミ原作映画です。内容的にアメコミ特有のダークさはなく、ウルトラマンを彷彿させるようなシンプルなヒーロー物語。日本ではどう転ぶでしょうか?
原題 IRON MAN
監督 ジョン・ファヴロー
脚本 マーク・ファーガス ホーク・オストビー
アート・マーカム マット・ハロウェイ
撮影 マシュー・リバティーク
音楽 ラミン・ジャヴァディ
出演 ロバート・ダウニー・Jr ジェフ・ブリッジス
テレンス・ハワード グウィネス・パルトロー
ショーン・トーブ サミュエル・L・ジャクソン
第81回(2008年)アカデミー賞視覚効果、音響効果編集賞ノミネート
アメリカでは大ヒットしたのに、日本ではさっぱり客が入らない。最近、こういうケースが目立って多い。まずはコメディ映画。たとえアメリカで興行収入1億ドルを突破していても日本はDVDスルー、というパターンは珍しくなくなっています。コメディ映画の後塵を追うのが、アニメとアメコミ原作映画。ピクサー製作アニメや『スパイダーマン』シリーズといった例外はありますが...。『アイアンマン』はアメリカで興収3億ドル突破のアメコミ原作映画です。内容的にアメコミ特有のダークさはなく、ウルトラマンを彷彿させるようなシンプルなヒーロー物語。日本ではどう転ぶでしょうか?
『ダークナイト』の興行成績が日本で奮わなかったことは、映画業界にとって深刻な問題でしょう。マーケットの大きさでは日本はアメリカについで世界第2位。その日本でコケた。世界中で大ヒット、内容的にも大絶賛を受けているのに...。「日本人はアメコミ映画が嫌い」なことが世界に向けて完全に立証されてしまった感があります。
おまけに『インクレディブル・ハルク』は日本で興行ベスト10に一度も入らない大惨敗。日本市場におけるアメコミ映画の可能性に対して絶望感が広がっている。まさに最悪のタイミングで『アイアンマン』は日本公開されました。
映画会社もあまり期待していないのか、予告編もさえない出来で、先行上映もない。公開初日に「かんたんカミロボアイアンマン」なんて今どき小学生でも喜ばない、しょぼ〜いプレゼントを観客に配ってお茶を濁す始末。とほほ...。
長ったらしい嘆き節はいいから早く映画の内容に入れ!
...はい、大変失礼しました。
さて、『アイアンマン』です。
まず、「自分たちが絶対的な正義であり、敵は巨悪である」というアメリカ人の単純な思考体系が今のご時世においてそのまま出ていることに戸惑います。その理由は原作にありそうです。
原作は1963年にスタン・リーら4人のクリエイターによって発表されたコミック。ベトナム戦争の時期に発表されたのがミソです。主人公のトニー・スタークは軍事企業スターク・インダストリーズの社長で、発明家でもある。新兵器をテストするため、ベトナムを訪れた際、地雷を踏んでしまい、現地のゲリラに捕まってしまう。心臓近くに破片がつきささり、命が危ぶまれるが、ゲリラは新兵器を開発することを条件に彼を助ける。だが、彼は新兵器開発とみせかけてパワードスーツをつくり敵を一掃する...。
映画の設定では、ベトナムがアフガニスタンに変わっています。
アメリカ人の「自分たちは正義で、敵は悪」という価値観が崩れ始めたのはベトナム戦争がひと段落してから。映画では舞台を変えただけであとは原作をそのまま流用してしまったため、感覚的に今の時代に合わなくなっている気がします。まあ、今でも似たようなことを思っているアメリカ人は少なからずいるでしょうが...。
でも映画『アイアンマン』において、その辺をマジメに突っ込むのは野暮というもの。社会性・現代性はこの映画のテーマとは思えないからです。上記内容は単なる物語設定だと割り切っている感がある。
また、物語は非常にシンプルです。軍事企業CEOトニー(ロバート・ダウニー・Jr)が自社兵器が敵であるテロ組織にわたっていることにショックを受け、その償いのため、軍需産業をやめアイアンマンとなってテロ撲滅を図る...。
「死の商人」と非難されてもどこ吹く風、戦争でもうけている軍事産業のCEO様がそんなことするなんでありえねえ〜!と文句をつけるのも野暮です。なぜなら、この映画はパワードスーツを着た男の大活躍を描く単純な英雄物語だからです。主人公は、全世界の不幸を一身に背負っているかのようにうじうじと悩んだりしません。思い立ったら即行動。また、ヴィラン(敵)はあくまでヴィラン。『スパイダーマン』や『バットマン』シリーズのようにヴィランに強烈な個性をもたせたりしていません。この単純明解さが従来のアメコミ映画とひと味違うところです。
また、『スパイダーマン』のように、かわいくない男女のダラダラとした恋愛エピソードもありません。トニーと秘書のペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)との間にロマンスがほのめかされますがこれも実にあっさりしたもの。ネットリとした心理描写などなく実にテンポよく進んでくれます。
それでもこの映画は面白いです。それゆえ、といったほうがいいかもしれません。主演のロバート・ダウニーJr.は大きな目をくりくりさせて時にはシビアに、時には少年のような表情で観客を釘付けにします。この演技のさじ加減が絶妙で、決して軽薄には見えない。大金持ちの軍事企業CEOという誰も感情移入できそうもないキャラクターを実に魅力的に見せてくれます。
でも、この映画の最大の売りはパワードスーツの製作過程でしょう。最初の段階では、ブリキのおもちゃみたいだったのが(誰かがロボコンみたいだと言っていました)だんだんとバージョン・アップして最後には赤と金色のイカしたスーツに変わっています。バットスーツよりこっちのほうがずっとかっこいい!観客席では「あれはガンダムのぱくりだ」と怒っている人がいましたが、どうなんでしょうね(笑)。ヒーロー物のメカにこだわる人ならこの映画はかなり楽しめるのではないでしょうか?
社会性だの、恋愛だの、強烈な個性をもつ悪役だの、いろんな要素をぶちこみたがる映画が多い中、『アイアンマン』は今どき珍しいほどシンプルなヒーロー映画です。その潔さに惚れました(笑)。アメコミ嫌いな人でもこの作品なら大丈夫じゃないでしょうか?単純に面白い映画です、はい。
※ 10/16 追記
既に続編が2010年5月7日に全米公開されることが決定している『アイアンマン』ですが、ローズ大佐役のテレンス・ハワードがギャラを理由に降板、ドン・チードルが代役をつとめるという噂がかけめぐっています。他のキャストは続投有力だそうです。原作ではローズ大佐もスーパーヒーローになるらしいのですが...。ドン・チードルがスーパーヒーロー???source
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・アイアンマン@映画生活
おはようございます★
TBコメントありがとうです
無駄な恋愛は描かずにテンポよく
アメコミならではの良さを引き出していましたよね♪
女子でも楽しめると思いマス^^
細かい突っ込みはほんとこれには不要ですよね★
次回も楽しみですー♪